2021-012981
遊技機
- 審判番号
- 2021-012981
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-010549外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年09月28日
- 審決日
- 2022年04月19日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社サンセイアールアンドディ
- 【請求人代理人】特許業務法人上野特許事務所
- 分類
- P18 .121-WYF(A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 15項目
第1 手続の経緯の概要
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本願は、令和2年1月27日の特許出願であって、同年9月9日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月24日に意見書および手続補正書が提出されたところ、令和3年2月17日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年4月23日に意見書が提出されたところ、同年6月22日付け(送達日:同年同月29日)で、拒絶査定(以下、「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年9月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の理由の概要
原査定の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項 1-5
・引用文献等 1-3
<引用文献等一覧>
1.特開2018-164485号公報
2.特開2019-146884号公報
3.特開2015-077174号公報
第3 本願発明
本願の請求項1-5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明5」という。)は、令和2年11月24日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された、次のとおりのものである(A~Nは、本願発明を分説するために当審で付した。)。
「【請求項1】A 当否判定結果を示唆する複数種の示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、B 前記示唆演出が発生する可能性があることを予告する予告演出を実行する予告演出実行手段と、を備え、C 前記予告演出は、複数種の予告態様のうちのいずれかが実行されるものであり、当該複数種の予告態様のうちのいずれが実行されるかに応じ、前記示唆演出が発生する蓋然性が異なるとともに、当該複数種の予告態様のうちのいずれが実行される場合であっても前記示唆演出が発生する可能性があり、続きを表示(全19行)D 前記予告演出における予告態様は、前記示唆演出が発生する蓋然性が低まる方向に変化する可能性があるE ことを特徴とする遊技機。【請求項2】F 二種以上の前記示唆演出のそれぞれに対応する前記予告演出が同時期に実行される場合があるG ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。【請求項3】H 前記予告演出は、複数種の予告画像のいずれかが表示されるものであり、I 前記予告画像は、前記予告演出の対象となった前記示唆演出に対応する演出画像に付随するように表示されるJ ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。【請求項4】K 前記予告演出の対象となる前記示唆演出の種類の数は変化しうるL ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の遊技機。【請求項5】M 前記予告演出における予告態様は、前記示唆演出が発生する蓋然性が高まる方向に変化する可能性があるN ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機。」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)記載事項
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原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
ア 「【0011】<全体構成>まず、図1を用いて、パチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。・・・【0060】次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えている。基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出してVRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)516と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が接続されている。」
