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特許拒絶査定不服審判

2021-013497

プログラム、操作端末、方法及びシステム

審判番号
2021-013497
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-071283外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年10月06日
審決日
2022年05月31日
公報発行日
2022年06月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 71283「プログラム、操作端末、方法及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 8月13日出願公開、特開2020-123378、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 25項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は,平成25年7月3日(優先権主張平成24年7月10日)に出願した特願2013-139587号の一部を,平成27年12月4日に新たな特許出願(特願2015-237308号)とし,その一部を平成29年1月19日に新たな特許出願(特願2017-7585号)とし,その一部を平成29年11月2日に新たな特許出願(特願2017-212688号)とし,その一部を平成30年10月25日に新たな特許出願(特願2018-201031号)とし,その一部を令和元年9月12日に新たな特許出願(特願2019-166536号)とし,その一部を,令和2年4月10日に新たな特許出願(特願2020-71283号)としたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。

令和2年 4月10日 上申書 提出

令和3年 1月26日付け 拒絶理由通知

令和3年 4月 5日 意見書・手続補正書 提出

令和3年 7月 2日付け 拒絶査定

令和3年10月 6日 審判請求書・手続補正書 提出

令和3年11月16日付け 前置報告書

第2 原査定の概要

原査定(令和3年7月2日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の請求項1,6-8,10-12,14-16に係る発明は,下記の引用文献1および3,または,2および3に記載された発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり,この出願の請求項2,3,9,13に係る発明は,下記の引用文献1,3および4-6,または,2,3および4-6に記載された発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり,この出願の請求項4,5に係る発明は,下記の引用文献2,3および7-9,または,1-3および7-9に記載された発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,いずれも,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>

1.特開2011-54097号公報

2.特開2003-114773号公報

3.特開2007-34443号公報

4.特開2000-137592号公報

5.特開2006-127478号公報

6.特開2010-277324号公報

7.特開2002-342050号公報

8.特開2005-64551号公報

9.特開2005-242875号公報

第3 本願発明

本願の請求項1ないし11に係る発明(以下,「本願発明1」ないし「本願発明11」という。)は,令和3年10月6日提出の手続補正書により補正された以下の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項11に記載された事項により特定されるとおりの発明である。

「【請求項1】
表示部を有する操作端末を,
前記操作端末と接続される情報蓄積装置から前記情報蓄積装置に記憶された電子データの一覧情報を取得する第1取得手段,
前記一覧情報に基づいて前記電子データの一覧を前記表示部に表示する第1表示手段,
続きを表示(全84行)
前記電子データの一覧から,出力対象の電子データの選択を受け付ける受付手段,
前記情報蓄積装置から,選択された前記出力対象の電子データを取得する第2取得手段,
二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する第2表示手段,
前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得手段,
前記二次元コードから取得した前記識別情報で識別される電子機器に対して,前記情報蓄積装置から取得した電子データを出力する出力要求を送信する送信手段,
として機能させ,
前記第2表示手段は,前記二次元コードを読み取るための読取画面を,前記受付手段で前記出力対象の電子データの選択を受け付けた状態で表示し,
前記第3取得手段は,前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,電子機器を識別するための識別情報と,前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報と,を取得し,
前記操作端末を,更に,
前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として決定し,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として決定する判断手段,
として機能させ,
前記送信手段は,前記出力形式を含む電子データの取得要求を前記情報蓄積装置に対して送信し,
前記第2取得手段は,前記情報蓄積装置から,前記出力形式に対応する電子データであって,選択された前記出力対象の電子データを取得する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記操作端末を,前記出力対象の電子データのイメージ画像と,前記出力対象の電子データを出力する電子機器を指定するためのボタンとを少なくとも含む詳細画面を前記表示部に表示する第3表示手段,として更に機能させ,
前記第2表示手段は,前記ボタンが選択された後,二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第3表示手段は,前記受付手段で選択を受け付けた前記出力対象の電子データのイメージ画像と,前記出力対象の電子データを出力する電子機器を指定するためのボタンとを少なくとも含む詳細画面を前記表示部に表示し,
前記送信手段は,前記第3取得手段が前記識別情報を取得する前に前記受付手段で選択を受け付けた前記出力対象の電子データであって前記詳細画面に表示された前記イメージ画像に対応する電子データを出力する出力要求を送信する,
ことを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記二次元コードはQRコードであることを特徴とする請求項1~3いずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
表示部を有する操作端末であって,
前記操作端末と接続される情報蓄積装置から前記情報蓄積装置に記憶された電子データの一覧情報を取得する第1取得手段と,
前記一覧情報に基づいて前記電子データの一覧を前記表示部に表示する第1表示手段と,
前記電子データの一覧から,出力対象の電子データの選択を受け付ける受付手段と,
前記情報蓄積装置から,選択された前記出力対象の電子データを取得する第2取得手段と,
二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する第2表示手段と,
前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得手段と,
前記二次元コードから取得した前記識別情報で識別される電子機器に対して,前記情報蓄積装置から取得した電子データを出力する出力要求を送信する送信手段と,
を備え,
前記第2表示手段は,前記二次元コードを読み取るための読取画面を,前記受付手段で前記出力対象の電子データの選択を受け付けた状態で表示し,
前記第3取得手段は,前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,電子機器を識別するための識別情報と,前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報と,を取得し,
前記送信手段は,前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として含み,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として含む電子データの取得要求を前記情報蓄積装置に対して送信し,
前記第2取得手段は,前記情報蓄積装置から,前記出力形式に対応する電子データであって,選択された前記出力対象の電子データを取得する
ことを特徴とする操作端末。
【請求項6】
前記出力対象の電子データのイメージ画像と,前記出力対象の電子データを出力する電子機器を指定するためのボタンとを少なくとも含む詳細画面を前記表示部に表示する第3表示手段を更に含み,
前記第2表示手段は,前記ボタンが選択された後,二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項5に記載の操作端末。
【請求項7】
前記二次元コードはQRコードであることを特徴とする請求項5又は6記載の操作端末。
【請求項8】
表示部を有する操作端末が実行する方法であって,
前記操作端末と接続される情報蓄積装置から前記情報蓄積装置に記憶された電子データの一覧情報を取得する第1取得ステップ,
前記一覧情報に基づいて前記電子データの一覧を前記表示部に表示する第1表示ステップ,
前記電子データの一覧から,出力対象の電子データの選択を受け付ける受付ステップ,
前記情報蓄積装置から,選択された前記出力対象の電子データを取得する第2取得ステップ,
二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する第2表示ステップ,
前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得ステップ,
前記二次元コードから取得した前記識別情報で識別される電子機器に対して,前記情報蓄積装置から取得した電子データを出力する出力要求を送信する送信ステップ,
を有し,
前記第2表示ステップは,前記二次元コードを読み取るための読取画面を,前記受付ステップで前記出力対象の電子データの選択を受け付けた状態で表示し,
前記第3取得ステップは,前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,電子機器を識別するための識別情報と,前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報と,を取得し,
前記送信ステップは,前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として含み,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として含む電子データの取得要求を前記情報蓄積装置に対して送信し,
前記第2取得ステップは,前記情報蓄積装置から,前記出力形式に対応する電子データであって,選択された前記出力対象の電子データを取得する
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記出力対象の電子データのイメージ画像と,前記出力対象の電子データを出力する電子機器を指定するためのボタンとを少なくとも含む詳細画面を前記表示部に表示する第3表示ステップを更に含み,
前記第2表示ステップは,前記ボタンが選択された後,二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記二次元コードはQRコードであることを特徴とする請求項8又は9記載の方法。
【請求項11】
操作端末と電子機器とが通信可能に接続されており,前記操作端末にインストールされるプログラムと前記電子機器とを含むシステムであって,
前記プログラムは,表示部を有する操作端末を,
前記操作端末と接続される情報蓄積装置から前記情報蓄積装置に記憶された電子データの一覧情報を取得する第1取得手段,
前記一覧情報に基づいて前記電子データの一覧を前記表示部に表示する第1表示手段,
前記電子データの一覧から,出力対象の電子データの選択を受け付ける受付手段,
前記情報蓄積装置から,選択された前記出力対象の電子データを取得する第2取得手段,
二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する第2表示手段,
前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得手段,
前記二次元コードから取得した前記識別情報で識別される電子機器に対して,前記情報蓄積装置から取得した電子データを出力する出力要求を送信する送信手段,
として機能させ,
前記第2表示手段は,前記二次元コードを読み取るための読取画面を,前記受付手段で前記出力対象の電子データの選択を受け付けた状態で表示し,
前記第3取得手段は,前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,電子機器を識別するための識別情報と,前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報と,を取得し,
前記送信手段は,前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として含み,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として含む電子データの取得要求を前記情報蓄積装置に対して送信し,
前記第2取得手段は,前記情報蓄積装置から,前記出力形式に対応する電子データであって,選択された前記出力対象の電子データを取得すること
を特徴とするシステム。」

