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特許拒絶査定不服審判

2021-014942

プラグ装置及び配電システム

審判番号
2021-014942
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-191900外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年11月04日
審決日
2022年07月13日
公報発行日
2022年08月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H01R)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-191900「プラグ装置及び配電システム」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 4月25日出願公開、特開2019- 67630、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 14項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成29年9月29日の出願であって、令和3年3月23日付けで拒絶理由通知がされ、令和3年5月31日に手続補正がされ、令和3年7月28日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和3年11月4日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和3年7月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1 理由1について

本願の請求項1~4に係る発明は、引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された発明、引用文献3~4に記載された技術的事項及び引用文献5に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

引用文献1:特開平6-14437号公報
引用文献2:特開平6-6929号公報
引用文献3:特開昭59-198819号公報
引用文献4:実願昭58-57758号(実開昭59-164181号)のマイクロフィルム
引用文献5:実願昭46-109914号(実開昭48-64798号)のマイクロフィルム

第3 本願発明

本願の請求項1~4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明4」という。)は、令和3年5月31日の手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
給電用導体とアース用導体とを備える配線ダクトに接続されるプラグ装置であり、
本体部と、
前記本体部から突出し、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記配線ダクトの内部空間に配置される接続部と、
続きを表示(全27行)
前記接続部の内部にあり、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記給電用導体と電気的に接続される給電端子と、
枠体とアース接続端子と第二のアース接続端子とを備えるアース部材とを備え、
前記接続部は、前記接続部の突出する方向と直交する方向を向く側面である主配置面と、前記主配置面の向く方向とは反対方向を向く側面である副配置面とを有し、
前記枠体は、その開口の位置に前記接続部が配置されることで前記接続部を囲み、
前記アース接続端子と、前記第二のアース接続端子との各々は、前記開口の縁から突出するように、前記枠体から切り起こされており、
前記アース接続端子は、前記主配置面に沿って配置され、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記アース用導体に電気的に接続され、
前記第二のアース接続端子は、前記副配置面に沿って配置され、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記アース用導体に電気的に接続され、
前記アース接続端子の、前記接続部の突出する方向の寸法は、前記第二のアース接続端子の、前記接続部の突出する方向の寸法よりも大きく、
前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続されていない状態から接続された状態になるまでの接続過程で、前記給電端子が前記給電用導体に電気的に接続される前に前記アース接続端子が前記アース用導体に電気的に接続される位置に、前記アース接続端子が配置されている、
プラグ装置。
【請求項2】
前記アース接続端子は、固定端と自由端とを有する板バネを備え、前記板バネに外力が加えられていない状態では、前記自由端の、前記接続部の突出する方向に沿った位置は、前記固定端に対して前記本体部側にあり、かつ前記自由端の、前記主配置面の向く方向に沿った位置は、前記固定端に対して前記主配置面とは反対側にあり、
前記板バネは、前記固定端と前記自由端との間に屈曲部を更に有し、前記板バネにおける前記固定端から前記屈曲部までの部分の、前記接続部の突出する方向に対する傾きは、前記板バネにおける前記屈曲部から前記自由端までの部分の、前記接続部の突出する方向に対する傾きよりも、大きい、
請求項1に記載のプラグ装置。
【請求項3】
前記板バネは、前記固定端と前記屈曲部との間に、前記接続過程で前記板バネが前記アース用導体に接触する際に前記アース用導体と最初に接触する第一接触部を更に有し、
前記板バネは、前記屈曲部と前記自由端との間に、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記アース用導体と接触する第二接触部も更に有し、
前記屈曲部と前記第一接触部との間の寸法は、前記屈曲部と前記第二接触部との間の寸法よりも小さい、
請求項2に記載のプラグ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプラグ装置と、
前記プラグ装置が接続される配線ダクトとを備える、
配電システム。」

第4 引用文献、引用発明等

1 引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用された、上記引用文献1には、図面とともに次の記載がある。なお、下線は当審で付したものである。

「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、バスダクト装置に関するものである。」
「【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したバスダクト装置では、アースを取るためにアース線の両端をそれぞれアースねじ部及びアース用ねじ穴に螺着する作業が面倒なものであった。また、アース用ねじ穴をバスダクトに設けておく必要があった。」

「【0007】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、アースを取る際の面倒を排除し、また、バスダクトの生産過程においてアース用ねじ穴加工を必要としないバスダクト装置を提供することにある。」

