特許拒絶査定不服審判
2021-016750
運動機能リハビリテーションおよび患者の回復のモニタリングのためのシステム、方法、およびプログラム
- 審判番号
- 2021-016750
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-528490外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年12月06日
- 審決日
- 2022年08月02日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-528490「運動機能リハビリテーションおよび患者の回復のモニタリングのためのシステム、方法、およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月 8日国際公開、WO2019/151143、令和 3年 2月15日国内公表、特表2021-504026〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2019年(平成31年)1月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2018年2月5日、シンガポール(SG))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 2年 5月25日 :翻訳文提出
令和 3年 3月 3日付け:拒絶理由通知書
同年 7月 8日 :意見書、手続補正書の提出
同年 9月 2日付け:拒絶査定
同年12月 6日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和3年12月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年12月6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
ア.本件補正により、特許請求の範囲の請求項1、6及び7の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「【請求項1】
患者に視覚的指示を表示および/または聴覚的指示を提示する患者出力装置と、
前記視覚的及び/又は聴覚的指示に応じて前記患者が前記患者の身体の2つ以上の部分を動かしている間、生理学的パフォーマンスおよび身体部分の動きを感知する複数の感知装置と、
前記患者の身体の第1の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第1の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第1の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第1の感知された動きデータを生成し、前記第1の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第1の感知された動きデータをセグメント化して、第1のデータを生成し、
前記患者の身体の第2の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第2の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第2の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第2の感知された動きデータを生成し、前記第2の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第2の感知された動きデータをセグメント化して、第2のデータを生成し、
前記第1のデータと前記第2のデータとの比較結果を表すスコアを算出し、算出したスコアがクラスタリングアルゴリズムに従って予め得られたクラスタのいずれに属するかを判定することにより、前記患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベルを判定する処理手段と
を含む、
患者のリハビリテーション治療の進行をモニタリングおよび判定するためのシステム。」
「【請求項6】
視覚的及び/又は聴覚的指示に応じて患者の身体の2つ以上の部分を動かしている間、生理学的パフォーマンスおよび身体部分の動きを感知することと、
前記患者の身体の第1の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第1の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第1の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第1の感知された動きデータを生成し、前記第1の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第1の感知された動きデータをセグメント化して、第1のデータを生成することと、
前記患者の身体の第2の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第2の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第2の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第2の感知された動きデータを生成し、前記第2の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第2の感知された動きデータをセグメント化して、第2のデータを生成することと、
前記第1のデータと前記第2のデータとの比較結果を表すスコアを算出し、算出したスコアがクラスタリングアルゴリズムに従って予め得られたクラスタのいずれに属するかを判定することにより、前記患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベルを判定すること
を含む、
患者のリハビリテーション治療の進行をモニタリングおよび判定するための方法。」
「【請求項7】