第4 引用文献

1 引用文献1および引用発明1

(1)引用文献1の記載事項

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原査定の拒絶理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は,当審が付加した。以下同様。)。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,文書を選択し印刷指示を行う操作装置に関するものである。
【背景技術】
続きを表示(全31行)
【0002】
近年,携帯電話やPDAなど,持ち運び可能な携帯端末が多数製品化されている。携帯端末は年々高機能化し,固定端末と同様の機能を求められるケースが多く発生している。そのような状況の中で,携帯端末を使っているユーザにおいても文書の印刷ニーズは根強いものがある。その一方で,携帯端末は固定端末と比較し画面が狭く小さい,使用可能なメモリ量が少ない,キーボードがない場合があるなど,制約条件がある事が多い。
【0003】
このように,制約条件のある携帯端末で印刷を行う技術がある。例えば,特開2004-030280号は携帯端末に自動的にプリンタドライバのダウンロードを行い,使用し終わったら削除することで印刷に際してユーザに特別な操作を求めない機能を実現している。例えば,特開2004-056366は,携帯端末に受信した情報のうち,予め自動印刷出力するように指定された情報を,該携帯電話と接続した携帯プリンタへ送信し,該携帯プリンタより自動印刷出力する機能を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2004-030280号公報
【特許文献2】 特開2004-056366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,従来技術には下記のような課題がある。特開2004-030280号に記載されているような,プリンタドライバのダウンロードを行う方法を実行するためには,携帯端末用のプリンタドライバが用意されている,携帯端末にプリンタドライバが実行可能なメモリ資源が十分あるという制約が生じる。実際に市場に流通しているプリンタや携帯端末の数は膨大であり,それら全ての組み合わせのプリンタドライバを用意することは非常に困難である。
【0006】
一方,特開2004-056366は特定文書の自動印刷方法であり任意の文書を任意のプリンタで印刷する用途には使用できない。
【0007】
また,一般的に記憶装置や印刷装置の能力は様々であり,それらの装置能力をすべて把握した上で,最適な印刷手段をユーザが選択する事は困難である。このため,メモリ資源等の制約が厳しい携帯端末において,任意の文書を任意のプリンタでユーザの特別な操作が必要なく自動的に最適な印刷手段で印刷可能な技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために,本発明は,持ち運び可能な操作装置において,
記録装置上の文書を選択する文書選択手段と,
前記選択された文書を印刷する装置を選択する印刷装置選択手段と,
選択された文書を選択された印刷装置で印刷する複数の印刷手段を有し,
前記複数の印刷手段のうち最適な印刷手段を自動選択する自動印刷方法選択手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によって,持ち運び可能な操作装置において,様々な記憶装置上にある任意の文書を,様々な印刷装置の中から選択した任意のプリンタで印刷する事が可能となる。これらの事によりユーザの利便性が向上する。」

イ 図1

[図:0001385070000001.jpg]

ウ 「【0012】
図1は本発明の実施例の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1において,100は持ち運び可能な携帯端末である。110は文書が格納されている文書記憶装置,120は文書の印刷を行う印刷装置である。文書記憶装置110および印刷装置120は同様の機能を有した装置が複数存在している。130はLAN等の双方向通信可能な通信手段である。LAN130は無線・有線を問わない。携帯端末100はLAN130上の複数ある記憶装置から文書記憶装置110を選択し,その中にある文書を選び,印刷装置として印刷装置120を選択する事で,選択文書の印刷を行う。文書記憶装置110と文書記憶装置110上の文書と印刷装置120の選択に必要な通信,実際の印刷に必要な通信はすべてLAN130上で行われる。」

エ 図2

[図:0001385070000002.jpg]

オ 「【0014】
図2は文書選択方法の説明図である。
【0015】
図2において,ユーザ200は携帯端末100を操作し,LAN130上にある文書記憶装置であるデバイスAという記憶装置110の記憶内容をブラウズし,携帯端末100にデバイスA110の文書リスト210を表示させている。表示された文書リスト210から印刷したい任意の文書を選択する。」

カ 図3

[図:0001385070000003.jpg]

キ 「【0016】
図3は印刷装置選択方法の説明図である。
【0017】
図3において,ユーザ200は携帯端末100を操作し,LAN130上にある印刷装置リスト220を表示させる。表示された印刷装置リスト220から任意の印刷装置を選択する。ここではデバイスBという印刷装置120が選択されている。」

ク 図4

[図:0001385070000004.jpg]

ケ 「【0018】
図4は印刷方法選択における説明フローチャートである。携帯端末100は,ユーザ200が文書記憶装置110上の印刷文書と印刷装置120を選択した際にこのフローチャートを実行し,印刷方法の自動選択を行う。
【0019】
まず,S1001で文書を格納している記憶装置110であるデバイスAは他機へのプリント指示手段を有しているか判断する。他機へのプリント指示手段を有している場合はS1002へ進み,有していない場合はS1003へ進む。S1002ではデバイスAから印刷装置120であるデバイスBにプッシュプリントする指示を携帯端末100からデバイスAに出す。指示が終わるとフローチャートを終了する。なお,ここでいうプッシュプリント手段とは,いわゆるLPRやRAW(Port9100)やIPPといった一般的なプッシュ型の印刷方法である。
【0020】
S1003では,印刷装置であるデバイスBは他機からのプルプリント手段を有しているか判断する。他機からのプルプリント手段を有している場合はS1004へ進み,有していない場合はS1005へ進む。S1004ではデバイスBがデバイスAからプルプリントする指示を携帯端末100からデバイスBに対して行う。指示が終わるとフローチャートを終了する。なお,ここでいうプルプリント手段とは,いわゆるHTTP://server/data/documentA.pdfやFILE://server.com/data/documentA.pdfといった参照型の印刷方法である。
【0021】
S1005では,デバイスA上の選択文書を携帯端末100に取り込み,携帯端末100経由でデバイスBに印刷指示を行う。文書記憶装置110と印刷装置120間で直接データをやりとりせず,携帯端末100を経由するためプロキシー印刷方法と呼ぶ。経由に際して文書の一部または全部を携帯端末100に一時記録して印刷装置120へ文書データの転送を行う。印刷が終わるとフローチャートを抜ける。」

(2)引用発明1

上記(1)の,特に下線を付加した記載に着目すると,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「持ち運び可能な操作装置において,
記録装置上の文書を選択する文書選択手段と,
前記選択された文書を印刷する装置を選択する印刷装置選択手段と,
選択された文書を選択された印刷装置で印刷する複数の印刷手段を有し,
続きを表示(全11行)
前記複数の印刷手段のうち最適な印刷手段を自動選択する自動印刷方法選択手段を備えた操作装置であって,
操作装置は,持ち運び可能な携帯端末であり,
ユーザは携帯端末を操作し,LAN上にある文書記憶装置であるデバイスAという記憶装置の記憶内容をブラウズし,携帯端末にデバイスAの文書リストを表示させ,表示された文書リストから印刷したい任意の文書を選択しており,
ユーザは携帯端末を操作し,LAN上にある印刷装置リストを表示させ,表示された印刷装置リストからデバイスBという印刷装置が選択され,
携帯端末は,ユーザが文書記憶装置上の印刷文書と印刷装置を選択した際に,印刷方法の自動選択を行っており,
デバイスA上の選択文書を携帯端末に取り込み,携帯端末経由でデバイスBに印刷指示を行う
操作装置。」

2 引用文献2および引用発明2

(1)引用文献2の記載事項

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原査定の拒絶理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,プリントシステムおよびプリント方法に関し,特に,携帯電話機等の携帯情報機器を利用して,通信回線に接続された文書サーバの有する所望の文書を外出先等に設置された任意のプリンタによってプリントアウトすることのできるシステムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平2001-36661には,プリンタに接続するインターネット接続ボックスと,携帯電話機とを利用して,社内外を問わず,社内の文書データを任意のプリンタを用いてプリントアウトする技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公開公報に開示された従来技術は,携帯電話機からプリンタに対して呼び出しの電話をしなければならず,即時性に欠けるという課題があった。この発明は,かかる課題を解決し,携帯電話機等の携帯情報機器を利用し,文書サーバに記憶された文書を,場所を選ばず,任意のプリンタからプリントアウトすることのできる,使い勝手の良いプリントシステムおよびプリント方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項1記載の発明は,通信回線に接続され,通信回線を介してアクセス可能な多数の文書データを有する文書サーバと,第1の無線通信により,前記通信回線に接続可能であり,かつ,第2の無線通信により,近距離にある装置と無線通信のできる携帯情報機器と,前記第2の無線通信により,近距離にある携帯情報機器と無線通信のできるプリンタとを備え,前記携帯情報機器は,前記プリンタの近傍にあって,第2の無線通信によりプリンタの種別等を特定する識別情報を取得する手段と,前記第1の無線通信により前記通信回線と接続して,前記文書サーバにアクセスし,所望の文書を閲覧し,プリントアウトしたい文書を指定できる手段とを有し,前記文書サーバは,携帯情報機器からプリンタの識別情報が与えられ,かつ,プリントアウトしたい文書が指定されたことに応答して,その指定された文書を識別情報が与えられたプリンタによって印刷できる文書データに変換して携帯情報機器へ送信する手段を有し,前記携帯情報機器は,文書サーバから受信した文書データを第2の無線通信により前記プリンタへ与える手段をさらに有し,それによって,プリンタから前記指定された文書がプリントアウトされることを特徴とするプリントシステムである。」

