商標取消審判
2021-300317
アソシアテッド
- 審判番号
- 2021-300317
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1972-097672
- 登録番号
- 1115305
- 請求日
- 2021年04月22日
- 審決日
- 2022年10月26日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】雷虎科技股▲ふん▼有限公司
- 【請求人代理人】SK弁理士法人
- 【請求人代理人】奥野 彰彦
- 【請求人代理人】伊藤 寛之
- 【被請求人】株式会社 ヨ コ モ
- 【被請求人代理人】松田 純一
- 【被請求人代理人】西村 公芳
- 【被請求人代理人】野田 薫央
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 佐藤 松江
- 審判官 鈴木 雅也
- 分類
- T131 .1 -Y (Y28)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条、商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第1115305号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第1115305号商標(以下「本件商標」という。)は、手書き風の「ASSOCIATED」の欧文字を横書きしてなり、昭和47年7月17日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同50年4月14日に設定登録され、その後4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、平成17年9月28日に第28類「ラジオコントロール模型,おもちゃ」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年5月11日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年5月11日から令和3年5月10日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(審決注:甲第1号証の項番は、重複しているため、令和3年10月13日差出に係る審判事件弁駁書の証拠番号甲第1号証ないし甲第4号証を、それぞれ甲第2号証ないし甲第5号証と読み替える。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)「ASSOCIATED」について、
「ラジオコントロールカー」の業界において、Associated Electrics, Incorporatedという米国の会社(以下「アソシエイテッド社」という。)が「Team ASSOCIATED」と呼ばれている(甲2、甲3)。
つまり、被請求人からの証拠資料中の「ASSOCIATED」は、この米国の会社を指すものとして業界では周知となっている。
そして、「ASSOCIATED」を付した被請求人の製品は、単に、アソシエイテッド社の「Team ASSOCIATED」を再現させることができるものにすぎず、被請求人が主張する「ASSOCIATED」の使用は、被請求人のブランドとしての使用に該当せず、商標の機能である自他商品等識別機能、出所表示機能及び品質保証機能を「ラジオコントロール模型」及び「おもちゃ」に対して発揮する態様での商標の使用に当たるとはいえない。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は、被請求人のウェブサイトからダウンロードできる2006年版のカタログであるため、要証期間の本件商標の使用証拠として認められない。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、被請求人が全社的に利用する販売管理システム「Type-p/REX」を用いて要証期間の「ASSOCIATED」と表示した商品の販売データを出力した結果である。
被請求人は、「ASSOCIATED」と表示した商品のパーツ番号は、「AS-」と、それに続く数字からなり、欧文字部分「AS」は「ASSOCIATED」の略であると主張しているが、乙第3号証にはそのような内容が具体的に開示されていない。よって、乙第3号証における「AS」と本件商標は、社会通念上同一の商標とは認められない。
たとえ、乙第3号証における「AS」と本件商標が、社会通念上同一の商標と認められるとしても、販売データにおける「品名」欄に記載されている商品は、本件審判の請求に係る指定商品に該当しないため、乙第3号証は、商標法第2条第3項第8号に規定される「商標の使用」を立証することができない。
(4)乙第4号証ないし乙第14号証について