「【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のバスダクト装置は、コアの内外表面を絶縁するとともに内部に導体を配置しかつ下面にプラグを装着するための開口部を有するバスダクトと、導体に電気的接続される導電端子とアースねじ部を備えておりバスダクトへの着脱が自在なプラグと、を有するバスダクト装置において、前記開口部に通電部を設け、前記プラグにアースねじ部と電気的に接続しかつ開口部へのプラグ装着時に前記通電部と弾性的に接触するアース接触部を設けた構成としている。」
「【0009】
【作用】この構成によれば、バスダクトへプラグを装着した場合、必然的に通電部とアース接触部が弾性的に接触することによって、アースを取ることができる。」

「【0011】本発明のバスダクト装置は、バスダクト1 とプラグ6 とで構成されている。そのバスダクト1 は、コア2 、導体5 等を有する。コア2 は、金属製であり、断面は大略ロ字状をなし、長手方向に伸びている。詳しくは、断面が大略コ字状の上方部材3 と下方部材4 を組み合わせて大略ロ字状をなすものである。下方部材4の底面には、プラグ6 を挿入するための略長方形の開口部4aが設けられている。そして、コア2 の内外表面は塗装等により絶縁された状態であるが、開口部4aの端面は通電部4bとして、絶縁されずに露出している。」

「【0013】プラグ6 は、導電板を設けた端子台7 、導電端子10、フレーム11、プラグヘッド12、アース接触部13、ボディ14、フック15、フック用ばね16、押釦17、カバー18等を有する。」

「【0016】フレーム11は、金属製で、中央に開口部を有する枠状をなし、その一端から下方に延びるアースねじ部11a を連設している。
【0017】プラグヘッド12は、樹脂製で、導電端子10に対してその周囲を囲むことにより外方絶縁壁として存在するとともに、プラグ6 装着時に導電端子10が導体5 に接触するのを阻害しないように内方絶縁壁を有した櫛型の形状をなす。
【0018】アース接触部13は、金属板材製であって縦片13a と横片13b を有した略L字状をなし、その縦片13a に略U字状の切れ目をいれてできるU字状の接触片13c を傾斜させて設けている。この接触片13c は、プラグ6 の装着時に所定の押圧力でもってコア2 の通電部4bに接触する。また、横片13b はフレーム11にリベットRによって固着され、その状態で縦片13a はプラグヘッド12の側面に露出する。アース接触部13とアースねじ部11a はフレーム11を介し電気的に接続している。」

「【0023】上述のプラグ6 は、端子台7 とプラグヘッド12がフレーム11を挟むようにして結合され、その下方からボディ14とカバー18をフレーム11にねじによって螺着することにより組み立てられる。」

「【0026】
【発明の効果】本発明のバスダクト装置に、バスダクト開口部に通電部を設け、プラグにアース端子と電気的に接続しかつ開口部へのプラグ装着時に前記通電部と弾性的に接触するアース接触部を設けたことにより、バスダクトへプラグを装着するだけで電気的接続ができると同時にアースを取ることもできるので、バスダクトにアース用ねじ穴を設ける必要がなく、アース線でアースねじ部とアース用ねじ穴を接続する面倒も省略できる。」
「【図1】
[図:0001387279000001.jpg]
」
「【図5】
[図:0001387279000002.jpg]
」

(認定事項)

図1及び図5より、プラグヘッド12の外方絶縁壁は、ボディ14からプラグヘッド12が突出する方向と直交する方向を向く2つの側面を有すること、及び、当該2つの側面のうちの1つの側面にアース接触部13が配置されることが看取される。

上記記載事項及び認定事項から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

〔引用発明1〕

「金属製コア2の内外表面を絶縁するとともに、その内部に導体5を配置しかつ下面にプラグ6を装着するための開口部4aを有するバスダクト1と、
前記導体5に電気的接続される導電端子10とアースねじ部11aを備えており前記バスダクト1への着脱が自在なプラグ6と、を有するバスダクト装置において、
前記開口部4aの端面に、絶縁されずに露出した通電部4bを設け、
前記プラグ6は、更に導電板を設けた端子台7、フレーム11、プラグヘッド12、アース接触部13及びボディ14を有し、前記端子台7と前記プラグヘッド12が前記フレーム11を挟むようにして結合され、その下方から前記ボディ14を前記フレーム11に螺着することにより組み立てられるものであり、
前記フレーム11は、中央に開口部を有する枠状をなし、その一端から下方に延びる前記アースねじ部11aを連設するものであり、
前記プラグヘッド12は、前記導電端子10に対してその周囲を囲むことにより外方絶縁壁として存在するとともに、プラグ6装着時に前記導電端子10が前記導体5に接触するのを阻害しないように内方絶縁壁を有した櫛型の形状をなすものであり、前記外方絶縁壁は、前記プラグヘッド12の突出する方向と直交する方向を向く2つの側面を有し、前記2つの側面のうちの1つの側面に前記アース接触部13が配置され、
前記アース接触部13は、金属板材製であって縦片13aと横片13bを有した略L字状をなし、その縦片13aに略U字状の切れ目を入れてできるU字状の接触片13cを傾斜させて設けるものであり、前記横片13bは、 前記フレーム11にリベットRによって固着され、
前記アース接触部13の接触片13cは、前記アースねじ部11aと電気的に接続しかつ前記開口部4aへのプラグ6装着時に前記通電部4bと弾性的に接触する、バスダクト装置。」

