商標取消審判
2025-300182
バランス
- 審判番号
- 2025-300182
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1955-017466
- 登録番号
- 0480611
- 請求日
- 2025年02月25日
- 審決日
- 2026年01月29日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】シンサン トンサン カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人BORDERS IP
- 【請求人代理人】小暮 君平
- 【請求人代理人】福井 孝雄
- 【請求人代理人】永露 祥生
- 【被請求人】美津濃株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T132 .1 -Y (Y28)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第480611号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第480611号商標(以下「本件商標」という。)は、「BALANCE」の欧文字と「バランス」の片仮名とを上下二段に書してなり、昭和30年6月28日に登録出願、第65類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同31年5月9日に設定登録され、その後、複数回にわたり存続期間の更新登録がなされ、平成18年9月27日に、第6類、第8類、第9類、第19類ないし第21類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品に指定商品の書換登録、その後、同28年4月19日に区分を減縮する存続期間の更新登録がなされた結果、第28類「運動用具(体育用器械器具・体操用器械器具・スターターピストル・スケート靴を除く。)」を含む商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、その商標権は現に有効に存続しているものである。
また、本件審判請求の登録日は、令和7年(2025年)3月13日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和4年(2022年)3月13日ないし同7年(2025年)3月12日である(以下「要証期間」という。)。
2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の指定商品中、第28類「運動用具(体育用器械器具・体操用器械器具・スターターピストル・スケート靴を除く。)」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中、請求に係る指定商品については、過去継続して3年以上日本国内において使用されていた事実は見いだせなかった。
(2)請求人は、令和7年4月25日付け審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
以下、証拠に記載に当たっては、「乙第〇号証」を「乙〇」のように省略して記載する。
(1)要約
請求人は、本件商標に対して、「商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中、請求に係る指定商品についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」として審判を請求している。
しかしながら、被請求人は、請求に係る指定商品について、本審判請求日の予告登録日である令和7年3月13日から遡って3年間の間に、日本国内において、商標権者が本件商標を使用していたことを立証する。
(2)立証
被請求人は、乙第1号証として、商標権者が2025年2月に日本国内で発効したカタログ「MIZUNO SPORTS 2025」(以下「本カタログ」という。)の要部複写を提出する。本カタログが2025年2月に商標権者によって発行されたことは本カタログ裏表紙に記載されている。
本カタログの1葉目から3葉目には、INDEXとして、本カタログに掲載される商品が17の競技種目に分類され、さらに競技種目毎に、商品の普通名称や用途により掲載商品が細分類表示されている。項目分けされた17の競技種目のうちの項目15には、競技種目「フィットネス・パーソナルフィットネス・スポーツレクリエーション」のカテゴリで取り扱われる商品として、「パーソナルフィットネス」用の商品と「スポーツレクリエーション」用の商品が掲載されていることが表示されている。
そして、本カタログの「15 フィットネス・パーソナルフィットネル・スポーツレクリエーションの6頁(15-006)には、その右上部に「[BALANCE[パーソナルフィットネス]]」の表示がなされ、当該頁において左上から順に「バランスボールセーフティ(ポンプ付)、ソフトバランスボール、バランスディスク、バランスシットエコ(ポンプ付)、フォームローラー半丸型ロング、フォームローラー半丸ショート、フォームローラーPro丸形ロング、フォームローラー丸型ショート、バランスポッド及びセラピーエッグ」の各商品が掲載されている。
これらの商品は、パーソナルフィットネス用の商品の一部であり、当該頁の右上の「[BALANCE[パーソナルフィットネス]]」の表記は、当該ページに掲載されたパーソナルフィットネス用の商品群の名称が「BALANCE」であることを明確に表すものである。
そして、本カタログに使用された商標「BALANCE」は、欧文字と片仮名の二段表記よりなる本件商標「BALANCE\バランス」の上段の欧文字部分を、観念同一のまま字体を変えて使用するものであり、本カタログに使用された商標「BALANCE」と本件商標「BALANCE\バランス」とは社会通念上同一の商標というべきものである。また、本カタログの6頁(15-006)に記載されたソフトバランスボールやバランスディスクなどのパーソナルフィット用の商品群は、請求に係る指定商品に該当するものである。
したがって、乙第1号証に示す本カタログにおける欧文字「BALANCE」の使用は、本件商標の使用に該当するものである。