乙第4号証は、被請求人のラジオコントロールカー専用デカールである「AEロゴデカール(ASSOCIATED Logo decal)(パーツ番号:AS-3820)と「RC-10TC3用デカルシート」(パーツ番号:AS-3829)の販売データである。
乙第5号証は、被請求人のウェブサイト内のオンラインショップに掲示されている「AEロゴデカール(ASSOCIATED Logo decal)」(パーツ番号:AS-3820)の画像であり、乙第7号証ないし乙第11号証は、当該商品の納品書である。
乙第12号証は、被請求人の商品「RC-10TC3用デカルシート」(AS-3829)のパッケージ写真であり、乙第13号証は、被請求人のウェブサイト内のオンラインショップに掲示されている商品の画像であり、乙第14号証は、当該商品の納品書である。
被請求人により提出されたこれらの証拠は、「ロゴデカール、デカルシート」、すなわち、第16類「デカルコマニー用転写紙及び転写画」に本件商標を付ける行為を証明するものである。さらに、乙第7号証ないし乙第11号証及び乙第14号証において、納品書の内容としては、「商品名」が「AEロゴデカール」及び「デカルシート」、「単価」が「350円」と記載されていることからみても、乙第7号証ないし乙第11号証及び乙第14号証は、第28類「ラジオコントロール模型,おもちゃ」に関する取引書類に本件商標「ASSOCIATED」を付して展示する行為とはいえない。
したがって、乙第4号証ないし乙第14号証のいずれも、本件審判の請求に係る指定商品の使用証拠として認められないものであり、商標法第2条第3項第1号及び同項第8号に規定される「商標の使用」を立証することができない。
(5)乙第15号証について
乙第15号証は、被請求人のオンラインショップの電子カタログで本件商標「ASSOCIATED」を検索する際のトップページの画像である。
しかし、被請求人のオンラインショップのホームページに接続すると、左側の「PRODUCTS」欄には、「ASSOCIATED」の関連商品に接続できるボタンは設置されていない(甲4)。
そうすると、被請求人が提供している乙第15号証は、使用証拠として、信憑性に乏しいものといわざるを得ない。
(6)乙第16号証について
乙第16号証は、株式会社ヨドバシカメラが運営するオンラインショップ「ヨドバシ・ドット・コム」で、被請求人の商品であるラジオコントロールカーの「YOKOMO RC-12R51ファクトリーチームキット アソシエイテッド」が販売されていたことを示すウェブページである。
被請求人は、「アソシエイテッド」の表示は本件商標と社会通念上同一の商標であり、株式会社ヨドバシカメラをライセンシーとみなせば、乙第16号証は商標の使用に該当すると主張している。
しかし、「ヨドバシ・ドット・コム」の利用規約における「3.著作物の正確性」には、「ヨドバシカメラは、本ホームページの内容に関する著作権、特許権、商標権その他の知的財産権をライセンスするものではありません。ヨドバシカメラは、本ホームページの内容の正確性について何らの保証も表明も致しません。」という内容が掲載されている(甲5)。
さらに、被請求人が提出した使用証拠には、「株式会社ヨドバシカメラ」が本件商標の専用実施権者又は通常使用権者であることを見いだすことができない。
よって、乙第16号証は、商標法第2条第3項第8号に規定される「商標の使用」を立証することができない。
(7)乙第17号証について
乙第17号証は、被請求人が答弁書で示すウェブサイトの掲示内容が要証期間にも掲載されていたことを証明するウェブサイト制作会社の証明書であるが、データログなどの証拠ではなく、ウェブサイト制作会社の宣言書にすぎない。
よって、乙第17号証は、使用証拠として、信憑性に乏しいものである。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証を提出した。
1 被請求人について
被請求人は、1973年創業の老舗のラジオコントロールカー模型メーカーである。
被請求人は、ラジオコントロールカー模型の製造、輸出入及び販売等の事業を行う法人であり、ラジオコントロールカーの分野で世界的に知られたメーカーである。チームヨコモとしてラジオコントロールカーのIFMAR世界選手権レースにも参戦し、過去の優勝回数は通算16回にのぼり、2016年と2017年には所属選手が世界チャンピオンを獲得している。また、世界最大級のラジオコントロールカーテーマパークである「つくばRCパーク」の運営や、当該施設内の直営ショップと被請求人ウェブサイト内のオンラインショップを運営し、全国の玩具店や個人からの注文に応じてラジオコントロールカーやそのパーツ及び附属品等を販売している。
