商標取消審判
2021-300104
アデスト
- 審判番号
- 2021-300104
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2007-003322
- 登録番号
- 5134018
- 請求日
- 2021年02月17日
- 審決日
- 2022年11月09日
- 公報発行日
- 2023年01月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】磐城 照治
- 【被請求人】株式会社 テクリード
- 【被請求人代理人】藤本 英介
- 【被請求人代理人】神田 正義
- 【被請求人代理人】宮尾 明茂
- 【被請求人代理人】馬場 信幸
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 大山 健
- 審判官 鈴木 雅也
- 分類
- T132 .1 -Y (X42)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第4号、商標法第2条第3項第3号、商標法第2条第3項第6号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第7号、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5134018号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5134018号商標(以下「本件商標」という。)は、「ADDEST」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年1月18日に登録出願、第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を含む第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年5月9日に設定登録されたものである。
なお、本件審判請求の登録日は、令和3年3月4日である。
また、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年(2018年)3月4日ないし令和3年(2021年)3月3日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品及び指定役務中、第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」(以下「本件請求役務」という場合がある。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、本件請求役務について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第25号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 審判事件答弁書における主張
被請求人は、乙第1号証の「CORPORATE 企業情報」に示されるように、1993年6月1日に設立され、「コンピュータに関するシステムの企画・開発・製造及び販売、鉄骨製作業務のコンサルタント、コンピュータサプライ商品の販売」を主たる事業内容とし現在に至るまで事業活動を継続している企業である。そして、同号証において、企業の「沿革」欄に2007年6月より、「ADDEST」の名称を使用したシステムの販売を開始した旨が記載されている。したがって、被請求人は、ホームページ上において、本件商標「ADDEST」の名称を製品システムの広告宣伝に使用している。
また、被請求人は、鉄骨製作物の積算専用コンピュータシステムの商品名称とし、「ADDEST」を使用し販売している(乙2)。このパンフレットに記載のADDESTシステムは「システム装置:HP(ヒューレットパッカード社)製Z440、ディスプレイ装置:EIZO製19インチ液晶、OS:Cent OS Linux7、出力用プリンター:CANON製LIPS III/IV相当」の装置構成を有し、所用のソフトウェアを搭載した電気計算機システムであると容易に理解される。
乙第3号証は、ADDESTシステムの購入先に向けた「ADDEST」プログラム差し替え用のソフトウェア(V05R06)を記録したCDROMのラベル(写し)である。乙第3号証は、2020年2月19日に作成したADDESTシステム向けのソフトウェアを格納したものであるが、バージョンアップに対応するため当該ソフトウェアをADDESTシステムのユーザに提供しているものの一例である。
乙第4号証は、「鉄構技術2020年4月号」(雑誌)の71頁に掲載された、「CAD/CAM一貫システム型」記事中に、被請求人の販売する「ADDEST複合システム」がBIM(Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング))対応専用積算システムとして紹介されている。
乙第5号証は、一般社団法人 building SMART Japanのホームページにおいて、2017年度IFC検定合格のソフトウェアの一覧を示す。
乙第6号証は、「鉄構技術2020年12月号」の第116頁に記載の「特集:これからのBMIとは 建築BMI推進会議を受けて/株式会社テクリード/BMIを具備した鉄骨生産システム」の記事において、「当社システムでは、積算部署で「ADDEST」と呼ばれる専用システムにより鉄骨製品モデルを作成し」と「ADDEST」が鉄骨製品モデルを作成する専用システムであることを説明している。
以上説明した乙第1号証ないし乙第6号証から明らかなように、被請求人は、コンピュータシステムの製造・販売・メンテナンス会社であり、本件商標を、商品「鉄骨製作物の積算コンピュータシステム」に製品名称として使用している。
2 令和3年12月14日付け回答書における主張
被請求人は、「ADDEST」なる名称の鉄骨積算コンピュータシステムのソフトウェアを開発、設計、作成し、顧客に使用させて、保守を行う役務を提供している。
「●省略●」
したがって、被請求人は、「●省略●」に対して、少なくとも第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、電子計算機用プログラムの提供」というサービスを提供している。それゆえ、被請求人の行為は、提供を受ける者の利用に供する物(ソフトウェア)に「ADDEST」の標章を付したものであり、標章の使用を規定する、商標法第2条第3項第3号の「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為」に該当する。
また、被請求人は、「ADDEST」の標章が付されたソフトウェアを用いて役務を提供しているのであるから、被請求人の行為は、商標法第2条第3項第4号の「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為」に該当する。
さらに、被請求人は、「ADDEST」の標章が付されたソフトウェアを用いて役務を提供しているのであるから、被請求人の行為は、商標法第2条第3項第6号の「役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物に標章を付する行為」に該当する。