イ 図1

[図:0001385070000005.jpg]

ウ 「【0012】
【発明の実施の形態】以下には,図面を参照して,この発明の実施形態について具体的に説明をする。図1は,この発明の一実施形態に係るシステムの構成を示す図解図であり,信号の流れが~の矢印で示されている。このシステムには文書サーバ1が含まれる。文書サーバ1は,たとえば公立図書館に備えられたサーバであり,多数の文書データが記憶されている。文書サーバ1にはウェブサーバ2が接続されていて,ウェブサーバ2を介してインターネット3につながっている。またインターネット3には携帯電話ゲートウェイ4が接続されている。
【0013】このシステムには携帯電話機5が含まれている。携帯電話機5は,携帯ゲートウェイ4に通信接続できる第1無線手段(遠距離無線通信)6に加え,双方向近距離無線手段(第2無線通信)7を有している。この第2無線手段7は,たとえばBluetooth (商標)を用いることができる。またこのシステムに含まれるプリンタ8には第2無線手段7が内蔵されている。よって携帯電話機5はプリンタ8と,第2無線手段7を用いて双方向近距離無線通信が可能である。
【0014】かかる構成において,このシステムでは次のように信号(制御信号,文書データ等)が送られる。まず,携帯電話機5の第1無線手段6により,携帯電話ゲートウェイ4,インターネット3,ウェブサーバ2を介して文書サーバ1がアクセスされる(矢印)。そして文書サーバ1にストアされている多数の文書が携帯電話機5のディスプレイ9によって閲覧できる。
【0015】携帯電話機5は,また,第2無線手段7を用いて,近傍にあるプリンタ8と通信ができる。そしてプリンタ8の機種名と,プリンタ8の種別を特定する識別情報を取得することができる(矢印)。さらに,携帯電話機5は閲覧した文書データのうち,プリントアウトしたい文書を指定することができる。そして指定した文書とプリンタ8の識別情報とを文書サーバ1へ送信することができる(矢印)。
【0016】文書サーバ1では,文書が指定され,かつプリンタの識別情報が与えられると,その文書を読み出し,識別情報で特定されたプリンタがプリントアウト可能な文書データに変換する(矢印)。そして変換された文書データは,文書サーバ1からウェブサーバ2,インターネット3,携帯電話ゲートウェイ4を経由して第1無線手段6によって携帯電話機5へ与えられる(矢印)。携帯電話機5では,与えられる文書データを,第2無線手段7を用いてプリンタ8へ送る(矢印)。この結果,プリンタ8は,受信した文書データを用紙に文書としてプリントアウトする。」

(2)引用発明2

上記(1)の,特に下線を付加した記載に着目すると,引用文献2には,以下の発明(以下,「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「携帯電話機等の携帯情報機器を利用して,通信回線に接続された文書サーバの有する所望の文書を外出先等に設置された任意のプリンタによってプリントアウトすることのできるシステムにおいて,
携帯電話機5の第1無線手段6により,携帯電話ゲートウェイ4,インターネット3,ウェブサーバ2を介して文書サーバ1がアクセスされ,文書サーバ1にストアされている多数の文書が携帯電話機5のディスプレイ9によって閲覧でき,
携帯電話機5は,また,第2無線手段7を用いて,近傍にあるプリンタ8と通信ができ,プリンタ8の機種名と,プリンタ8の種別を特定する識別情報を取得することができ,
携帯電話機5は閲覧した文書データのうち,プリントアウトしたい文書を指定することができ,指定した文書とプリンタ8の識別情報とを文書サーバ1へ送信することができ,
文書サーバ1では,文書が指定され,かつプリンタの識別情報が与えられると,その文書を読み出し,識別情報で特定されたプリンタがプリントアウト可能な文書データに変換しており,
変換された文書データは,文書サーバ1からウェブサーバ2,インターネット3,携帯電話ゲートウェイ4を経由して第1無線手段6によって携帯電話機5へ与えられ,
携帯電話機5では,与えられる文書データを,第2無線手段7を用いてプリンタ8へ送り,
プリンタ8は,受信した文書データを用紙に文書としてプリントアウトする
携帯電話機。」

3 引用文献3ないし12

(1)引用文献3の記載事項

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原査定の拒絶理由において,引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 図4

[図:0001385070000006.jpg]

イ 「【0048】
次に,図1に示した画像形成システムの全体の動作を,図4を用いて説明する。
【0049】
まず,ユーザは,画像形成装置1に対して認証データを入力する(矢印a)。認証データの入力は,図5(A)に示すように,画像形成装置1の表示装置13に表示された認証データ入力画面に,ユーザ名及びパスワードを入力することにより行われる。」

ウ 図5(A)

[図:0001385070000007.jpg]

エ 「【0050】
入力された認証データは,認証データ管理部10で,予め記憶装置11に記憶されているテーブルで比較照合される。
【0051】
認証が認められると,携帯端末3からのジョブの実行指示を行うためのアドレス情報を要求するか否かの選択キーが表示装置13に表示される(図4の矢印b)。
続きを表示(全12行)
【0052】
ユーザが,アドレス情報を要求すると(図4の矢印c),二次元コード生成モジュール12は,認証データを反映した仮想アドレス情報を生成する。このアドレス情報は,認証データと組み合わせていろいろなフォームで変化させることができる。例えば,ベースとなるアドレスが,
http//(プリンタのアドレス)/Print URL
であった場合に,
http//(プリンタのアドレス)/Print URL/(ユーザ名)/(ユーザパスワード)
の仮想ディレクトリを用意する。アドレスの変化のさせ方は,これに限定されることはなく,ベースとなるアドレスを変化させたり,CGIパラメータを付加して変化させることも考えられる。
【0053】
この実施形態では,プリント用のアドレスだけでなく,携帯端末の電話番号の短縮登録や,ファイルのアップロード等,目的に応じた複数のアドレスを生成する。そして,生成したアドレスを,図5(B)に示すように表示装置13に表示し,ユーザに選択させる。勿論,プリントジョブの実行用のアドレスのみを生成するものとしても良い。」

オ 図5(B)

[図:0001385070000008.jpg]

カ 「【0054】
ユーザが例えばプリントジョブ実行用のアドレス情報を選択すると,二次元コード生成モジュール12は,そのアドレス情報をQRコードに変換し,図5(C)に示すように,変換されたQRコード5を表示装置13に表示する(図4のd)。」

キ 図5(C)

[図:0001385070000009.jpg]

ク 「【0055】
ユーザは携帯端末3の撮影部31により,表示されたQRコード5を撮影する(図4の矢印e)。撮影されたQRコードは,携帯端末3のデータ解析部34で解析され,アドレス情報に逆変換される。
【0056】
この逆変換されたアドレス情報に示されるアドレスに,携帯端末3からアクセスすると(図4の矢印g),画像形成装置1では,受信したアドレス情報をCGI191で解析し,その処理内容を把握すると共に,アドレス情報に含まれる認証データを認証データ管理部10で照合することにより,認証を行う。
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【0057】
認証に成功した場合は,携帯端末3と画像形成装置1との間でデータの送受信が行われ(図4の矢印g),画像形成装置1及び携帯端末3のそれぞれでデータ処理が行われる(図4の矢印i,j)。これにより,携帯端末3から送信したプリントデータが画像形成装置1でプリントされる。
【0058】
ジョブの実行が終了すると,画像形成装置1で作成されたアドレス情報や二次元コードは破棄される。従って,画像形成装置1は認証セッション毎に許可するアドレス情報を一時的に保持するだけでよい。
【0059】
このように,この実施形態では,生成されたアドレス情報が二次元コードに変換されて画像形成装置1の表示装置13に表示される。ユーザが,携帯端末3により,表示された二次元コードを撮影すると,携帯端末3の内部で自動的に元のアドレス情報に逆変換される。そして,得られたアドレスにアクセスして,携帯端末3からジョブを発行すると,画像形成装置1によりプリントジョブが実行される。従って,ユーザは画像形成装置1のアドレスを手動入力する必要はなくなるから,入力ミスもなく,簡易な操作で携帯端末3から画像形成装置1にジョブの実行を指示することができる。
【0060】
しかも,二次元コードにはユーザの認証データが反映されているから,携帯端末3からアクセスしたユーザの認証をも併せて行うことができ,充分なセキュリティを確保することができる。」

(2)引用文献4の記載事項

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原査定の拒絶理由において,周知例として引用された引用文献4には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 図9

[図:0001385070000010.jpg]

