2021-016495
流動蒸気圧装置および関連方法
- 審判番号
- 2021-016495
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-524880外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年12月02日
- 審決日
- 2022年06月27日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】マイクロ モーション インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】特許業務法人 有古特許事務所
- 分類
- P18 .113-Z (G01F) / P18 .121-Z (G01F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成29年11月13日を国際出願日とする外国語特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
同年 6月 3日 :意見書、手続補正書の提出
同年 7月26日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年 8月 3日 :原査定の謄本の送達)
同年12月 2日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 本願発明について
本願の請求項1~18に係る発明は、令和3年12月2日に提出された手続補正書により補正された請求項1~18に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1及び請求項10の記載は次のとおりである。
以下、請求項1に係る発明を「本願発明1」といい、請求項10に係る発明を「本願発明10」という。
「【請求項1】流体の蒸気圧を測定する方法であって、メータ電子機器を有するメータを提供するステップであって、前記メータが流量計および密度計のうちの少なくとも1つを含むステップと、プロセス流体を前記メータに流すステップと、前記プロセス流体の圧力を測定するステップと、単相/二相境界に到達するまで、バルブを用いて前記プロセス流体の圧力を調整するステップと、測定された駆動ゲインを用いて前記プロセス流体中の混入ガスの存在を決定するステップと、単相/二相境界での前記プロセス流体の流動蒸気圧を測定するステップとを含む方法。」
「【請求項10】プロセス流体の流動蒸気圧を測定するためのシステム(300)であって、流量計および密度計のうちの少なくとも1つを備えるメータ(5)と、前記メータ(5)と流体連通している圧力調整器(308)と、圧力センサ(312)と、前記メータ(5)および前記圧力センサ(312)と通信するメータ電子機器(20)とを備え、前記メータ電子機器(20)が、測定された圧力を受け取り、前記圧力調整器(308)を制御して単相/二相境界に到達するまで、バルブを用いて前記プロセス流体の圧力を調整し、前記単相/二相境界での前記プロセス流体の前記流動蒸気圧を測定するように構成される、システム。」
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由のうち、本願発明1及び本願発明10についての理由2(進歩性)の概要は、次のとおりである。
なお、本願発明1及び本願発明10は、それぞれ令和3年6月3日に提出された手続補正書により補正された請求項8に係る発明及び請求項11に係る発明と同じものである。
理由2(進歩性)
本願発明1は、下記の引用文献2及び引用文献4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
本願発明10は、下記の引用文献2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
第4 当審の判断
1 引用文献等
(1) 引用文献2
ア 引用文献2の記載事項
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原査定の拒絶の理由において引用した引用文献2(米国特許第5637791号明細書)には、以下の記載がある。日本語訳は当審において作成した。
(下線は当審において付与した。以下同様である。)
(ア) 2欄64行~3欄11行
「DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTIONThe major feature of the present invention, the accurate and continuous determination of vapor pressure of a single or multicomponent liquid, is achieved by continuously extracting and analyzing a side stream sample of the liquid whose vapor pressure is being determined. This invention is an on-line analyzer that performs continuous analysis of the sample and is not a batch type analyzer. One benefit of such an on-line device is the continuous monitoring of the vapor pressure in a process which in turn allows quick adjustments to a process because of the instantaneous determination of the vapor pressure as compared to the above mentioned prior art. Another major benefit of the present invention is its ability to consistently give accurate and repeatable results.」
(日本語訳)
発明の詳細な説明