3 令和4年3月11日付け回答書における主張
「●省略●」
したがって、「●省略●」では、要証期間において、「●省略●」が被請求人から提供を受けたコンピュータソフトウェアが「ADDEST」であることについて、「●省略●」本件商標「ADDEST」と社会通念上同一の標章が付されることを証明した。
「●省略●」
以上のように、「●省略●」が要証期間において有効に継続していた。
(3)要証期間に被請求人が「●省略●」に基づき、「ADDEST」なるソフトウェアについて保守サービスを提供した事実について
「●省略●」
ク 以上のように、「●省略●」被請求人は、ADDESTソフトウェアのメンテナンスを要証期間に「●省略●」に提供していることが証明される。
「●省略●」
したがって、被請求人の使用行為は、商標法第2条第3項第3号の「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為」に該当する。
(5)上記した被請求人の役務の提供行為は、商標法第2条第3項第4号に即して説明すると、「ADDEST」なるコンピュータソフトウェアを使用させるという役務の提供に当たり、「●省略●」要証期間においてその提供を受ける者である「●省略●」に本件商標と社会通念上同一の「ADDEST」の標章を付したものを用いて役務を提供する行為である。
したがって、被請求人の使用行為は、商標法第2条第3項第4号の「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為」に該当する。
(6)上記した被請求人の役務の提供行為は、商標法第2条第3項第6号に即して説明すると、「ADDEST」なるコンピュータソフトウェアを使用させるという役務の提供に当たり、「●省略●」要証期間においてその提供を受ける者である「●省略●」に本件商標と社会通念上同一の「ADDEST」の標章を付する行為である。
したがって、被請求人の使用行為は、商標法第2条第3項第6号の「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為」に該当する。
(7)上記した被請求人の役務の提供行為は、商標法第2条第3項第7号に即して説明すると、「●省略●」要証期間においてその提供を受ける者である「●省略●」の映像面を介してADDESTソフトウェアを業務で使用させる役務の提供に当たりその映像面に本件商標と社会通念上同一の「ADDEST」の標章を表示して役務を提供する行為である。
したがって、被請求人の使用行為は、商標法第2条第3項第7号の「電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為」に該当する。
(8)「●省略●」
そうすると、「●省略●」要証期間の被請求人の使用行為は、商標法第2条第3項第8号に即して説明すれば、「●省略●」に提供するという役務に関する取引書類に標章を付して頒布する行為に該当する。
したがって、被請求人の使用行為は、商標法第2条第3項第8号の「役務に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当する。
(9)まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した「●省略●」によって、商標権者が、本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を本件審判請求に係る指定役務について、日本国内において、要証期間に、商標法第2条第3項第3号、第4号、第6号、第7号及び第8号に該当する使用行為を行ったことを証明した。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証の内容は、次のとおりである。
(1)商標権者と「●省略●」について
「●省略●」
(2)「●省略●」の継続について
「●省略●」
2 認定事実
上記1の内容を総合すれば、以下の事実を認めることができる。
(1)システム開発及び販売会社である商標権者は、「●省略●」
(2)「●省略●」において、商標権者は「●省略●」ことが認められることから、少なくともこの期間において、「●省略●」更新されていた。
(3)上記「●省略●」によれば、「●省略●」が商標権者から、「●省略●」が記載されているところ、「●省略●」に送付されたといえる「●省略●」。
(4)当該CDの表面には、商標権者の名称とともに、「ADDEST」の文字(以下「使用商標」という。)が付されている。
3 判断
(1)使用役務について
商標権者は、顧客「●省略●」に対して、「●省略●」に基づき、「ADDEST」と称するソフトウェアの「●省略●」を作成し、それを提供した(以下「使用役務」という。)。
そして、この使用役務は、本件審判請求に係る指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」及び第42類「電子計算機用プログラムの提供」の範ちゅうに含まれるものである。
(2)使用商標について
本件商標は、上記第1のとおり「ADDEST」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、また使用商標も「ADDEST」の文字よりなるものであるから、本件商標と使用商標とは、文字のつづりが同一である。
したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。
(3)使用者について
使用商標を付して使用役務を提供したのは、商標権者であるから、本件商標の使用者は、商標権者である。
(4)使用時期について
商標権者により顧客に対し「ADDEST」と称する「●省略●」が提供されたのは、「●省略●」であるから、これは要証期間といえる。
(5)使用行為について
商標権者は、顧客に対し「ADDEST」と称するソフトウェアの「●省略●」を提供したものであり、「●省略●」は顧客の「●省略●」されて利用されるものであるから、「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為(商標法第2条第3項第4号)」に該当するものである。
(6)小括
上記(1)ないし(5)からすれば、商標権者は、要証期間に含まれる「●省略●」に、本件審判の請求に係る指定役務に含まれる役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」及び「電子計算機用プログラムの提供」に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したと認められる。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定役務について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標は、その請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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