イ 「【0063】図9は,印刷設定画面の一例を示す図である。図示するように,本実施形態では,一般的なGUIアプリケーションで実現されており,印刷設定画面901で利用者が印刷設定を行うものである。同図において,902は印刷のプレビューであり,実際に設定した余白などを視覚的に確認できる表示部分である。903はプリンタグループを選択又は入力できる部分であり,クライアントコンピュータ101に接続されているプリンタに加え,ネットワークを介してプリントオーダーを出すことが可能なプリンタグループの一覧が選択でき,そのプリンタグループの解像度も表示される。これは,プリンタ機種名情報及びプリンタ管理情報ファイルから実現される。904は用紙サイズを設定する部分である。905は印刷画像の余白部分を設定する部分であり,903でプリンタグループを選択すると,そのプリンタグループに応じた余白の設定値がプリンタ管理情報ファイルより取得され表示される。尚,使用可能なプリンタグループ名が表示されるが,他のプリンタ機種を選択できないように設定することもできる。」

(3)引用文献5の記載事項

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原査定の拒絶理由において,周知例として引用された引用文献5には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 図5

[図:0001385070000011.jpg]

イ 「【0013】
ここで,上記した処理フローのステップS206において表示される印刷設定画面について,図5に示す例を参照して詳述する。
印刷設定画面150は,印刷プレビュー機能を持つUIを提供するものであり,その画面には,印刷指示を出すプリンタを選択するためのプリンタ指定欄151,両面印刷や製本印刷,集約印刷といった出力態様や,ソート,ステープルといった後処理設定をするための印刷条件設定表示欄152,プリンタ指定欄151で指定したプリンタへの印刷実行を指示するための印刷ボタン153,印刷実行をキャンセルして印刷設定画面150を閉じるためのキャンセルボタン154,プレビュー画像の表示指示をユーザから受け付けるためのプレビュー表示ボタン155,プレビュー表示ボタン155の押下によりプレビュー画像を表示するためのプレビュー画像表示領域156,プレビュー画像表示領域156に表示されるプレビュー画像の表示ページ切り換えを行うためのページ切換ボタン157が設けられている。」

(4)引用文献6の記載事項

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原査定の拒絶理由において,周知例として引用された引用文献6には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 図5

[図:0001385070000012.jpg]

イ 「【0028】
図5は,本発明の実施の形態に係る印刷指示装置の表示例を示す概略図である。
【0029】
印刷内容表示14は,印刷指示装置1において文書を印刷する前に印刷のプレビューを行うための画面であり,印刷する文書を示す文書情報140と,文字主体の文書又は画像主体の文書等の文書の種類を選択する文書種類選択部141と,印刷データを送信して印刷を指示する印刷装置を選択する印刷装置選択部142と,文書の印刷画像をプレビュー表示する印刷画像表示部143と,印刷画像を用紙に合わせてどれだけ回転させるか選択する回転選択部144と,印刷物に対して実行する後処理の内容を選択する後処理選択部145と,選択した後処理が実行できない内容ときに実行を禁止されている旨を表示する禁止表示146と,印刷内容表示14において選択した内容で印刷装置に印刷を実行するよう指示する印刷実行指示部147とを有する。」

(5)引用文献7の記載事項

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原査定の拒絶理由において,周知例として引用された引用文献7には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0073】<3.第3の実施の形態>次に,本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態の画像形成装置1の構成は図1及び図2に示すものと同様である。また,本実施の形態の画像形成装置1が適用されるネットワークシステム10は図3及び図4に示すものと同様である。
【0074】上記第1の実施の形態においては指定された印刷対象ファイルの形式判定を画像形成装置1の形式判定部102で行っていたが,本実施の形態においては印刷対象ファイルを記憶しているコンピュータ2の変換プログラム120に行わせる点で相違している。
【0075】本実施の形態における画像形成装置1側から直接的に印刷対象ファイルを指定した場合における印刷処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるが,図5に示すステップS2が,図8に示すステップS21,S22に置き換えられたものとなるため,相違部分を中心に説明する。
【0076】まず,ステップS1においてユーザによって画像形成装置1の操作パネル11を介して印刷対象ファイルが指定されるのは第1の実施の形態と同様である。
【0077】続いて,画像形成装置1の形式判定部102から,印刷対象ファイルを記憶しているコンピュータ2の変換プログラム120に対して,形式判定指示信号が送信される。形式判定指示信号を受信した変換プログラム120は,該印刷対象ファイルの形式情報を参照して形式を特定する。さらに,コンピュータ2の所定の記憶装置に予め記憶されている画像形成装置1で印刷可能な形式のデータを参照することによって,当該印刷対象ファイルの形式が画像形成装置1で印刷可能か否かの形式判定を行う(ステップS21)。そして,変換プログラム120はこの形式判定結果を画像形成装置1に送信する。
【0078】画像形成装置1の形式判定部102は上記変換プログラム120から送信された形式判定結果を受信し(ステップS22),該形式判定結果に従ってステップS3以降の処理を行うこととなる。
【0079】ステップS3以降の処理は第1の実施の形態と同様の処理が行われる。なお,第2の実施の形態のようにネットワークシステム10においてアプリケーションサーバ3が用意されている場合は,ステップS3以降の処理は第2の実施の形態と同様の処理を行ってもよい。
【0080】以上,第3の実施の形態について説明を行ったが,本実施の形態においては,印刷対象ファイルを記憶しているコンピュータ2に形式判定を行わせその形式判定結果のみを画像形成装置1で受信するため,印刷対象ファイルの形式情報等のデータを受信することなく形式判定を行うことができ,ネットワーク5のデータトラフィックをさらに低下させるとともに迅速に形式判定を行うことができる。」

(6)引用文献8の記載事項

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原査定の拒絶理由において,周知例として引用された引用文献8には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,プリンタ装置やスキャナ装置などに関し,特に,属性情報を無線送信するプリンタ装置やスキャナ装置などに関する。
【0002】
続きを表示(全14行)
【従来の技術】
従来から,有線LAN(Local Area Network)を用いたネットワーク通信に対して,無線通信の高速化や規格化による相互接続性などの改善があり,無線によるネットワーク環境が拡大しつつある。特に,例えばIEEE802.11系やブルートゥース(Bluetooth)などの近距離無線通信を用いたデータの送受信が実用化され始めている。
【0003】
プリンタ専用機或いは複合機等のプリンタ装置(印刷装置)では,このような無線通信機能を搭載することにより,オフィス内ばかりでなく店舗や公共スペース等においてもパーソナルコンピュータ(PC)やPDA(Personal Digital Assistant)などのクライアント機器を用いてプリンタ装置とワイヤレスで接続してプリントすることが可能となっている。
【0004】
特に,外出先でのプリントニーズでは,ワイヤレスによる利便性は大きく,今後更に,無線を用いた印刷の利用が予測される。
しかしながら,外出先でのプリンタ利用では,ホームオフィスで通常使用しているケースと比べて,幾つかの問題が発生する。一つは,出先にあるプリンタのプリンタドライバを必ずしも保有していない点であり,他の一つは,プリンタの検索及び属性情報の取得である。ここで,属性情報とは,例えば,カラーのサポート,用紙種類,両面対応,面つけなどに関する情報のことである。
【0005】
上記したプリンタドライバに関しては,例えば,直接印刷できるフォーマットを特定して,クライアント側又はサーバを介して特定フォーマットに変換し,プリンタ側で直接出力することで,ある程度は問題を回避することができる。
一方,プリンタの検索とそのサービス内容の取得に関しては,例えば,Bluetoothでは,デバイス検索とサービスディスカバリーの機能が予め搭載されており,10m程度の周辺に存在するプリンタを検出して,そのサービス内容を取得することが可能である。」

(7)引用文献9の記載事項

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原査定の拒絶理由において,周知例として引用された引用文献9には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 図7

[図:0001385070000013.jpg]

イ 「【0063】
さらに,本発明による判断に基づいて各印刷条件において最適な画像データの形式を把握し,最適な形式で印刷を実行できることにより,必要充分な容量のデータを扱うようにすることができる。この効果はインターネット等の双方向通信網を介してデータを送信する構成にて特に顕著に現れる。図7は,かかる構成を示す概略図である。クライアントコンピュータ10a~10cとサーバコンピュータ100aはインターネット網Wに接続可能なコンピュータである。
【0064】
同図において,サーバコンピュータ100aにはプリンタ300が接続されており,各クライアントコンピュータ10a~10cとサーバコンピュータ100aとが連携して印刷を実行可能である。この例においては,上述の実施形態における機能の一部を各クライアントコンピュータ10a~10cで実施し,他の一部をサーバコンピュータ100aによって実施することでプリンタ300における印刷を実行する。
続きを表示(全12行)
【0065】
すなわち,クライアントコンピュータ10a~10cにおいては,上記実施形態におけるラスタライザ21aと最適形式判断モジュール21eとに相当する機能を実施可能である。従って,クライアントコンピュータ10a~10cの利用者に対して,印刷指示にかかる画像データが最適な形式であるか否かを通知することができる。この結果,利用者は画像データを最適な形式にして印刷を実施可能である。最適な形式であるときに画像データはインターネット網Wを介してサーバコンピュータ100aに転送される。
【0066】
サーバコンピュータ100aにおいては,上記実施形態における色変換モジュールとハーフトーン処理モジュールと印刷データ生成モジュールとを備えており,転送された画像データに基づいて印刷を実行させる。従って,補間演算等を実施せずにインターネット網Wを介して画像データを授受し,印刷を完了することができる。かかる構成においては,最適な形式の画像データのみがインターネット網Wに送信されるようにすることができる。
【0067】
むろん,クライアントコンピュータ10a~10cとサーバコンピュータ100aとのそれぞれに備える機能としては,図7に示す構成に限られず種々の構成を採用可能である。例えば,最適形式判断モジュールのみをクライアントコンピュータ10a~10cで構成し,ラスタライザや色変換モジュール等をサーバコンピュータ100aで構成する態様を採用可能である。
【0068】
かかる構成において,クライアントコンピュータ10a~10cの最適形式判断モジュールで印刷対象の画像データが最適であると判断されたときのみに当該画像データをサーバコンピュータ100aに転送する。かかる構成によれば,特に縮小処理について過大な容量のデータ転送を防止することができる。すなわち,縮小処理がなされるときの警告に従って,利用者が予め最適の形式の画像データを作成すれば,過大な容量のデータを転送することがなく,必要最小限の容量で構成された画像データを転送するように調整することができる。」

