審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2021-018178

遊技機

審判番号
2021-018178
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-198091外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年12月28日
審決日
2022年08月09日
公報発行日
2022年10月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .4 -Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法39条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第39条第1項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第4項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-198091「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 5月16日出願公開、特開2019- 71924〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年10月11日の出願であって、令和2年3月30日に手続補正書が提出され、令和3年2月15日に手続補正書が提出され、同年5月18日付けで拒絶理由が通知され、同年7月26日に意見書が提出されたところ、同年9月24日付け(送達日:同月28日)で拒絶査定がなされ、これに対して、同年12月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 令和3年12月28日になされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和3年12月28日になされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の概要 本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正前の令和3年2月15日に提出された手続補正における特許請求の範囲が、 (補正前) 「【請求項1】 発射手段と、 該発射手段によって発射された遊技球が流下する流下領域と、 該流下領域の所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の所定検知手段と、 該複数の所定検知手段と電気的に接続され、遊技に対する遊技価値を付与するための処理を実行する遊技価値付与手段と、 該遊技価値付与手段と電気的に接続され、所定の処理を実行する処理実行手段と、 を備える遊技機であって、 前記遊技価値付与手段は、 前記遊技に対する遊技価値を付与するための処理に用いられる情報であって、前記所定検知手段の検知に対して参照される参照用情報を記憶する第1参照用情報記憶手段と、 当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技を進行させるための所定処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第1送信手段と、 前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第2送信手段と、 を備え、 前記処理実行手段は、 前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、 前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、 該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段と、 前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、 前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、異なる基板ボックスに収納され、 電源が断された場合に、前記第2参照用情報記憶手段は、記憶していた前記参照用情報を失い得るものであり、 前記遊技機は、 前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段と、 前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段と、を備え、 前記処理実行手段は、前記副制御手段に設けられたことを特徴とする遊技機。 【請求項2】 前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。」 であったものを、 (補正後) 「【請求項1】 発射手段と、 該発射手段によって発射された遊技球が流下する流下領域と、 該流下領域の所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の所定検知手段と、 該複数の所定検知手段と電気的に接続され、遊技に対する遊技価値を付与するための処理を実行する遊技価値付与手段と、 該遊技価値付与手段と電気的に接続され、前記遊技価値として遊技球を払い出す払出手段と制御信号の送受信を行う事なく、前記所定の領域の一部に対応して設けられて対応する所定の領域への遊技球の通過を制御する遊技球誘導部材が設けられた前記所定の領域への遊技球の通過に係る情報の処理を含む所定の処理を実行する処理実行手段と、 を備える遊技機であって、 前記遊技価値付与手段は、 前記遊技に対する遊技価値を付与するための処理に用いられる情報であって、前記所定検知手段の検知に対して参照される参照用情報を記憶する第1参照用情報記憶手段と、 当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技を進行させるための所定処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第1送信手段と、 前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第2送信手段と、 を備え、 前記処理実行手段は、 前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、 前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、 該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段と、 前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、 前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、異なる基板ボックスに収納され、 電源が断された場合に、前記第2参照用情報記憶手段は、記憶していた前記参照用情報を失い得るものであり、 前記遊技機は、 前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段と、 前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段と、を備え、 前記処理実行手段は、前記副制御手段に設けられたことを特徴とする遊技機。」 とするものである(下線部は、補正箇所を示す。)。 