イ 「【0292】すると、図20(9)に示すように、装飾図柄表示装置208では、中図柄に殿様のキャラクタが表された疑似連図柄が上方から下方に向けて低速で移動する表示が開始される。その後、図20(10)に示す装飾図柄表示装置208では、タイマ予告表示TM1が消去され、図20(11)に示すように、疑似連図柄が停止表示した後、図20(12)に示すように、殿様のキャラクタと「継続」の文字表示とからなるカットイン表示が行われる。本実施形態では、このようにして、疑似連図柄が停止表示されることにより、疑似連が実行されることを報知する。ここで、疑似連とは、装飾図柄の変動開始及び仮停止表示を1回の特図の変動表示において複数回実行する装飾図柄の変動表示態様である。本実施形態では、疑似連が実行される回数が多いほど大当りとなりやすいように構成されている。なお、疑似連図柄が停止表示することなく、下方にフレームアウトする場合があってもよく、疑似連図柄が下方にフレームアウトした場合には、疑似連が開始されず、そのままハズレの装飾図柄の組合せが停止表示されてもよいし、リーチ状態となってリーチ演出が開始するようにしてもよい。このように、この演出例では、タイマ予告が行われることにより、カウントダウンが完了した後、疑似連が開始されることを予告している。」
ウ 「【4994】その後、図237(13)に示すように、装飾図柄表示装置208では、サボハニのキャラクタSBHNが大量に横切るサボハニ群予告が行われている様子が示されている。このサボハニ群予告は、大当りの期待度が大きい予告である。すなわち、サボハニ群予告が行われた場合は、サボハニ群予告が行われなかった場合よりも大当り図柄が確定表示されやすいということができる。なお、本実施形態では、大当りの信頼度に応じてサボハニ群予告を複数種類設けており、サボハニのキャラクタSBHNが第二の数である強サボハニ群予告と、サボハニのキャラクタSBHNが第一の数(第二の数よりも少ない数)である弱サボハニ群予告とが実行される場合がある。図237(13)に示すサボハニ群予告は、強サボハニ群予告である。また、このとき、リーチ図柄が右上隅に小さく表示され、変動アイコン表示領域と保留アイコン表示領域が消去される。・・・【5444】続きを表示(全20行)図289(3)に示す装飾図柄表示装置208では、タイマ予告演出が開始している様子が示されている。具体的には、例えば、フレームインアニメにより、表示画面の右側からタイマ予告表示TM1がフレームインすることにより、タイマ予告演出が開始される。このタイマ予告表示TM1の表示態様は、デフォルトの表示態様である。タイマ予告表示TM1には、「05:00」が表示されており、カウントダウンが開始されてから5秒が経過すると或る予告演出が開始されることを示唆している。また、図289(3)に示すタイミングでは、下皿満タンエラーは依然として解消しておらず、下皿満タンエラー表示ERR1は引き続き表示されている。このとき、タイマ予告表示TM1が下皿満タンエラー表示ERR1によってオーバーラップされており、タイマ予告表示TM1の視認性が低下している。そのため、遊技者は、この表示状態を見て、下皿の球抜きを急ぐ場合がある。・・・【5448】なお、以上説明したタイマ予告演出では、タイマ表示のカウントダウンにより或る演出が行われるまでの時間を表示するようにしたが、例えば、タイマ予告演出を行う場合に、タイマ予告表示におけるタイマ表示を「00:00」から開始させ、例えば、「「03:00」になると保留変化かも」や「「25:00」になると強カットイン発生」のような表示を行い、タイマ表示をカウントアップして指定された時間となった場合に或る演出が行われるように構成されてもよい。・・・【6199】図352(9)に示す装飾図柄表示装置208では、タイマ予告演出が開始している様子が示されている。具体的には、例えば、フレームインアニメにより、表示画面の右側から第1タイマ予告表示TM11がフレームインすることにより、タイマ予告演出が開始される。この第1タイマ予告表示TM11の表示態様は、デフォルトの表示態様である。第1タイマ予告表示TM11には、「07:00」が表示されており、カウントダウンが開始されてから7秒が経過すると或る演出が開始されることを示唆している。また、この演出例では、第1タイマ予告表示TM11にリプレイのアイコンRPLが付加されており、或る演出として疑似連が開始される可能性が高いことを示唆している。また、3つの爆弾が一塊となった表示態様の変動アイコンh0では、「TIMER×3」の表示が消去されるとともに、3つの爆弾のうちの右側に配置された爆弾の導火線の先端が着火する様子が示され、また、ナビキャラクタYMの近傍では、「7秒後に何かが・・・」の文字が表示され、7秒後にタイマ予告演出が行われた結果として或る演出が行われる可能性があることが示唆されている。また、この演出例では、では、装飾図柄が中央上部に小さく表示されている様子が示されている。ここで、変動アイコンh0の表示態様が変化した後で第1タイマ予告表示TM11が表示開始されてもよいし、第1タイマ予告表示TM11が表示開始された後で変動アイコンh0の表示態様が変化してもよいし、変動アイコンh0の表示態様が変化するタイミングで第1タイマ予告表示TM11が表示開始されてもよい。また、装飾図柄の表示位置が変更された後で第1タイマ予告表示TM11が表示開始されてもよいし、第1タイマ予告表示TM11が表示開始された後で装飾図柄の表示位置が変更されてもよいし、装飾図柄の表示位置が変更されるタイミングで第1タイマ予告表示TM11が表示開始されてもよい。