商標異議申立
2022-900316
ユウテイエムエフ
- 審判番号
- 2022-900316
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-082163
- 登録番号
- 6560491
- 請求日
- 2022年08月01日
- 審決日
- 2023年06月29日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】特定非営利活動法人富士トレイルランナーズ倶楽部
- 【権利者代理人】中田 和博
- 【権利者代理人】青木 博通
- 【権利者代理人】神蔵 初夏子
- 【異議申立人】ユーティーエムビー グループ
- 【異議申立人代理人】弁理士法人不二商標綜合事務所
- 【異議申立人代理人】木村 吉宏
- 【異議申立人代理人】伊東 美穂
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T1651.261-Y (W1618242541) / T1651.262-Y (W1618242541) / T1651.263-Y (W1618242541) / T1651.271-Y (W1618242541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6560491号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6560491号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6560491号商標(以下「本件商標」という。)は、「UTMF」の文字を標準文字で表してなり、令和3年7月1日に登録出願、第16類「文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」、第24類「布製身の回り品,布製ラベル」、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,タンクトップ,ティーシャツ,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,その他の被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第41類「トレイルランニングレースの企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,マラソン大会の企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,スポーツの興行の企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)及びこれらに関する情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授及びこれらに関する情報の提供,セミナー・シンポジウム・講演会・講習会又は研修会の企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,電子計算機端末・移動体電話による通信を用いて行う音声・音楽・動画又は映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオ・DVDの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定商品及び指定役務として、同4年5月17日に登録査定され、同月24日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして引用する国際登録第1271980号商標(以下「引用商標」という。)は、「UTMB」の欧文字を横書きしてなり、2015年(平成27年)5月13日に国際商標登録出願、第18類、第25類、第35類及び第41類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務(別掲)を指定商品及び指定役務として、平成29年5月12日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により、取り消されるべきものである旨申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第38号証を提出した。
以下、証拠の記載に当たっては、「甲第〇号証」を「甲〇」のように記載する。
1 商標法第4条第1項第15号について
(1)申立人に係る「UTMB」の著名性について
トレイルランニングとは、林道、登山道、ハイキングコース、砂利道など多様な末舗装路(トレイル)を走るランニングスポーツであり(甲3)、引用商標「UTMB」は、申立人が主催するトレイルランニングの大会である「Ultra-Trail du Mont-Blanc(ウルトラ トレイル デュ モンブラン)」(以下「Ultra-Trail du Mont-Blanc」という。)の略称である。
「UTMB」は、フランスの東南部にあるシャモニー=モン=ブランで毎年8月の最終週又は9月第1週に開催され、ヨーロッパのアルプスの最高峰モンブランを取り巻くフランス、スイス、イタリアにまたがる山岳地帯を走るトレイルランニングの大会であり、スタート地点の高級リゾート地であるシャモニー=モン=ブランを出発した後、モンブランの周りを反時計回りに1周する全171kmのコースを約2日かけて走る過酷なレースであり、完走までの制限時間は46時間30分に設定され、参加者の平均完走時間は約40時間、完走率約60%とのデータがあるなど(甲9、甲20)、世界で最も過酷なトレイルランニングレースのひとつとして、トレイルランニングの業界で広く知られている。
