商標拒絶査定不服審判
2021-010975
ピザトル、トル
- 審判番号
- 2021-010975
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-041781
- 請求日
- 2021年08月18日
- 審決日
- 2022年05月27日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】muuve株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人Toreru
- 【請求人代理人】宮崎 超史
- 【請求人代理人】土野 史隆
- 【請求人代理人】小林 健一郎
- 【請求人代理人】眞田 忠昌
- 【請求人代理人】辻本 依子
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .271-WY (W3043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項15号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-41781拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年4月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 6月15日 :刊行物等提出書
令和2年10月 5日付け:拒絶理由通知
令和2年10月22日 :意見書の提出
令和3年 3月15日 :刊行物等提出書
令和3年 5月31日付け:拒絶査定
令和3年 8月18日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ピザトル」の文字を標準文字で表してなり、第30類「ピザ」及び第43類「飲食物の提供,ケータリング(飲食物)」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「ピザトル」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、大阪在住の石原佳代子氏(以下「石原氏」という。)が所有する小型猿ショウガラゴのペット名で、SNSにより人気が高まり、日本のみならず、海外のメディアでも多数取り上げられ、石原氏が企業と提携し「ピザトル」のキャラクターを使用した商品「衣服・カバン・装飾類・書籍」等が販売され、キャラクター名として、本願商標の登録出願前から、我が国の取引者・需要者の間において広く認識されていた著名な商標となっているとみるのが相当である。
そうすると、このような商標を出願人がその指定商品又は指定役務に使用するときは、あたかも上記石原氏と何らかの関係を有する商品又は役務であると誤認し、若しくは上記石原氏と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品又は役務であると誤認し、その商品又は役務の需要者・取引者が商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)「ピザトル」等の文字の周知性について
原審において提示した情報及び原審において提出された刊行物等提出書並びに当審における職権による調査によれば、以下のとおりである。
ア 大阪在住の石原氏は、自身が所有する小型猿ショウガラゴ(以下「本件ショウガラゴ」という。)を「ピザトル」と名付け、2017年4月から、本件ショウガラゴの写真をInstagramに掲載しているところ、2021年3月の時点で、当該Instagramのフォロワー数は42万人とされている(令和2年6月15日提出の刊行物等提出書 資料2-1、令和3年3月15日提出の刊行物等提出書 資料1)。また、石原氏は、2019年に、上記Instagramに掲載したショウガラゴの写真をまとめた本を「おさるのピザトル」として出版した(別掲1(3)、別掲2)。
イ 「https://pizzatoru.stores.jp」のウェブサイト(審決注:URLが同一であることから、別掲1(1)に示す「ショウガラゴのピザトル★グッズストア/Pizzatoru Online Store」と称するウェブサイトと同一のものと推認される。)において、本件ショウガラゴのイラストと「PIZZA」及び「TORU?」の文字を二段に表したTシャツやバッグ、「PIZZA」及び「TORU?」の文字を二段に表した帽子、本件ショウガラゴの写真と「PIZZATORU」の文字を表したカレンダー、本件ショウガラゴの写真と「PIZZATORU?」の文字を表したバッジ等が販売されたとするところ、それぞれの生産数は、Tシャツ200着、バッグ300個、帽子50個、カレンダー300個(バッジは生産数不明。)等とされており、その生産数は、決して多いものとはいえない。なお、帽子以外の商品においては、本件ショウガラゴのイラスト又は写真が共に使用されているのに対し、各商品に「ピザトル」の文字は使用されていない(令和2年6月15日提出の刊行物等提出書 資料2-2、令和3年3月15日提出の刊行物等提出書 資料4)。
ウ 本件ショウガラゴは、2018年以降、各種テレビ番組に出演しているとされる(令和2年6月15日提出の刊行物等提出書 資料4-1)が、その具体的内容は明らかでない。
エ 原査定は、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由として、石原氏が企業と提携し、商品「衣服・カバン・装飾類・書籍」等について使用する「ピザトル」のキャラクター名を引用しているところ、上記ア及びイのとおり、「ピザトル」の文字は、本件ショウガラゴに係る書籍の題号の一部として(おさるのピザトル)、あるいは本件ショウガラゴに係るオンラインストアの名称の一部として(ショウガラゴのピザトル)使用されており、それぞれ、その構成全体をもって、一連一体のものとして認識されるとみるのが相当である。加えて、前者については、当該文字(おさるのピザトル)に接する取引者、需要者は、これを書籍の題号であると認識するにとどまり、書籍に係る自他商品の識別標識として認識するとは考え難いものである。
してみれば、特定の商品又は役務に、独立した出所識別標識として「ピザトル」の文字が使用されている実情は見受けられないため、以下においては、使用に係る標章として「PIZZATORU?」と欧文字表記したもの(二段に表したものや、語尾に疑問符を付さない態様も含む。以下、これらを「引用標章」という。)の周知性について検討する。
そして、上記アないしウのとおり、本件ショウガラゴは、一定程度メディアにおいて紹介され、Tシャツやバッグ等に引用標章を付した商品が生産されたことはうかがえるものの、引用標章の使用期間は判然としない上、引用標章を付した商品の客観的な販売実績についても不明であり、引用標章の使用状況が明確であるとはいえないことから、具体的な事実に基づいて、引用標章の周知性の程度を推し量ることができない。
オ そうすると、「ピザトル」の文字及び引用標章は、本件ショウガラゴのペット名として、動物愛好家の間において一定程度知られていたといえるとしても、我が国において、特定の者(石原氏)の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたとまでは認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 本願商標と引用標章の類似性の程度
本願商標は、前記2のとおり、「ピザトル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ピザトル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
引用標章は、上記(1)エのとおり、「PIZZATORU?」の文字からなるところ、その構成文字に相応して「ピザトル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そうすると、本願商標と引用標章は、「ピザトル」の称呼を共通にするものの、両者の外観において構成態様は相違し、観念においては比較できないことから、両者の類似性の程度は高いものとはいえない。
イ 本願の指定商品及び指定役務と引用標章の使用に係る商品の関連性、取引者及び需要者の共通性
本願の指定商品及び指定役務は、前記2のとおり、第30類「ピザ」及び第43類「飲食物の提供,ケータリング(飲食物)」であるのに対し、引用標章の使用に係る商品は、上記(1)のとおり、その使用状況が明確とはいえないものであるから、両者の商品及び役務の関連性の程度や取引者及び需要者の共通性について比較することができない。
なお、引用標章の使用に係る商品が、被服やかばん類であるとした場合におけるこれらの商品と、ピザや飲食物の提供といった飲食物関連の商品及び役務の関連性や、取引者及び需要者の共通性については、これらの需要者が一般消費者である点において、需要者層に一部共通する場合があるとしても、製造販売者・提供者、製造販売場所・提供場所、流通経路及び用途において共通するとはいい難いものであるから、商品間あるいは商品及び役務の関連性は低い。
ウ 以上のとおり、引用標章は、我が国において、取引者、需要者の間に広く認識されているものではないこと、本願商標と引用標章の類似性の程度は高いものとはいえないこと、本願の指定商品及び指定役務と引用標章の使用に係る商品との関連性の程度や取引者及び需要者の共通性は比較できないことなどを鑑みれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が、石原氏を連想、想起して、当該商品及び役務が同人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように認識することはなく、その商品の出所及び役務について混同を生じるおそれはないものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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