【6200】その後、第1タイマ予告表示TM11におけるタイマ表示(時間表示)のカウントダウン(減算表示)が開始され、図352(10)に示すタイミングでは、第1タイマ予告表示TM11には、「06:36」が表示されている。すなわち、カウントダウンが開始してから、0.64秒が経過した様子が示されている。また、ナビキャラクタYMの近傍には、「注目」の文字が表示され、第1タイマ予告表示TM11に対する注意喚起がなされている。また、変動アイコンh0における右側に配置された爆弾の導火線の長さもタイマ表示のカウントダウンが開始してからの時間に応じて短くなっている。【6201】図352(11)に示す装飾図柄表示装置208では、2つ目のタイマ予告演出が開始している様子が示されている。具体的には、例えば、フレームインアニメにより、表示画面の左側から第2タイマ予告表示TM12がフレームインすることにより、2つ目のタイマ予告演出が開始される。この第2タイマ予告表示TM12の表示態様は、デフォルトの表示態様である。第2タイマ予告表示TM12には、「20:00」が表示されており、カウントダウンが開始されてから20秒が経過すると或る演出が開始されることを示唆している。また、この演出例では、第2タイマ予告表示TM12にサボハニのアイコンSBHが付加されており、或る演出としてサボハニ群予告が開始される可能性が高いことを示唆している。また、3つの爆弾が一塊となった表示態様の変動アイコンh0では、3つの爆弾のうちの左側に配置された爆弾の導火線の先端が着火する様子が示されている。この左側に配置された爆弾の導火線の長さもタイマ表示のカウントダウンが開始してからの時間に応じて短くなっていく。また、第1タイマ予告表示TM11では、カウントダウンが継続しており、図352(11)に示すタイミングでは、「05:75」が表示されている。また、ナビキャラクタYMの近傍には、「注目」の文字が引き続き表示されており、タイマ予告演出に対する注意喚起がなされている。【6202】その後、第2タイマ予告表示TM12におけるタイマ表示(時間表示)のカウントダウン(減算表示)が開始され、図352(12)に示すタイミングでは、第2タイマ予告表示TM12には、「19:20」が表示されている。すなわち、第2タイマ予告表示TM12におけるタイマ表示のカウントダウンが開始してから、0.8秒が経過した様子が示されている。一方、第1タイマ予告表示TM11においても、タイマ表示のカウントダウンが継続しており、第1タイマ予告表示TM11には、「04:95」が表示されている。また、図352(12)に示す装飾図柄表示装置208では、ミニゲームが開始されている様子が示されている。この演出例では、ミニゲームが開始されると、表示画面の左側に宝箱画像BOXが表示されるとともに、宝箱画像BOXの右側に、サボハニのキャラクタとともに「が出たら群予告確定」の文字が表示されており、宝箱からサボハニのキャラクタSBHNが出現するとサボハニ群予告が行われることが報知されている。また、ナビキャラクタYMの近傍には、「ミニゲームも注目」の文字が表示され、タイマ予告演出と併せてミニゲームに対する注意喚起がなされている。・・・【6204】すると、図352(14)に示すように、装飾図柄表示装置208では、第2タイマ予告表示TM12の表示態様がデフォルトの表示態様から高信頼度表示態様に変化し、第2タイマ予告表示TM12に付加されていたサボハニのアイコンSBHは、4つに増加する態様で表示され、サボハニ群予告が実行されることが報知される。なお、高信頼度表示態様に変化した場合には、強サボハニ群予告が必ず実行されるようにしてもよいし、弱サボハニ群予告が実行される場合があってもよいが、この演出例では、強サボハニ群予告が必ず実行される。一方、ナビキャラクタYMの近傍では、「疑似連」とともにクエスチョンマークが付加されており、第1タイマ予告表示TM11にかかるタイマ予告演出が行われた結果、或る演出として疑似連演出が行われる可能性があることが示唆されている。なお、2つのタイマ予告表示TM11,TM12では、それぞれカウントダウンが継続しており、図352(14)に示すタイミングでは、第1タイマ予告表示TM11では、「01:37」が表示され、第2タイマ予告表示TM12では、「15:62」が表示されている。」
(2)引用発明
上記(1)を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている(分説a~eは、本願発明1の分説A~Eに概ね対応させて付与した。)。
「a、b 装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP516を搭載する第2副制御部500を備え(【0060】)、装飾図柄表示装置208では、タイマ表示のカウントダウンにより或る演出が行われるまでの時間を表示するタイマ予告演出が示されるものであり(【5444】、【5448】)、或る演出として、疑似連、サボハニ群予告があり(【6199】、【6201】)、疑似連とは、装飾図柄の変動開始及び仮停止表示を1回の特図の変動表示において複数回実行する装飾図柄の変動表示態様であり、疑似連が実行される回数が多いほど大当りとなりやすいように構成され(【0292】)、サボハニ群予告は、大当りの期待度が大きい予告であり(【4994】)、タイマ予告演出は、例えば、フレームインアニメにより、装飾図柄表示装置208の表示画面の右側から第1タイマ予告表示TM11がフレームインすることにより、タイマ予告演出が開始され、リプレイのアイコンRPLが付加された第1タイマ予告表示TM11には、「07:00」が表示され、カウントダウンが開始されてから7秒が経過すると或る演出として疑似連が開始される可能性が高いことを示唆し(【6199】)、その後、2つ目のタイマ予告演出が開始し、例えば、フレームインアニメにより、装飾図柄表示装置208の表示画面の左側から第2タイマ予告表示TM12がフレームインすることにより、2つ目のタイマ予告演出が開始され、サボハニのアイコンSBHが付加された第2タイマ予告表示TM12には、「20:00」が表示され、カウントダウンが開始されてから20秒が経過すると或る演出としてサボハニ群予告が開始される可能性が高いことを示唆し(【6201】)、c 