本発明の主要な特徴である、単一又は多成分液体の蒸気圧の正確で連続的な測定は、蒸気圧が測定される液体の側流サンプルを連続的に抽出し分析することによって達成される。本発明は、試料の連続分析を行うオンライン分析装置であり、バッチ式分析装置ではない。このようなオンライン装置の一つの利点は、プロセス内の蒸気圧を連続的に監視することであり、これにより、上述した従来技術と比較して蒸気圧を瞬時に求めることができるので、プロセスを迅速に調整することができることである。本発明の別の主な利点は、正確で反復可能な結果を一貫して与える能力である。
(イ) 3欄12行~同欄22行
「 Determination of the vapor pressure is achieved by directing a side stream flow of the liquid mixture whose vapor pressure is to be analyzed into the present invention. This sample stream is passed from the inlet valve 1 into a filter 3 to remove any solids that might plug the pressure reduction device 6. From the filter 3, the stream goes into a heater/cooler 4 to achieve the desired temperature at which the vapor pressure is to be determined. Another purpose of the heater/cooler 4 is to maintain a certain temperature to prevent precipitation of dissolved solids that could plug the apparatus.」
(日本語訳)
蒸気圧の決定は、蒸気圧が分析される液体混合物の側流を本発明に向けることによって達成される。このサンプル流は、入口弁1からフィルタ3に通され、減圧装置6を詰まらせる可能性のある固体を除去する。フィルタ3から、流れは加熱器/冷却器4に入り、蒸気圧が決定される所望の温度を達成する。加熱器/冷却器4の別の目的は、装置を詰まらせる可能性のある溶解した固体の沈殿を防止するために特定の温度を維持することである。
(ウ) 3欄22行~同欄31行
「From the heate[r]/cooler 4, the fluid passes to an upstream aeration measurement device 5 in FIG. 1 such as Controlotron's ultrasonic meter with % aeration measurement or upstream density measurement device 5a in FIG. 2 such as a vibrating tube type density meter. The upstream density device 5a will measure initial density of the sample. The upstream aeration measurement device 5 measures how much initial undissolved gas is contained in the sample. This initial measurement is the basis for determining when bubbling or initial flashing starts to occur.」
(当審注:「heate」が「heater」とあるべきところから「r」が一文字脱字していることは明らかであるため、合議体で「heate」の末尾に「r」を1文字補った。)
(日本語訳)
加熱器/冷却器4から、流体は、例えば%通気度測定を備えたコントロトロンの超音波計のような図1の上流側通気度測定装置5、又は、例えば振動管型密度計のような図2の上流側密度測定装置5aに進む。
上流側密度装置5aは、試料の初期濃度を測定する。上流側通気度測定装置5は、試料中に含まれる初期未溶解ガスの量を測定する。この初期測定は、泡立ち又は初期フラッシングがいつ起こり始めるかを決定するための基礎である。
(エ) 3欄31行~同欄43行
「From the upstream density device 5a or aeration measurement device 5, the fluid passes through the pressure reduction device 6 shown as a capillary tubing, where the pressure of the liquid is smoothly reduced. A pressure reducing means that smoothly reduces the pressure, such as a capillary tubing, is selected to eliminate pressure recovery. A pressure control valve that forms a vena contracta can result in erroneous vapor pressures because upon pressure recovery at the point past the vena contracta, the bubbles formed initially in the vena contracta may not collapse back and would result in a higher vapor pressure measurement than what the true vapor pressure of the mixture is.」
(日本語訳)
上流の密度装置5a又は通気度測定装置5から、流体は、毛細管として示される減圧装置6を通過し、そこで液体の圧力は滑らかに低下する。圧力回復をなくすために、毛細管のような圧力を滑らかに減少させる減圧手段が選択される。縮流部を形成する圧力制御弁は、縮流部を過ぎた点での圧力回復時に、縮流部に最初に形成された気泡が崩壊して戻ることができず、混合物の真の蒸気圧よりも高い蒸気圧測定値をもたらすため、誤った蒸気圧をもたらす可能性がある。
(オ) 3欄43行~同欄62行
