商標拒絶査定不服審判
2026-002489
シロ
- 審判番号
- 2026-002489
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-086527
- 請求日
- 2026年02月19日
- 審決日
- 2026年07月22日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】上川大雪酒造株式会社
- 【請求人代理人】瀧野 文雄
- 【請求人代理人】江成 文恵
- 【請求人代理人】加藤 智子
- 【請求人代理人】今井 貴子
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 和彦
- 審判官 駒井 芳子
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .261-WY (W33) / T18 .262-WY (W33) / T18 .263-WY (W33)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024-86527拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年8月8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 2月21日付け:拒絶理由通知書
令和7年 5月 2日 :意見書、手続補正書の提出
令和7年11月17日付け:拒絶査定
令和8年 2月19日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第33類に属する願書記載の商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、第33類「日本酒」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2073469号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:昭和61年 3月 5日
設定登録日:昭和63年 8月29日
書換登録日:平成20年 7月 9日
指定商品:第32類及び第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第6547196号(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:令和 3年11月17日
設定登録日:令和 4年 4月20日
指定商品:第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第6547197号(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
登録出願日:令和 3年11月17日
設定登録日:令和 4年 4月20日
指定商品:第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめて「引用商標」という場合がある。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、二重の円輪郭内に、二重の枠線で表した五角形をモチーフにした家紋風の図形を配し、その中心に「SHIRO」の文字を横書きした構成よりなるところ、その構成は、看者に印象付けるような特徴を有する図形内の中央に「SHIRO」の文字がバランス良く配置されていることから、構成全体をもって、一体不可分のものとして、看取、把握されるとみるのが相当である。
ところで、本願商標の構成中の「SHIRO」の文字部分は、英語等の辞書には掲載されていない文字であり、このような文字に接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読み又はローマ字読みに倣って称呼するのが自然であるから、これよりは、「シロ」の称呼が生じる。そして、「シロ」の称呼が生じる語としては、例えば「陽の光線をあらゆる波長にわたって一様に反射することによって見える色。雪のような色。」等の意味を有する語である「白」のほか、「代」、「城」、「子路」等(出典:株式会社岩波書店「広辞苑第七版」)複数あることからすると、「SHIRO」の欧文字からは、直ちに特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して、「シロ」の称呼を生じ、構成全体としても特定の意味合いを理解させるものではないから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおり、「しろ」の文字を毛筆体で中央に大きく表し、その上側中央に「白岳」の文字を小さく縦書きし、その下に「白岳」の文字幅にあわせて、その読みと理解される「ハクタケ」の文字をさらに小さく横書きした構成よりなるものである。
そして、「白岳」及び「ハクタケ」の文字は、「し」と「ろ」の各文字の間に近接してバランス良く配置されていることから、これに接する者に、一体的に表された商標との印象を与えるものであって、引用商標1の構成全体から生じる「ハクタケシロ」の称呼も、6音と短く、無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、上記構成及び称呼からすれば、引用商標1は、「しろ」、「白岳」及び「ハクタケ」の構成文字全体をもって、一体不可分のものとして、看取、把握されるとみるのが相当である。
したがって、引用商標1は、「ハクタケシロ」の称呼を生じ、構成全体として「白岳ブランドのしろという商品」ほどの意味合いを理解され得るものであるから、「白岳ブランドのしろという商品」ほどの観念を生じ得るものである。
(3)引用商標2について
引用商標2は、別掲3のとおり、四隅を丸くした茶色地の四角形内の中央に、太陽と思しき図形を配し、その内部に金色で「謹醸」の文字を縦書きし、当該図形に重なるように、白色で「しろ」の文字を毛筆体で中央に大きく表し、さらに、当該文字に重なるように、その読みを欧文字表記したと理解される「SHIRO」の文字を、そして、その上部に「謹醸」の文字の読みを欧文字表記したと理解される「KINJO」の文字を極めて小さく表し、これらの図形及び文字の上部中央に小さく表した「白岳」の文字を小さく縦書きし、その下に「白岳」の文字幅にあわせて、その読みと理解される「ハクタケ」の文字をさらに小さく横書きした構成よりなるものである。
そして、引用商標2の構成は、四隅を丸くした茶色地の四角形内の中央に配された太陽と思しき図形部分を中心として各文字部分がバランス良く配置されていることから、これに接する者に、一体的に表された商標との印象を与えるものであって、また、構成全体から生じる「ハクタケキンジョウシロ」の称呼は、やや冗長であるとしても、無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、上記構成及び称呼からすれば、引用商標2は、文字部分と図形部分の構成全体をもって、一体不可分のものとして、看取、把握されるとみるのが相当である。
