商標拒絶査定不服審判
2021-013495
ワックスオイルジャパン、ワックスオイル
- 審判番号
- 2021-013495
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-069132
- 請求日
- 2021年10月06日
- 審決日
- 2022年06月28日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日本ワックスオイル株式会社
- 【請求人代理人】成川 弘樹
- 【請求人代理人】大崎 絵美
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .261-Z (W0102030435) / T18 .262-Z (W0102030435) / T18 .263-Z (W0102030435)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 69132拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年6月4日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月 8日付け:拒絶理由通知
令和3年4月26日 :意見書の提出
令和3年6月28日付け:拒絶査定
令和3年10月6日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「Waxoyl Japan」の文字を標準文字で表してなり、第1類、第2類、第3類、第4類及び第35類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下、これらの商標をまとめていうときは「引用商標」という。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1505739号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 「WAXOYL」
指定商品 第1類「化学品」、第2類「ワツクスを含有する防さび剤,その他の防さび剤,ワツクスを含有する腐食防止剤,その他の腐食防止剤」、第3類「ワツクスを含有するさび除去剤,その他のさび除去剤,ワツクスを含有する腐食除去剤,その他の腐食除去剤」、第4類「潤滑剤」
登録出願日 昭和53年12月21日
設定登録日 昭和57年 3月31日
なお、指定商品は、平成14年12月4日に指定商品の書換登録がされた結果、上記のとおりとなった。
(2)登録第4871426号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 別掲2
指定商品 第1類「化学品」、第2類「ワックスを含有する防さび剤,その他の防さび剤,ワックスを含有する腐食防止剤,その他の腐食防止剤」、第3類「ワックスを含有するさび除去剤,その他のさび除去剤,ワックスを含有する腐食除去剤,その他の腐食除去剤」、第4類「潤滑剤」
登録出願日 平成16年 6月21日
設定登録日 平成17年 6月10日
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「Waxoyl Japan」を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Japan」の文字は、我が国の国名を表す英単語としてよく知られているものである。そして一般に、国名又は都市名を商標内に表示することで、商品の産地・販売地、役務の提供の場所などが、当該国又は地域と関連するものであることを示すことは、取引上広く採択されているものである。
してみれば、本願商標構成中の「Japan」の文字は、商品・役務の出所識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成中の「Waxoyl」の文字部分が取引者、需要者に対し商品・役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であり、「Waxoyl」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較することが許されるものであるから、当該文字部分が独立して商品・役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標は、その構成文字全体に相応して「ワックスオイルジャパン」の称呼を生じるほか、その構成中「Waxoyl」の文字部分に相応して、「ワックスオイル」の称呼をも生じるものである。
そして、「Waxoyl」の文字は、一般的な英語の辞書に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解され、これよりは特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は、「WAXOYL」の文字を横書きしてなるところ、上記(1)と同様に、「ワックスオイル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2
引用商標2は、別掲2のとおりの構成よりなり、灰色で着色された円輪郭の図形の内部中央に大きい文字で「Waxoyl」の文字が配され(文字右側には小さく「R」の丸囲みが配されている。文字下部には灰色の下線が付されている。)、当該灰色の下線の下に、小さい文字で「ADVANCED TECHNOLOGY」の文字が配され、円輪郭の上部及び下部に、それぞれ輪郭に沿うように「PROFESSIONAL」及び「CAR CARE」の白抜き文字が配された構成よりなるものである。