(8)引用文献10の記載事項

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令和3年11月16日付け前置報告書において,周知例として引用された引用文献10には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 図1

[図:0001385070000014.jpg]

イ 「【0031】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるネットワークプロジェクタシステムの構成図である。
【0032】
図1において,1は,携帯電話に代表される情報端末装置,2は,ネットワーク機能を有するプロジェクタ,3は,情報端末装置1とプロジェクタ2を接続する任意のネットワーク網,4は,プロジェクタ2から拡大投射された映像を投射するスクリーンである。
【0033】
また,11は,情報端末装置1に内蔵された撮像素子,5は,プロジェクタ2からスクリーン4上に投射された任意のネットワーク網3を介してプロジェクタ2と接続するための2次元コードなどの接続情報である。」

ウ 図2

[図:0001385070000015.jpg]

エ 「【0034】
図2は,情報端末装置1及びプロジェクタ2の内部構成図である。図2において,情報端末装置1は,撮像素子11,撮像素子11を介して対象物を撮像しその撮像されたデータを任意のフォーマットに変換する撮像手段12,撮像手段12から出力されたデータを解析する情報解析手段14,情報解析手段14により解析されたデータを基に,プロジェクタ2と任意のネットワーク網3を介して接続を確立するための接続設定を行う接続設定手段15,接続設定手段15により設定された接続情報を基に,プロジェクタ2との接続を確立する通信手段16,撮像手段12及び接続設定手段15及び通信手段16に対して制御を行う制御手段13から構成される。
【0035】
プロジェクタ2は,情報端末装置1と任意のネットワーク網3を介して接続を確立する通信手段21,通信手段21が接続を確立するために必要とする接続情報を発生する接続情報発生手段22,接続情報発生手段22により出力された接続情報をスクリーン4に対して拡大投射する表示手段23,外部から入力された外部制御信号25に従って接続情報発生手段22を制御すると共に通信手段21を制御する制御手段24から構成される。」

オ 図3

[図:0001385070000016.jpg]

カ 「【0036】
以上のように構成されたネットワークプロジェクタシステムについて,図3のフローチャートを用いてその動作を以下に説明する。
【0037】
まず,情報端末装置1とプロジェクタ2を任意のネットワーク網3を介して接続するために,使用者は,プロジェクタ2用のリモートコントローラに代表される制御機器(図示せず)から接続情報表示命令となる外部制御信号25をプロジェクタ2に対して実行する(ステップS1)。
続きを表示(全49行)
【0038】
ステップS1により送信された外部制御信号25を受信した制御手段24は,接続情報発生手段22に対して接続情報を生成するように制御を行う。
【0039】
ここで,接続情報とは,任意のネットワーク網3を介してプロジェクタ2と接続するために必要となる情報を指し,IPアドレスやサブネットマスクといったアドレス情報や,プロジェクタ2の機種名や,無線チャンネル情報や,SSIDなどの識別情報を含む。また,WEPキーなどの暗号化情報を含むことも可能である。
【0040】
これらの接続情報は,予めプロジェクタ2に登録されている情報をそのまま反映しても良いし,識別情報などはネットワーク機器毎にユニークな番号が割り振られているMACアドレス情報から自動的に生成させても良い。
【0041】
これらの接続情報をQRコードに代表される2次元コードに変換した接続情報発生手段22は,その変換した2次元コードを表示手段23に出力する。
【0042】
2次元コードを用いた場合,数千文字の情報を格納することが可能となり,これらの接続情報を一つの画像情報に変換することが容易に可能である。
【0043】
勿論,2次元コードではなく,1次元のバーコードを使用しても同様の効果を得るが,1つのバーコードでは20文字程度の情報しか体現できないため,複数個のバーコードを同時に或いは順次表示を行わねばならない。
【0044】
表示手段23はこのようにして入力された2次元コードに変換された接続情報5をスクリーン4に対して拡大投射する(ステップS2)。
【0045】
プロジェクタ2に接続するための接続情報を2次元コードで体現することにより,スクリーン4上に投射された接続情報5を見ても第三者には容易に解読できないため,プロジェクタ2に対するいたずら防止が可能となる。
【0046】
例えば,プロジェクタ2の通信手段としてIEEE802.11g規格に代表される無線LANモジュールを搭載した場合,プロジェクタ2に対する接続情報を入手した悪意を持った第三者は,無線LANが使用できる遠隔地から該プロジェクタ2を自由に操作可能となり,セキュリティ上,非常に問題となるが,本実施の形態により上記課題を容易に解決可能となる。
【0047】
悪意を持った第三者が無線LANの使用範囲内である遠隔地より接続情報5を撮像した場合,従来の構成と同様の課題が生じるように思えるが,接続情報5を撮像した情報端末装置1の情報解析手段14で正常に解析を行うためには,ある程度スクリーン4に近づく必要があるため,容易にいたずら防止が可能となる。
【0048】
また,本実施の形態では,WEPキーなどの暗号化情報も2次元コードに含めてスクリーン4上に投射可能とする例を示したが,QRコードのような2次元コードの解読方法は公知であるため,時間をかければ解読される危険性がある。
【0049】
そこで,このような危険性を回避するために,WEPキーなどの暗号化情報は2次元コードには含めず,SSID毎に暗号化情報を予め決めておき,情報解析手段14がSSI
Dを解読した時点で自動的にWEPキーを生成する手段を情報端末装置1が備えることにより,WEPキーの漏洩といった課題を解決可能となる。
【0050】
このようにしてスクリーン4上に投射された接続情報5に対し,情報端末装置1の使用者は,その接続情報5を撮像するために,任意のアプリケーションソフトを起動させ,撮像素子11を介して撮像手段12に所望の接続情報5を取得する(ステップS3)。
【0051】
一般的な携帯電話には2次元コードを読込むためのアプリケーションソフトが予め備わっているため,そのアプリケーションソフトを使用して2次元コードの読込みを行っても良いが,この場合,読込みを行い,解析された結果を使用者が該情報端末装置1に再度設定する必要がある。
【0052】
そこで,情報端末装置1に予めプロジェクタ2とネットワーク接続させるアプリケーションソフトをインストールしておき,そのアプリケーションソフトが起動している間に撮像された2次元コードを自動的に該情報端末装置1のネットワーク設定に反映させる手段を備えることにより,使用者は2次元コードの撮像をするのみで自動的にネットワーク設定が行えるという効果を得る。
【0053】
ステップS3により撮像された接続情報5は,撮像手段12から情報解析手段14へ出力され,情報解析手段14にて解析される(ステップS4)。
【0054】
情報解析手段14はステップS3により撮像された接続情報を一定の文字列に変換し,ステップS2においてプロジェクタ2が接続情報5に格納した全情報を抽出する。
【0055】
ステップS4により解析された結果は接続設定手段15に転送され,通信手段16に対する接続情報が生成される(ステップS5)。
【0056】
ステップS5において,接続設定手段15は,情報解析手段14により解析された結果を基に,情報端末装置1内のIPアドレスや無線チャンネルやSSIDなどのネットワーク接続に関する設定を行う。
【0057】
また,WEPキーなどの暗号化情報に関してはSSID情報から自動的に参照されるデータテーブルから設定を行っても良い。
【0058】
ステップS5によりネットワーク接続に関する設定がなされた通信手段16は,任意のネットワーク網3を介して所望のプロジェクタ2との接続が確立される(ステップS6)。
【0059】
このように,任意のネットワーク網3を介して所望のプロジェクタ2との接続が確立された情報端末装置1の使用者は,情報端末装置1の表示画像データをプロジェクタ2へネットワーク網3を介して転送することにより,情報端末装置1を使用したプレゼンテーションが容易に行える。」

(9)引用文献11の記載事項

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令和3年11月16日付け前置報告書において,周知例として引用された引用文献11には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 図1