2 引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用された、上記引用文献2には、図面とともに次の記載がある。なお、下線は当審で付したものである。

「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ダクトの分岐装置に関するものである。」
「【0004】
【課題を解決するための手段】この発明のダクトの分岐装置は、ダクト本体のプラグインホールにプラグヘッドを差し込んで導通可能に取付けられるダクトの分岐装置において、前記プラグインホールの開口周縁部に弾性係止するフックと、このフックの係止を解除する解除部材とからなる係脱機構を設けたことを特徴するものである。」
「【0006】
【実施例】この発明の一実施例のダクトの分岐装置を図1ないし図8に基づいて説明する。1はバスダクト、2はその分岐装置である。バスダクト1の外殻を形成するダクト本体1aには、その内部の導体4に接続できるようにプラグインホール3が穿設されている。
【0007】分岐装置2は、端子ブロック5、係脱機構6、ボディ7等から構成される。端子ブロック5は、図6に示すように、開口部20の四隅に凹部21…が形成され下側に対向する板片8,8を有するフレーム11と、クリップ12…および端子ねじ13…が設けられ板片8,8で位置決めされた状態でフレーム11に装着された端子台14と、各々のクリップ12…を絶縁するように開口部20に嵌合され端子台14で支持されたプラグヘッド15とを備えている。22はアース接触端子で、リベット23でフレーム11に取付けられる。34はアースねじである。また、図7に示すように、ボディ7は端子台14を囲むようにフレーム11の下側にねじ16…で取付けられる。このボディ7の板片8に対応する対向面には開口部17,17が設けてあり、さらに開口部17の下側の内側面に凹形の支持部18が設けてある。また、ボディ7の下側には端子ねじ13を覆うようにカバー19がねじ24…で取付けられる。」

「【0009】つぎに、分岐装置2を取付ける動作について説明する。図7(a)に示すように、ダクト本体1aのプラグインホール3にプラグヘッド15を差し込み、導体4をクリップ12で挟着する。この状態でさらに分岐装置2を押し上げると、図7(b)に示すように、フック25の傾斜部28がプラグインホール3の周縁部に当接してこれにより力を受け、フック25がばね26の弾性に対抗して内側へ移動する(図7(c))。さらに、分岐装置2を上昇させると、図7(d)に示すように、傾斜部28とプラグインホール3の当接状態が解除されて、ばね26が復帰し溝部29がプラグインホール3の周縁部に入って弾性係止される。また、分岐装置2を取外すときは、図8に示すように、解除部材27を押すことによりフック25が内側へ移動し係止状態が解除される。」

「【図1】
[図:0001387279000003.jpg]
」
「【図6】
[図:0001387279000004.jpg]
」
「【図7】
[図:0001387279000005.jpg]
」

(認定事項)

図1、図6及び図7より、プラグヘッド15は、ボディ7からプラグヘッド15が突出する方向と直交する方向を向く2つの側面を有すること、及び、当該2つの側面のうちの1つの側面にアース接触端子22が配置されることが看取される。

上記記載事項及び認定事項から、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

〔引用発明2〕

「バスダクト1のダクト本体1aに導通可能に取り付けられるダクトの分岐装置2であって、
前記分岐装置2は、端子ブロック5、係脱機構6及びボディ7から構成されるものであり、
前記端子ブロック5は、開口部20が形成され下側に対向する板片8を有するフレーム11と、クリップ12が設けられ、前記板片8で位置決めされた状態で前記フレーム11に装着された端子台14と、前記クリップ12の各々を絶縁するように前記開口部20に嵌合され、前記端子台14で支持されたプラグヘッド15とを備えており、
前記フレーム11には、リベット23でアース接触端子22が取り付けられており、
前記プラグヘッド15は、前記ボディ7から前記プラグヘッド15が突出する方向と直交する方向を向く2つの側面を有し、前記2つの側面のうちの1つの側面に前記アース接触端子22が配置されており、
前記ダクト本体1aに穿設された前記プラグインホール3に前記プラグヘッド15を差し込み、前記ダクト本体1aの内部の導体4を前記クリップ12で挟着することにより、前記バスダクト1に導通可能に取り付けられる、
ダクトの分岐装置2。」

