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商標拒絶査定不服審判

2022-015790

ユノユンホ、ユノ、ユンホ

審判番号
2022-015790
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-006383
請求日
2022年10月04日
審決日
2023年11月30日
公報発行日
2024年05月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社エスエム・エンタテインメント
  • 【請求人代理人】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 雅也
  • 審判官 山田 啓之
  • 審判官 青野 紀子
分類
T18 .13 -Z (W09) / T18 .272-Z (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、商標法第10条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-6383拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は「ユノ ユンホ」の文字を標準文字にて表してなり、第9類「レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,映写フィルム,スライドフィルム」を指定商品として、平成3年1月26日に登録出願された商願2021-8238に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同4年1月21日に登録出願されたものである。 本願は、令和4年1月26日付けで拒絶理由の通知がされ、同年5月2日付けで意見書が提出されたが、同年6月28日付けで拒絶査定がされたものである。 これに対して、令和4年10月4日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「ユノ ユンホ」の文字を標準文字で表してなるところ、「ユノ ユンホ」は、韓国の音楽グループ「東方神起」のメンバーとして我が国でも著名であるから、本願商標に接する者は、かかる人物を表示したものと容易に認識し得るものである。ところで、いわゆる音楽CDや映像DVD等には、その媒体の表面ないしジャケットに、音楽CDや映像DVD等に記録された内容(コンテンツ)を総称するタイトルや個々の収録曲のタイトルのほか、その収録曲を歌唱する歌手等の名前も表示されていることは、これら商品の需要者に広く知られているところであり、通信ネットワークを通じた音楽・映像等の販売や提供においても同様のことがいえる。そうすると、著名な音楽グループのメンバーとして認識される本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、本願商標を当該商品の製造・販売元として認識するというよりは、当該商品に係る出演者等が、前記グループのメンバーである「ユノ ユンホ」であることを表示したものとして認識する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「ユノ ユンホ」と何ら関係のない商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号について 商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。 そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決がされた時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品に使用された場合に、本願商標の指定商品の取引者、需要者によって、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(平成27年(行ケ)第10107号判決)。 そして、「レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」においては、当該商品に係る収録曲を歌唱する者、又は映像に出演し歌唱している者が誰であるかは、当該商品の主要な品質(内容)に該当するというべきである(平成25年(行ケ)第10158号判決)。 (2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、上記1のとおり、「ユノ ユンホ」の文字を標準文字にて表してなるところ、原審で提示した証拠(別掲1)によれば、「ユノ ユンホ」の文字からは、韓国の音楽グループ「東方神起」のメンバーの一人を表したものと認識されることが認められる。 ところで、原審説示のとおり、いわゆる音楽CDや映像DVD等には、その媒体の表面ないしジャケットに、音楽CDや映像DVD等に記録された内容(コンテンツ)を総称するタイトルや個々の収録曲のタイトルのほか、その収録曲を歌唱する歌手等の名前も表示されていることは、これら商品の需要者に広く知られているところであり、通信ネットワークを通じた音楽・映像等の販売や提供においても同様のことがいえる。 そして、これらの実情及び「ユノ ユンホ」に係る音楽CD等が販売されていることは、別掲2ないし8のとおり、当審における職権調査からも、うかがい知ることができる。 