また、被請求人は、前身の法人だった1970年頃から「ASSOCIATED」又は「TEAM ASSOCIATED」等と表示した商品(以下「アソシ商品」という。)も取り扱っており、被請求人がアソシ商品を遅くとも2006年には取り扱っていたことを示すものとして、被請求人のウェブサイトからダウンロードできる最も古いカタログ(2006年版)を示す(乙2)。
なお、被請求人は2018年以降に新たなカタログを作成していない。
被請求人は、アソシ商品について現時点で新たな製造等を行っていないが、要証期間に多数の販売実績がある。なお、アソシ商品のパーツ番号は、「AS-」と、それに続く数字からなり、欧文字部分「AS」は、「ASSOCIATED」の略である。
2 要証期間の本件商標の使用事例
被請求人が、要証期間に、指定商品「おもちゃ」に含まれるラジオコントロールカー模型やその附属品に本件商標を使用したことを以下で具体的に例示する。
まず、被請求人が全社的に利用する販売管理システム「Type-p/REX」を用いて要証期間の販売データを出力したところ、アソシ商品(パーツ番号が「AS」の商品)の販売履歴は約8500件だった(乙3)。
このリストの中から例えば、被請求人のラジオコントロールカー専用デカールである「AEロゴデカール(ASSOCIATED Logo decal)」(パーツ番号:AS-3820)と「RC-10TC3用デカルシート」(パーツ番号:AS-3829)の2種類の販売データが計10件存在する(乙4)。また、ラジオコントロールカー専用デカールは、上位概念の商品「おもちゃ」に含まれる。
(1)アソシ商品(AS-3820)の販売について
ア 被請求人のウェブサイト内のオンラインショップに掲載されているアソシ商品「AEロゴデカール(ASSOCIATED Logo decal)」(AS-3820)の画像を示す(乙5)。
また、被請求人が答弁書で示すウェブサイトの掲載内容が要証期間にも掲載されていたことを示すため、ウェブサイト制作会社の証明書を示す(乙17)。
当該オンラインショップの画面の下端の「会社概要」をクリックすると、被請求人の名称と住所が示されている(乙6)。
当該商品は、被請求人のラジオコントロールカー専用デカールである。この商品の右肩の表示「ASSOCIATED #3820」の後半「#3820」は、「パーツ番号3820」を意味するため、この表示は、本件商標と社会通念上同一の商標である。また、商品タイトル中の「ASSOCIATED Logo decal」の後半「Logo decal」部分は、商品の種別を示す語であるため、この表示は、本件商標と社会通念上同一の商標である。さらに、画面左側の商品のカテゴリータグに「ASSOCIATED」と表示しており、この表示は、本件商標と社会通念上同一の商標である。これらの表示は、商標法第2条第3項第1号に規定する商品への商標の使用や、同条同項第8号に規定する広告等における商標の使用に該当する。
2018年11月22日の納品書(乙7)は、当該日付に被請求人が上記アソシ商品(AS-3820)を株式会社スーパーカンパニーが運営する小売店舗「スーパーラジコン 博多店」からの注文に応じて販売したことを示すものである。
イ 2019年3月26日の納品書(乙8)は、当該日付に被請求人がアソシ商品(AS-3820)を株式会社エンジェルスジャパンが運営する小売店舗「RCアドバイザーチャンプ相模原店」からの注文に応じて販売したことを示すものである。
ウ 2019年6月12日の納品書(乙9)は、当該日付に被請求人がアソシ商品(AS-3820)を株式会社エンジェルスジャパンが運営する小売店舗「RCアドバイザーチャンプ相模原店」からの注文に応じて販売したことを示すものである。
エ 2019年7月22日の納品書(乙10)は、当該日付に被請求人がアソシ商品(AS-3820)を株式会社エンジェルスジャパンが運営する小売店舗「RCアドバイザーチャンプ相模原店」からの注文に応じて販売したことを示すものである。
オ 2019年9月4日の納品書(乙11)は、当該日付に被請求人がアソシ商品(AS-3820)を株式会社エンジェルスジャパンが運営する小売店舗「RCアドバイザーチャンプ相模原店」からの注文に応じて販売したことを示すものである。
(2)アソシ商品(AS-3829)の販売について
被請求人のアソシ商品「RC-10TC3用デカルシート」(AS-3829)のパッケージ写真(乙12)及び被請求人のウェブサイト内のオンラインショップに掲載されている商品の画像(乙13)を示す。
当該商品は、被請求人のラジオコントロールカー専用デカールである。当該商品のタグの裏面に、被請求人の名称とパッケージング時の住所が表示されている。また、オンラインショップ画面の下端のリンクから被請求人の名称と現在の住所が示されていることは前述のとおりである。
この商品の右肩の表示「ASSOCIATED PART #3829」の後半「PART #3820」は、「パーツ番号3829」を意味するため、この表示は、本件商標と社会通念上同一の商標である。さらに、オンラインショップ画面左側の商品のカテゴリータグに「ASSOCIATED」と表示しており、この表示は、本件商標と社会通念上同一の商標である。これらの表示は、商標法第2条第3項第1号に規定する商品への商標の使用や、同条同項第8号に規定する広告等における商標の使用に該当する。