3 引用文献3について

原査定の拒絶の理由に引用された、上記引用文献3には、図面とともに次の記載がある。

・第2ページ右下欄第6~11行

「なお、分岐器具7のクリップ端子8A~8N即ち接触子、接触用接触片9及び分岐器具用接地片6との突出高さ関係は、接触子8A~8Nが導体A~Nに接する前に、接地用接触片9と分岐器具用接地片6とが接触するように設定するほうがよい。」

4 引用文献4について

原査定の拒絶の理由に引用された、上記引用文献4には、図面とともに次の記載がある。

・明細書第4ページ第14行~第5ページ第3行

「第2図に示すように、プラグイン器具の極性を正規の方向で取付けると、プラグイン器具箱13内に組込まれた挿入栓刃型接触子14が母線導体3に固着の栓刃受接触片4に挿入接続され、同時に又はそれ以前に上記脚片15の先端15’はバスダクトハウジングの一側面長手方向に連設した接地用導体7に挟着され、プラグイン器具箱13はバスダクト本体に取付の接地用導体7に電気的に接続される。」

・明細書第6ページ第2~9行

「本考案は上記のようになり、プラグイン器具の極性を正規にしてバスダクトに取付けると、プラグイン器具接触子がバスダクト内導体に接続と同時に又はそれ以前にプラグイン器具箱に取付けた導電性脚片15の先端15’が、バスダクトハウジングの一側面に連設した接地用導体に接続されるので、プラグイン器具箱の接地導体が確実に行なわれる。」

5 引用文献5について

原査定の拒絶の理由に引用された、上記引用文献5には、図面とともに次の記載がある。

・明細書第2ページ第8~12行

「(15)、(16)は前期(審決注:原文ママ)スイッチ接触子の両側の絶縁部に定着せる接地用弾性接触片であって前記スイッチを接地しているバスダクトに装入した時にバスダクトの係合部(3)の内面に接触して電気的に接続してプラグインスイッチを接地する。」

第5 対比・判断

1 本願発明1について

(1)引用発明1を主引用発明とする場合

ア 対比

本願発明1と引用発明1とを対比する。

(ア)引用発明1の「金属製コア2」又は「通電部4b」、「導体5」、「バスダクト1」、「プラグ6」、「導電端子10」、「フレーム11」、「プラグヘッド12」、「アース接触部13」、「ボディ14」は、それぞれ本願発明1の「アース用導体」、「給電用導体」、「配線ダクト」、「プラグ装置」、「給電端子」、「アース部材」、「接続部」、「アース接続端子」、「本体部」に相当する。

(イ)上記(ア)によれば、引用発明1の「金属製コア2の内外表面を絶縁するとともに、その内部に導体5を配置しかつ下面にプラグ6を装着するための開口部4aを有するバスダクト1」は、本願発明1の「給電用導体とアース用導体とを備える配線ダクト」に相当する。

(ウ)上記(ア)及び(イ)によれば、引用発明1の上記「バスダクト1」と「前記導体5に電気的接続される導電端子10とアースねじ部11aを備えており前記バスダクト1への着脱が自在なプラグ6と、を有するバスダクト装置」における「プラグ6」は、本願発明1の「給電用導体とアース用導体とを備える配線ダクトに接続されるプラグ装置」に相当する。

(エ)引用発明1の「導電板を設けた端子台7、フレーム11、プラグヘッド12、アース接触部13及びボディ14を有し」「前記端子台7と前記プラグヘッド12が前記フレーム11を挟むようにして結合され、その下方から前記ボディ14を前記フレーム11に螺着することにより組み立てられる」「プラグ6」における「プラグヘッド12」は、ボディ14から突出し、プラグ6がバスダクト1に接続された状態でバスダクト1の内部に配置されるものであるから(図1参照)、上記(ア)~(ウ)に照らして、本願発明1の「前記本体部から突出し、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記配線ダクトの内部空間に配置される接続部」に相当する。