第2タイマ予告表示TM12におけるタイマ表示(時間表示)のカウントダウン(減算表示)が開始され、第2タイマ予告表示TM12に「19:20」が表示されて、ミニゲームが開始されると、表示画面の左側に宝箱画像BOXが表示されるとともに、宝箱画像BOXの右側に、サボハニのキャラクタとともに「が出たら群予告確定」の文字が表示され、宝箱からサボハニのキャラクタSBHNが出現すると、第2タイマ予告表示TM12の表示態様がデフォルトの表示態様から高信頼度表示態様に変化し、第2タイマ予告表示TM12に付加されていたサボハニのアイコンSBHは、4つに増加する態様で表示され、サボハニ群予告が実行されることが報知される(【6202】、【6204】)、e パチンコ機100(【0011】)。」
2 引用文献2について
(1)記載事項
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原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
ア 「【発明を実施するための形態】【0015】(基本説明)まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。」
イ 「【0170】(期待度示唆表示)この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示せずに、スーパーリーチA及びスーパーリーチBよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチDにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示するようにしていた。このようにすることで、演出がくどくなることを防止できる。また、スーパーリーチDよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチEにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示しないようになっていた。このようにすることで、信頼度の低いリーチにおいて信頼度が低いことを示す期待度示唆表示が表示されることで遊技者が期待感を失うことを防止できる。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチEの少なくとも一部において期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。・・・続きを表示(全12行)【0180】(期待度示唆演出)図9(H)に示す演出動作例では、期待度示唆表示31AK008が期待度を示す黒い星が最初から表示されるようになっていたが、最初に5つの白い星を表示し、段階的に黒い星となることで期待度示唆する期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。【0181】例えば、図12(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルを報知する際に、最初に5つの白い星の期待度示唆表示31AK021が表示される。そして、図12(B)に示すように、期待度示唆表示31AK021の星より大きな黒い星31AK022が表示され、図12(C)に示すように、黒い星31AK022が移動して期待度示唆表示31AK021の白い星の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ8から期待度を示す黒い星が増加したことを示す「ピン」という音声が出力される。図12(D)、(E)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。このときに、繰り返される毎(星の数毎)にスピーカ8から出力される音声(音量、音階、音質等)を段階的に変化させるようにしてもよい。期待度示唆表示31AK021に期待度に対応した数の黒い星が収まった段階で、図12(F)に示すように、その黒い星が光るといったように強調表示される。このようにすることで、期待度示唆演出が終了したことがわかりやすくなる。・・・【0187】なお、この実施の形態では、期待度示唆表示における黒い星の数によって期待度を示唆し、黒い星の数を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行するようになっていたが、期待度を示唆する表示の数を段階的に減少させる期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。そのような期待度示唆演出をこの実施の形態の期待度示唆演出に加えて実行するようにしてもよいし、代えて実行するようにしてもよい。」