「As the pressure drops, the component of the mixture which has the highest vapor pressure starts to flash or effervesce. This point is the vapor pressure of the liquid mixture. At the outlet of the pressure reduction device 6 shown as capillary tubing, a pressure measurement device 7 is connected to measure the vapor pressure of the sample. A temperature measurement device 8 is also located at the same point to measure the temperature at which the vapor pressure is measured. The turbulence and liquid shear created as the sample passes through the pressure reduction means 6 reduces surface tension and promote flashing or creation of bubbles as soon as the vapor pressure is reached. This is in contrast to a stagnant sample, as described in the second mentioned prior art above, which is expanded in a cylinder to a pressure lower than the vapor pressure and then waiting for the pressure to reach equilibrium as the sample gradually flashes and reach some pressure corresponding to the expanded volume, such pressure not necessarily indicative of the true vapor pressure and may be affected by the surface tension of the sample.」
(日本語訳)
圧力が低下するにつれて、最も高い蒸気圧を有する混合物の成分がフラッシュ又は発泡し始める。この点が液体混合物の蒸気圧である。毛細管として示されている減圧装置6の出口には、試料の蒸気圧を測定するための圧力測定装置7が接続されている。温度測定装置8も同じ点に配置され、蒸気圧が測定される温度を測定する。試料が減圧手段6を通過する際に生じる乱流及び液体剪断は、表面張力を低下させ、蒸気圧に達するとすぐにフラッシング又は気泡の生成を促進する。これは、上述の第2の従来技術に記載されているように、蒸気圧よりも低い圧力までシリンダ内で膨張され、次いで、試料が徐々にフラッシュし膨張した体積に対応するある圧力に達して圧力が平衡に達するのを待つ停滞した試料とは対照的である。そのような圧力は、必ずしも真の蒸気圧を示さず、試料の表面張力によって影響され得る。
(カ) 3欄63行~4欄3行
「 From the pressure reduction means 6, the fluid passes to the downstream aeration measurement device 9 in FIG. 1 or the downstream density measurement device 9a in FIG. 2. The upstream and downstream device measurements are compared and a difference signal is sent to the flow controller 10. From the downstream density or aeration measurement device the sample passes to the flow control valve 11.」
(日本語訳)
減圧手段6から、流体は、図1の下流側通気度測定装置9又は図2の下流側密度測定装置9aに送られる。上流及び下流の装置測定値が比較され、差信号が流量コントローラ10に送られる。下流の密度又は通気度測定装置から、試料は流量制御弁11に進む。
(キ) 4欄3行~同欄16行
「The flow control valve 11 regulates the amount of sample that is admitted to the vapor pressure analyzer which in turn controls the amount of pressure drop in the capillary tubing. The flow control valve 11 is controlled by flow controller 10 which gets its signal from the difference signal of the upstream and downstream density or aeration measurements. A set difference in upstream and downstream aeration or density of the sample or a set downstream aeration measurement or a set downstream density will be the set point of the flow controller. The sample flow will be regulated such that the pressure drop through the capillary tubing is the minimum required to flash the lightest fraction of the liquid sample. The higher the flow through the capillary tubing the higher the pressure drop.」
(日本語訳)
流量制御弁11は、毛細管内の圧力降下の量を制御する蒸気圧分析器に導入される試料の量を調節する。流量制御弁11は、上流及び下流の密度又は通気度測定値の差信号からその信号を得る流量コントローラ10によって制御される。サンプルの上流及び下流の通気度又は密度の設定された差、又は設定された下流の通気度測定値、又は設定された下流の密度は、流量コントローラの設定点である。試料の流れは、毛細管を通る圧力降下が、液体試料の最も軽い留分をフラッシュするのに必要な最小値であるように調節される。毛細管を通る流れが多いほど、圧力降下は大きくなる。