(オ)上記(ア)及び(エ)によれば、引用発明1の「前記プラグヘッド12は、前記導電端子10に対してその周囲を囲むことにより外方絶縁壁として存在する」態様は、本願発明1の「給電端子」が「前記接続部の内部にあ」る態様に相当する。

また、引用発明1の「プラグ6装着時に前記導電端子10が前記導体5に接触する」態様は、本願発明1の「給電端子」が「前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記給電用導体と電気的に接続される」態様に相当する。

そうすると、引用発明1の「プラグヘッド12」が「周囲を囲む」「導電端子10」かつ「前記導体5に電気的接続される導電端子10」は、本願発明1の「前記接続部の内部にあり、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記給電用導体と電気的に接続される給電端子」に相当する。

(カ)上記(ア)によれば、引用発明1の「中央に開口部を有する枠状をなし、その一端から下方に延びる前記アースねじ部11aを連設する」「フレーム11」の「中央に開口部を有する枠状をな」す部分は、本願発明1の「アース部材」の「枠体」に相当する。

そうすると、引用発明1の「中央に開口部を有する枠状をなし」、「アース接触部13」が「固着され」た「フレーム11」は、本願発明1の「枠体とアース接続端子と第二のアース接続端子とを備えるアース部材」との関係において、「枠体とアース接続端子とを備えるアース部材」の点に限り一致する。

(キ)上記(ア)、(エ)及び(オ)によれば、引用発明1の「前記外方絶縁壁は、前記プラグヘッド12の突出する方向と直交する方向を向く2つの側面を有し、前記2つの側面のうちの1つの側面に前記アース接触部13が配置され」た態様は、本願発明1の「前記接続部は、前記接続部の突出する方向と直交する方向を向く側面である主配置面と、前記主配置面の向く方向とは反対方向を向く側面」「とを有し」かつ「前記アース接続端子は、前記主配置面に沿って配置され」た態様に相当する。

(ク)上記(オ)~(キ)によれば、引用発明1の「前記端子台7と前記プラグヘッド12が前記フレーム11を挟むようにして結合され」かつ「前記フレーム11は、中央に開口部を有する枠状をな」す態様は、本願発明1の「前記枠体は、その開口の位置に前記接続部が配置されることで前記接続部を囲み」との関係において、「前記枠体は、その開口の位置に前記接続部を囲み」の点に限り一致する。

(ケ)上記(ア)及び(オ)によれば、引用発明1の「前記アース接触部13は、金属板材製であって縦片13aと横片13bを有した略L字状をなし、その縦片13aに略U字状の切れ目を入れてできるU字状の接触片13cを傾斜させて設けるものであり」との態様は、本願発明1の「前記アース接続端子」が「前記開口の縁から突出するように、前記枠体から切り起こされており」との態様との関係において、「前記アース接続端子は、前記開口の縁から突出し」の点に限り一致する。

(コ)上記(ア)及び(ウ)によれば、引用発明1の「金属製コア2」の「前記開口部4aの端面に、絶縁されずに露出した通電部4bを設け」かつ「前記アース接触部13の接触片13cは、前記アースねじ部11aと電気的に接続しかつ前記開口部4aへのプラグ6装着時に前記通電部4bと弾性的に接触する」態様は、本願発明1の「前記アース接続端子は」「前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記アース用導体に電気的に接続され」た態様に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点1)

「給電用導体とアース用導体とを備える配線ダクトに接続されるプラグ装置であり、
本体部と、
前記本体部から突出し、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記配線ダクトの内部空間に配置される接続部と、
前記接続部の内部にあり、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記給電用導体と電気的に接続される給電端子と、
枠体とアース接続端子とを備えるアース部材とを備え、
前記接続部は、前記接続部の突出する方向と直交する方向を向く側面である主配置面と、前記主配置面の向く方向とは反対方向を向く側面とを有し、
前記枠体は、その開口の位置に前記接続部を囲み、
前記アース接続端子は、前記開口の縁から突出し、
前記アース接続端子は、前記主配置面に沿って配置され、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記アース用導体に電気的に接続される、
プラグ装置。」

(相違点1)

アース部材について、本願発明1は、第二のアース接続端子を備え、第二のアース接続部材は、接続部の側面である副配置面に沿って配置され、プラグ装置が配線ダクトに接続された状態でアース用導体に電気的に接続されるものであるのに対して、引用発明1は、それに相当する構成を有していない点。

(相違点2)