(2)引用文献2記載の技術事項
上記(1)より、引用文献2には、下記の事項(以下、「引用文献2記載の技術事項」という。)が記載されている(当審にて、分説のために記号a、c~eを付した。)。
「a、c 大当たりの期待度示唆する期待度示唆演出を実行するパチンコ遊技機1であって(【0015】、【0170】、【0180】)、d スーパーリーチDのタイトルを報知する際に、期待度示唆表示における黒い星の数によって期待度を示唆し、期待度を示唆する表示の数を段階的に減少させる期待度示唆演出を実行する(【0181】、【0187】)、e パチンコ遊技機1(【0015】)。」
3 引用文献3について
(1)記載事項
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原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、次の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
ア 「【発明を実施するための形態】【0010】以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。」
イ 「【0427】例えば、第3実施形態で説明したように、特別図柄判定の権利が保留された場合に保留アイコン52(図40等。権利画像)を表示し、その保留アイコン52に係る特別図柄の変動が開始された後も、保留アイコン52を当該保留アイコン(変動中画像)520として継続して表示する。このような場合において、第1~第3実施形態で示したように、上記権利が保留されている間(その権利に対応する特別図柄の変動が開始される前)に、権利画像が変化可能であってもよい。また、第1実施形態(図21、図23等)や第3実施形態(図48等)で示したように、特別図柄の変動が開始された後においても、特別図柄が変動中であることを示す変動中画像が変化可能であってもよい。・・・【0430】また、例えば、「変動期間での最終変化」が選択された場合には、特別図柄の変動開始後の所定のタイミングで変動中画像が最終表示態様に変化される。例えば、変動開始時に変動中画像が最終表示態様に変化されてもよいし、変動中の所定のタイミングで最終表示態様に変化されてもよい。この場合においても、特別図柄の変動中に変動中画像が複数回にわたって段階的に変化されて最終の表示態様に変化されてもよいし、1回の変化で最終の表示態様に変化されてもよい。また、保留中に権利画像が決定された最終表示態様の前の表示態様に変化し、変動開始後に変動中画像が最終表示態様に変化してもよい。例えば、アイコンの色として「青」、「黄」、「緑」、「赤」がある場合において、大当たりに対する期待度がこの順番である場合、保留中にアイコンが「緑」まで段階的に変化し、その「緑」のアイコンに対応する特別図柄の変動開始後に、アイコンが「緑」から「赤」に変化してもよい。なお、事前判定の結果に基づいて最終表示態様として「緑」が選択された場合において、保留中にアイコンが「赤」に変化し、変動開始後に「緑」に変化してもよい。すなわち、保留中又は変動中において、段階的に期待度が上昇するように変化させてもよいし、期待度が下がるように変化させてもよい。」
(2)引用文献3記載の技術事項
上記(1)より、引用文献3には、下記の事項(以下、「引用文献3記載の技術事項」という。)が記載されている(当審にて、分説のために記号a、c~eを付した。)。
「a、c 特別図柄判定の権利が保留された場合に保留アイコン52を表示するパチンコ遊技機1であって(【0010】、【0427】)、d アイコンの色として「青」、「黄」、「緑」、「赤」がある場合において、大当たりに対する期待度がこの順番である場合、事前判定の結果に基づいて最終表示態様として「緑」が選択された場合において、保留中にアイコンが「赤」に変化し、変動開始後に「緑」に変化し、期待度が下がるように変化させる(【0430】)、e パチンコ遊技機1(【0010】)。」
第5 対比・判断
1 本願発明1と引用発明について
(1)本願発明1と引用発明との対比
ア 引用発明の構成a、bの「大当たり」は、本願発明1の構成Aの「当否判定結果」に相当する。
また、引用発明の構成a、bにおいて、「疑似連とは、装飾図柄の変動開始及び仮停止表示を1回の特図の変動表示において複数回実行する装飾図柄の変動表示態様であり、疑似連が実行される回数が多いほど大当りとなりやすいように構成され」ていること、「サボハニ群予告は、大当りの期待度が大きい予告であ」ることが特定されていることから、「疑似連」及び「サボハニ群予告」が、いずれも「大当たり」になるか否かを示すものであることは明らかである。
そうすると、引用発明の構成a、bの「疑似連」及び「サボハニ群予告」は、本願発明1の構成Aの「当否判定結果を示唆する複数種の示唆演出」に相当する。
さらに、引用発明の構成a、bにおいて、「第2副制御部500」は、「装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP516を搭載」し、「タイマ予告演出」は、「装飾図柄表示装置208で」「表示」されるものであるから、「第2副制御部500」が、「疑似連」及び「サボハニ群予告」を実行すると認められる。
よって、引用発明の構成a、bの「第2副制御部500」は、本願発明1の構成Aの「示唆演出実行手段」に相当する。
以上より、引用発明の構成a、bは、本願発明1の構成Aに相当する構成を備える。