(ク) 4欄16行~同欄30行
「From the flow control valve 11, the sample goes to the suction of the pump 12. The pump 12 boosts the pressure back to line pressure where the sample is returned to the main liquid stream. The discharge of the pump is connected to the return line through the outlet valve 13 at some point in the process line downstream of the sampling inlet tap. To maintain constant temperature of the sample, the components of the analyzer from the heater/cooler 4 up to the flow control valve 11 will be insulated. The various devices are interconnected using tubing 2. Those skilled in the art will recognize that other methods of decreasing the pressure or detecting the flashing or effervescence of the sample can be devised but such arrangements would not depart from the essential principles of this invention.」
(日本語訳)
流量制御弁11から、試料はポンプ12の吸入口に進む。ポンプ12は、圧力を増加させてサンプルが主液体流に戻されるライン圧力に戻す。ポンプの排出口は、サンプリング入口タップの下流のプロセスライン内のある点で出口弁13を介して戻りラインに接続される。試料の温度を一定に維持するために、加熱器/冷却器4から流量制御弁11までの分析器の構成要素は断熱される。様々な装置は、チューブ2を使用して相互接続される。当業者であれば、圧力を低下させる、又は、試料のフラッシング若しくは発泡を検出する他の方法を工夫することができるが、そのような構成は本発明の本質的な原理から逸脱しないことを認識するであろう。
(ケ) FIG.2
「[図:0001391680000001.jpg]」
イ 引用発明の認定
上記アにおいて摘記した事項を総合すると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「単一又は多成分液体の蒸気圧の正確で連続的な測定を行うオンライン分析装置であって、((ア))蒸気圧が分析される液体混合物の側流が、サンプル流として入口弁1からフィルタ3に通され、減圧装置6を詰まらせる可能性のある固体を除去し、フィルタ3から、流れは加熱器/冷却器4に入り、蒸気圧が決定される所望の温度が達成され、((イ))加熱器/冷却器4から、流体は、例えば振動管型密度計のような上流側密度測定装置5aに進み、上流側密度装置5aは、試料の初期濃度を測定するものであり、この初期測定は、泡立ち又は初期フラッシングがいつ起こり始めるかを決定するための基礎であり、((ウ))上流側密度装置5aから、流体は、毛細管として示される減圧装置6を通過し、そこで液体の圧力は滑らかに低下し、((エ))続きを表示(全12行)圧力が低下するにつれて、最も高い蒸気圧を有する混合物の成分がフラッシュ又は発泡し始め、この点が液体混合物の蒸気圧であり、毛細管として示されている減圧装置6の出口には、試料の蒸気圧を測定するための圧力測定装置7が接続されており、温度測定装置8も同じ点に配置され、蒸気圧が測定される温度を測定し、((オ))減圧手段6から、流体は、下流側密度測定装置9aに送られ、上流及び下流の装置測定値が比較され、差信号が流量コントローラ10に送られ、下流側密度測定装置から、試料は流量制御弁11に進み、((カ))流量制御弁11は、毛細管内の圧力降下の量を制御する蒸気圧分析器に導入される試料の量を調節するものであり、上流及び下流の密度の差信号からその信号を得る流量コントローラ10によって制御され、サンプルの上流及び下流の密度の設定された差、又は設定された下流の密度は、流量コントローラの設定点であり、試料の流れは、毛細管を通る圧力降下が、液体試料の最も軽い留分をフラッシュするのに必要な最小値であるように調節され、毛細管を通る流れが多いほど、圧力降下は大きくなり、((キ))試料は、流量制御弁11からポンプ12の吸入口に進み、ポンプ12は、圧力を増加させてサンプルが主液体流に戻されるライン圧力に戻すものである、((ク))オンライン分析装置。」
(2) 引用文献4
原査定の拒絶の理由において引用した引用文献4(特表2003-513234号公報)には、以下の記載がある。
「【0007】コリオリ流量計は、振動管型密度計としても用いることができる質量流量計である。各相の密度は、特定の相に対する質量流量を体積測定値へ変換するために用いられる。組合わされた全体の流れにおける油、気体および水の個々の質量百分率を識別するためにコリオリ流量計を用いるとき、多くの困難が存在する。」
「【0038】システム100を通る流量を減じる目的は、残りの液相における水からの油の実質的な重力分離を阻止するほど流量が充分に大きい期間にも、渦流分離器104の使用によって、重力分離の補助により、液体測定流管108から同伴気泡を除去することである。渦流分離器104における遠心力により分離を行って、流量を増すことにより液相からの気相の実質的に完全な分離を達成することも可能である。この目的のため、制御装置112は、図3および図4を参照して説明するように、駆動利得またはコリオリ流量計166からのピックオフ電圧を監視する。」