「UTMB」の初めての開催は2003年に遡り、毎年1万人以上がレースに参加し、2000人のボランティア、2万人のサポートランナー、5万人の観客が観戦する一大イベントである(甲4~甲9)。
「UTMB」への参加資格を得るためには、申立人が主催又は認定する別のトレイルランニング大会に参加して完走することが条件となっており、これは「UTMB」が非常に人気の高いトレイルランニングレースであり、参加希望者が年々増加していること、申立人が策定した統一の競技基準に則った質の高いレースを提供することなどの目的で導入されたものである(甲10、甲11)。
申立人に係る「UTMB」は、しばしばトレイルランニングのオンラインメディア、ランニング専門誌、テレビ番組などで特集が組まれ、DVDや旅行会社による「UTMB」参加ツアーが販売されるなど、我が国でもトレイルランニングの分野で広く認知されている(甲8~甲36)。
(2)本件商標と引用商標の類否の程度
本件商標から生じる称呼は「ユーティーエムエフ」であり、申立人の周知・著名な商標である「UTMB」から生じる称呼「ユーティーエムビー」と語頭の「ユーティーエム」を共通にする。両商標は、共に8音で構成され、そのうち称呼の類否に大きく影響する語頭の6音を共通にし、語尾の「エフ」及び「ビー」を相違するのみであるため、両商標は、聴別し難い類似の商標である。
また、観念については、本件商標「UTMF」と引用商標「UTMB」は、共に辞書的な意味を持たない造語であるが、引用商標「UTMB」は、トレイルランニングの分野においては申立人の主催するトレイルランニングレース「Ultra-Trail du Mont-Blanc」の略称として周知・著名な商標であるため、引用商標からは、かかる観念が生じる。
外観については、本件商標と引用商標は、共に4文字の大文字の欧文字で構成されており、語頭の「UTM」の3文字を共通にし、末尾の「F」と「B」を相違するのみである。「F」と「B」の文字は、縦線と横線(「F」の2本の横線と「B」の2本の曲線)からなる構成により文字自体の形状が近似しており、また、比較的目につきやすい語頭でなく、全体の構成において埋没しやすいともいえる語尾において相違しているため、当該相違点は迅速に認識しにくいものである。
さらに、両商標は4文字の比較的短い文字数のうち、語頭の3文字及びその配列を同じくしているため、全体として外観が非常に近似しており、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合には、外観において相紛れるおそれが極めて高い類似の商標である。
(3)混同を生ずるおそれ
引用商標「UTMB」は、申立人が主催又は協賛するトレイルランニングレースを表す商標として広く知られており、当該商標を付した商品(第16類、第18類、第25類に属する商品を含む)がオフィシャルグッズとして販売されている。
よって、本件商標と申立人の周知・著名商標の類似性からしても、本件商標が付された商品や役務に接する取引者や需要者は、申立人と本件商標の権利者の間に何らかの関連性があるかのように誤認混同する可能性は非常に大きいといえる。
さらに、申立人は、引用商標のほかに我が国において、国際登録第1132919号「ULTRA-TRAIL」第38類(甲37)、国際登録第1135683号「ULTRA-TRAIL」第41類(甲38)を有しており、トレイルランニングの業界では、「UTMB」が申立人に係る「Ultra-Trail du Mont-Blanc」の略称であること、及び語頭の「UT」が申立人の登録商標である「ULTRA-TRAIL」の略であることが広く認識されている。
よって、本件商標「UTMF」に接した需要者は、本件商標中の「UT」を申立人の登録商標である「ULTRA TRAIL」の略であると認識するといえ、この点においても、本件商標「UTMF」は、申立人と本件商標の権利者の間に、何らかの組織的関係があると需要者に混同させるおそれがある商標といえる。
(4)むすび
以上を総合すれば、申立人に係る「UTMB」は、申立人が20年近く使用してきたことにより、少なくとも本件商標の登録出願日以前には我が国において、申立人を表す商標として広く知られていたことは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、引用商標と称呼及び外観が類似する商標であり、また、引用商標は、申立人に係る世界的に著名なトレイルランニングレースの名称として20年近く使用されており、トレイルランニング界では知らない人がいないほど取引者や需要者らに周知・著名であり、両商標は混同するおそれのある商標である。
(2)本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務について
指定商品及び指定役務について検討すると、引用商標は、第18類「ランニングバッグ、ウェストポーチ」などの「かばん類や袋物」、「携帯用化粧道具入れ」、「傘」など、第25類「被服、履物、運動用特殊靴、ジャージー製運動用衣服及びジャージー製運動用特殊衣服」など、第41類「教育、訓練」、「娯楽の提供」、「スポーツの興行の企画・運営又は開催」、「セミナーの運営」などを指定している。一方、本件商標は、第16類、第18類、第24類、第25類及び第41類を指定しているが、その指定商品・指定役務の中で、第18類、第25類及び第41類の指定商品及び指定役務は全て、引用商標と同一又は類似の商品・役務である。
