2021-017074
縫合針
- 審判番号
- 2021-017074
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2020-026696外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1716374
- 請求日
- 2021年12月10日
- 審決日
- 2022年04月14日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ベアーメディック
- 【請求人代理人】山川 茂樹
- 【請求人代理人】小池 勇三
- 【請求人代理人】本山 泰
- 【請求人代理人】山本 知生
- 分類
- D18 .121-WY (J7-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第2項、意匠法第4条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の主な経緯
本願は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする,令和2年(2020年)12月11日の意匠登録出願であって,その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。
6月 2日 :意見書の提出
9月 1日付け :拒絶査定
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「縫合針」とし,その形状,模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。),建築物の形状等又は画像を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
第3 原審の拒絶の理由
原審における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ,頒布された刊行物に記載され,又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものと解され,その概要は,以下のとおりである。
縫合針の分野において,全体として直線状の先端側部分と,円弧状の中間部分と,直線状の基端部分とを有する態様のものは意匠1にみられます。
中間部分の内周側及び外周側にそれぞれ平坦部を有する縫合針は,本願出願前から公然知られています(意匠2,意匠3を参照)。
そうすると,本願意匠は,意匠1にみられる縫合針に,本願出願前から公然知られた一対の平坦部を設けることにより,当業者が容易に創作することができたものです。
意匠1
特許庁発行の特許公報記載
特許第5709119号
【図1】に表された,「1針直線部分」及び「2針テーパー部分」「針部分」を有する「針部分」の意匠
意匠2
特許庁発行の公表特許公報記載
特表2018-516666号
【図8A】,【図12】に表された「ニードル本体」の意匠
意匠3
米国特許第5897572号
FIG.2,FIG.4に表された「the needle 10」の意匠
なお,原審の令和3年4月16日付けの「拒絶理由通知書」においては,審査官の判断を記載した上で「当業者が容易に創作することができたものです。」と書いたのみであって,拒絶の理由の適用条文が書かれていないが,当該拒絶理由通知書の全趣旨から,拒絶の理由の適用条文は,意匠法第3条第2項であると解される。
そして,意匠登録出願人(本件審判請求人と同じ。)は,令和3年6月2日に提出の意見書にて,「審査官殿は,令和3年4月16日付け起案の拒絶理由通知書において,本願の意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当すると認定されました。」として,拒絶の理由の適用条文を,意匠法第3条第2項と正しく認識して,意見書にて意見を述べ,審判請求書にて請求理由を主張しているから,適用条文を明記した拒絶理由通知書を改めて通知することなく審理するものとする。
第4 当審の判断
以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。
1.本願意匠の認定
(1)本願意匠の意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,「縫合針」であって,医療手術に用いられるもので,施術における縫合動作を容易かつ安定及び安全に行うようにするものである。
(2)本願意匠の形状
本願意匠は,主に以下の形状を認めることができる。
〔形状A〕本願意匠の形状は,先端部分・中間部分・基端部分の3つの部分から成っている。
〔形状B〕先端部分は先細り,かつ直線状である。
〔形状C〕先端部分の長さは,針全体の2分の1弱である。
〔形状D〕中間部分は,湾曲している。
〔形状E〕中間部分の湾曲は,基端部分から先端部分にかけて曲率が徐々に減少する曲線状である。
〔形状F〕基端部分は,直線状である。
〔形状G〕基端部分の長さは,ごく僅かである。
〔形状H〕湾曲した縫合針の内側と外側に平坦面を設けている。
〔形状I〕内側と外側に設けた平坦面は,共に中間部分の基端側から先端部分の約2分の1を占める所まで設けてある。
2.本願意匠の創作の容易性について
(1)出願前に公然知られた形状
本願意匠の出願前に公然知られたものと認められる形状は,以下のとおりである。
ア.意匠1より
〔形状1a〕全体は,先端部分・中間部分・基端部分の3つの部分から成っている。
〔形状1b〕先端部分は先細り,かつ直線状である。
〔形状1c〕先端部分の長さは,針全体の約3分の1である。
〔形状1d〕中間部分は,湾曲している。
〔形状1e〕中間部分の湾曲は,曲率が一定である。
〔形状1f〕基端部分は,直線状である。
〔形状1g〕基端部分の長さは,ごく僅かである。
イ.意匠2より
〔形状2a〕全体は,先端部分・中間部分・基端部分の3つの部分から成っている。
〔形状2b〕先端部分は先細りである。
〔形状2d〕中間部分は,湾曲している。
〔形状2e〕中間部分の湾曲は,曲率が一定である。
〔形状2f〕基端部分は,直線状である。
〔形状2g〕基端部分の長さは,ごく僅かである。
〔形状2h〕湾曲した縫合針の内側と外側に平坦面を設けている。
〔形状2i〕内側と外側に設けた平坦面は,共に中間部分の先端側から中間部分の基端側までである。
ウ.意匠3より
〔形状3a〕全体は,先端部分・中間部分・基端部分の3つの部分から成っている。
〔形状3b〕先端部分は先細りで,かつ直線状である。
〔形状3c〕先端部分の長さは,針全体の4分の1弱である。
〔形状3d〕中間部分は,湾曲している。
〔形状3e〕中間部分の湾曲は,先端部分から基端部分にかけて,きつい曲線,緩い曲線,やや緩い曲線の,3種の曲線から成っている。
〔形状3f〕基端部分は,直線状である。
〔形状3g〕基端部分の長さは,ごく僅かである。
〔形状3h〕湾曲した縫合針の内側と外側に平坦面を設けている。
〔形状3i〕内側と外側に設けた平坦面は,共に緩い曲線部分のみに設けている。
(2)本願意匠の創作の容易性について
本願意匠の形状A,形状B,形状D,形状F及び形状Gは,それぞれ本願の出願前に公然知られた意匠1ないし3の形状をモチーフとして容易に創作をすることができたものと認められる。
そして,形状Cについては,意匠1が表された特許の段落【0034】に「針部分は請求項1に示すように,刃の付いた先端15mm~25mmが直線状態であり,胴部が「く」の字に屈曲している形状である。」と記載されているように,縫合針の分野において,先端部分の長さを適宜変更することは本願の出願前からありふれた手法と認められ,意匠1及び3における先端部分の長さを本願意匠のものとすることは,当業者が容易に創作することができたものと認められる。
しかし,本願意匠の形状E,形状H及び形状Iは,本願の出願前の公然知られた形状に基づいて容易に意匠の創作をすることができたとまではいえない。
3.結び
したがって,本願意匠は,原審で示した各意匠を基にしては,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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