以上よりすると、「ユノ ユンホ」の文字からなる本願商標を、その指定商品「レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,映写フィルム,スライドフィルム」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品に係る収録曲を歌唱する者、又は映像に出演し歌唱・演技等する者(出演者)を表示したもの、すなわち、商品の品質(内容)を表示したものとして一般に認識するというのが相当である。 また、本願商標は、標準文字のみからなるものであるから、普通に用いられる方法で表示する標章といえる。 したがって、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。 また、本願商標を、「ユノ ユンホ」が出演等しない品質(内容)の商品に使用するときは、「ユノ ユンホ」が出演等しているとの誤解を与える可能性があり、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、取引上、アーティスト名を特定人(当該アーティストが所属するレコード会社や芸能事務所)に独占的に使用させたとしても、公益上問題となるような事態は想定しえない旨、周知性又は著名性の認められるアーティスト名には独占適応性が認められてしかるべき旨主張する。 また、請求人は、アーティスト名について商標法による独占排他権が与えられないならば、アーティスト名をかたった第三者によるアップロード・CD等の販売が横行し、アーティスト自身の利益を十分に守ることができない旨、当該アーティストの商品の購入を希望する需要者や取引者に無用な混乱を生じさせることにもつながる旨主張する。 ところで、著作権法では、歌手等の実演家(同法第2条第1項第4号)には、実演家人格権を含む実演家の権利が定められており(同法第89条第1項)、実演家は、その実演(著作物を・・・演奏し、歌い、・・・その他の方法により演ずること。同法第2条第1項第3号。)の公衆への提供又は提示に際し、その氏名若しくはその芸名その他氏名に代えて用いられるものを実演家名として表示し、又は実演家名を表示しないこととする権利を有しており(氏名表示権。同法第90条の2第1項。)、実演を利用する者は、その実演につき既に実演家が表示しているところに従って実演家名を表示することができ(同条第2項)、また、実演を公衆に提供し、又は提示する者は、その実演家の死後においても、実演家が生存しているとしたならばその実演家人格権の侵害となるべき行為をしてはならないこととされている(同法第101条の3)。 このように、実演家は、実演家人格権としての氏名表示権を有しており、実演を利用する者は、実演家の死後においても、実演家が生存しているとしたならばその実演家人格権の侵害となるべき行為をしてはならないとされており、このことは、実演家の権利の存続期間(実演から70年。著作権法第101条第2項。)の満了後も同様と解される。 そうすると、本願の指定商品における歌手名等のアーティスト名について、これを当該アーティストが所属するレコード会社や芸能事務所に商標権として独占させた場合、レコード会社や芸能事務所を移籍したときの移籍先又は実演家の権利の存続期間満了後における当該実演の利用者は、アーティスト名を表示した場合には商標権侵害となり、表示しなかった場合には氏名表示権を侵害することとなり、いずれにおいても、当該実演の利用ができないこととなってしまう。 してみると、本願の指定商品における歌手名等のアーティスト名については、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるといえ、たとえ当該アーティストが所属するレコード会社や芸能事務所であっても、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないものといわなければならない。 そして、周知性又は著名性の認められるアーティスト名については、当該アーティストがより良い条件のレコード会社や芸能事務所へ移籍する可能性も高まるし、実演家の権利の存続期間満了後における当該実演が利用される可能性も高まるといえる。 そうすると、周知性又は著名性の認められるアーティスト名については、なおさらに独占適応性を欠くものといわなければならない。 さらに、アーティスト名をかたった第三者によるアップロード・CD等の販売に対しては、例えば「歌唱の実演」を指定役務とした商標権の取得や著作権法等により、適切な対処が可能であるといえる。 イ 請求人は、本願商標が、「ユノ ユンホ」が所属する請求人の出所識別標識として機能している旨、また、本願商標が商品の品質であるというのは、それは需要者の認識の一面を示すものとしては妥当であるものの、需要者が、本願商標がその指定商品に付されている場合に認識する全ての状況を示したものではないとして、米国の合衆国連邦控訴裁判所判決の判旨を挙げている。 しかしながら、本願商標が自他商品の識別力を欠くものとして商標法第3条第1項第3号に該当することは上記(2)のとおりであり、かつ、独占適応性を欠くものであることは上記アのとおりであるから、たとえ、請求人の主張する合衆国連邦控訴裁判所判決があるとしても、そのことによって、上記(2)の判断が左右されるものではない。 ウ 請求人は、米国・英国・韓国・オーストラリアでは、アーティスト名に商標登録可能性が認められ、日本でも同様に取り扱うことが制度の国際的調和にかなう旨主張する。 しかしながら、出願に係る商標が登録要件等を具備しているか否かについては、当該出願に係る国の法令及びその国の商取引の実情等に照らして判断がなされるべきものであるから、諸外国の商標審査事情をもって、本願商標が自他商品の識別機能を有するということはできない。 エ したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-015790

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