商標取消審判
2021-300103
アデスト
- 審判番号
- 2021-300103
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2007-003322
- 登録番号
- 5134018
- 請求日
- 2021年02月17日
- 審決日
- 2022年03月08日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】磐城 照治
- 【被請求人】株式会社 テクリード
- 【被請求人代理人】藤本 英介
- 【被請求人代理人】神田 正義
- 【被請求人代理人】宮尾 明茂
- 【被請求人代理人】馬場 信幸
- 審判長/審判官
- 審判長 榎本 政実
- 審判官 大山 健
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T132 .1 -Y (X09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5134018号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5134018号商標(以下「本件商標」という。)は、「ADDEST」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年1月18日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を、それぞれ指定商品及び指定役務として、同20年5月9日に設定登録されたものである。
なお、本件審判請求の登録日は、令和3年3月4日である。
また、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年(2018年)3月4日ないし令和3年(2021年)3月3日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、本件審判請求に係る指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
1 答弁の理由
被請求人である株式会社テクリード(以下「テクリード社」又は「商標権者」という。)は、「CORPORATE 企業情報」(乙1)に示されるように、1993年6月1日に設立され、「コンピュータに関するシステムの企画・開発・製造及び販売、鉄骨製作業務のコンサルタント、コンピュータサプライ商品の販売」を主たる事業内容とし現在に至るまで事業活動を継続している。そして、同号証において、企業の「沿革」欄に2007年6月より、「ADDEST」の名称を使用したシステムの販売を開始した旨が記載されており、商標権者は、ホームページ上において、本件商標を製品システムに広告宣伝的に使用しているといえる。
また、乙第2号証(「ADDEST」の2009年7月22日付けパンフレット)に記載のように、商標権者は、鉄骨製作物の積算専用コンピュータシステムの商品名称とし、「ADDEST」を使用し販売している。このパンフレットに記載のADDESTシステムは「システム装置:HP(ヒューレットパッカード社)製Z440、ディスプレイ装置:EIZO製19インチ液晶、OS:Cento OS Linux7、出力用プリンター:CANON製LIPSIII/IV相当」の装置構成を有し、所用のソフトウエアを搭載した電気計算機システムであると容易に理解される。なお、同号証には掲載日付として2007年7月22日が記載されるが、現在も継続してこの広告用パンフレットは商標権者のホームページからダウンロードするなどして自由に需要者が参照できるようにされている。
乙第3号証は、ADDESTシステムの購入先に向けた「ADDEST」プログラム差し替え用のソフトウエア(V05R06)を記録したCDROMのラベル(写し)である。2020年2月19日に作成したADDESTシステム向けのソフトウエアを格納した物であるが、バージョンアップに対応するため当該ソフトウエアをADDESTシステムのユーザに提供しているものの一例である。他のバージョンアップやその他の必要に応じて適時のタイミングでユーザに提供する。
乙第4号証は、「鉄構技術2020年4月号」(雑誌)の71頁に掲載された、「CAD/CAM 一貫システム型」記事中に、商標権者の販売する「ADDEST複合システム」がBIM(Building Information Modeling)対応専用積算システムが紹介されている。この記事によって「ADDEST複合システム」の名称の専用積算システムが、積算・材料発注の正確・迅速処理・原価管理、工程立案資料対応・積算コストの削減等を特徴的機能とすること、そのシステムが一般社団法人building SMART JapanのIFC(Industry Foundation Classes)準拠のソフトウエアであることが需要者に認識され、広告宣伝機能を果たす。
乙第5号証は、一般社団法人building SMART Japanのホームページにおいて、2017年度IFC検定合格のソフトウエアの一覧を示す。この一覧では、「製品情報」のリンクによって商標権者の「ADDESTシステム」が紹介されている製品ホームページ(http://techlead.co.jp/products/)に飛ぶことができる。興味を持った需要者が「製品情報」のリンクから被請求人のホームページに飛ぶことによって、乙第2号証のパンフレットを参照し「STACE+実寸法師3D」がADDESTシステムのデータの有効活用するシステムであることを容易に認識できるため、販売促進につながる。