[図:0001385070000017.jpg]

イ 「【0030】
(実施形態1)
《第1の画像表示システムの概要》
図1は,本発明の実施形態1における画像表示システム100の概略構成図である。ここでは,図1を用いて画像表示システム100の概要について説明する。
続きを表示(全17行)
画像表示システム100は,画像表示装置としてのプロジェクタ56と,携帯端末装置としての携帯電話80とから構成されている。
プロジェクタ56は,会議室などの天井に天吊りされており,壁面に設置されたスクリーンSCに画像を投射している。
プロジェクタ56は,画像を投射する表示手段としての投射レンズ53,および無線LANに対応した無線端末装置である通信部61などを含んで構成されている。
【0031】
プロジェクタ56は,無線LANにおいて当該プロジェクタに接続するための接続情報を符号化した2次元コードである接続情報コード25を含む画像を拡大投射している。
これは,プロジェクタ56が起動した後,附属するリモコン(図示せず)に外部の携帯端末装置と接続するための操作がなされたため,符号化手段などを実現するための接続確立Pプログラムが実行されたことによる。
接続確立Pプログラムを含む接続確立プログラムは,画像表示システム100におけるプロジェクタ56と,携帯電話80との接続を確立するためのプログラムであり,プロジェクタ56にインストールされる接続確立Pプログラムと,携帯電話80にインストールされる接続確立Mプログラムとから構成されている。
また,接続情報は,ESSID(Extended Service Set Identifier)などの複数の識別子を包括したものである。
【0032】
携帯電話80は,各種情報を表示する表示部81,コード取得手段としての撮像部84,ネットワーク接続確立手段としてのMb通信部85,複数の操作ボタンを備えたMb操作部88などを含んで構成されている。
Mb操作部88に外部の画像表示装置と接続するための操作がなされると,携帯電話80は,コード解析手段などを実現するための接続確立Mプログラムを実行する。
これにより,まず,携帯電話80のCCDカメラである撮像部84が撮像モードとなる。投射されている接続情報コード25を視認可能な場所にいる使用者により,当該接続情報コードが撮像されると,撮像された2次元コードを解析して接続情報を抽出し,さらに当該接続情報に基づいてMb通信部85によりプロジェクタ56と接続する。なお,図1における接続態様は,無線LAN環境下において電子機器同士がアクセスポイントを介さずに直接接続するアドホック(ad hoc)モードを示している。
画像表示システム100によれば,このようにして,無線LANにおけるプロジェクタ56と,携帯電話80との接続を確立する。」

(10)引用文献12の記載事項

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令和3年11月16日付け前置報告書において,周知例として引用された引用文献12には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 図14

[図:0001385070000018.jpg]

イ 「また,図14には,本発明のさらに他の実施形態に係る機器操作環境1-3の様子を図解している。この機器操作環境1-3には,ユーザが使用する液晶プロジェクタのような情報処理装置10-2と,ユーザが所持する携帯電話機又はPDA(Personal Digital Assistant)のような小型の携帯情報端末50が存在している。
同図に示す例では,液晶プロジェクタは,ID情報を保持していると ともに,電話網やIEEE 802.11bのような無線LAN(Local Area Network),あるいはBluetoothのような近距離無線デ一タ通信などの,ネットワークに接続する通信装置を装備している。あるいは,液晶プロジェクタ10-2自身が通信装置を装備するのではなく,液晶プロジェクタ10-2の表示駆動を制御するコンピュータ30側が通信装置を備えた構成であってもよい。本実施形態に係る機器操作環境1-3下では,液晶プロジェクタ10-2は,天井吊り下げ式などで,ユーザの手が届かない形態で室内に装備されている。
また,携帯情報端末50側は,携帯電話網や,IEEE 802.11bのような無線LAN(Local Area Network),あるいはBluetoothのような近距離無線データ通信などの,ネットワークに接続する通信装置を搭載するとともに,液晶プロジェクタ10-2からID情報を読み取るためのID認識装置を保持している。また,携帯情報端末50は,機器操作を行うための画面や操作ボタン,入力キ一などのユーザ・イン夕一フェ一スを備えている。
本実施形態では,液晶プロジェクタ10-2自身,又は,液晶プロジェクタ10-2の操作情報を格納したサイト(例えば,液晶プロジェクタに描画情報を転送するコンピュータ39)には,ネットワーク・アドレスを表したID情報が割り当てられている。本実施形態と図12に示した実施形態との相違は,天井吊り下げ式などでユーザの手が届かない形態で室内に装備されている液晶プロジェクタ10-2にID情報を保持させるのではなく,投影スクリーンのような,ユーザの手が届く場所にID情報を設置した点にある。投影スクリ一ン以外であっても,携帯情報端末50による遠隔操作の対象である液晶プロジェクタ10-2が実現する機能に関連のある別の場所にID情報を設置するようにしてもよいであろう。
携帯情報端末50に備え付けられたID認識装置が投影スクリーンから ID情報を読み取ることによって,携帯情報端末50は,液晶プロジェクタ10-2又は液晶プロジェクタ10-2の操作情報を格納したコンピュータ30にアクセスするためのネットワーク・アドレスを取得することができる。
図14に示すような機器操作環境1-3において,ユーザは,携帯情報端末50を投影スクリーンのID情報の近傍に置く。そして,ID認識装置が投影スクリーンからID情報を読み取ることによって,携帯情報端末50は液晶プロジェクタ10-2又は液晶プロジェクタ10-2の操作情報を格納したコンピュータ30へのアクセス方法を知ることができる。携帯情報端末50は,ネットワーク・アドレスやURLなどのアクセス方法を用いて,液晶プロジェクタ10-2又は液晶プロジェクタ10-2の操作情報を格納したコンビュー夕30とのネットワーク接続を確立して, 互いに通信可能な状態にする。」(28頁1行~29頁12行)

第5 対比・判断

1 本願発明1と引用発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明1とを対比すると,次のことが認められる。

ア 引用発明1は,「持ち運び可能な操作装置」であって,「操作装置は,持ち運び可能な携帯端末であり,」「ユーザは携帯端末を操作し,LAN上にある文書記憶装置であるデバイスAという記憶装置の記憶内容をブラウズし,携帯端末にデバイスAの文書リストを表示させ」るとされている。

「携帯端末にデバイスAの文書リストを表示させ」ていることから,引用発明1の「携帯端末」は,本願発明1と同様に,「表示部」を有していることは明らかである。

また,引用発明1の「携帯端末」は,「持ち運び可能な操作装置」であることから,本願発明1と同様に,「操作端末」であることは明らかである。

したがって,本願発明1と引用発明1とは,「表示部を有する操作端末」という点で共通しているといえる。

イ 引用発明1は,「携帯端末」は,「記録装置上の文書を選択選択する文書選択手段」「を備え」ていることより,「ユーザは携帯端末を操作し,LAN上にある文書記憶装置であるデバイスAという記憶装置の記憶内容をブラウズし,携帯端末にデバイスAの文書リストを表示させ,表示された文書リストから印刷したい任意の文書を選択して」いるとされている。

ここで,引用発明1の「LAN上にある文書記憶装置であるデバイスAという記憶装置」からは,「ユーザは携帯端末を操作」することで,「記憶装置の記憶内容をブラウズし」ていることから,引用発明1の「携帯端末」と「LAN上にある文書記憶装置であるデバイスAという記憶装置」とは,LANにより接続されていることは明らかであるから,引用発明1の「LAN上にある文書記憶装置であるデバイスAという記憶装置」は,本願発明1の「操作端末と接続される情報蓄積装置」に相当する。

また,引用発明1の「デバイスAの文書リスト」は,本願発明1の「前記情報蓄積装置に記憶された電子データの一覧情報」に相当する。

さらに,引用発明1において,「LAN上にある文書記憶装置であるデバイスAという記憶装置の記憶内容をブラウズ」する機能は,本願発明1の「前記操作端末と接続される情報蓄積装置から前記情報蓄積装置に記憶された電子データの一覧情報を取得する」「機能」に相当する。

そして,引用発明1において,「携帯端末にデバイスAの文書リストを表示させ」る機能は,本願発明1の「前記一覧情報に基づいて前記電子データの一覧を前記表示部に表示する」「機能」に相当する。

同様に,引用発明1において,「表示された文書リストから印刷したい任意の文書を選択」する機能は,本願発明1の「前記電子データの一覧から,出力対象の電子データの選択を受け付ける」「機能」に相当する。

ここで,携帯端末は,記憶装置に格納されたプログラムをCPUで実行することによって,各種機能を実行していることが一般的であることから,引用発明1において,「LAN上にある文書記憶装置であるデバイスAという記憶装置の記憶内容をブラウズ」する機能,「携帯端末にデバイスAの文書リストを表示させ」る機能,「表示された文書リストから印刷したい任意の文書を選択」する機能を提供している「文書選択手段」も,プログラムをCPUで実行することによって,これらの機能を実行しているといえる。