「【0041】図4は、多相流体に同伴された気泡として過渡的な気泡がコリオリ流量計166へ侵入する事象400に対する、駆動利得と時間との関係を示す仮想データのプロットである。気泡は時間402において侵入し、時間404に出る。駆動利得は図4においては百分率として表わされ、例えばt1、t2およびt3の時間間隔の関数としてプロットされる。制御装置112(図1)は、駆動利得または透過率を閾値406と比較することによって監視するようにプログラムされる。曲線408の駆動利得または透過率が閾値406を越える場合、制御装置112は密度が過渡気泡の存在により影響されていることを認識する。このため、コリオリ流量計166は、ステップP206のためには、駆動利得が閾値406より小さいときに得られた密度値のみを用いる。閾値406の正確なレベルは、意図される使用環境と特定の流量計設計とに依存しており、多相流体における1~2体積%より少ない気体を許容するようになされる。」
「【図4】[図:0001391680000002.jpg]」
(3) 引用文献1
審査段階の拒絶の理由において引用した引用文献1(特表2014-516164号公報)には、以下の記載がある。
「【0042】図1には、ある実施形態にかかるセンサ組立体10と1つ以上のメータ電子機器20とを有しているコリオリ流量計の形態をとる振動式メータ5が示されている。センサ組立体10及びメータ電子機器20は、リード線100を介して電気的に通信可能となっている。図示されている実施形態では、センサ組立体10は、流動流体を受け入れるようになっている。」
「【0056】図3には、ある実施形態にかかる流体流動システム300が示されている。この流体流動システム300は、流体流入口301Aと流体流出口301Bとを有するパイプライン301を備えている。このパイプラインは、流体流入口301Aをパイプライン301のその他の部分に結合することができるフランジジョイント301’を有している。たとえば保管移送用途では、流体流入口301Aは販売者システムの一部であってもよいし、フランジジョイント301’の下流側のその他の部品は購入者システムの一部であってもよい。【0057】図示されているように、振動式メータ5はパイプライン301内に配置され、流体流動システム300の一部を構成するようになっていてもよい。ある実施形態によれば、パイプライン301は、第一の流体制御弁302と、第一の圧力センサ303と、第二の圧力センサ304と、第二の流体制御弁305とをさらに備えており、これらはすべて、リード線306、307、308及び309を介してメータ電子機器20と電気的に通信可能となっている。図3にはさらにシステムコントローラ310が示されている。システムコントローラ310は、リード線311を介してメータ電子機器20と電気的に通信可能となっている。さらに、図示されているように、パイプライン301は上述の部品を相互に連通させている。」
「【0083】図6には、センサ組立体10内の流体の静圧を求めるために用いることが可能な処理ルーチン600が示されている。たとえば、処理ルーチン600はメータ電子機器20内に格納されていてもよい。それに代えて、処理ルーチン600は、システムコントローラ310内に格納され、当該システムコントローラ310により実行されるようになっていてもよい。ある実施形態によれば、処理ルーチン600はステップ601で開始する。ステップ601では、パイプライン301内の流体の静圧が測定される。パイプライン301内の圧力は、第一の圧力センサ303及び/または第二の圧力センサ304を用いて測定されてもよい。測定された圧力は、第一の圧力信号213または第二の圧力信号214としてメータ電子機器20へ送ることができる。それに代えて、測定された圧力は、システムコントローラ310へ直接送るようにしてもよい。パイプライン301のどの地点で圧力が測定されてもよいが、好ましい実施形態では、圧力センサ303及び/または圧力センサ304は、これら2つの圧力センサ303、304間の圧力降下がセンサ組立体10に起因するものであって流体流動システム300の他の構成部品に起因するものではないような、センサ組立体10の近傍に配置されている。【0084】ステップ602では、振動式メータ5は、センサ組立体10から受け取るセンサ信号210に基づいて1つ以上の流れ特性を求めることができる。ある実施形態によれば、流れ特性の測定値とは質量流量の測定値のことであってもよい。他の実施形態によれば、流れ特性の測定値とは体積流量の測定値のことであってもよい。流れ特性の測定値には密度の測定値がさらに含まれてもよい。流れ特性の測定値には温度の測定値がさらに含まれてもよい。続きを表示(全16行)【0085】ステップ603では、メータ電子機器20またはシステムコントローラ310は、センサ組立体10内の静圧を求めることができる。ある実施形態によれば、センサ組立体10内の静圧は、測定されたパイプライン圧力及び1つ以上の流れ特性に基づいて求めることができる。上述のように、センサ組立体10の寸法(断面積及び長さ)ならびに摩擦係数は既知になっているかまたは容易に測定することができるので、1つ以上の流れ特性を用いて、粘性圧力損失を求めることができる。さらに、圧力センサ303が配置されているポイント331における流体速度及びセンサ組立体10内のポイント332またはその他のポイントにおける流体速度が求められている場合、そのポイントにおける静圧は、式(7)及び式(8)を静圧を求めるために再整理することにより求めることができる。一実施形態によれば、求められる静圧は、センサ組立体10から流出する直前の静圧である。一般的にこのポイントで求められる静圧は、粘性圧力損失に起因する最小静圧であるが、センサ組立体内の他のポイントにおける静圧を式(7)及び式(8)の長さ(L)を調節するだけで求めることができる。【0086】処理ルーチン600は、センサ組立体10内の静圧に基づいて流体が少なくともなんらかの気体を含んでいるか否かを判定することができる。たとえば、ステップ604では、静圧をしきい値またはしきい値範囲(値の幅)と比較することができる。当該しきい値は、たとえば流体の求められた飽和圧力に基づくものであってもよい。それに代えて、当該しきい値はユーザ入力値に基づくものであってもよい。ユーザ入力値は、流体の飽和圧力でなくともよく、もっと正確にいえば、飽和圧力よりも上にあると仮定される値であってもよい。したがって、静圧が、しきい値を上回っていれば、飽和圧力も上回っていることになる。しきい値またはしきい値範囲は、求められる飽和圧力よりも前もって決められた量だけ高い圧力であってもよい。このことは、飽和圧力未満に一時的にならせないように静圧の変化量を考慮に入れることを可能とする。ある実施形態によれば、飽和圧力は、たとえば密度測定値及び温度測定値に基づいて求めることができる。他の実施形態によれば、飽和圧力は、前もって格納されている値に基づいて求めることができる。