アース部材の枠体及びアース接続端子について、本願発明1の枠体は、その開口の位置にプラグ装置の接続部が配置されるものであって、枠体の開口の縁から突出するように、アース接続端子と第二のアース接続端子が切り起こされるのに対して、

引用発明1は、端子台7とプラグヘッド12がフレーム11を挟むようにして結合するものであって、フレーム11の枠状をなす部分にプラグヘッド12を配置するものではなく、また、アース接触部13がフレーム11にリベットRで固着されるものであって、フレーム11から突出するように切り起こされるものではない点。

(相違点3)

本願発明1は、アース接続端子の、接続部の突出する方向の寸法は、第二のアース接続端子の、接続部の突出する方向の寸法よりも大きいのに対して、引用発明1は、そもそも第二のアース接続端子に相当する構成を有していないため、当該寸法関係に相当する構成も有していない点。

(相違点4)

アース接続端子の配置について、本願発明1は、プラグ装置が配線ダクトに接続されていない状態から接続された状態になるまでの接続過程で、給電端子が給電用導体に電気的に接続される前にアース接続端子がアース用導体に電気的に接続される位置に、アース接続端子が配置されているのに対して、引用発明1は、それに相当する構成を有しているのか否かが不明である点。

イ 相違点の判断

(ア)相違点1~4について

上記相違点1~4に係る本願発明1の構成については、本願明細書の段落【0044】に次の記載がある。

「【0044】
アース部材58は、例えば一つの金属板に切り起こし加工を施すことで、作製できる。この場合、例えば金属板の外縁部分から枠体581が形成され、金属板における外縁部分よりも内側の部分を切り起こすことでアース接続端子51及び第二のアース接続端子52が形成されうる。このため、アース接続端子51と第二のアース接続端子52とを容易に作製してプラグ装置201に備えさせることができる。このようにしてアース部材58を作製する場合、金属板の寸法は接続部材87の寸法に制約され、アース接続端子51の突出長さ及び第二のアース接続端子52の突出長さは金属板の寸法に制約される。このため、例えばアース接続端子51の突出長さと第二のアース接続端子52の突出長さを同じにすると、接続過程においてアース接続端子51によって給電接続の前にアース接続を生じさせることができないことがある。しかし、アース接続端子51の突出する方向の寸法が、第二のアース接続端子52の突出する方向の寸法よりも長ければ、アース接続端子51の突出する方向の寸法を、給電過程において給電接続の前にアース接続が生じるように、設定することができる。さらに、アース接続端子51と第二のアース接続端子52によって、配線ダクト100にプラグ装置200を安定感よく接続させることができる。」

上記記載によれば、(a)金属板の外縁部分から枠体581が形成され、金属板における外縁部分よりも内側の部分を切り起こすことでアース接続端子51及び第二のアース接続端子52が形成されるアース部材58にあっては、(b)金属板の寸法が接続部材87(枠体581が配置・固定される。【0041】【0042】参照)の寸法に制約され、アース接続端子51及び第二のアース接続端子52の突出長さが金属板の寸法に制約されること、(c)前記制約のために、両接続端子の突出長さを同じにすると、接続過程においてアース接続端子51によって給電接続の前にアース接続を生じさせることができないことがある、という問題点があること、(d)前記問題点を解決するために、アース接続端子51の突出する方向の寸法を、第二のアース接続端子52の突出する方向の寸法よりも長く設定すること、という技術的事項が認められる。

そして、上記技術的事項と上記相違点1~4の構成とを対比すると、上記(a)の事項に対応するものが上記相違点1及び2に係る本願発明1の構成であり、上記(d)の事項に対応するものが上記相違点3及び4に係る本願発明1の構成である。

そうすると、上記技術的事項を踏まえると、上記相違点1~4については、これらの相違点を総合して容易想到性を検討するのが相当である。

(イ)相違点1~4の容易想到性について(総合的な検討)

上記(ア)を踏まえて、上記相違点1~4を総合して検討するに、上記相違点1~4に係る本願発明1の構成については、引用文献2には記載されていないし、引用文献3ないし5に、その一部の構成が断片的に記載されているにすぎない。

すなわち、引用文献2には、後記(2)のとおり、おおむね、引用発明1と同様の発明が記載されているにすぎない。また、引用文献3及び4には、上記相違点4に係る本願発明1の構成に関連する事項が記載されており、引用文献5には、上記相違点1に係る本願発明1の構成に関連して、2つの「接地用弾性接触片」が記載されているにすぎない。