患者の身体の第1の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第1の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第1の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第1の感知された動きデータを生成し、前記第1の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第1の感知された動きデータをセグメント化して、第1のデータを生成することと、
前記患者の身体の第2の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第2の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第2の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第2の感知された動きデータを生成し、前記第2の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第2の感知された動きデータをセグメント化して、第2のデータを生成することと、
前記第1のデータと前記第2のデータとの比較結果を表すスコアを算出し、算出したスコアがクラスタリングアルゴリズムに従って予め得られたクラスタのいずれに属するかを判定することにより、前記患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベルを判定すること
を含む、患者のリハビリテーション治療の進行をモニタリングおよび判定する方法をコンピュータに実行させるプログラム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和3年7月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1、6及び7の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
患者に視覚的指示を表示および/または聴覚的指示を提示する患者出力装置と、
前記視覚的及び/又は聴覚的指示に応じて前記患者が前記患者の身体の2つ以上の部分を動かしている間、生理学的パフォーマンスおよび身体部分の動きを感知する複数の感知装置と、
前記患者の身体の第1の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第1の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第1の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第1の感知された動きデータを生成し、前記第1の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第1の感知された動きデータをセグメント化して、第1のデータを生成し、
前記患者の身体の第2の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第2の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第2の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第2の感知された動きデータを生成し、前記第2の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第2の感知された動きデータをセグメント化して、第2のデータを生成し、
前記第1のデータと前記第2のデータとの比較結果を表すスコアを算出し、算出したスコアが所定のクラスタのいずれに属するかを判定することにより、前記患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベルを判定する処理手段と
を含む、
患者のリハビリテーション治療の進行をモニタリングおよび判定するためのシステム。」
「【請求項6】
視覚的及び/又は聴覚的指示に応じて患者の身体の2つ以上の部分を動かしている間、生理学的パフォーマンスおよび身体部分の動きを感知することと、
前記患者の身体の第1の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第1の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第1の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第1の感知された動きデータを生成し、前記第1の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第1の感知された動きデータをセグメント化して、第1のデータを生成することと、
前記患者の身体の第2の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第2の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第2の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第2の感知された動きデータを生成し、前記第2の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第2の感知された動きデータをセグメント化して、第2のデータを生成することと、
前記第1のデータと前記第2のデータとの比較結果を表すスコアを算出し、算出したスコアが所定のクラスタのいずれに属するかを判定することにより、前記患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベルを判定すること
を含む、
患者のリハビリテーション治療の進行をモニタリングおよび判定するための方法。」
「【請求項7】
