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特許拒絶査定不服審判

2021-008147

ユーザがユーザ自身とランドマークとの間の距離を決定することを支援するシステム

審判番号
2021-008147
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-083682外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年06月22日
審決日
2022年10月07日
公報発行日
2023年03月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63B) / P18 .121-Z (A63B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 83682「ユーザがユーザ自身とランドマークとの間の距離を決定することを支援するシステム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 9月26日出願公開、特開2019-162447〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成24年12月20日(パリ条約による優先権主張2011年12月30日、米国)に出願した特願2014-550367号の一部を平成29年5月11日に新たな特許出願とした特願2017-94431号の一部を平成31年4月25日に新たな特許出願としたものであって、令和2年6月16日付けで拒絶理由が通知され、これに対して、同年11月19日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和3年2月18日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされたのに対し、同年6月22日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和3年6月22日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるつぎのとおりのものである。 「【請求項1】 ユーザとゴルフコースランドマークとの間の距離を前記ユーザが決定することを支援するためのシステムであって、前記システムは、 前記ゴルフコースにおける前記ユーザの位置を追跡するためのユーザ追跡システムと、 前記ユーザの頭部に装着されるように構成された表示デバイスであり、 前記表示デバイスは、前記ユーザの視野の範囲内に画像を表示するように構成された透明な表示領域を有する表示スクリーンを含むヘッドアップ表示デバイスを備えた表示システムを含み、 前記表示システムの前記表示スクリーンは、前記ユーザの頭部に装着される前記表示デバイスのレンズの一部である、 表示デバイスと、 前記ユーザ追跡システムと前記表示システムを制御するためのプロセッサであり、 前記ゴルフコースにおける、前記ユーザの位置と前記ゴルフコースランドマークの位置との間の距離を決定し、かつ、 前記ユーザと前記ゴルフコースランドマークとの間の前記決定された距離に係る距離表示を表示するよう前記ヘッドアップ表示デバイスに指示する、 ように構成されている、プロセッサと、を含み、 前記距離表示は、前記ゴルフコースランドマークが上記表示デバイスの前記表示スクリーンの前記透明な表示領域を介して見えるように、前記ゴルフコースランドマークの現実世界の光景に重ねて前記レンズ上に表示されている、 システム。」 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、令和2年6月16日付け拒絶理由通知書により通知された理由は、次に示す理由を含むものである。 (新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に外国において、頒布された米国特許出願公開第2011/0305369号明細書に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。 第4 当審の判断 1 引用例 本願の優先日前の2011年12月15日に公報が発行され、原査定の拒絶の理由に引用された米国特許出願公開第2011/0305369号明細書(以下「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。(なお、下線は引用箇所を示し、引用箇所の対訳は当審決で作成した。) (1)「[0015] Embodiments of the invention directed at golf also enable golf shots for each club associated with a golfer to be counted through use of an identifier such as RFID tags on each club (or optionally via an identifier associated with motion capture electronics on a golf club or obtained remotely over the radio) and a mobile computer, for example an IPHONE○R(審決注:○RはRの丸囲い文字を表す。) equipped with an RFID reader that concentrates the processing for golf shot counting on the mobile computer instead of on each golf club. Embodiments of the invention may also allow for the measurement of orientation (North/South, and/or two horizontal axes and the vertical axis) and acceleration using an inertial measurement unit, or accelerometers and/or magnetometers, and/or gyroscopes. This is not required for golf shot counting, although one or more embodiments may determine when the golf club has struck a golf ball through vibration analysis for example and then query a golfer whether to count a shot or not. This functionality may be combined with speed or acceleration threshold or range detection for example to determine whether the golf club was travelling within an acceptable speed or range, or acceleration or range for the “hit” to count. Wavelets may also be utilized to compare valid swing signatures to eliminate count shots or eliminate false strikes for example. This range may vary between different clubs, for example a driver speed range may be “greater than 30 mph” while a putter speed range may be “less