【0087】ある実施形態によれば、静圧がしきい値またはしきい値範囲内にある場合、プロセスはステップ605へ進むことができる。ステップ605では、さらなるアクションを必要としないようになっていてもよい。たとえば、しきい値が求められた飽和圧力に基づくものであり、静圧が飽和圧力を上回っている場合、アクションを必要としないようになっていてもよい。【0088】しかしながら、ある実施形態によれば、静圧がしきい値またはしきい値範囲の外にある場合、プロセスはステップ606に進むことができる。ステップ606では、システムコントローラ310またはメータ電子機器20は1つ以上のアクションを行なうようになっていてもよい。たとえば、静圧が飽和圧力を下回っている場合、システムコントローラ310またはメータ電子機器20は1つ以上のアクションを行なうようになっていてもよい。ある実施形態によれば、静圧がしきい値またはしきい値範囲の外にある場合に取られるアクションは、流体が少なくともなんらかの気体を含んでいると判定することであってもよい。上述のように、たとえば静圧が飽和圧力を下回っている場合、流体は、フラッシュし始めるかまたはガス抜きが生じ、少なくともなんらかの気体が流体内に存在するようになる。【0089】ある実施形態によれば、講ずることができる他のアクションは、流体速度を下げるかまたは管圧を上げるためにシステムコントローラ310が第一の弁302及び第二の弁305のうちの1つ以上を調節することであってもよい。それに代えて、流体にガス抜きが生じているかまたは流体がフラッシュし始めている恐れがあることをユーザまたはオペレータに注意喚起する警告を出するようになっていてもよい。センサ組立体10内の静圧の測定値が流体の飽和圧力を下回っていると処理ルーチン600が判定する場合に取りうる他のアクションについては当業者にとって明らかなことである。【0090】他の実施形態では、メータ電子機器20またはシステムコントローラ310は、振動式メータ5のドライブ利得に基づいて流体が飽和圧力を下回っていることを確認するようになっていてもよい。ドライブ利得は、ピックオフコイル電圧をドライブコイル電圧で除算したものとして定義することができる。たとえば米国特許第6,564,619号の従来技術において公知となっているように、コリオリ式流量計のドライブ利得は気体の存在の検出に用いることができる。」
「【図1】[図:0001391680000003.jpg]」
「【図3】[図:0001391680000004.jpg]」
「【図6】[図:0001391680000005.jpg]」
(4) 引用文献5
当審において新たに引用する宮武修「フラッシュ蒸発の機構と促進」日本海水学会誌35巻5号、1982年、255~265頁(以下「引用文献5」という。)には、フラッシュ蒸発について、次の記載がある。
「2. フラッシュ蒸発の原理とフラッシュ蒸発装置フラッシュ蒸発の原理は単純で、熱平衡のもとで液体が保持できる熱エネルギーは、ある圧力下では一義的に定まるという熱力学的事実に基づいている。すなわち、ある温度の液体をその温度に対応する飽和蒸気圧以下に減圧すると、液体はすべての熱を顕熱として保持することができず、余剰の熱は蒸発潜熱として費やされて新たに蒸気が発生し、液温度は減圧した圧力に対応する飽和温度に向って低下していく、減圧がある程度大きく急速であれば、液自由表面のみならず液中においても沸騰が生ずるが、この現象をフラッシュ蒸発または自己蒸発と呼んでいる。」
(5) 技術常識及び周知技術の認定
ア 技術常識の認定
(ア) 技術常識1
引用文献4の段落【0007】、【0041】、引用文献1の段落【0042】、【0090】の記載から、次の技術事項は技術常識であったと認められる(以下「技術常識1」という。)
[技術常識1]
「振動管型密度計のような測定装置は電子機器であって、メータ電子機器を備えており、その駆動ゲインは、流体中の気体の存在の検出に用いることができること。」
(イ) 技術常識2
引用文献5の記載から、次の技術事項は技術常識であったと認められる(以下「技術常識2」という。)
[技術常識2]
「ある温度の液体のフラッシュ蒸発が起こる開始点は、その温度に対応する飽和蒸気圧にまで減圧された時点であり、その時点において、液相単相の状態から液相・気相の二相の状態に移行すること。」
イ 周知技術の認定
引用文献1の段落【0057】、【0083】、【0086】に記載されているように、次の技術事項は当業者にとって周知の技術であったと認められる(以下「周知技術」という。)
[周知技術]
「流体制御弁と圧力センサを備えたパイプライン内に振動式メータが配置された流体流動システムにおいて、流体制御弁と圧力センサはメータ電子機器と電気的に通信可能であり、圧力センサを用いて測定されたパイプライン内の圧力はメータ電子機器へ送られ、メータ電子機器内に格納された処理ルーチンが、流体がなんらかの気体を含んでいるか否かを判定すること。」
2 対比・判断
(1) 本願発明1について
ア 対比分析
(ア) 対比
本願発明1と引用発明を対比する。
a 引用発明の「単一又は多成分液体」は、本願発明1の「流体」に相当し、引用発明の「単一又は多成分液体の蒸気圧」は、本願発明1の「流体の蒸気圧」に相当する。
そして、引用発明の「単一又は多成分液体の蒸気圧の正確で連続的な測定を行うオンライン分析装置」は、「単一又は多成分液体の蒸気圧」の「測定を行う」方法のための「オンライン分析装置」であるといえるから、本願発明1と引用発明は、「流体の蒸気圧を測定する方法」である点で一致する。
b 引用発明の「上流側密度測定装置5a」及び「下流側密度測定装置9a」は、本願発明1の「密度計」に相当する。
ここで、引用発明の「上流側密度測定装置5a」が「振動管型密度計」である場合には「下流側密度測定装置9a」も「振動管型密度計」であるのは自明である。
また、振動管型密度計のような測定装置は電子機器であって、メータ電子機器を備えていることは技術常識であるから(技術常識1を参照)、引用発明の「上流側密度測定装置5a」及び「下流側密度測定装置9a」は、本願発明1の「メータ電子機器を有するメータ」に相当する。
よって、本願発明1と引用発明は、「メータ電子機器を有するメータを提供するステップであって、前記メータが流量計および密度計のうちの少なくとも1つを含むステップ」を含む点で一致する。