患者の身体の第1の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第1の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第1の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第1の感知された動きデータを生成し、前記第1の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第1の感知された動きデータをセグメント化して、第1のデータを生成することと、
前記患者の身体の第2の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第2の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第2の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第2の感知された動きデータを生成し、前記第2の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第2の感知された動きデータをセグメント化して、第2のデータを生成することと、
前記第1のデータと前記第2のデータとの比較結果を表すスコアを算出し、算出したスコアが所定のクラスタのいずれに属するかを判定することにより、前記患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベルを判定すること
を含む、患者のリハビリテーション治療の進行をモニタリングおよび判定する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。」
2.補正の適否
本件補正における請求項1に係る補正は、本件補正前に請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「クラスタ」の内容について、「クラスタリングアルゴリズムに従って予め得られた」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
本件補正における請求項6に係る補正についても同様である。
本件補正における請求項7に係る補正は、「クラスタ」について、請求項1と同様の補正をするもので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、補正前に記載された「コンピュータに実行させるためのプログラム」を「コンピュータに実行させるプログラム」とする補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとともに明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当するといえる。
そこで、本件補正後の請求項1、6及び7に記載される発明(以下「本件補正発明1、6及び7」といい、まとめて「本件補正発明」という。)が同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明1、6及び7は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
ア.引用文献1
原査定の拒絶の理由で引用された韓国公開特許第10-2012-0094870号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。なお、仮訳として、当審訳を付けた。
(ア)引用文献1の記載
「[0001]
[図:0001389169000001.jpg]
・・・
[0062]
[図:0001389169000002.jpg]
[0063]
[図:0001389169000003.jpg]
[0064]
[図:0001389169000004.jpg]
[0065]
[図:0001389169000005.jpg]
[0066]
[図:0001389169000006.jpg]
[0067]
[図:0001389169000007.jpg]
[0068]
[図:0001389169000008.jpg]
[0069]
[図:0001389169000009.jpg]
[0070]
[図:0001389169000010.jpg]
[0071]
[図:0001389169000011.jpg]
[0072]
[図:0001389169000012.jpg]
」
(当審訳:
「[0001]
本発明は筋力補助システムのスーツ型筋電図測定システムに関し、より詳しくは、衣類など被検者が着用するベスト型のスーツ(suit)の肩及び胸部に、筋電図(EMG:Electromyogram)、心電図(ECG)、心音、皮膚温度センサーを含む生体信号センサーを搭載して被検者の健康状態を分析するための生体信号だけでなく、被検者の上、下肢に筋電図センサーを装着して被検者の動作状態を分析した後、筋力補助システムに転送するので筋力補助システムでこれを基礎として筋力補助システムを制御するようにして、測定された筋電信号を利用してリハビリテーションの程度を分析及び判断するスーツ型筋電図測定システム及びこれを利用したリハビリ状態分析方法に関する。
・・・
[0062]
図8は、本発明の他の実施形態に係る無拘束筋電図(EMG)測定信号を用いたリハビリテーション状態の分析過程のフローチャートであり、上、下部のバンドにそれぞれ筋電(EMG)測定部及び3軸加速度/ジャイロセンサを搭載し、筋電信号だけでなく、四肢の上、下の運動経路及び速度を基準データと比較分析するので、より正確なリハビリテーションの程度及び状態を判断することができる。
[0063]
まず、多様な動きの基準筋電(EMG)信号(ref_EMG1~ref_EMG4)及び基準運動経路及び速度を設定する。
[0064]
そのために、多数の正常人の動き別の筋電(EMG)信号(EMG1~EMG4)を測定し、平均値を算出して保存し、前記基準運動経路及び速度設定は多数の正常人の動き別の3軸加速度及びジャイロセンサー(133)から取得された3軸加速度及びジャイロ信号(ref_Accl1、ref_Accl2)(ref_Gyro1、ref_Gyro2)を基準データとして各動き別の基準経路データ及び速度データを算出して設定する。(S141)(S143)(S145)
[0065]
基準筋電(EMG)信号(ref_EMG1~ref_EMG4)、基準経路データ及び速度データを算出するための他の実施例では、被検者の正常側の上、下部で測定された動き別の筋電(EMG)信号、3軸加速度及びジャイロ信号を取得することで設定可能である。