そうすると、引用発明1に引用文献2~5に記載された事項をどのように組み合わせたとしても、上記相違点2及び3に係る本願発明1の構成に到達することはなく、したがって、上記相違点1~4に係る本願発明1の各構成を組み合わせた構成にも到達することはない。

また、上記(ア)の技術的事項を踏まえると、前者の構成(上記相違点2及び3に係るもの)、及び、後者の構成(上記相違点1~4に係るもの)について、当業者が適宜なし得る設計的事項であるともいえない。

してみれば、上記相違点1~4に係る本願発明1の構成は、引用発明1及び引用文献2~5に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。

ウ 小括

よって、本願発明1は、引用発明1及び引用文献2~5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

(2)引用発明2を主引用発明とする場合

ア 対比

本願発明1と引用発明2とを対比する。

(ア)引用発明2の「導体4」、「バスダクト1」、「ダクトの分岐装置2」、「クリップ12」、「フレーム11」、「プラグヘッド15」、「アース接触端子22」、「ボディ7」は、それぞれ本願発明1の「給電用導体」、「配線ダクト」、「プラグ装置」、「給電端子」、「アース部材」、「接続部」、「アース接続端子」、「本体部」に相当する。

(イ)引用発明2の「ダクトの分岐装置2」は「バスダクト1に導通可能に取り付けられる」ものであるから、「バスダクト1」が「アース接触端子22」に電気的に接続する「アース用導体」を備えるものであることは明らかである。

そうすると、上記(ア)にも照らして、引用発明2の「ダクト本体1aの内部の導体4」を有する「バスダクト1」は、本願発明1の「給電用導体とアース用導体とを備える配線ダクト」に相当する。

(ウ)上記(ア)及び(イ)によれば、引用発明2の「バスダクト1のダクト本体1aに導通可能に取り付けられるダクトの分岐装置2」は、本願発明1の「給電用導体とアース用導体とを備える配線ダクトに接続されるプラグ装置」に相当する。

(エ)引用発明2の「端子ブロック5、係脱機構6及びボディ7から構成される」「ダクトの分岐装置2」における「端子ブロック5」の「プラグヘッド15」は、「ボディ7から」「突出」し、分岐装置2がバスダクト1に接続された状態でバスダクト1の内部に配置されるものであるから(図7参照)、上記(ア)~(ウ)に照らして、本願発明1の「前記本体部から突出し、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記配線ダクトの内部空間に配置される接続部」に相当する。

(オ)上記(ア)及び(エ)によれば、引用発明2の「プラグヘッド15」が「前記クリップ12の各々を絶縁するように前記開口部20に嵌合され」る態様は、本願発明1の「給電端子」が「前記接続部の内部にあ」る態様に相当する。

また、引用発明2の「前記ダクト本体1aに穿設された前記プラグインホール3に前記プラグヘッド15を差し込み、前記ダクト本体1aの内部の導体4を前記クリップ12で挟着する」態様は、本願発明1の「給電端子」が「前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記給電用導体と電気的に接続される」態様に相当する。

そうすると、引用発明2の「プラグヘッド15」が「各々を絶縁する」「クリップ12」かつ「前記ダクト本体1aの内部の導体4を」「挟着する」「クリップ12」は、本願発明1の「前記接続部の内部にあり、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記給電用導体と電気的に接続される給電端子」に相当する。

(カ)上記(ア)によれば、引用発明2の「開口部20が形成され下側に対向する板片8を有するフレーム11」の「開口部20が形成され」る部分は、本願発明1の「アース部材」の「枠体」に相当する。

そうすると、引用発明2の「開口部20が形成され」「リベット23でアース接触端子22が取り付けられ」た「フレーム11」は、本願発明1の「枠体とアース接続端子と第二のアース接続端子とを備えるアース部材」との関係において、「枠体とアース接続端子とを備えるアース部材」の点に限り一致する。

(キ)上記(ア)及び(エ)によれば、引用発明2の「前記プラグヘッド15は、前記ボディ7から前記プラグヘッド15が突出する方向と直交する方向を向く2つの側面を有し、前記2つの側面のうちの1つの側面に前記アース接触端子22が配置され」た態様は、本願発明1の「前記接続部は、前記接続部の突出する方向と直交する方向を向く側面である主配置面と、前記主配置面の向く方向とは反対方向を向く側面」「とを有し」かつ「前記アース接続端子は、前記主配置面に沿って配置され」た態様に相当する。