イ 引用発明の構成a、bにおいて、「リプレイのアイコンRPLが付加された第1タイマ予告表示TM11」は、「或る演出として疑似連が開始される可能性が高いことを示唆し」、「サボハニのアイコンSBHが付加された第2タイマ予告表示TM12」は、「或る演出としてサボハニ群予告が開始される可能性が高いことを示唆」するものであるから、「リプレイのアイコンRPLが付加された第1タイマ予告表示TM11」、「サボハニのアイコンSBHが付加された第2タイマ予告表示TM12」は、本願発明1の構成Bの「前記示唆演出が発生する可能性があることを予告する予告演出」に相当する。
さらに、引用発明の構成a、bにおいて、「第2副制御部500」は、「装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP516を搭載」し、「タイマ予告演出」は、「装飾図柄表示装置208で」「表示」されるものであるから、「第2副制御部500」が、「リプレイのアイコンRPLが付加された第1タイマ予告表示TM11」、「サボハニのアイコンSBHが付加された第2タイマ予告表示TM12」を実行すると認められる。
よって、引用発明の構成a、bの「第2副制御部500」は、本願発明1の構成Bの「予告演出実行手段」に相当する。
以上より、引用発明の構成a、bは、本願発明1の構成Bに相当する構成を備える。
ウ 引用発明の構成cにおいて、「第2タイマ予告表示TM12の表示態様がデフォルトの表示態様から高信頼度表示態様に変化し、第2タイマ予告表示TM12に付加されていたサボハニのアイコンSBHは、4つに増加する態様で表示され、サボハニ群予告が実行されることが報知される」ことから、「サボハニのアイコンSBH」が「第2タイマ予告表示TM12に付加され」ると、「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」、あるいは、「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」のいずれかが実行されることは明らかである。
さらに、「サボハニのアイコンSBHが付加された第2タイマ予告表示TM12」として、「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」が実行される場合よりも、「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」が実行される場合の方が、「サボハニ群予告」(示唆演出)が発生する蓋然性が高いことは明らかであり、両者で「サボハニ群予告」(示唆演出)が発生する蓋然性は異なるといえる。
よって、引用発明の構成cの「サボハニのアイコンSBHが付加された第2タイマ予告表示TM12」としての「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」と「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」は、本願発明1の構成Cの「複数種の予告態様」に相当する。
以上のことから、引用発明の構成cは、本願発明1の構成Cと「前記予告演出は、複数種の予告態様のうちのいずれかが実行されるものであり、当該複数種の予告態様のうちのいずれが実行されるかに応じ、前記示唆演出が発生する蓋然性が異なる」点で共通する。
エ 引用発明1の構成eの「パチンコ機100」は、本願発明1の構成Eの「遊技機」に相当する。
オ 上記ア~エより、本願発明1と引用発明とは、
「A 当否判定結果を示唆する複数種の示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、B 前記示唆演出が発生する可能性があることを予告する予告演出を実行する予告演出実行手段と、を備え、C’ 前記予告演出は、複数種の予告態様のうちのいずれかが実行されるものであり、当該複数種の予告態様のうちのいずれが実行されるかに応じ、前記示唆演出が発生する蓋然性が異なる、E 遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。
・相違点1(構成C)
本願発明1は、「当該複数種の予告態様のうちのいずれが実行される場合であっても前記示唆演出が発生する可能性があ」るのに対し、引用発明は、「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」と「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」(複数種の予告態様)とを備え、「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」では、サボハニ群予告が実行されることが報知されるものの、「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」では、サボハニ群予告が実行される可能性があるか明らかでない点。
・相違点2(構成D)
本願発明1は、「前記予告演出における予告態様は、前記示唆演出が発生する蓋然性が低まる方向に変化する可能性がある」のに対し、引用発明は、「サボハニのアイコンSBHが付加された第2タイマ予告表示TM12」としての「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」と「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」とを備え、「第2タイマ予告表示TM12の表示態様がデフォルトの表示態様から高信頼度表示態様に変化し」て「サボハニ群予告が実行されることが報知される」ものの、「サボハニ群予告」(示唆演出)が発生する蓋然性が低まる方向に変化する可能性があるものではない点。