よって、本件商標が第18類、第25類、第41類の指定商品及び指定役務について使用された場合には、本件商標と引用商標との間に混同が生じ得ることは十分に考えられる。
また、引用商標は、本件商標の指定商品中の第16類「印刷物」などと関係の深い、第41類「電子出版物の提供」や第35類「広告」、「ダイレクトメールによる広告(小冊子・説明書・印刷物及び試供品の配布)」などを指定しており、さらに、本件商標の指定商品中の第18類「布製の身の回り品、布製ラベル」などについては、スポーツイベントにおいてはタオルやゼッケンなどの布製ラベルに大会名と共にスポンサー企業の名称を入れることがしばしば行われるため、第18類「布製の身の回り品、布製ラベル」について本件商標が使用された場合、引用商標の指定役務中、第35類「スポーツイベントによる他人の商品及び役務の促進、スポーツイベントへの導入による・スポーツイベントの手段による商品役務の促進、スポーツイベントへの導入による商品役務及び役務の促進」について混同が生じる可能性がある。
(3)むすび
以上を総合すれば、本件商標は、引用商標とは商標が類似し、指定商品及び指定役務が同一又は類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 むすび
本件商標は、商標法第4項第1項第11号及び同項第15号に違反してなされたものであり、その登録は取り消されるべきである。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)「UTMB」の著名性について
ア トレイルランニングとは、林道、登山道、ハイキングコース、砂利道など多様な末舗装路(トレイル)を走るランニングスポーツである(甲3)。
イ 申立人が主催する「Ultra-Trail du Mont-Blanc」は、2003年から開催され、日本人選手を含む毎年1万人以上がレースに参加し、2000人のボランティア、2万人のサポートランナー、5万人の観客が観戦するトレイルランニングの大会であり、フランスの東南部にあるシャモニー=モン=ブランで毎年8月の最終週又は9月第1週に開催され、ヨーロッパのアルプスの最高峰モンブランを取り巻くフランス、スイス、イタリアにまたがる山岳地帯を走るトレイルランニングの大会であり、スタート地点のシャモニー=モン=ブランを出発した後、モンブランの周りを反時計回りに1周する全171kmのコースを約2日かけて走る大会で、完走までの制限時間は46時間30分に設定され、参加者の平均完走時間は約40時間、完走率約60%など、過酷なトレイルランニングレースのひとつである。
そして、「Ultra-Trail du Mont-Blanc」への参加資格を得るためには、申立人が主催又は認定する別のトレイルランニング大会に参加して完走することが条件となっている(甲10、甲11)。
また、「UTMB」は、「Ultra-Trail du Mont-Blanc」の略称として使用されている(甲4~甲9、甲19~甲21ほか)。
ウ 「Ultra-Trail du Mont-Blanc」は、トレイルランニングのオンラインメディア、ランニング専門誌等において紹介されており(甲8~甲13、甲15~甲20)、その略称である「UTMB」の語について、例えば、「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン 2022(UTMB)」(甲8)、「2003年に始まったUltra-Trail du Mont-Blanc(UTMB)は、世界最大級のウルトラトレイルランニングレースとして認知されています。」(甲15)、「・・・「モンブラン・・・」を1周まわるレースといえば、「UTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)」」(甲18)などのように、「Ultra-Trail du Mont-Blanc」の略称を表すものとして使用されている。
また、トレイルランニングに関する雑誌・書籍(甲25~甲29)の表紙に「UTMB」の語が使用され、「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン」に関するDVDが販売され(甲32、甲33)、「ウルトラ トレイル デュ モンブラン」に関するテレビ番組(甲30、甲31、甲34)において、例えば「世界最大のトレイルランレース UTMB2021」と題する番組において紹介されたことがうかがえるが、その放送回数、視聴率等は不明である(甲34)。
さらに、我が国の旅行会社による「Ultra-Trail du Mont-Blanc」への参加や観戦のツアーが開催されていることがうかがえる(甲21)。
エ 引用商標「UTMB」が付された申立人の商品(シャツ、靴下、ベルト、ジャケット、ボトムス、帽子、マグカップ、タンブラー、タオル、ステッカーなど)(以下「申立人の業務に係る商品」という。)が、申立人のウェブサイトにおいて販売されていたことがうかがえる(甲24)。
オ 上記イないしエによれば、引用商標が付された申立人の業務に係る商品が販売されたことはうかがわれるが、申立人の業務に係る商品の我が国における売上高、販売開始時期、販売地域等の販売実績についての証拠の提出はない。