[0066]
前記基準筋電(EMG)信号(ref_EMG1~ref_EMG4)、基準経路データ及び速度データを設定後、被検者は、リハビリ側の四肢の上、下部に各バンド(102)(103)を着用し、指定されたモーションでリハビリ運動をする。筋電測定部(130)(150)により各筋電(EMG)信号(L_EMG1~L_EMG4)を測定し、同時に3軸加速度/ジャイロセンサー(133)により3軸加速度/ジャイロ信号(L_Accl1、L_Gyro1)(L_Accl2、L-Gyro2)を測定する。(S147)(S149)(S151)
[0067]
ここで、前記各バンド(102)(103)は、内部に筋電(EMG)信号の測定のための2組の筋電図用電極(131)(138)と1組の3軸加速度/ジャイロセンサー(133)を内蔵し、各上、下部のバンド(102)(103)から入力される筋電信号はすべて4つのチャネルにより筋電(EMG)信号(L_EMG1~L_EMG4)として取得され、3軸加速度/ジャイロ信号は2つのチャネルにより3軸加速度/ジャイロ信号(L_Accl1、L_Gyro1)(L_Accl2、L_Gyro2)として取得される。
[0068]
このようにして取得された各筋電信号を用いて動き別に動き方向を算出し、予め設定して記憶された基準筋電信号(ref_EMG1~ref_EMG4)から算出された動き別に動き方向データと比較して、リハビリテーション状態及び程度を判定する。(S153)
[0069]
また、被検者の四肢の上、下部で測定された3軸加速度/ジャイロ信号(L_Accl1、L_Gyro1)(L_Accl2、L-Gyro2)を用いて、四肢の上、下部の運動経路及び速度を算出し、3軸加速度/ジャイロ信号からの基準経路及び速度データとを比較し、その違いに応じてリハビリテーションの程度及び状態を判断する。(S155)
[0070]
ここで、リハビリテーション状態は、算出されたリハビリ側の動き別の運動経路及び速度と動き別の基準運動経路及び速度とを比較することにより差分値を算出し、算出された差分値と設定された標準誤差範囲とから乖離の程度を分析する。その結果、四肢の上、下部の運動方向別のリハビリテーションの状態及び程度について具体的なデータが被験者に提供されるので、これを参照してリハビリテーションを行うことができる。
[0071]
このように、前記筋電信号の比較結果(S153)によるリハビリテーションの程度及び状態データと3軸加速度/ジャイロデータの比較結果(S155)によるリハビリテーションの程度及び状態を総合して、より正確で具体的な運動方向別にリハビリテーションの状態及び程度を判断し、被験者に提供される(S157)。
[0072]
そして、以上のとおり、本発明の特定の実施形態を説明及び図示したが、本発明のリハビリテーションの状態を測定するための運動方向、経路及び速度データを測定する方法は、測定位置、動きなどに応じて多様に変形させることができ、筋電信号と3軸加速度/ジャイロ信号を総合してリハビリテーションの程度及び状態を判断する方法は、当業者によって様々に変形して実施できることは自明である。」)
図1は、以下のものである。
「
[図:0001389169000013.jpg]
」
(イ)上記記載から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「筋電信号を利用してリハビリテーションの程度を分析及び判断するスーツ型筋電図測定システム及びこれを利用したリハビリ状態分析方法であって、
バンドに筋電(EMG)測定部及び3軸加速度/ジャイロセンサを搭載し、筋電信号だけでなく、運動経路及び速度を基準データと比較分析するリハビリテーションの程度及び状態を判断するものであって、
基準筋電(EMG)信号、基準経路データ及び速度データを算出するため被検者の正常側の上、下部で測定された動き別の筋電(EMG)信号、3軸加速度及びジャイロ信号を取得し、
前記基準筋電(EMG)信号、基準経路データ及び速度データを設定後、被検者は、リハビリ側の四肢の上、下部に各バンド(102)(103)を着用し、指定されたモーションでリハビリ運動をして、筋電測定部(130)(150)により各筋電(EMG)信号を測定し、同時に3軸加速度/ジャイロセンサー(133)により3軸加速度/ジャイロ信号を測定し、
筋電信号の比較結果と3軸加速度/ジャイロデータの比較結果を総合して、より正確で具体的にリハビリテーションの状態及び程度を判断し、
リハビリテーションの状態及び程度について具体的なデータが被験者に提供されるので、これを参照してリハビリテーションを行うことができる、スーツ型筋電図測定システム及びこれを利用したリハビリ状態分析方法。」
イ.引用文献2
原査定の拒絶の理由で引用された中国特許出願公開第103886215号明細書(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
「
[図:0001389169000014.jpg]
」
(当審訳:
[0036] 明細書に記載のデータ解析・記憶モジュールと歩行データ解析・処理モジュールは、WIFIを搭載した汎用コンピュータやスマートフォンやタブレットコンピュータなどのモバイル端末に実装できるため、歩行能力分析装装置は使用環境に制限されず、病院、リハビリ施設、家族その他の環境で使用できる。)
「
[図:0001389169000015.jpg]
」
(当審訳:
「[0061] 左右の肢の類似性スコアSlとSrの計算は、最初にピアソン相関係数計算式R(x,y)を使用して、被験者の左右の脚の歩行筋協調パターンli、rj(i = 1,2...l; j= 1,2...r)と各標準歩行筋協調パターンtk(k=1,2...s)の間の相関係数R(tk,li)、R(tk,rj)及び標準テンプレートセットTの類似度F(T,li)、F(T,rj)は、次の式で得られる。
・・・
[0065] 次に、各F(T,li)、F(T,rj)にスコア係数B = 100/s を掛けると、左右の脚と標準テンプレートとの類似度スコアSl、Srは、それぞれ次のようになる。
・・・」)
上記摘記した記載によれば、引用文献2には、歩行能力分析装置がリハビリ施設にも用いられ、歩行運動中に取得したデータから左右の脚の歩行筋の類似性に基づいてスコアを算出することが記載されている。
ウ.引用文献3