than 20 mph”, any range may be utilized with any club as desired, or the speed range may be ignored for example. Alternatively or in combination, the mobile computer may only query the golfer to count a shot if the golfer is not moving laterally, i.e., in a golf cart or walking, and/or wherein the golfer may have rotated or taken a shot as determined by a orientation or gyroscope sensor coupled with the mobile computer. The position of the stroke may be shown on a map on the mobile computer for example.In addition, GPS receivers with wireless radios may be placed within the tee markers and in the cups to give daily updates of distances and helps with reading putts and greens for example. The golfer may also wear virtual glasses that allow the golfer to see the golf course map, current location, distance to the hole, number of shots on the current hole, total number of shots and any other desired metric. If the user moves a certain distance, as determined by GPS for example, from the shot without counting the shot, the system may prompt the user on whether to count the shot or not. The system does not require a user to initiate a switch on a club to count a shot and does not require LED's or active or battery powered electronics on each club to count shots. The mobile computer may also accept gestures from the user to count a shot or not count a shot so that the golfer does not have to remove any gloves to operate the mobile computer. For embodiments that utilize position/orientation sensors, the system may only count shots when a club is oriented vertically for example when an impact is detected. The apparatus may also include identifiers that enable a specific apparatus to be identified. The identifiers may be a serial number for example. The identifier for example may originate from an RFID tag on each golf club, or optionally may include a serial number or other identifier associated with motion capture elements associated with a golf club. Utilizing this apparatus enables the identification of a specific golfer, specific club and also enables motion capture and/or display with a system that includes a television and/or mobile device having a visual display and an optional camera and capable of obtaining data from at least one motion capture element such as a visual marker and/or a wireless sensor. The system can also integrate with standalone cameras, or cameras on multiple mobile devices. The system also enables the user to analyze and display the motion capture data in a variety of ways that provide immediate and easy to understand graphical information associated with the motion capture data. The apparatus enables the system to also determine how “centered” an impact is with respect to a ball and a piece of equipment, such as a golf club for example. The system also allows for fitting of equipment including shoes, clubs, etc., and immediate purchasing of the equipment even if the equipment requires a custom assemble-to-order request from a vendor.」 ([0015]…また、無線通信機を有するGPS受信機は、距離を毎日更新し、例えば、パットやグリーンを読む助けとなるようティーマーカー内及びカップ内に配置することができる。ゴルファーは、更に、ゴルファーが、ゴルフコース地図、現在位置、ホールまでの距離、現在のホールに対するショット数、ショットの総数、およびその他の任意の測定値を参照することを可能にする仮想眼鏡を装着することができる。