商標拒絶査定不服審判
2021-008818
ジャパニーズクラフトジン、ジャパニーズクラフト、クラフト、ハクト、マツイジンザハクト、マツイジン、マツイ、ザハクト、クラヨシディスティラリージン、クラヨシディスティラリー、クラヨシジョーリュージョ、クラヨシジン
- 審判番号
- 2021-008818
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-143622
- 請求日
- 2021年07月02日
- 審決日
- 2022年03月01日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】松井酒造合名会社
- 【請求人代理人】岡田 全啓
- 審判長/審判官
- 審判長 平澤 芳行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 水落 洋
- 分類
- T18 .261-Z (W33) / T18 .262-Z (W33) / T18 .263-Z (W33)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第50条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-143622拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和元年11月12日の登録出願であって、同2年9月2日付けの拒絶理由の通知、同3年3月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年7月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第33類「ジン」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6258482号商標は、「白兎」と「はくと」の文字を上下2段に書してなるものであり、 令和元年6月4日に登録出願され、第33類「清酒,アルコール飲料(ビールを除く。)」を指定商品として、同2年6月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、その構成における上部の背景を青地、中央の背景を山なりの白地としているところ、青地部分には白抜きで上下2段に書された「JAPANESE CRAFT」と「GIN」の欧文字を横幅をそろえて配し、その下部の青地部分から白地部分にかけて毛筆体で「白兎」の文字を右下がりに大きく太く表し、そして、「白」の文字の下部には上下2段に書された「MATSUI GIN」と「THE HAKUTO」の欧文字と、さらにその下部に何らかの文字の筆記体と「Made in JAPAN」の欧文字とが上下2段にして配されている。
そして、本願商標の構成における下部には、紺地の横長方形の内側(上辺と下辺の内側にはわずかに白地の模様が描かれている)に白抜きの「Kurayoshi Distillery GIN」の欧文字が書されており、当該長方形の上部左側に「700ml」と右側に「40%vol」の文字が、そして、下部には「倉吉蒸溜所」の文字が配された構成よりなる図形と文字の結合商標である。
上記の構成中、青地部分及び山なりの白地部分は、単に背景を認識させるにすぎず、また、紺地の横長方形は、その上辺と下辺に何らかの模様が施されているとしても、単に枠線を認識させるにすぎないから、これらは出所識別標識としての称呼及び観念を生じるものではない。
次に、本願商標の文字部分についてみると、その構成中の上部における「JAPANESE CRAFT」と「GIN」の文字部分は、請求人主張のとおり、「CRAFT GIN」が「原料や製法などにこだわりをもって作られる個性の強いジン」の意味合いを有し、一般に「クラフトジン」と称されていることから、全体として「日本の原料や製法などにこだわりをもって作られる個性の強いジン」若しくは単に「日本のクラフトジン」の意味を認識させ、本願の指定商品との関係において、商品の品質を表すものと認められ、それ自体何ら商品の出所識別標識としての機能がないものといえる。
そして、その構成中の下部における「700ml」と「40%vol」の文字、「Kurayoshi Distillery GIN」の文字及び「倉吉蒸溜所」の文字は、商品の容量、アルコール度数、「鳥取県倉吉市の(にある)蒸溜所のジン」及び「鳥取県倉吉市の(にある)蒸溜所」ほどの意味合いをそれぞれ認識させるものであり、指定商品との関係においては、商品の品質及び産地を表すものと認められ、それ自体何ら商品の出所識別標識としての機能がないか又は低いものといえる。
さらに、その構成中の中央の文字部分についてみると、「白兎」の文字、上下2段書きされた「MATSUI GIN」と「THE HAKUTO」の文字部分、さらにその下の何らかの文字の筆記体は、それぞれ指定商品との関係において、商品の品質等を表すものとは認められない。
そうすると、本願商標の文字部分のうち、他の文字部分と比較して大きく太く顕著に書された「白兎」の文字が、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができ、当該文字部分を要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否判断をすることも許されるというべきである。そして、「THE HAKUTO」のうち「HAKUTO」の文字部分は、「白兎」の読みを表したものと容易に理解される。
したがって、本願商標からは、「白兎」の文字部分に相応して「ハクト」の称呼及び「白い兎」の観念が生じるものである(以下「白兎」の文字部分を「本願商標の要部」という場合がある。)。
(2)引用商標について
引用商標は、「白兎」の漢字と「はくと」の平仮名を上下2段に書してなるところ、下段の平仮名は上段の漢字の読みを表したものと認識できるものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「ハクト」の称呼を生じ、「白い兎」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否を検討すると、その構成全体をもって比較するときは、外観上、区別し得る差異があるといえるものの、本願商標の要部の「白兎」の文字部分と引用商標の「白兎」の文字とを比較するときは、両者は、書体に相違があるものの、構成文字を同一にするものであり、外観上、類似するものである。
また、本願商標の要部の「白兎」の文字と引用商標の「白兎」の文字とは、称呼においては、「ハクト」の称呼を共通にするものであり、観念においては、「白い兎」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標の要部である「白兎」と引用商標の「白兎」の文字とは、「ハクト」の称呼及び「白い兎」の観念を共通にするものであり、外観おいては書体に違いがあるものの、「白兎」の文字を同一にすることから、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似する商標というべきである。
そして、本願商標の指定商品「ジン」は、引用商標の指定商品中の「アルコール飲料(ビールを除く。)」に包含される商品である。
(4)小括
以上から、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は引用商標の指定商品に包含される商品について使用するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の一部を構成する「ジャパニーズクラフトジン(JAPANESE CRAFT GIN)」又はこれを略した「クラフトジン(CRAFT GIN)」もしくは「ジャパニーズジン(JAPANESE GIN)」の文字は、単に商品の説明的表示としての機能を超えて、「白兎」と一体となって自他商品の識別機能を発揮する旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、「JAPANESE CRAFT GIN」の文字部分は、本願の指定商品との関係においては、商品の品質として認識されるものであって、出所識別標識としての機能がない部分であるから、請求人の主張は採用できない。
イ 請求人は、引用商標の指定商品のうち、第33類「洋酒,果実酒,酎ハイ」について、商標法第50条第1項の規定による取消審判の請求の準備を行っているところであり、取消審判の結果が明らかになるまで、本願商標の審決を猶予してほしい旨主張する。
しかしながら、商標法第50条第1項は、「継続して3年以上(中略)登録商標の使用をしていないときは、(中略)商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。」としているところ、同項は、その文言上、不使用取消の審判請求は商標の設定登録の日から3年が経過してからされなければならないと解釈される。
そうすると、引用商標は、上記3のとおり、令和2年6月10日に設定の登録がされたものであるところ、引用商標に対する不使用取消審判の請求可能時期は、設定登録から3年を経過した同5年6月11日以降となるから、審理促進の観点を踏まえれば、本件審判の審理を猶予することに合理的理由はないと判断し、本件審判の審理を終結した。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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