原査定の拒絶の理由で引用された米国特許出願公開第2009/0270768号明細書(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。
「
[図:0001389169000016.jpg]
」
(当審訳:
・・・
1.片麻痺性脳卒中の負傷した患者をリハビリする方法であって、
(a)前記片麻痺性脳卒中の影響を受けていない身体の第1の部分によって行われた動きを記録すること、
(b)身体の前記第1の部分によってなされた前記動きを実質的に模倣することを意図した、前記片麻痺性脳卒中によって影響を受けた身体の第2の部分によってなされた動きを記録すること、
(c)身体の前記第2の部分による前記動きを、身体の前記第1の部分によって行われた前記動きと比較し、それらの類似性に基づいて現在のスコアを割り当てること、
(d)前記現在のスコアをユーザーに出力すること、
(e)前記片麻痺性脳卒中の影響をリハビリするために前記スコアを改善しようとして、前記ユーザによってステップ(b)、(c)及び(d)を繰り返すこと。)
上記摘記した記載によれば、引用文献3には、身体の麻痺した側とそうでない側の動きを比較し、その類似性に基づいてスコアを算出することが記載されている。
エ.引用文献5
原査定の拒絶の理由で引用された国際公開第2013/021595号(以下「引用文献5」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
「[0075] 具体的には、図16では、皮脂量P1の肌スコアSSの大小によってo(脂っぽい)、n(中程度)、d(ドライ)の3群に分類する。さらに、保水力P2とセラミド量P3の平均の肌スコアSSの大小によってA1(潤い肌)、A2(中程度)、B(乾燥肌)の3群に分類する。図16の商品テーブルTDでは、これらの群同士を掛け合わせた9通りの肌属性CSについて、さらに年齢層を3段階に分類してある。商品テーブルTDでは、各分類の被験者Sに対して適合する美容関連商品PDの識別番号が対応づけられている。商品テーブルTDは出力情報記憶部44(図1を参照)に記憶されている。肌状態判定装置100の演算部10は出力情報記憶部44を参照して、被験者Sが属する肌属性CSに対応づけられた美容関連商品PDを抽出する。」
オ.引用文献6
原査定の拒絶の理由で引用された特表2014-512905号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の記載がある。
「【0031】
例えば、睡眠の間の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を検出するために使用される一般的な方法は、睡眠ポリグラフ(PSG、「睡眠検査」とも呼ばれる)を利用する。OSAのためのPSGに含まれる測定は一般に、頭蓋骨における接着されたセンサによる脳の活動の記録、皮膚における接着されたセンサによる眼球運動及びその他の筋肉の活動の記録、(接触型センサによる)呼吸数及び心拍数の記録、鼻孔の横に載置されたセンサによる呼吸流量の記録、血液飽和度レベル(SpO2)の記録、及び(一般に臨床医及び/又は睡眠の専門家により観測される)睡眠位置の観測を含む。・・・次いで、OSAの深刻度が、患者のAHIスコアに基づいて3つのカテゴリ、即ち軽度(AHIスコアが5乃至15)、中度(AHIスコアが15乃至30)及び重度(AHIスコアが30よりも高い)に分類される。」
(3)本件補正発明1について
ア.対比
(ア)引用発明において、「基準筋電(EMG)信号、基準経路データ及び速度データを算出するため被検者の正常側の上、下部で測定された動き別の筋電(EMG)信号、3軸加速度及びジャイロ信号を取得」することにおける、「被験者の正常側の上、下部」、「筋電(EMG)信号」、「3軸加速度及びジャイロ信号」が、それぞれ、本件補正発明1における『前記患者の身体の第1の部分』、『感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて』『生成』される『第1の生理学的パフォーマンスデータ』、『感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて』『生成』される『第1の感知された動きデータ』に相当することは明らかである。
そうすると、引用発明は、本件補正発明1における『前記患者の身体の第1の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第1の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第1の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第1の感知された動きデータを生成し、』に相当する構成を備えているといえる。
(イ)引用発明において、「前記基準筋電(EMG)信号、基準経路データ及び速度データを設定後、被検者は、リハビリ側の四肢の上、下部に各バンド(102)(103)を着用し、指定されたモーションでリハビリ運動をして、筋電測定部(130)(150)により各筋電(EMG)信号を測定し、同時に3軸加速度/ジャイロセンサー(133)により3軸加速度/ジャイロ信号を測定」することにおける「被検者」の「リハビリ側の四肢の上、下部」、「筋電測定部(130)(150)により」「測定し」た「各筋電(EMG)信号」、「同時に」「3軸加速度/ジャイロセンサー(133)により」「測定」した「3軸加速度/ジャイロ信号」が、それぞれ、本件補正発明1における『前記患者の身体の第2の部分』、『感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて』『生成』される『第2の生理学的パフォーマンスデータ』、『感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて』『生成』された『第2の感知された動きデータ』に相当することは明らかである。
そうすると、引用発明は、本件補正発明1における『前記患者の身体の第2の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第2の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第2の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第2の感知された動きデータを生成し、』に相当する構成を備えているといえる。