c 引用発明では、「蒸気圧が分析される液体混合物の側流が、サンプル流として入口弁1からフィルタ3に通され」、「フィルタ3から、流れは加熱器/冷却器4に入り」、「加熱器/冷却器4から、流体は、例えば振動管型密度計のような上流側密度測定装置5aに進み」、「上流側密度装置5aから、流体は毛細管として示される減圧装置6を通過し」、「減圧手段6から、流体は、下流側密度測定装置9aに送られ」、「下流側密度測定装置から、試料は流量制御弁11に進み」、「試料は、流量制御弁11からポンプ12の吸入口に進み」、「ポンプ12は、圧力を増加させてサンプルが主液体流に戻されるライン圧力に戻すものである」から、「サンプル流」を「上流側密度測定装置5a」及び「下流側密度測定装置9a」に流していることは明らかである。
よって、本願発明1と引用発明は、「プロセス流体を前記メータに流すステップ」を含む点で一致する。
d 引用発明では、「毛細管として示されている減圧装置6の出口には、試料の蒸気圧を測定するための圧力測定装置7が接続されて」いるから、本願発明1と引用発明は「前記プロセス流体の圧力を測定するステップ」を含む点で一致する。
e 引用発明の「フラッシュ又は発泡」は、引用文献5の記載事項から、「フラッシュ蒸発」と同義であることは明らかであり、ある温度の液体のフラッシュ蒸発が起こる開始点は、その温度に対応する飽和蒸気圧にまで減圧された時点であり、その時点において、液相単相の状態から液相・気相の二相の状態に移行することは技術常識である(技術常識2を参照)。
ここで、引用発明では、「圧力が低下するにつれて、最も高い蒸気圧を有する混合物の成分がフラッシュ又は発泡し始め[る]点が液体混合物の蒸気圧であ[る]」としており、「試料の流れは、毛細管を通る圧力降下が、液体試料の最も軽い留分をフラッシュするのに必要な最小値であるように調節され」ているから、液相単相の状態と、液相・気相の二相の状態の境界に到達するまで、サンプル流(試料の流れ)の圧力が調整されているといえる。
また、引用発明では、「流量制御弁11は、毛細管内の圧力降下の量を制御する蒸気圧分析器に導入される試料の量を調節するものであり」、「毛細管を通る流れが多いほど、圧力降下は大きく」なることから、引用発明の「流量制御弁11」は、「減圧装置6」(毛細管)における圧力の調整に用いられており、本願発明1の「バルブ」に相当する。
そうすると、本願発明1と引用発明は、「単相/二相境界に到達するまで、バルブを用いて前記プロセス流体の圧力を調整するステップ」を含む点で一致する。
f 引用発明では、「圧力が低下するにつれて、最も高い蒸気圧を有する混合物の成分がフラッシュ又は発泡し始め[る]点が液体混合物の蒸気圧であり」、「圧力測定装置7」により「試料の蒸気圧を測定」しているところ、上記eにおいて検討したとおり、フラッシュ又は発泡し始める時点は、液相単相の状態と、液相・気相の二相の状態の境界に到達するときであるから、本願発明1と引用発明は、「単相/二相境界での前記プロセス流体の流動蒸気圧を測定するステップ」を含む点で一致する。
(イ) 一致点及び相違点の認定
前記アの対比分析の結果をまとめると、本願発明1と引用発明は、次の一致点1の点において一致し、以下の相違点1の点において相違する。
[一致点1]
「流体の蒸気圧を測定する方法であって、メータ電子機器を有するメータを提供するステップであって、前記メータが流量計および密度計のうちの少なくとも1つを含むステップと、プロセス流体を前記メータに流すステップと、前記プロセス流体の圧力を測定するステップと、単相/二相境界に到達するまで、バルブを用いて前記プロセス流体の圧力を調整するステップと、単相/二相境界での前記プロセス流体の流動蒸気圧を測定するステップとを含む方法。」
[相違点1]
本願発明1は、「測定された駆動ゲインを用いて前記プロセス流体中の混入ガスの存在を決定するステップ」を含むのに対して、引用発明は、駆動ゲインを利用して流体中の気体の存在を検出しているか不明である点。
イ 判断
上記相違点1について検討すると、「振動管型密度計のような測定装置の駆動ゲインは、流体中の気体の存在の検出に用いることができること」は技術常識であるから(技術常識1を参照)、引用発明の「上流側密度測定装置5a」及び「下流側密度測定装置9a」の駆動ゲインを監視して「圧力が低下するにつれて、最も高い蒸気圧を有する混合物の成分がフラッシュ又は発泡し始め[る]」時点を決定するようにして、上記相違点1に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本願発明1の奏する効果について検討しても、引用文献2、4、1及び5に記載された事項からは当業者が予測困難で、かつ、格別顕著な効果を奏するということはできない。
したがって、本願発明1は、引用発明及び技術常識1、2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2) 本願発明10について
ア 対比分析
(ア) 対比
前記(1)ア(ア)における本願発明1と引用発明の対比分析の結果も踏まえつつ、本願発明10と引用発明を対比する。
a 引用発明の「単一又は多成分液体の蒸気圧の正確で連続的な測定を行うオンライン分析装置」は、本願発明10の「プロセス流体の流動蒸気圧を測定するためのシステム(300)」に相当する。
b 引用発明の「上流側密度測定装置5a」及び「下流側密度測定装置9a」は、本願発明10の「流量計および密度計のうちの少なくとも1つを備えるメータ(5)」に相当する。
c 引用発明の「流量制御弁11」は、「減圧装置6」(毛細管)における圧力の調整に用いられており、本願発明10の「バルブ」に相当する。
また、引用発明の「流量制御弁11」と「減圧装置6」(毛細管)の組み合わせは、本願発明10の「前記メータ(5)と流体連通している圧力調整器(308)」に相当する。
d 引用発明の「圧力測定装置7」は、本願発明10の「圧力センサ(312)」に相当する。
e 技術常識1を踏まえると、引用発明の「上流側密度測定装置5a」及び「下流側密度測定装置9a」は、本願発明10の「前記メータ(5)と通信するメータ電子機器」に相当する構成を備えている。
f 引用発明では、「圧力が低下するにつれて、最も高い蒸気圧を有する混合物の成分がフラッシュ又は発泡し始め[る」点が液体混合物の蒸気圧であ[る]」としており、「試料の流れは、毛細管を通る圧力降下が、液体試料の最も軽い留分をフラッシュするのに必要な最小値であるように調節され[ている]」から、液相単相の状態と、液相・気相の二相の状態の境界に到達するまで、サンプル流(試料の流れ)の圧力が調整されているといえる。
そして、前記cにおいて検討した内容を踏まえると、本願発明10と引用発明は、「前記圧力調整器(308)を制御して単相/二相境界に到達するまで、バルブを用いて前記プロセス流体の圧力を調整し[ている]」点で一致する。