なお、乙第1号証と同時に提出した乙第2号証は、商標権者が2024年2月に日本国内で発行したカタログ「MIZUNO SPORTS 2024」の要部複写であり、同じく乙第3号証は、商標権者が2023年2月に発行したカタログ「MIZUNO SPORTS 2023」の要部複写であり、これら乙第2号証及び乙第3号証より明らかなように、商標権者は標章「BALANCE」を請求に係る指定商品に継続的に使用していることを付言する。
(3)まとめ
以上のように、商標権者は、請求に係る指定商品について、要証期間に、日本国内において本件商標を使用しており、本件審判請求の理由は成り立たない。
4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る乙各号証及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証について
乙第1号証は、「MIZUNO SPORTS 2025」と表示された商品カタログの写し(一部)とされるものであるところ、その表紙の「MIZUNO」の記載及び裏表紙の「ミズノ株式会社」及び「2025年2月発行」の記載やその体裁から、2025年2月に商標権者により発行された商品カタログと推認できるものである。
また、同号証の2葉目及び4葉目の左上部に「INDEX」の見出しの下、各種スポーツ名やスポーツ用品又は器具等が記載され、4葉目の「15 フィットネス・パーソナルフィットネス・スポーツレクリエーション」の項には「パーソナルフィットネス」の記載がある。
さらに、同号証の7葉目の右上部に「[BALANCE[パーソナルフィットネス]]」の見出しの下、運動用具に含まれるパーソナルフィットネス用の商品の一部であるバランスボールやフォームローラーなどの商品(以下「使用商品」という。)が掲載されている。
そして、上記「[BALANCE[パーソナルフィットネス]]」の見出しの記載は、使用商品がパーソナルフィットネス用の商品の一部であり、これらの商品群を表すものとして「BALANCE」(以下「使用商標」という。)と表示しているといえる。
イ 乙第2号証及び乙第3号証について
乙第2号証は、「MIZUNO SPORTS 2024」と表示された商品カタログの写し(一部)、乙第3号証は、「MIZUNO SPORTS 2023」と表示された商品カタログの写し(一部)とされるものであるところ、各号証の表紙の「MIZUNO」の記載及び裏表紙の「ミズノ株式会社」及び「2024年2月発行」又は「2023年2月発行」の記載やその体裁から、これらは2024年2月又は2023年2月に商標権者により発行された商品カタログと推認できるものである。
また、乙第2号証及び乙第3号証の2葉目及び4葉目の左上部には、乙第1号証と同様に「INDEX」として、各種スポーツ名やスポーツ用品又は器具等が記載され、各号証の4葉目の「フィットネス・パーソナルフィットネス・スポーツレクリエーション」の項には、「パーソナルフィットネス」と記載されており、各号証の7葉目の右上部に「[BALANCE[パーソナルフィットネス]]」又は「BALANCE[パーソナルフィットネス]」の見出しの記載の下、乙第1号証と同様にバランスボールやフォームローラーなどの使用商品が掲載されている。
そして、各号証に掲載された使用商品には、乙第1号証と同様に使用商標が表示されている。
(2)判断
上記(1)によれば、以下のとおり判断できる。
ア 本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標は、「BALANCE」の欧文字を上段に「バランス」の片仮名を下段に書してなるところ、「BALANCE」の文字は、「バランス、安定」(「ジーニアス英和辞典」第6版)の意味を有する語であり、下段の「バランス」の片仮名は、上段の「BALANCE」の欧文字の表音を示すものといえるから、「バランス」の称呼及び「バランス、安定」の観念を生じる。
一方、使用商標は、「BALANCE」の欧文字よりなるところ、上記のとおり、「バランス」の称呼及び「バランス、安定」の観念を生じるものであり、使用商標と本件商標とは、片仮名の有無について相違はあるものの、欧文字部分のつづりを共通にするものであって、両者の欧文字部分から生じる「バランス」の称呼及び「バランス、安定」の観念において相違はないものといえるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
イ 使用商品について
商品カタログ(乙1~乙3)に掲載された使用商品は、運動用具に含まれるパーソナルフィットネス用商品の一部である「バランスボール」及び「フォームローラー」であるから、請求に係る指定商品「運動用具(体育用器械器具・体操用器械器具・スターターピストル・スケート靴を除く。)」に含まれる商品と認められる。
ウ 使用者、使用時期、使用行為について
使用商標が表示されている商品カタログ(乙1~乙3)には、商標権者名である「ミズノ株式会社」(原簿上の表示は「美津濃株式会社」)の記載があるから、使用商標の使用者は、商標権者である。
また、各商品カタログは、商品カタログが発行された2023年2月(乙3)、2024年2月(乙2)及び2025年2月(乙1)頃に商標権者によって頒布されたとみるのが自然であり、商品カタログが発行された時期はいずれも要証期間内である。
そして、各商品カタログに掲載された使用商品に使用商標を付して使用されていることは、上記(1)のとおりであり、当該商品カタログは日本語で記載されたものであるから、日本国内での使用が明らかである。
エ 小括
以上によれば、商標権者は、要証期間内に、日本国内において、請求に係る指定商品に含まれる使用商品を掲載したカタログに、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付して当該カタログを頒布する行為を行ったものであり、当該行為は、商標法第2条第3項第8号でいう、商品に関する広告に標章を付して頒布する行為に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その請求に係る指定商品に含まれる「バランスボール」及び「フォームローラー」について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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