(ウ)上記(ア)、(イ)を踏まえると、引用発明は、「被験者の正常側の上、下部」、「被検者」の「リハビリ側の四肢の上、下部」をリハビリ運動等により動かしている間に、「筋電(EMG)信号」、「3軸加速度及びジャイロ信号」を取得しているといえるところ、「筋電測定部(130)(150)」及び「3軸加速度/ジャイロセンサー(133)」は、本件補正発明1における『生理学的パフォーマンスおよび身体部分の動きを感知する複数の感知装置』に相当する。
そうすると、引用発明は、本件補正発明1における『前記患者が前記患者の身体の2つ以上の部分を動かしている間、生理学的パフォーマンスおよび身体部分の動きを感知する複数の感知装置』に相当する構成を備えているといえる。
(エ)引用発明は、「筋電信号の比較結果」と「3軸加速度/ジャイロデータ」の「比較結果」を総合して、より正確で具体的にリハビリテーションの状態及び程度を判断するものである。そして、リハビリテーションは医師の指導下に『治療』として行われるのが通常であり、「リハビリテーションの状態及び程度について」の「具体的なデータ」は、医師等の主観に基づくものではなく『客観的』であり、被験者に提供されて、被験者はこれを参照してリハビリテーションを行うことができ、被験者のリハビリテーション治療の進行を表す『機能回復レベル』であるといえるから、かかるデータは、本件補正発明1における『前記患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベル』に相当するといえる。
そうすると、上記(ア)、(イ)も踏まえると、本件補正発明1と引用発明とは、「前記第1の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第1の感知された動きデータ」と「前記第2の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第2の感知された動きデータ」との「比較結果」を用いて、「前記患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベルを判定する処理手段」を備えている点で共通する。
(オ)以上を踏まえると、引用発明における「スーツ型筋電図測定システム」は、本件補正発明1における『患者のリハビリテーション治療の進行をモニタリングおよび判定するためのシステム』に相当する。
イ.以上によれば、本件補正発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
患者が前記患者の身体の2つ以上の部分を動かしている間、生理学的パフォーマンスおよび身体部分の動きを感知する複数の感知装置と、
前記患者の身体の第1の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第1の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第1の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第1の感知された動きデータを生成し、
前記患者の身体の第2の部分の感知された生理学的パフォーマンスの筋電図検査(EMG)の結果に応じて第2の生理学的パフォーマンスデータを生成し、前記患者の身体の前記第2の部分の感知された動きについての慣性計測装置(IMU)の結果に応じて第2の感知された動きデータを生成し、
前記第1の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第1の感知された動きデータと、前記第2の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第2の感知された動きデータとの比較結果を用いて前記患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベルを判定する処理手段と
を含む、
患者のリハビリテーション治療の進行をモニタリングおよび判定するためのシステム。
【相違点1】
患者が身体を動かすに際し、本件補正発明1では、「患者に視覚的指示を表示および/または聴覚的指示を提示する患者出力装置」を有しており、患者は「前記視覚的及び/又は聴覚的指示に応じて」身体を動かすのに対し、
引用発明では、かかる特定がない点。
【相違点2】
患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベルの判定を、本件補正発明1では、
「前記第1の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第1の感知された動きデータをセグメント化して、第1のデータを生成し、」
「前記第2の生理学的パフォーマンスデータ及び前記第2の感知された動きデータをセグメント化して、第2のデータを生成し、」
「前記第1のデータと前記第2のデータとの比較結果を表すスコアを算出し、算出したスコアがクラスタリングアルゴリズムに従って予め得られたクラスタのいずれに属するかを判定することにより」行うのに対し、
引用発明では、かかる特定がない点。
ウ.判断
上記相違点について検討する。
(ア)相違点1について
引用発明では、被験者は、指定されたモーションでリハビリ運動を行うものであるところ、かかる指定されたリハビリ運動を行わせるために、例示するまでもなく周知のディスプレイやスピーカ等を「患者に視覚的指示を表示および/または聴覚的指示を提示する患者出力装置」として用いることで、相違点1に係る本件補正発明1の構成とすることは、当業者が適宜になし得ることである。
(イ)相違点2について
在宅等でリハビリ活動を行うユーザに対しては、ユーザの活動内容を「定量的評価」し、日々の活動によって改善していく過程を示し、ユーザの継続的な活動意欲を促すように心懸けることが当然求められ(必要であれば、久原政彦他「K-027 在宅歩行リハビリ支援システムの制作-組み込みシステムとインターネットを利用した-」,FIT2008(第7回情報科学技術フォーラム),第3分冊,p.577-578を参照)、引用発明においても同様に求められる。