したがって、引用商標2は、「ハクタケキンジョウシロ」の称呼を生じ、構成全体として「白岳ブランドの謹醸しろという商品」ほどの意味合いを理解され得るものであるから、「白岳ブランドの謹醸しろという商品」ほどの観念を生じ得るものである。
(4)引用商標3について
引用商標3は、別掲4のとおり、四隅を丸くした灰色地の四角形内に、8重の円図形を配し、一番内側の円の上部と下部に重なるように灰色で「吟麗」の文字を縦書きし、当該円図形に重なるように、白色で「しろ」の文字を毛筆体で中央に大きく表し、当該文字に重なるように、その読みを欧文字表記したと理解される「SHIRO」の文字を、そして、その上部に「吟麗」の文字の読みを欧文字表記したと理解される「GINREI」の文字を極めて小さく表し、これらの円図形及び文字の上部中央に「白岳」の文字を小さく縦書きし、その下に「白岳」の文字幅にあわせて、その読みと理解される「ハクタケ」の文字をさらに小さく横書きした構成よりなるものである。
そして、引用商標3の構成は、四隅を丸くした灰色地の四角形内に配された8重の円図形内に各文字部分がバランス良く配置されていることから、これに接する者に、一体的に表された商標との印象を与えるものであって、また、構成全体から生じる「ハクタケギンレイシロ」の称呼は、やや冗長であるとしても、無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、上記構成及び称呼からすれば、引用商標3は、文字部分と図形部分の構成全体をもって、一体不可分のものとして、看取、把握されるとみるのが相当である。
したがって、引用商標3は、「ハクタケギンレイシロ」の称呼を生じ、構成全体として「白岳ブランドの吟麗しろという商品」ほどの意味合いを理解され得るものであるから、「白岳ブランドの吟麗しろという商品」ほどの観念を生じ得るものである。
(5)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標と引用商標1の類否について
本願商標と引用商標1との比較において、本願商標は上記(1)、引用商標1は上記(2)の構成からなるところ、両商標は、外観において、本願商標と引用商標1の図形部分の差異や本願商標の「SHIRO」の文字と引用商標1の「しろ」、「白岳」及び「ハクタケ」の文字の有無の差異を有するから、外観上、明確に区別し得るものである。
そして、称呼において、本願商標から生じる「シロ」の称呼と引用商標1から生じる「ハクタケシロ」の称呼については、「シロ」の音を共通にするものの、「ハクタケ」の音の有無が相違し、語調、語感等が異なり、称呼上、明瞭に聴別できるものである。
また、観念において、本願商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標1は「白岳ブランドのしろという商品」ほどの観念を生じ得るものであるから、両者は相紛れるおそれはないものである。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、外観において明確に区別し得るものであり、称呼においても明瞭に聴別できるものであり、観念においても相紛れるおそれはないものであるから、両商標が与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれはなく、非類似の商標というのが相当である。
イ 本願商標と引用商標2の類否について
本願商標と引用商標2との比較において、本願商標は上記(1)、引用商標2は上記(3)の構成からなるところ、両商標は、外観において、本願商標と引用商標2の図形部分の差異や引用商標2の「しろ」、「謹醸」、「KINJO」、「白岳」及び「ハクタケ」の文字の有無の差異を有するから、外観上、明確に区別し得るものである。
そして、称呼において、本願商標から生じる「シロ」の称呼と引用商標2から生じる「ハクタケキンジョウシロ」の称呼については、「シロ」の音を共通にするものの、「ハクタケキンジョウ」の音の有無が相違し、語調、語感等が異なり、称呼上、明瞭に聴別できるものである。
また、観念において、本願商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標2は「白岳ブランドの謹醸しろという商品」ほどの観念を生じ得るものであるから、両者は相紛れるおそれはないものである。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、外観において明確に区別し得るものであり、称呼においても明瞭に聴別できるものであり、観念においても相紛れるおそれはないものであるから、両商標が与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれはなく、非類似の商標というのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標3の類否について
本願商標と引用商標3との比較において、本願商標は上記(1)、引用商標3は上記(4)の構成からなるところ、両商標は、外観において、本願商標と引用商標3の図形部分の差異や引用商標3の「しろ」、「吟麗」、「GINREI」、「白岳」及び「ハクタケ」の文字の有無の差異を有するから、外観上、明確に区別し得るものである。
そして、称呼において、本願商標から生じる「シロ」の称呼と引用商標3から生じる「ハクタケギンレイシロ」の称呼については、「シロ」の音を共通にするものの、「ハクタケギンレイ」の音の有無が相違し、語調、語感等が異なり、称呼上、明瞭に聴別できるものである。
また、観念において、本願商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標3は「白岳ブランドの吟麗しろという商品」ほどの観念を生じ得るものであるから、両者は相紛れるおそれはないものである。
そうすると、本願商標と引用商標3とは、外観において明確に区別し得るものであり、称呼においても明瞭に聴別できるものであり、観念においても相紛れるおそれはないものであるから、両商標が与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれはなく、非類似の商標というのが相当である。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と非類似の商標であるから、本願商標と引用商標の指定商品が同一又は類似するとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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