2 補正の目的及び新規事項の追加の有無 本件補正は、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面の【0062】、【0063】、【0067】、【0090】、【0255】、【0303】、図5及び図6等の記載に基づいて、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「処理実行手段」に関して、「前記遊技価値として遊技球を払い出す払出手段と制御信号の送受信を行う事なく、前記所定の領域の一部に対応して設けられて対応する所定の領域への遊技球の通過を制御する遊技球誘導部材が設けられた前記所定の領域への遊技球の通過に係る情報の処理を含む」所定の処理を実行することを限定するものであって、かつ、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、本件補正は、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものである。 3 独立特許要件 本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であるので、次に、本件補正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて検討する。 (1)本件補正後の請求項1に係る発明 本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記1の本件補正の概要において示した次に特定されるとおりのものである(A等は、発明の構成を分説するため当審で付した。)。 「【請求項1】 A 発射手段と、 B 該発射手段によって発射された遊技球が流下する流下領域と、 C 該流下領域の所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の所定検知手段と、 D 該複数の所定検知手段と電気的に接続され、遊技に対する遊技価値を付与するための処理を実行する遊技価値付与手段と、 E 該遊技価値付与手段と電気的に接続され、前記遊技価値として遊技球を払い出す払出手段と制御信号の送受信を行う事なく、前記所定の領域の一部に対応して設けられて対応する所定の領域への遊技球の通過を制御する遊技球誘導部材が設けられた前記所定の領域への遊技球の通過に係る情報の処理を含む所定の処理を実行する処理実行手段と、 F を備える遊技機であって、 G 前記遊技価値付与手段は、 G1 前記遊技に対する遊技価値を付与するための処理に用いられる情報であって、前記所定検知手段の検知に対して参照される参照用情報を記憶する第1参照用情報記憶手段と、 G2 当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技を進行させるための所定処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第1送信手段と、 G3 前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第2送信手段と、 を備え、 H 前記処理実行手段は、 H1 前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、 H2 前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、 H3 該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段と、 H4 前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、 I 前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、異なる基板ボックスに収納され、 J 電源が断された場合に、前記第2参照用情報記憶手段は、記憶していた前記参照用情報を失い得るものであり、 K 前記遊技機は、 K1 前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段と、 K2 前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段と、を備え、 L 前記処理実行手段は、前記副制御手段に設けられた M ことを特徴とする遊技機。」 (2)先願発明 原査定の拒絶の理由に引用された出願であり、本願の出願日(平成29年10月11日)より前の平成29年6月30日に出願された特願2017-129556号は、令和4年2月7日に特許第7019980号として設定登録されたものであって、その請求項1には、次の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されている(a等は、発明の構成を分説するため当審で付した。)。 「【請求項1】 a 発射手段と、 b 該発射手段によって発射された遊技球が流下する流下領域と、 c 該流下領域の所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の所定検知手段と、 d 該複数の所定検知手段と電気的に接続され、遊技に対する遊技価値を付与するための処理を実行する遊技価値付与手段と、 e1 前記遊技価値として遊技球を払い出す払出手段と、 e2 前記遊技価値付与手段と電気的に接続され、前記払出手段と制御信号の送受信を行う事のない、所定の処理を実行する処理実行手段と、 f を備える遊技機であって、 g 前記遊技価値付与手段は、 g1 前記遊技に対する遊技価値を付与するための処理に用いられる情報であって、前記所定検知手段の検知に対して参照される参照用情報を記憶する第1参照用情報記憶手段と、 g2 当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技を進行させるための所定処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第1送信手段と、 g3 前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第2送信手段と、 を備え、 h 前記処理実行手段は、 h1 前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、 h2 前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、 h3 該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段と、 h4 前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、 i 前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、異なる基板ボックスに収納され、 j 電源が断された場合に、前記第2参照用情報記憶手段は、記憶していた前記参照用情報を失い得る m ことを特徴とする遊技機。」 (3)対比 本願補正発明と先願発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)~(m)は、本願補正発明及び先願発明の分説に対応させた。 (a)~(d)本願補正発明の構成A~Dと先願発明の構成a~dとは文言上も一致しており、相当することは明らかである。 (e)先願発明の構成e1の「前記遊技価値として遊技球を払い出す払出手段」は、本願補正発明の構成Eの「前記遊技価値として遊技球を払い出す払出手段」に相当する。 先願発明の構成e2の「前記遊技価値付与手段と電気的に接続され、前記払出手段と制御信号の送受信を行う事のない、所定の処理を実行する処理実行手段」は、本願補正発明の構成Eの「該遊技価値付与手段と電気的に接続され、前記遊技価値として遊技球を払い出す払出手段と制御信号の送受信を行う事なく、前記所定の領域の一部に対応して設けられて対応する所定の領域への遊技球の通過を制御する遊技球誘導部材が設けられた前記所定の領域への遊技球の通過に係る情報の処理を含む所定の処理を実行する処理実行手段」と、「該遊技価値付与手段と電気的に接続され、前記遊技価値として遊技球を払い出す払出手段と制御信号の送受信を行う事なく」、「所定の処理を実行する」点で共通する。 (f)~(j)本願補正発明の構成F~Jと先願発明の構成f~jとは文言上も一致しており、相当することは明らかである。 (k~l)本願補正発明は、先願発明が有しない構成K~L 「K 前記遊技機は、 K1 前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段と、 K2 前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段と、を備え、 L 前記処理実行手段は、前記副制御手段に設けられた 」を備えている。 (m)本願補正発明の構成Mと先願発明の構成mとは文言上も一致しており、相当することは明らかである。 以上によれば、本願補正発明と先願発明は、 「A 発射手段と、 B 該発射手段によって発射された遊技球が流下する流下領域と、 C 該流下領域の所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の所定検知手段と、 D 該複数の所定検知手段と電気的に接続され、遊技に対する遊技価値を付与するための処理を実行する遊技価値付与手段と、 E’ 該遊技価値付与手段と電気的に接続され、前記遊技価値として遊技球を払い出す払出手段と制御信号の送受信を行う事なく、所定の処理を実行する処理実行手段と、 F を備える遊技機であって、 G 前記遊技価値付与手段は、 G1 前記遊技に対する遊技価値を付与するための処理に用いられる情報であって、前記所定検知手段の検知に対して参照される参照用情報を記憶する第1参照用情報記憶手段と、 G2 当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技を進行させるための所定処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第1送信手段と、 G3 前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第2送信手段と、 を備え、 H 前記処理実行手段は、 H1 前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、 H2 前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、 H3 該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段と、 H4 前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、 I 前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、異なる基板ボックスに収納され、 J 電源が断された場合に、前記第2参照用情報記憶手段は、記憶していた前記参照用情報を失い得るものである M ことを特徴とする遊技機。」 である点で一致し、以下の点で一応相違する。 (相違点1)[構成E] 処理実行手段が実行する所定の処理が、本願補正発明では「前記所定の領域の一部に対応して設けられて対応する所定の領域への遊技球の通過を制御する遊技球誘導部材が設けられた前記所定の領域への遊技球の通過に係る情報の処理を含む」ものであるのに対して、先願発明では、当該事項が限定されていない点。 (相違点2)[構成K~K2] 本願補正発明では、「前記遊技機は、 前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段と、 前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段と、を備え」るのに対して、先願発明では、当該事項が限定されていない点。 (相違点3)[構成L] 本願補正発明では、「前記処理実行手段は、前記副制御手段に設けられ」るのに対して、先願発明では、当該事項が限定されていない点。 (4)判断 ア 相違点1について検討する。遊技機の技術分野において、所定の条件が満たされることによって大入賞口、可変入賞口等の入賞口を開閉する部材を設けること、大入賞口、可変入賞口への入賞に基づく賞球数を計数することは周知技術(以下「周知技術1」という。)である(拒絶査定で引用された特開2013-165859号公報の【0024】には、遊技中における所定の入賞条件の下で特別遊技状態が成立したときに、開閉扉の上部が倒されて大入賞口が開放されること、【0055】には、第2異常判定部が大入賞装置への入賞に基づく賞球数を計数することが記載されている。このほかにも、特開2003-126503号公報の【0044】には、所定の条件を満たしたときに役物が作動し、入口が開放又は拡大する可変入賞口が設けられること、【0092】には、特別遊技中において特別入賞口が開放されているときに、特別入賞口に球が入賞し、その入賞に基づいて払い出された球は、役物作動時払出し球数計数手段により計数されることが記載されている。)。 周知技術1における「大入賞口、可変入賞口等の入賞口を開閉する部材」は、本願補正発明の「前記所定の領域の一部に対応して設けられて対応する所定の領域への遊技球の通過を制御する遊技球誘導部材」に相当し、周知技術1における「大入賞口、可変入賞口への入賞に基づく賞球数を計数すること」は、本願補正発明の「前記所定の領域の一部に対応して設けられて対応する所定の領域への遊技球の通過を制御する遊技球誘導部材が設けられた前記所定の領域への遊技球の通過に係る情報の処理」に相当する。 本願補正発明において、相違点1に係る構成を備えることによって得られる効果は、周知技術1によって得られることが自明なものにすぎず、相違点1に係る構成は、新たな効果を奏するものとはいえない。 したがって、本願補正発明が相違点1に係る構成を備えることは、周知技術1の付加であって、新たな効果を奏するものではないから、相違点1は、課題解決のための具体化手段における微差であって、実質的な相違点とはいえない。 イ 相違点2について検討する。遊技機の技術分野において、遊技の主たる制御を行う主制御手段が設けられる主制御装置と、主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御装置を備えることは技術常識である(拒絶査定で引用された特開2013-165859号公報の【0060】、【0062】、【0063】には、パチンコ機PMにおいて、図柄変動表示を行うか否かを判定し、当り(特別遊技状態)に当選したか否かを判定する主制御装置42と、主制御装置42から送信されたコマンドを受信すると、図柄表示装置18等の作動を制御する副制御装置43を備えることが記載されている。このほかにも、特開2017-148360号公報の【0200】には、遊技を統括的に制御する主制御手段と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段とを備える遊技機が記載されている。)。 したがって、相違点2は、技術常識を付加するものにすぎず、新たな効果を奏するものではないから、実質的な相違点とはいえない。 ウ 相違点3について検討する。遊技機の技術分野において、大入賞装置への入賞に基づく賞球数を計数する手段を、遊技の主たる制御を行う主制御手段が設けられる主制御装置とは別の、副制御装置(演出制御装置)等に設けることは、周知技術(以下「周知技術2」という。)である(拒絶査定で引用された特開2013-165859号公報の【0055】には、副制御装置の第2異常判定部が、大入賞装置への入賞に基づく賞球数を計数することが記載されている。このほかにも、特開2017-148360号公報の【0095】、【0132】には、遊技制御装置100が主基板で構成され、演出制御装置300がサブ基板で構成されること、【0054】には、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口(及び第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数であること、【0348】、【0819】、【0822】には、演出制御装置300において、役物比率を計算することが記載されている。)