リハビリ活動において、「比較結果を表すスコアを算出すること」は、周知技術であり(前記第2の[理由]2(2)で摘記した引用文献2、3の記載を参照)、スコアをランク分けして示すために「スコアが所定のクラスタのいずれかに属するかを判定すること」は、分野を問わず、周知技術である(前記第2の[理由]2(2)で摘記した引用文献5、6の記載を参照)。
とりわけ、上記のとおり、在宅等でリハビリ活動を行うユーザには、スコア(定量的評価)のみにとどまらず、回復過程における位置づけ(クラスタ)を理解し得るようにし、ユーザの継続的な活動意欲を促すことが求められるから、引用発明において、筋電信号の比較結果と3軸加速度/ジャイロデータの比較結果を「スコア」として算出し、算出したスコアがいずれの「クラスタ」に属するかを判定するようにすることは、当業者が容易に想到し得ることであり、その際、k平均クラスタリング(クラスタリングアルゴリズム)というクラスタリングの一般的手段を用いることは当業者が適宜になし得ることと認められる。
そうすると、引用発明における「筋電信号」と「3軸加速度/ジャイロデータ」とを対応づけたり、時系列データにおける必要な部分を抽出したりするなどのために「データをセグメント化すること」は必要に応じてなすべきことであるから、引用発明において、正常側の筋電信号、正常側の3軸加速度及びジャイロ信号、リハビリ側の筋電信号、リハビリ側の3軸加速度及びジャイロ信号に基づいて、患者のリハビリテーション治療の進行を表す客観的機能回復レベルの判定するものであるところ、上記周知技術を採用し、上記相違点2に係る本件補正発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
審判請求人は、審判請求書において、本件補正発明は、特に「処理手段が、比較結果を表すスコアを算出し、算出したスコアがクラスタリングアルゴリズムに従って予め得られたクラスタのいずれに属するかを判定することにより、客観的機能回復レベルを判定する」ものであって、クラスタリングによって得られたクラスタのうちいずれに属するかによって回復レベルが判定されるため、設計者が各分類の境界の閾値を検討せずとも、回復レベルを分類するための適切な境界が設定されるという特有の効果があるという旨主張する。
しかし、クラスタ数を設定すれば、閾値を設定しなくてクラスタリングを行えるのがk平均クラスタリングが備える知られた特徴であるから、審判請求人の上記主張は、k平均クラスタリングでクラスタリングを行うことにより当然に得られる効果であると認められるので、採用することができない。
(ウ)そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明1の奏する作用効果は、引用発明及び上記周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
(エ)したがって、本件補正発明1は、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(4)本件補正発明6について
本件補正発明6は、本件補正発明1から「患者に視覚的指示を表示および/または聴覚的指示を提示する患者出力装置」との構成を省き、「システム」の発明を「方法」の発明としたものであるから、本件補正発明1で検討したのと同様の理由により、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(5)本件補正発明7について
本件補正発明7は、本件補正発明1から「患者に視覚的指示を表示および/または聴覚的指示を提示する患者出力装置と、前記視覚的及び/又は聴覚的指示に応じて前記患者が前記患者の身体の2つ以上の部分を動かしている間、生理学的パフォーマンスおよび身体部分の動きを感知する複数の感知装置と、」との構成を省き、「システム」の発明を「プログラム」の発明としたものであるから、本件補正発明1で検討したのと同様の理由により、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正発明は、いずれも特許出願の際独立して特許を受けることができず、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1.本願発明
令和3年12月6日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年7月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1、6及び7に係る発明(以下「本願発明1、6及び7」という。)は、その請求項1、6及び7に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2.原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1ないし7に係る発明は、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2ないし6に記載された周知の技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3.引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4.対比・判断
本願発明1、6及び7は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「クラスタリングアルゴリズムに従って予め得られた」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明1、6及び7の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明1、6及び7が、前記第2の[理由]2(3)ないし(5)に記載したとおり、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1、6及び7も、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明1、6及び7は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-016750