(2)当審による判断
事案の内容に鑑み、相違点2について検討する。
ア 本願発明1と引用文献2記載の技術事項を対比すると、引用文献2記載の技術事項の「大当たりの期待度示唆する期待度示唆演出」の「期待度を示唆する表示の数を段階的に減少させる」ことは、本願発明1の構成Dの「演出が発生する」「蓋然性が低まる方向に変化する可能性がある」ことに相当する。
イ 本願発明1と引用文献3記載の技術事項を対比すると、引用文献3記載の技術事項の「大当たりに対する期待度」「が下がるように変化させる」ことは、本願発明1の構成Dの「演出が発生する」「蓋然性が低まる方向に変化する可能性がある」ことに相当する。
ウ 引用文献2記載の技術事項、引用文献3記載の技術事項のいずれも大当たりとなる「演出が発生する」「蓋然性が低まる方向に変化する可能性がある」ものであり、「当否判定結果を示唆する」「示唆演出が発生する蓋然性が低まる方向に変化する」ものではないと認められる。
エ そして、引用発明は、「サボハニのアイコンSBHが付加された第2タイマ予告表示TM12」としての「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」と「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」(複数種の予告態様)とを備え、「第2タイマ予告表示TM12の表示態様がデフォルトの表示態様から高信頼度表示態様に変化し」て「サボハニ群予告が実行されることが報知される」ものである。
そして、「サボハニのアイコンSBHが付加された第2タイマ予告表示TM12」としての「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」と「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」は、それぞれ「サボハニ群予告が実行される」蓋然性を示しており、遊技者は、「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」が、「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」に変化し、「サボハニ群予告が実行される」蓋然性が高まることを期待するものであると認められる。
一方、引用文献1には、「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」から「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」に変化させることについて、記載ないし示唆はされておらず、引用発明において、「表示態様が」「高信頼度表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」から「表示態様がデフォルトの表示態様」の「第2タイマ予告表示TM12」に変化させる、すなわち、「サボハニ群予告が実行される」蓋然性が低まる方向に変化するように構成する動機付けは存在し得ない。
オ さらに、上記ウのとおり、引用文献2記載の技術事項、引用文献3記載の技術事項は、いずれも「大当たり」となる「演出が発生する」「蓋然性が低まる方向に変化する可能性がある」ものであり、「当否判定結果を示唆する」「示唆演出が発生する蓋然性が低まる方向に変化する」ものではない。 そうすると、引用発明に引用文献2記載の技術事項、あるいは、引用文献3記載の技術事項を適用しても、「サボハニ群予告が実行される」蓋然性が低まる方向に変化するように構成することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。
カ 以上の検討から、上記相違点2に係る本願発明1の構成については、当業者であっても引用発明及び引用文献2記載の技術事項、あるいは、引用発明及び引用文献3記載の技術事項に基いて容易に想到することはできない。
したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2記載の技術事項、あるいは、引用発明及び引用文献3記載の技術事項に基いて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし5について
本願発明2ないし5は、本願発明1の構成を含み、さらに構成を付加したものであるため、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2記載の技術事項、あるいは、引用発明及び引用文献3記載の技術事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるとはいえない。
第6 原査定について
原査定の理由(特許法第29条第2項)について、本願発明1の「前記予告演出における予告態様は、前記示唆演出が発生する蓋然性が低まる方向に変化する可能性がある」するという事項は、上記「第5 対比・判断」の「(2)当審による判断」に記載したとおり、当業者であっても、原査定の拒絶の理由において引用された引用文献1-3に基いて、容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-012981