。 本願補正発明において、相違点3に係る構成を備えることによって得られる効果は、周知技術2によって得られることが自明なものにすぎず、相違点3に係る構成は、新たな効果を奏するものとはいえない。 したがって、本願補正発明が相違点3に係る構成を備えることは、周知技術2の付加であって、新たな効果を奏するものではないから、相違点3は、課題解決のための具体化手段における微差であって、実質的な相違点とはいえない。 エ 以上のとおり、相違点1、相違点2及び相違点3について、本願補正発明と先願発明とは実質同一と判断されるから、両者は同一(実質同一)である。 (5)請求人の主張について 請求人は、審判請求書3.(2)において、以下を主張する。 「「役物比率」「連続役物比率」を算出するための情報を処理する「処理実行手段」が、「副制御手段」に設けられている点については、周知技術ではありません。 なお、引用文献3には、「副制御手段」において、「左側アウト球検出器71aにより検出された遊技球の数と右側アウト球検出器71bにより検出された遊技球の数との割合」又は「出玉率」から異常を判定することが記載されているのみであり、「役物比率」「連続役物比率」を算出するための情報を処理する「処理実行手段」についての記載はありません。」 上記主張について検討する。上記(4)ウで検討したように、遊技機の技術分野において、大入賞装置への入賞に基づく賞球数を計数する手段(上記主張における「処理実行手段」)を、遊技の主たる制御を行う主制御手段が設けられる主制御装置とは別の、副制御装置(演出制御装置)(上記主張における「副制御手段」)等に設けることは、周知技術である。 また、本願補正発明及び先願発明において、「処理実行手段」について、「役物比率」「連続役物比率」を算出するための情報を処理することは限定されておらず、構成H1~H4又は構成h1~h4により、「前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段と、前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段と、を備え」ることが限定されていることから、大入賞装置への入賞に基づく賞球数を計数するものが含まれる。そして、上記主張における「引用文献3」すなわち上記(4)ウに挙げた特開2013-165859号公報は、【0053】において、「出玉率」は、「副制御装置43の第2異常判定部43b」が「特別遊技状態でない場合、主制御装置42から入力された、アウト球通過コマンドに含まれる計数情報と、入賞コマンドに含まれる賞球数の情報とに基づいて」「算出する」ものであることが記載されており、大入賞装置への入賞に基づく賞球数を計数することが明らかであるから、先願発明に適用可能な周知技術2を示すものである。 したがって、請求人の上記主張は採用することができない。 (6)小括 よって、本願補正発明は先願発明と同一であるから、特許法第39条第1項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 むすび 以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年2月15日付けの手続補正書により補正された、上記第2の1において(補正前)として記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、引用文献3に記載された周知技術に照らして、本願の出願日前の先願1に係る発明と同一であるから、特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。 先願1.特願2017-129556号 引用文献3.特開2013-165859号公報(周知技術を示す文献) 3 先願発明 原査定の拒絶の理由に引用された出願の請求項1に係る発明(先願発明)は、上記第2の3(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本願補正発明の発明特定事項から、上記第2の1で示した下線部に係る事項を省いたものであるから、上記第2の3(3)で示した相違点1に係る構成が省かれることとなる。 そうすると、本願発明は先願発明と、同一であり、相違点はない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2021-018178

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決727件(株式会社三洋物産)
  • 2025-007540拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社三洋物産
  • 2025-007544拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社三洋物産
  • 2025-007545拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社三洋物産
  • 2025-007547拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社三洋物産
  • 2025-016769拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社三洋物産
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決20件(特許法39条1項)
  • 2025-007073拒絶査定不服審判 / 2026-05-19 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法39条1項
  • 2022-014435拒絶査定不服審判 / 2023-06-27 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法39条1項
  • 2021-018176拒絶査定不服審判 / 2022-07-26 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法39条1項
  • 2020-005429拒絶査定不服審判 / 2021-01-19 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法39条1項
  • 2019-007102拒絶査定不服審判 / 2020-11-25 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法39条1項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)706件(4・A63F)
  • 2025-007540拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 4・A63F
  • 2025-007544拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 4・A63F
  • 2025-007545拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 4・A63F
  • 2025-007547拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 4・A63F
  • 2025-010767拒絶査定不服審判 / 2026-08-05 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 4・A63F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存