g 引用発明では、「圧力が低下するにつれて、最も高い蒸気圧を有する混合物の成分がフラッシュ又は発泡し始め[る]点が液体混合物の蒸気圧であり」、「圧力測定装置7」により「試料の蒸気圧を測定」しているから、本願発明10と引用発明は、「単相/二相境界での前記プロセス流体の前記流動蒸気圧を測定する」点で一致する。
(イ) 一致点及び相違点の認定
前記(ア)の対比分析の結果をまとめると、本願発明10と引用発明は、次の一致点2の点において一致し、以下の相違点2の点において相違する。
[一致点2]
「プロセス流体の流動蒸気圧を測定するためのシステムであって、流量計および密度計のうちの少なくとも1つを備えるメータと、前記メータと流体連通している圧力調整器と、圧力センサと、前記メータと通信するメータ電子機器とを備え、測定された圧力を受け取り、前記圧力調整器を制御して単相/二相境界に到達するまで、バルブを用いて前記プロセス流体の圧力を調整し、前記単相/二相境界での前記プロセス流体の前記流動蒸気圧を測定するように構成される、システム。」
[相違点2]
本願発明10では、「メータ電子機器(20)」が、「前記圧力センサ(312)」とも通信し、「測定された圧力を受け取り、前記圧力調整器(308)を制御して単相/二相境界に到達するまで、バルブを用いて前記プロセス流体の圧力を調整し、前記単相/二相境界での前記プロセス流体の前記流動蒸気圧を測定する」のに対して、引用発明では、上流側密度測定装置5a及び下流側密度測定装置9aに含まれているメータ電子機器が、圧力測定装置7と通信していることまでは明示されておらず、メータ電子機器が、測定された圧力を受け取り、サンプル流体の圧力を調整し、サンプル流体の蒸気圧を測定することまでは明示されていない点。
イ 判断
上記相違点2について検討すると、「流体制御弁と圧力センサを備えたパイプライン内に振動式メータが配置された流体流動システムにおいて、流体制御弁と圧力センサはメータ電子機器と電気的に通信可能であり、圧力センサを用いて測定されたパイプライン内の圧力はメータ電子機器へ送られ、メータ電子機器内に格納された処理ルーチンが、流体がなんらかの気体を含んでいるか否かを判定すること」は周知の技術である(周知技術を参照)。
また、そもそも計測手段、制御手段、表示手段等を含むシステムにおいて、これらの手段を通信可能なものとし、コンピュータにより統合して処理や管理を行うことは常套(じょうとう)手段である。
そうすると、引用発明の上流側密度測定装置5a及び下流側密度測定装置9aに含まれているメータ電子機器に上記周知技術を適用することにより、メータ電子機器が圧力測定装置7と通信して測定された圧力を受け取り、サンプル流体の圧力を調整し、サンプル流体の蒸気圧を測定するようにして、上記相違点2に係る本願発明10の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
本願発明10の奏する効果について検討しても、引用文献2、4、1及び5に記載された事項から当業者が予測困難で、かつ、格別顕著な効果を奏するということはできない。
したがって、本願発明10は、引用発明、技術常識1、2及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3) 請求人の主張について
ア 請求人の主張の概要
請求人は、審判請求書において、要するに次の(ア)及び(イ)の主張をしている。
(ア) 引用文献2では、「蒸気圧分析器(キャピラリー管そのもの)が、圧力降下の量を制御する」と記載されており、「単相/二相境界に到達するまで、バルブを用いて前記プロセス流体の圧力を調整すること」は記載されていない。
(イ) 引用文献2には、ガスの存在及び密度の両方を同じ装置で測定することは開示されていない。
イ 請求人の主張の検討
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(ア) 主張(ア)について
前記(1)ア(ア)eにおいて説示したとおり、引用発明では、「流量制御弁11は、毛細管内の圧力降下の量を制御する蒸気圧分析器に導入される試料の量を調節するものであり」、「毛細管を通る流れが多いほど、圧力降下は大きく[なる]」ことから、引用発明の「流量制御弁11」は、「減圧装置6」(毛細管)における圧力の調整に用いられており、「バルブ」に相当する。
すなわち、引用発明では、「流量制御弁11」と「減圧装置6」(毛細管)が協働して圧力の調整を行っており、「流量制御弁11」(バルブ)を用いて圧力の調整を行っていることに変わりはない。
また、仮に、請求人の主張が、本願発明1及び10は毛細管を用いない点が相違点であるとするものと善解しても、引用文献2には、「Those skilled in the art will recognize that other methods of decreasing the pressure or detecting the flashing or effervescence of the sample can be devised」(当業者であれば、圧力を低下させる、又は試料のフラッシング若しくは発泡を検出する他の方法を工夫することができる)と記載されているから(前記1(1)ア(ク)を参照)、引用発明において、「減圧装置6」(毛細管)によらずに「流量制御弁11」(バルブ)のみを用いて圧力の調整を行うようにすることは、当業者が適宜なし得た設計変更にすぎず、格別のものではない(例えば、引用文献1の【図3】に示された第一の流体制御弁302や第二の流体制御弁305は、メータ電子機器20からの制御信号に基づいてその開閉が制御され、パイプライン301内の流体圧力が調節されている。)。
したがって、いずれにしても上記主張(ア)は、前記(1)イ及び(2)イに示した結論を左右するものではない。
(イ) 主張(イ)について
前記相違点1について検討したとおり(前記(1)イを参照)、「振動管型密度計のような測定装置の駆動ゲインは、流体中の気体の存在の検出に用いることができること」は技術常識であるから(技術常識1を参照)、引用発明の「上流側密度測定装置5a」及び「下流側密度測定装置9a」の駆動ゲインを監視して、流体中のガスの存在および密度の両方を同じ装置で測定するように構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、請求人の主張(イ)も、前記(1)イ及び(2)イに示した結論を左右するものではない。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明1及び本願発明10は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-016495