乙第6号証は、「鉄構技術2020年12月号」の第116頁に記載の「特集:これからのBMIとは、建築BMI推進会議を受けて 株式会社テクリード BMIを具備した鉄骨生産システム」記事において、「当社システムでは、積算部署で『ADDEST』と呼ばれる専用システムにより鉄骨製品モデルを作成し」と、「ADDEST」が鉄骨製品モデルを作成する専用システムであることを説明している。
以上説明したように、商標権者は、本件商標を商品「鉄骨製作物の積算コンピュータシステム」に製品名称として使用している。
商標権者が本件商標を使用して生産、販売、広告、宣伝等をする「鉄骨製作物の積算コンピュータシステム」は、「システム装置:HP(ヒューレットパッカード社)製Z440、ディスプレイ装置:EIZO製19インチ液晶、OS:Cento OS Linux7、出力用プリンター:CANON製LIPS III/IV相当」の装置構成を有した所用のソフトウエアをインストールしたコンピュータシステムであるので、電子計算機及びその周辺機器、並びに電子計算機用プログラムであることは明白である。
また、乙第2号証に、「連動(データの有効活用)」において、ADDESTシステムを有する経営意思決定システムは、材料情報等、製作解析情報等が各部署情報として送信可能であるので、データ送信装置であり、電気通信機械器具及びその部品にも相当する。
したがって、商標権者は、本件商標の指定商品及び指定役務中の本件審判請求に係る指定商品について、本件商標を過去3年の間に日本国内において商標権者が使用した事実がある。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、要証期間に日本国内において商標権者により本件審判請求に係る指定商品について使用されている。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、次のことが認められる。
(1)乙第2号証は、コンピュータシステムのパンフレットの写しであり、1葉目の右側の上部に、「For Linux」の記載、その下に、「ADDEST」の文字の記載がある。
また、左側の中央に「ADDESTシステム基本構成」の項に「OS CentOS Linux7」の記載がある。
(2)乙第3号証は、CD-ROMの写しであり、そのラベルの上段に「ADDEST」の文字、その下に「for Linux」の文字及び「プログラム差替用CD」の文字が記載され、下段に「作成日:2020/2/19」及び「株式会社テクリード」の記載がある。
(3)上記(1)及び(2)からすれば、当該CD-ROMは、上段の「for Linux」の文字及び「プログラム差替用CD」の文字及びADDESTシステム基本構成のOSとして、「CentOS Linux7」の文字から、それが「電子計算機用プログラム」であり、下段には、「作成日:2020/2/19」及び「株式会社テクリード」の文字から、商標権者が2020年(令和2年)2月19日に製造したものとみるのが自然である。
さらに、上段の「ADDEST」の文字は、当該CD-ROMの商標として機能しているものといえる。
(4)そうすると、商標権者は令和2年2月19日に「電子計算機用プログラム」(以下「使用商品」という。)に商標「ADDEST」(以下「使用商標」という。)を付したということができる。
2 上記1によれば、以下のとおりである。
(1)使用者について
当該CD-ROMには、「株式会社テクリード」の文字が記載されており、これは、商標権者の名称であるから、本件商標を使用している者は、商標権者である。
(2)使用商標を付した時期について
商標権者が使用商標を付した時期は、2020年(令和2年)2月19日であるから、この日付は、要証期間である。
(3)使用商品(電子計算機用プログラム)について
上記第2のとおり本件審判の請求に係る指定商品は、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」であり、使用商品(電子計算機用プログラム)は本件審判請求に係る指定商品中、「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに含まれるものである。
(4)使用商標について
当該CD-ROMの上部には「ADDEST」(使用商標)の文字が記載されており、本件商標は、上記第1のとおり「ADDEST」の欧文字を標準文字で表してなるものであるから、使用商標と本件商標とは、文字のつづりが同一であって、称呼が同一であるから、外観及び称呼が同一又は類似である社会通念上同一の商標と認められるものである。
(5)小括
上記(1)ないし(4)からすれば、商標権者は、要証期間に、日本国内において本件審判請求に係る指定商品に含まれる「電子計算機用プログラム」に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したと認められる。これは「商品又は商品の包装に標章を付する行為(商標法第2条第3項第1号)」に該当するものである。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件審判請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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