引用商標2の構成を観察するに、円輪郭や「Waxoyl」の文字の下部に配された直線は、極めて単純な形状であり、これからは出所識別標識としての称呼及び観念は生じないというべきである。また、各構成文字は、それぞれ重なることなく間隔をあけて配置されていることから、視覚上、分離して看取、把握されうるものである。そして、「ADVANCED TECHNOLOGY」、「PROFESSIONAL」及び「CAR CARE」の各文字部分は、それぞれ「先進技術」、「熟練者」及び「自動車の手入れ」程の意味合いを有するが、これら各文字と「Waxoyl」の文字とが一体となって、特段の観念を生じる等観念的に密接な関連性を有しているとはいえず、また、各文字部分を一連としてみた場合、その全体の文字数が多いことから、これから生じ得る称呼も冗長となるといえる。そして、「Waxoyl」の文字部分は、中央部にひときわ大きく目立つ態様で表されているのに対し、「PROFESSIONAL」「CAR CARE」「ADVANCED TECHNOLOGY」の各文字部分は、上記文字に比して線が細く、小さく表されている。
そうすると、引用商標2の構成のうち、「Waxoyl」の文字部分は、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができ、当該文字部分だけを要部として抽出し、本願商標と比較して、商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標2は、「Waxoyl」の文字より、上記(1)と同様に「ワックスオイル」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観においては、両者はその全体構成において差異を有するものであるが、本願商標の要部である「Waxoyl」の文字と、引用商標1を構成する「WAXOYL」の文字及び引用商標2の要部である「Waxoyl」の文字を比較したときは、書体の相違があり、文字の種類(大文字と小文字)が相違する場合があるとしても、両者は、その文字綴りを同一にするものであり、外観上、類似するものである。
また、称呼においては、本願商標の要部から生じる称呼と引用商標1及び引用商標2の要部から生じる称呼は、共に「ワックスオイル」であるから、称呼上、同一である。
そして、観念においては、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるものの、外観において類似し、かつ、称呼において同一のものであるから、これらを総合的に勘案すると、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品及び指定役務中、第1類「化学品」、第2類「腐蝕防止剤,防錆剤,媒染剤」、第3類「さび除去剤,染み抜きベンジン,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤」、第4類「固形潤滑剤,ナフサ,コールタール油」及び第35類「化学品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものと認められる。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、先願に係る他人の登録商標である引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標に係る指定商品と類似する商品・役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、長年にわたり、「ワックスオイルジャパン」「WAXOYL JAPAN」、「Waxoyl JAPAN」、「Waxoyl Japan」等を通称として使用し、これら通称は取引者、需要者の間でも広く親しまれており、本願商標は、請求人を表示するものとして需要者、取引者に認識されている実情がある旨主張し、参考資料1ないし7を提出している。
しかしながら、請求人から提出された資料からは、請求人を称する語として「Waxoyl(WAXOYL) Japan」の使用が数点確認できるとしても、実際の取引の実情は不明であり、そもそも、商標の類否判断において考慮することのできる取引の実情とは、単に当該商標が現在使用されている商品(役務)についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではなく、その指定商品(指定役務)全体についての一般的・恒常的な実情を指すものと解すべきであり(最高裁昭和47年(行ツ)第33号参照)、請求人の主張する上記実情は、取引における一場面を抽出した特殊的、限定的なものといわざるを得ないものであり、商標の類否判断にあたり考慮すべき一般的、恒常的な取引の実情ということはできない。
イ 請求人は、一般に、自動車関連商品を含む種々の商品の取引において、海外ブランドの商品を日本において販売する代理店等について「Japan」の文字をそのブランドに付加して使用する実態を踏まえると、本願商標の構成中、後半の「Japan」の文字部分は、「Waxoyl」ブランドの商品を日本において販売する代理店等を表示するものと認識され、本願商標については、「Waxoyl Japan」として、その全体を一体とみるのが自然である旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標に含まれる「Japan」の文字は、我が国の国名を表す英単語としてよく知られているものであって、商品の産地・販売地や役務の提供の場所などを表示するために広く使用されているものである。そのため、造語である「Waxoyl」の後ろに「Japan」の文字が表示されている本願商標の構成においては、本願商標の構成文字を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいいがたい。したがって、本願商標についてはその構成部分の一部である「Waxoyl」の文字部分を要部として抽出し、この部分を他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものであり、その全体を一体とみるのが自然であるとはいえない。
ウ したがって、請求人の主張は採用できない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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