したがって,本願発明1と引用発明1とは,「前記操作端末と接続される情報蓄積装置から前記情報蓄積装置に記憶された電子データの一覧情報を取得する第1取得手段,前記一覧情報に基づいて前記電子データの一覧を前記表示部に表示する第1表示手段,前記電子データの一覧から,出力対象の電子データの選択を受け付ける受付手段」「として機能させ」る「プログラム」を有している点で共通しているといえる。

ウ 引用発明1は,「デバイスA上の選択文書を携帯端末100に取り込み,携帯端末100経由でデバイスBに印刷指示を行う」とされている。

ここで,引用発明1の「デバイスA上の選択文書を携帯端末100に取り込」む機能も,上記イで述べたように,プログラムをCPUで実行することによって,この機能を実行しているといえる。

したがって,本願発明1と引用発明1とは,「前記情報蓄積装置から,選択された前記出力対象の電子データを取得する第2取得手段」「として機能させ」る「プログラム」を有している点で共通しているといえる。

エ 引用発明1は,「選択された文書を選択された印刷装置で印刷する複数の印刷手段を有し,」「ユーザは携帯端末を操作し,LAN上にある印刷装置リストを表示させ,表示された印刷装置リストからデバイスBという印刷装置120が選択され,」「デバイスA上の選択文書を携帯端末100に取り込み,携帯端末100経由でデバイスBに印刷指示を行う」とされている。

ここで,引用発明1の「デバイスBという印刷装置」は,「デバイスA上の選択文書」の「印刷指示」対象となっていることから,「デバイスBという印刷装置」が「デバイスA上の選択文書」の「印刷」出力を行っていることは,当業者にとって明らかであり,引用発明1における「デバイスBに」対して「デバイスA上の選択文書」の「印刷指示を行う」ことは,本願発明1の「電子機器に対して,前記情報蓄積装置から取得した電子データを出力する出力要求を送信する」対応するといえる。

したがって,本願発明1と引用発明1とは,「電子機器に対して,前記情報蓄積装置から取得した電子データを出力する出力要求を送信する送信手段,として機能させ」「るプログラム」を有している点で共通しているといえる。

しかし,本願発明1では,「二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する第2表示手段」および「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得手段」としての機能を備えており,「電子機器」が「前記二次元コードから取得した前記識別情報で識別される」ものであるのに対して,

引用発明1では,「二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する第2表示手段」および「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得手段」としての機能を備えておらず,「電子機器」が「前記二次元コードから取得した前記識別情報で識別される」ものでない点で相違している。

(2)一致点・相違点

本願発明1と,引用発明1とは,以下アの点で一致し,以下イの点で相違する。

ア 一致点

「 表示部を有する操作端末を,
前記操作端末と接続される情報蓄積装置から前記情報蓄積装置に記憶された電子データの一覧情報を取得する第1取得手段,
前記一覧情報に基づいて前記電子データの一覧を前記表示部に表示する第1表示手段,
前記電子データの一覧から,出力対象の電子データの選択を受け付ける受付手段,
前記情報蓄積装置から,選択された前記出力対象の電子データを取得する第2取得手段,
として機能させる
プログラム。」

イ 相違点

(ア) 相違点1-1

本願発明1では,「二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する第2表示手段」および「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得手段」としての機能を備えており,「電子機器」が「前記二次元コードから取得した前記識別情報で識別される」ものであるのに対して,

引用発明1では,「二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する第2表示手段」および「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得手段」としての機能を備えておらず,「電子機器」が「前記二次元コードから取得した前記識別情報で識別される」ものでない点。

(イ) 相違点1-2

本願発明1では,「前記第2表示手段は,前記二次元コードを読み取るための読取画面を,前記受付手段で前記出力対象の電子データの選択を受け付けた状態で表示し,

前記第3取得手段は,前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,電子機器を識別するための識別情報と,前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報と,を取得し,

前記操作端末を,更に,

前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として決定し,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として決定する判断手段,

として機能させ,」

「前記第2取得手段は,前記情報蓄積装置から,前記出力形式に対応する電子データであって,選択された前記出力対象の電子データを取得」しているのに対して,

引用発明1では,このような構成を備えていない点。

(3)相違点についての判断

事案に鑑みて,まず,相違点1-2について検討する。

本願発明1の相違点1-2に係る「表示中に読み取られた二次元コードから,電子機器を識別するための識別情報と,前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報と,を取得し,」「前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として決定し,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として決定」し,「前記情報蓄積装置から,前記出力形式に対応する電子データであって,選択された前記出力対象の電子データを取得」する構成について,引用文献1ないし12には,記載も示唆も無く,当該構成が周知であったとも認められない。

したがって,引用発明1および引用文献2ないし12の記載に基づいて,当業者は本願発明1の相違点1-2に係る構成を容易に想到することができない。

エ 小括

したがって,上記相違点1-1について判断するまでもなく,本願発明1は,引用発明1および引用文献2ないし12に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明1と引用発明2について

(1)対比

本願発明1と引用発明2とを対比すると,次のことが認められる。

ア 引用発明2は,「文書サーバ1にストアされている多数の文書が携帯電話機5のディスプレイ9によって閲覧でき」るとされている。

ここで,引用発明2の「ディスプレイ9」は,本願発明1の「表示部」に相当する。

また,引用発明2の「携帯電話機5」は,ユーザが操作することにより,「文書サーバ1にストアされている多数の文書」の「閲覧」処理等が実行可能な端末であることは,当業者にとって明らかであるから,引用発明2の「携帯電話機5」は,本願発明1の「操作端末」に相当する。

したがって,本願発明1と引用発明2とは,「表示部を有する操作端末」である点で共通しているといえる。

イ 引用発明2は,「携帯電話機5の第1無線手段6により,携帯電話ゲートウェイ4,インターネット3,ウェブサーバ2を介して文書サーバ1がアクセスされ,文書サーバ1にストアされている多数の文書が携帯電話機5のディスプレイ9によって閲覧でき,」「携帯電話機5は閲覧した文書データのうち,プリントアウトしたい文書を指定することができ,」「文書サーバ1では,文書が指定され」ると「文書データ」が「文書サーバ1からウェブサーバ2,インターネット3,携帯電話ゲートウェイ4を経由して第1無線手段6によって携帯電話機5へ与えられ」るとされている。

ここで,引用発明2の「携帯電話機5」は「第1無線手段6により,携帯電話ゲートウェイ4,インターネット3,ウェブサーバ2を介して文書サーバ1」に「アクセス」していることから,引用発明2の「携帯電話機5」は「文書サーバ1」に接続されている。

また,「文書サーバ1に」は,「多数の文書が」「ストアされている」から,文書(電子データ)情報をストア(蓄積)しているといえる。

よって,引用発明2の「携帯電話機5」に接続されている「文書サーバ1」は,本願発明1の「操作端末と接続される情報蓄積装置」に相当する。

さらに,引用発明2の「携帯電話機5」は,「文書サーバ1にストアされている多数の文書」「のうち,プリントアウトしたい文書を指定することができ」ることから,引用発明2の「携帯電話機5」も,本願発明1と同様に,「文書サーバ1にストアされている多数の文書」の一覧情報を取得し,一覧情報を「ディスプレイ9」(表示部)に表示していることは,当業者にとって明らかである。

そして,「携帯電話機等の携帯情報機器」では,記憶装置に格納されたプログラムをCPUで実行することによって,各種機能を実行していることが一般的であることから,引用発明2において,「文書サーバ1にストアされている多数の文書」の一覧情報を取得している機能,一覧情報を「ディスプレイ9」(表示部)に表示する機能,プリントアウトしたい文書を指定する機能は,いずれも,プログラムをCPUで実行することによって,これらの機能を実行しているといえる。

したがって,本願発明1と引用発明2とは,「前記操作端末と接続される情報蓄積装置から前記情報蓄積装置に記憶された電子データの一覧情報を取得する第1取得手段,

前記一覧情報に基づいて前記電子データの一覧を前記表示部に表示する第1表示手段,

前記電子データの一覧から,出力対象の電子データの選択を受け付ける受付手段,

前記情報蓄積装置から,選択された前記出力対象の電子データを取得する第2取得手段」「として機能させ」「るプログラム」を有している点で共通しているといえる。

ウ 引用発明2は,「携帯電話機5は,また,第2無線手段7を用いて,近傍にあるプリンタ8と通信ができ,プリンタ8の機種名と,プリンタ8の種別を特定する識別情報を取得することができ,」「携帯電話機5では,与えられる文書データを,第2無線手段7を用いてプリンタ8へ送り,プリンタ8は,受信した文書データを用紙に文書としてプリントアウトする」とされている。

ここで,引用発明2の「プリンタ8」は,「受信した文書データを用紙に文書としてプリントアウトする」(印刷出力する)ことから,引用発明2の「プリンタ8」は,本願発明1の「電子データを出力する」「電子機器」に相当する。

また,引用発明2の「携帯電話機5」は,「文書データを,第2無線手段7を用いてプリンタ8へ送り,プリンタ8は,受信した文書データを用紙に文書としてプリントアウトする」ことから,「受信した文書データ」と共に印刷出力要求もプリンタ8に送信していることは,当業者にとって明らかである。