(ク)上記(オ)~(キ)によれば、引用発明2の「開口部20が形成され下側に対向する板片8を有するフレーム11」に「前記板片8で位置決めされた状態で」「端子台14」が「装着され」、「プラグヘッド15」が「前記開口部20に嵌合され、前記端子台14で支持された」態様は、本願発明1の「前記枠体は、その開口の位置に前記接続部が配置されることで前記接続部を囲み」との関係において、「前記枠体は、その開口の位置に前記接続部を囲み」の点に限り一致する。

(ケ)引用発明2の「前記ダクト本体1aに穿設された前記プラグインホール3に前記プラグヘッド15を差し込み」「前記バスダクト1に導通可能に取り付けられる」態様は、当該「導通」が「アース接触端子22」と「バスダクト1」が電気的に接続することを含むことが明らかであることを踏まえると、上記(ア)~(ウ)にも照らして、本願発明1の「前記アース接続端子は」「前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記アース用導体に電気的に接続され」た態様に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明2との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点2)

「給電用導体とアース用導体とを備える配線ダクトに接続されるプラグ装置であり、
本体部と、
前記本体部から突出し、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記配線ダクトの内部空間に配置される接続部と、
前記接続部の内部にあり、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記給電用導体と電気的に接続される給電端子と、
枠体とアース接続端子とを備えるアース部材とを備え、
前記接続部は、前記接続部の突出する方向と直交する方向を向く側面である主配置面と、前記主配置面の向く方向とは反対方向を向く側面とを有し、
前記枠体は、その開口の位置に前記接続部を囲み、
前記アース接続端子は、前記主配置面に沿って配置され、前記プラグ装置が前記配線ダクトに接続された状態で前記アース用導体に電気的に接続される、
プラグ装置。」

(相違点5)

アース部材について、本願発明1は、第二のアース接続端子を備え、第二のアース接続部材は、接続部の側面である副配置面に沿って配置され、プラグ装置が配線ダクトに接続された状態でアース用導体に電気的に接続されるものであるのに対して、引用発明2は、それに相当する構成を有していない点。

(相違点6)

アース部材の枠体及びアース接続端子について、本願発明1の枠体は、その開口の位置にプラグ装置の接続部が配置されるものであって、枠体の開口の縁から突出するように、アース接続端子と第二のアース接続端子が切り起こされるのに対して、

引用発明2は、板片8で位置決めされた状態でフレーム11に装着された端子台14と、端子台14で支持されたプラグヘッド15を備えるものであるものの、開口部20が形成された部分にプラグヘッド15を配置するものかどうかは不明であり、また、アース接触端子22がフレーム11にリベット23で取り付けられるものであって、フレーム11から突出するように切り起こされるものではない点。

(相違点7)

本願発明1は、アース接続端子の、接続部の突出する方向の寸法は、第二のアース接続端子の、接続部の突出する方向の寸法よりも大きいのに対して、引用発明2は、そもそも第二のアース接続端子に相当する構成を有していないため、当該寸法関係に相当する構成も有していない点。

(相違点8)

アース接続端子の配置について、本願発明1は、プラグ装置が配線ダクトに接続されていない状態から接続された状態になるまでの接続過程で、給電端子が給電用導体に電気的に接続される前にアース接続端子がアース用導体に電気的に接続される位置に、アース接続端子が配置されているのに対して、引用発明2は、それに相当する構成を有しているのか否かが不明である点。

イ 相違点の判断

(ア)相違点5~8について(相違点1~4との関係)

上記相違点1~4と上記相違点5~8とを対比すると、上記相違点5~8に係る本願発明1の構成は、上記相違点1~4に係る本願発明1の構成と同じである。

そうすると、上記(1)イ(ア)に照らして、上記相違点1~4と同様に、上記相違点5~8についても、これらの相違点を総合して容易想到性を検討するのが相当である。

(イ)相違点5~8の容易想到性について

上記(ア)に照らせば、上記相違点5~8に係る本願発明1の構成については、上記(1)イ(イ)で示した理由と同様の理由により、引用発明2及び引用文献1、3~5に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。

ウ 小括

よって、本願発明1は、引用発明2及び引用文献1、3~5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

(3)まとめ

上記(1)及び(2)のとおり、本願発明1は、引用発明1又は2及び引用文献3~5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明2~4について

本願発明2~4については、本願発明1の下位概念発明であって、上記相違点1~4又は5~8に係る本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明1又は2及び引用文献3~5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 むすび

以上のとおり、本願発明1~4は、当業者が引用発明1又は2及び引用文献3~5に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-014942

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