2019年2月1日の納品書(乙14)は、当該日付に被請求人がアソシ商品(AS-3829)を個人が運営する小売店舗「HOBBY THE TOMY 前橋下大島店」からの注文に応じて販売したことを示すものである。
(3)被請求人オンラインショップの表示
被請求人のオンラインショップの電子カタログでアソシ商品を検索する際のトップページの画像を示す(乙15)。
当該ページには、被請求人の商品であるラジオコントロールカーの写真が示されており、タイトルの「PRODUCTS → ASSOCIATED」の前半の「PRODUCTS」部分は「製品」を意味するため、このタイトルの表示は、本件商標と社会通念上同一の商標である。また、ヘッダー付近の表示「HOME > PRODUCTS > ASSOCIATED」の間の2つの「>」は、ウェブサイト上の階層の違いを示しているため、この表示は、本件商標と社会通念上同一の商標である。
これらの表示は、商標法第2条第3項第8号に規定する広告等における商標の使用に該当する。
(4)株式会社ヨドバシカメラのオンラインショップ
株式会社ヨドバシカメラが運営するオンラインショップ「ヨドバシ・ドット・コム」で、被請求人の商品であるラジオコントロールカーの「YOKOMO RC-12R51ファクトリーチームキット アソシエイテッド」が販売されていたことを示すウェブページが残っている(乙16)。
当該「アソシエイテッド」の表示は本件商標と社会通念上同一の商標であり、ページ内の「販売開始日:2018/07/11」の表示から、この頃に被請求人からヨドバシカメラにアソシ商品を販売したことが推認できる。また、ヨドバシカメラをライセンシーとみなせば、当該ページの表示が商標の使用に該当する。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、次の事実が認められる。
(1)本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、ラジオコントロールカー模型のメーカーである(被請求人主張)。
(2)乙第2号証は、本件商標権者が、2006年(平成18年)10月に発行したラジオコントロールカー模型の商品カタログであり、当該商品カタログには、「ae」の文字からなるロゴマーク(以下「aeロゴ」という。)の下、「アソシエイテッドキット」と称する数種の商品が掲載されており、各商品には「RC-・・・」のように「RC」で始まる品番が付されている。
(3)乙第5号証は、本件商標権者に係るオンラインショップのウェブサイトであり、「PRODUCTS」の項に「AE ロゴ デカール/ASSOCIATED Logo deca1」及び「Price/385 yen(税込)」の表示の下、「ASSOCIATED ♯3820」の商品画像(「aeロゴ」のデカール)が掲載されている。
(4)乙第12号証は、「aeロゴ」、「RC10」、「TC3」の文字からなるロゴマーク等のデカルシート(以下「使用商品」という。)を透明な包装用袋に入れ、商品タグを付したものの表面の写真画像及び裏面の写真画像であり、表面の写真画像の透明な包装用袋に入った使用商品には、右上に「ASSOCIATED PART#3829」の文字の記載、右側の商品タグに「AS-3829」、「RC-10TC3用」、「デカルシート」及び「¥350」の記載がある。裏面の写真画像の商品タグには「輸入・発売元 (株)ヨコモ」及び本件商標権者の旧住所である「東京都足立区綾瀬5-23-7」の記載がある。
(5)乙第13号証は、本件商標権者に係るオンラインショップのウェブサイトであり、「PRODUCTS」の項に「RC-10TC3用 デカルシート/TC3 Deca1 sheet」及び「Price/385 yen(税込)」の表示、並びに、上記(4)の使用商品と同一内容のデカルシート「ASSOCIATED PART#3829」の商品画像が掲載されている。
(6)乙第17号証は、本件商標権者のウェブサイトの作成を行うウェブサイト制作会社代表取締役の陳述書であり、「AEロゴデカール (ASSOCIATED Logo decal」(AS-3820)及び「RC-10TC3用デカルシート」(AS-3829)に係るウェブサイトの各ページが、2018年5月11日から2020年6月24日の期間内に表示されていた旨述べている。
(7)乙第14号証は、本件商標権者が「HOBBY THE TOMY」に宛てて作成した納品書(控)であり、本件商標権者は、2019年2月1日を売上日付として、「HOBBY THE TOMY」に対し、「商品コード/品名」が「AS-3829/デカルシート」、「RC10TC3用」及び「小売単価」が「350」の商品を納品した旨の記載がある。