また、「Ultra-Trail du Mont-Blanc」は、トレイルランニングに関するオンラインメディア、ランニング専門誌、トレイルランニングに関する書籍及びテレビ番組を通じて紹介され、それらにおいて、「UTMB」の語は、「Ultra-Trail du Mont-Blanc」の略称を表すものとして使用されており、さらに、トレイルランニングに関するDVDが販売され、「Ultra-Trail du Mont-Blanc」には、日本人選手も出場し、我が国の旅行会社による「UTMB」参加ツアーも開催されたことなどからすれば、「UTMB」の語は、「Ultra-Trail du Mont-Blanc」の略称を表すものとして、トレイルランニング業界やトレイルランニングの愛好家又は同競技に興味を有する者等の間において、ある程度知られていたといえる。
しかしながら、引用商標を付した申立人の業務に係る商品の我が国における販売数、売上高、市場シェアなどの販売実績や申立人の業務に係る役務の広告宣伝の方法、期間、地域及び規模を示す具体的な証拠の提出はない。
以上を総合すると、引用商標は、トレイルランニング業界やトレイルランニングの愛好家又は同競技に興味を有する者等の間において、ある程度知ら
れているとしても、引用商標を付した申立人の業務に係る商品及び役務の我が国における周知性の度合いについて、それを客観的に判断するための証拠、例えば、我が国における申立人の業務に係る商品及び役務の広告宣伝の方法、時期及び回数、あるいは、申立人の業務に係る商品の販売地域、規模、市場シェア等を示す証拠は何ら提出されていないから、引用商標の周知性は、トレイルランニング業界やトレイルランニングの愛好家又は同競技に興味を有する者の範囲に限られるというのが相当であり、その範囲を超えて、本件商標の全ての指定商品及び指定役務の取引者、需要者の間にまで広く認識されているとまではいうことはできない。
その他、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標の周知性を認める得る特別な事情も見いだせない。
以上よりすれば、申立人の提出した証拠によっては、引用商標は、本件商標の登録出願日及び登録査定日において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「UTMF」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔でまとまりよく一体的に表されているものであって、これより生じる「ユーティーエムエフ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、当該文字は、辞書等に載録のないものであって、特定の意味合いを理解させるものではない。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「ユーティーエムエフ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「UTMB」の欧文字を太字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔でまとまりよく一体的に表されているものであって、これより生じる「ユーティーエムビー」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、当該文字は、辞書等に載録のないものであって、特定の意味合いを理解させるものではない。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「ユーティーエムビー」の称呼を生じるが、特定の観念を生じない。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、いずれも4文字と少ない構成文字数において、語尾における「F」と「B」の差異を有するものであり、当該差異により、十分区別し得るものである。
また、称呼においては、本件商標から生じる「ユーティーエムエフ」の称呼と引用商標から生じる「ユーティーエムビー」の称呼とは、いずれも冗長とまではいえない構成音数において、語尾における「エフ」と「ビー」の音の差異により、全体の音感、音調が異なり十分聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念が生じないものであるから、比較できない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観上は、明確に区別し得るものであり、称呼上も明瞭に聴別し得るものであるから、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものであり、上記2(3)のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標であるから、類似性の程度は低いものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても、それに接する取引者、需要者が引用商標を連想又は想起し、他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であると誤認し、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-900316