そして,上記イで述べたように,「携帯電話機等の携帯情報機器」では,記憶装置に格納されたプログラムをCPUで実行することによって,各種機能を実行していることが一般的であることから,引用発明2の「携帯電話機5」も,「電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得手段,」「取得した前記識別情報で識別される電子機器に対して,前記情報蓄積装置から取得した電子データを出力する出力要求を送信する送信手段」「として機能」させる「プログラム」を備えていることは,当業者にとって明らかである。

したがって,本願発明1と引用発明2とは,「電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得手段」と「取得した前記識別情報で識別される電子機器に対して,前記情報蓄積装置から取得した電子データを出力する出力要求を送信する送信手段として機能させ」「るプログラム」を有している点で共通しているといえる。

しかし,本願発明1では,「二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する第2表示手段」を備え,「電子機器を識別するための識別情報を」「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから」取得しているのに対し,

引用発明2では,「電子機器を識別するための識別情報を」第2無線手段7を用いて,近傍にあるプリンタ8と通信して,プリンタ8の機種名と,プリンタ8の種別を特定する識別情報を取得している点で相違している。

エ 引用発明2は,「携帯電話機5は,また,第2無線手段7を用いて,近傍にあるプリンタ8と通信ができ,プリンタ8の機種名と,プリンタ8の種別を特定する識別情報を取得することができ,携帯電話機5は閲覧した文書データのうち,プリントアウトしたい文書を指定することができ,指定した文書とプリンタ8の識別情報とを文書サーバ1へ送信することができ,文書サーバ1では,文書が指定され,かつプリンタの識別情報が与えられると,その文書を読み出し,識別情報で特定されたプリンタがプリントアウト可能な文書データに変換しており,変換された文書データは,文書サーバ1からウェブサーバ2,インターネット3,携帯電話ゲートウェイ4を経由して第1無線手段6によって携帯電話機5へ与えられ」るとされている。

ここで,引用発明2の「文書サーバ1では,」「プリンタの識別情報が与えられると,」「識別情報で特定されたプリンタがプリントアウト可能な文書データに変換して」おり,「携帯電話機5は」「プリンタ8の識別情報とを文書サーバ1へ送信」していることから,「文書サーバ1」が「プリンタ8の識別情報」に基づいて「プリントアウト」(印刷出力)の出力形式を決定(プリントアウト可能な文書データに変換)しており,「携帯電話機5は」「文書サーバ1」に対して「出力形式を含む電子データの取得要求を」「送信し」ているといえる。

したがって,本願発明1と引用発明2とは,「前記送信手段は,」「出力形式を含む電子データの取得要求を前記情報蓄積装置に対して送信し,前記第2取得手段は,前記情報蓄積装置から,出力形式に対応する電子データであって,選択された前記出力対象の電子データを取得する」「プログラム」を有している点で共通しているといえる。

しかし,本願発明1では,「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,」「前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報」「を取得し,」「前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として決定し,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として決定する判断手段」を備えているのに対し,

引用発明2では,「文書サーバ1」が「プリンタ8の識別情報」に基づいて「プリントアウト」(印刷出力)の出力形式を決定(プリントアウト可能な文書データに変換)している点で相違している。

(2)一致点・相違点

本願発明1と,引用発明2とは,以下アの点で一致し,以下イの点で相違する。

ア 一致点

「表示部を有する操作端末を,

前記操作端末と接続される情報蓄積装置から前記情報蓄積装置に記憶された電子データの一覧情報を取得する第1取得手段,

前記一覧情報に基づいて前記電子データの一覧を前記表示部に表示する第1表示手段,

前記電子データの一覧から,出力対象の電子データの選択を受け付ける受付手段,

前記情報蓄積装置から,選択された前記出力対象の電子データを取得する第2取得手段,

電子機器を識別するための識別情報を取得する第3取得手段,

前記取得した前記識別情報で識別される電子機器に対して,前記情報蓄積装置から取得した電子データを出力する出力要求を送信する送信手段,

として機能させ,

前記送信手段は,出力形式を含む電子データの取得要求を前記情報蓄積装置に対して送信し,

前記第2取得手段は,前記情報蓄積装置から,前記出力形式に対応する電子データであって,選択された前記出力対象の電子データを取得する

ことを特徴とするプログラム。

イ 相違点

(ア) 相違点2-1

本願発明1では,「二次元コードを読み取るための読取画面を前記表示部に表示する第2表示手段」を備え,「電子機器を識別するための識別情報を」「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから」取得しているのに対し,

引用発明2では,「電子機器を識別するための識別情報を」第2無線手段7を用いて,近傍にあるプリンタ8と通信して,プリンタ8の機種名と,プリンタ8の種別を特定する識別情報を取得している点。

(イ) 相違点2-2

本願発明1では,「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,」「前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報」「を取得し,」「前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として決定し,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として決定する判断手段」を備えているのに対し,

引用発明2では,「文書サーバ1」が「プリンタ8の識別情報」に基づいて「プリントアウト」(印刷出力)の出力形式を決定(プリントアウト可能な文書データに変換)している点。

(3)相違点についての判断

事案に鑑みて,まず,相違点2-2について検討する。

本願発明1の相違点2-2に係る「「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,」「前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報」「を取得し,」「前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として決定し,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として決定する」という構成について,引用文献1ないし12には,記載も示唆も無く,当該構成が周知であったとも認められない。

したがって,引用発明2および引用文献1,ならびに,引用文献3ないし12に基づいて,当業者は本願発明1の相違点2―2に係る構成を容易に想到することができない。

エ 小括

したがって,上記相違点2-1について判断するまでもなく,本願発明1は,引用発明2および引用文献1,ならびに,引用文献3ないし12に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

3 本願発明2ないし本願発明4について

本願発明2ないし本願発明4は,いずれも,本願発明1を減縮したものであって,本願発明1と同一の構成を備えるものであるから,上記1および2で述べた本願発明1と同じ理由により,引用文献1ないし12に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

4 本願発明5ないし本願発明7について

本願発明5は,概ね,本願発明1の発明のカテゴリを,単に,プログラムの発明から操作端末の発明へと変更したものであり,上記相違点1-2に係る構成,あるいは,相違点2-2に係る構成と同様の以下の構成を備えているから,上記1および2で述べた本願発明1と同じ理由により,引用文献1ないし12に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,電子機器を識別するための識別情報と,前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報と,を取得し,
前記送信手段は,前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として含み,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として含む電子データの取得要求を前記情報蓄積装置に対して送信し,」

本願発明6および本願発明7は,いずれも,本願発明5を減縮したものであって,本願発明5と同一の構成を備えるものであるから,本願発明5と同じ理由により,引用文献1ないし12に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

5 本願発明8ないし本願発明10について

本願発明8は,概ね,本願発明1の発明のカテゴリを,単に,プログラムの発明から方法の発明へと変更したものであり,上記相違点1-2に係る構成,あるいは,相違点2-2に係る構成と同様の以下の構成を備えているから,上記1および2で述べた本願発明1と同じ理由により,引用文献1ないし12に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

「前記第3取得ステップは,前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,電子機器を識別するための識別情報と,前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報と,を取得し,
前記送信ステップは,前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として含み,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として含む電子データの取得要求を前記情報蓄積装置に対して送信し」

本願発明9および本願発明10は,いずれも,本願発明8を減縮したものであって,本願発明8と同一の構成を備えるものであるから,本願発明8と同じ理由により,引用文献1ないし12に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

6 本願発明11について

本願発明11は,概ね,本願発明1の発明のカテゴリを,単に,プログラムの発明からシステムの発明へと変更したものであり,上記相違点1-2に係る構成,あるいは,相違点2-2に係る構成と同様の以下の構成を備えているから,上記1および2で述べた本願発明1と同じ理由により,引用文献1ないし12に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

「前記第3取得手段は,前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから,電子機器を識別するための識別情報と,前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み,前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報と,を取得し,
前記送信手段は,前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として含み,前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として含む電子データの取得要求を前記情報蓄積装置に対して送信し」

第6 原査定について

審判請求時の補正により,本願発明1ないし本願発明11は,いずれも,おおむね,「記第3取得手段」を

「前記読取画面を表示中に読み取られた二次元コードから、電子機器を識別するための識別情報と、前記電子機器が有する出力手段が印刷手段である場合には第1機能情報を含み、前記電子機器が有する出力手段が前記印刷手段とは異なる種類である投影手段である場合には第2機能情報を含む機能情報と、を取得し、
前記操作端末を、更に、
前記機能情報が前記第1機能情報を含む場合には第1出力形式を前記電子データの出力形式として決定し、前記機能情報が第2機能情報を含む場合には前記第1出力形式とは異なる第2出力形式を前記電子データの出力形式として決定する判断手段、
として機能させ」る旨限定していることから,本件補正後の本願発明1ないし本願発明11は,原査定において引用された引用文献1ないし9に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

したがって,原査定の理由1(進歩性)は,維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。

また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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2021-013497

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