2 前記1において認定した事実を総合勘案すれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「ASSOCIATED」の欧文字を手書き風に横書きしてなるものである。
一方、上記1(4)のとおり、使用商品には、「ASSOCIATED PART#3829」の文字の記載があるところ、後半の「PART#3829」の文字及び記号はパーツ番号を表したものであって、前半の「ASSOCIATED」の文字が自他識別力を有する独立した商標として認識されるものである(以下、当該「ASSOCIATED」の文字を「使用商標」という。)。
そうすると、本件商標と使用商標とは「ASSOCIATED」のつづりが共通であり、称呼及び観念も同一であるから、使用商標は本件商標と同一又は社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
上記1(4)のとおり、使用商品は、デカルシートであるところ、本件商標権者の事業内容(ラジオコントロールカー模型のメーカー)、商品カタログやウェブサイトの記載内容(乙2、乙5、乙13)、使用商品の商品写真の内容及び商品タグの「RC-10TC3用」、「デカルシート」の記載(乙12)よりすれば、使用商品は品番RC-10TC3のラジオコントロールカーを装飾するために車体等に貼り付ける専用シールであり、「ラジオコントロールカー」専用の部品・付属品とみるのが相当である。
そうすると、使用商品は、本件審判の請求に係る指定商品「ラジオコントロール模型,おもちゃ」の範ちゅうに含まれる商品であると認められる。
(3)使用行為及び使用時期について
上記1(7)によれば、本件商標権者は、2019年2月1日に、HOBBY THE TOMYに対し、「商品コード/品名」が「AS-3829/デカルシート」「RC10TC3用」及び「小売単価」が「350」の商品を納品したとされるところ(乙14)、乙第12号証の写真の使用商品に付された商品タグの「AS-3829」、「RC-10TC3用」、「デカルシート」及び「¥350」の記載と、商品コード「AS-3829」、品名「デカルシート」、ハイフン(-)の有無はあるとしても「RC(-)10TC3用」の用途、及び単価「(¥)350」が一致することから、納品した商品は、使用商品と認められる。
そうすると、本件商標権者は、平成31年(2019年)2月1日に、HOBBY THE TOMYに対し、使用商標を付した使用商品を納品、すなわち引き渡したといえる。
そして、上記取引時期(平成31年2月1日)は、要証期間である。
(4)小括
以上によれば、本件商標権者は、要証期間である平成31年2月1日に、本件商標の指定商品「ラジオコントロール模型,おもちゃ」に含まれる「ラジオコントロールカー専用のデカルシート」に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したものを引き渡した(商標法第2条第3項第2号)ということができる。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、ラジオコントロールカーの業界において、「ASSOCIATED」は、アソシエイテッド社を指すものとして周知となっており、本件商標権者による使用商標の使用は、単にアソシエイテッド社の「Team ASSOCIATED」を再現させるにすぎず、本件商標権者のブランドとしての使用に該当せず、商標としての機能を「ラジオコントロール模型」及び「おもちゃ」に対して発揮する態様での使用に当たらない旨主張し、甲第2号証及び甲第3号証を提出している。
しかしながら、前記1(4)のとおり、使用商標は、使用商品の商品タグに表示されているから、このような使用態様は、本件商標権者に係る商標としての機能を発揮する態様での使用に当たるというべきである。
なお、請求人の提出に係る甲第2号証及び甲第3号証は、請求人による日本語の説明が記載されているとしても、いずれも英語で記載されたウェブサイトの写しであり、我が国のラジオコントロールカーの業界における取引の実情を裏付けるものでもない。
(2)また、請求人は、被請求人により提出された証拠(乙5、乙12~乙14)は、第16類「デカルコマニー用転写紙及び転写画」に使用するものであって、本件審判の請求に係る指定商品に使用する証拠とはいえない旨主張しているが、上記2(2)のとおり、使用商品は、本件審判の請求に係る指定商品「ラジオコントロール模型,おもちゃ」の範ちゅうに含まれる商品であると認められるものである。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者が、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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