…) (2)「[0079] Alternatively, for embodiments of mobile devices that have only one camera, multiple mobile devices may be utilized to obtain two-dimensional data in the form of images that is triangulated to determine the positions of visual markers. In one or more embodiments of the system, mobile device 101 and mobile device 102a share image data of user 150 to create three-dimensional motion analysis data. By determining the positions of mobile devices 101 and 102 (via position determination elements such as GPS chips in the devices as is common, or via cell tower triangulation and which are not shown for brevity but are generally located internally in mobile devices just as computer 160 is), and by obtaining data from motion capture element 111 for example locations of pixels in the images where the visual markers are in each image, distances and hence speeds are readily obtained as one skilled in the art will recognize.」 ([0079]…モバイルデバイス101、102の位置(装置内のGPSチップでは一般的であるように、そのような位置決定素子を介して、又は、簡略化のため図示していないが、コンピュータ160と同様に、一般的にはモバイルデバイスの内部に配置されているセルタワー三角測量法(基地局三角測量法)を介して)を決定することにより、視覚的なマーカーが、画像中にある場合に、画像内の画素の位置をモーションキャプチャ素子111からデータを取得することにより、当業者であれば理解できるように、距離および速度が容易に得られる。) (3)「[0104] FIG. 14 illustrates an embodiment of sunglasses configured with a motion capture element. In addition, the sunglasses may also include a video viewing device that may be utilized for display 120 so that the user may watch images of the user with motion analysis data via the sunglasses. In this manner, any computer 160, 105, or any other computer coupled to network 170 or Internet 171 may be utilized to obtain data and analyze data so that the resulting motion analysis data may be displayed on the sunglasses, for example for virtual reality and/or augmented virtual reality display.」 ([0104]…また、サングラスは、また、ディスプレイ120に利用することができる映像視聴装置を含んで、使用者がサングラスを介して運動解析データを、使用者の画像を見ることができるようになっている。このようにして、コンピュータ160、105、もしくはネットワーク170またはインターネット171に接続された他のコンピュータは、データを取得し、データを分析するために利用することができ、その結果として生じる運動解析情報は、仮想現実画像および/または拡張現実画像としてサングラス上で表示できるようになっている。) (4)上記(1)及び(2)より、ゴルファーはモバイルデバイスを携帯することにより現在位置をGPS受信機により測定できるものと認められる。 そうすると、ゴルファーは、GPS受信機を内蔵するモバイルデバイスを携帯すると共に、ゴルファーの現在位置を含めた測定値を表示する仮想眼鏡であるところのサングラスを装着しているといえる。 してみると、ゴルファーが携帯するGPS受信機を内蔵するモバイルデバイス、サングラス及びGPS受信機を内蔵したカップにより、モバイルデバイスは、ゴルファーの現在位置を決定し、ゴルファーの現在位置からカップまでの距離を取得し、取得した距離を拡張現実画像としてサングラス上に表示するものといえる。 また、上記(1)より、ゴルフコース地図をサングラス上に表示できるものと認められる。 そうすると、上記記載事項(1)乃至(3)及び認定事項(4)より、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が示されているものと認められる。 「ゴルファーが携帯するGPS受信機を内蔵するモバイルデバイス、サングラス及びGPS受信機を内蔵したカップからなり、 モバイルデバイスは、ゴルファーの現在位置を決定し、ゴルファーの現在位置からホールまでの距離を取得し、取得した距離を拡張現実画像としてサングラス上に表示するとともに、ゴルフコース地図をサングラス上に表示できるもの。」 2 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)後者の「ゴルファー」、「カップ」、「ゴルファーが携帯するGPS受信機を内蔵するモバイルデバイス」、及び「サングラス」はそれぞれ、前者の「ユーザ」、「ゴルフコースランドマーク」、「ゴルフコースにおけるユーザの位置を追跡するためのユーザ追跡システム」、及び「ユーザの頭部に装着されるように構成された表示デバイス」に相当する。 (2)後者の「距離」は、ゴルファーの現在位置からホールまでの距離であるから、前者の「距離」と後者の「距離」とは「ユーザとゴルフコースランドマークとの間の距離」との概念で一致する。 に相当する。 (3)後者の「サングラス」は、拡張現実画像を表示することからすれば、透明な表示ディスプレイを備えていることは明らかであるから、前者の「表示デバイス」と後者の「サングラス」とは、「ユーザの視野の範囲内に画像を表示するように構成された透明な表示領域を有する表示スクリーンを含むヘッドアップ表示デバイス」との概念で一致し、「画像を表示する表示システム」を構成する要素である点でも一致する。 (4)上記(3)の検討からすれば、前者の「表示デバイス」と後者の「サングラス」は、明記はないものの、「表示スクリーンが、ユーザの頭部に装着される表示デバイスのレンズの一部である」との概念で一致する。 (5)後者の「モバイルデバイス」は、現在位置を決定し、現在位置からカップまでの距離を取得し、取得した距離を拡張現実画像としてサングラス上に表示する、という制御を行っているものであるから、前者の「プロセッサ」と後者の「モバイルデバイス」とは、「ユーザ追跡システムと表示システムを制御」し「ゴルフコースにおける、ユーザの位置とゴルフコースランドマークの位置との間の距離を決定し」、かつ、「前記ユーザとゴルフコースランドマークとの間の決定された距離に係る距離表示を表示するようヘッドアップ表示デバイスに指示する」機能を備える点で一致する。 (6)後者の「サングラス」は、取得した距離を拡張現実画像としてサングラス上に表示するものであるから、前者の「デバイス」における「距離表示」と後者の「サングラス」における「距離表示」とは、ゴルフコースランドマークが表示デバイスの表示スクリーンの透明な表示領域を介して見える点で一致する。 (7)後者は、「ゴルファーが携帯するGPS受信機を内蔵するモバイルデバイス、サングラス及びGPS受信機を内蔵したカップ」からなるものであるところ、3者(ゴルファーが携帯するGPS受信機を内蔵するモバイルデバイス、サングラス及びGPS受信機を内蔵したカップ)が協働することで、ゴルファーの現在位置を決定し、ホールまでの距離を取得することができるのであるから、前者の「システム」と後者の「GPS受信機を内蔵するモバイルデバイス、サングラス及びGPS受信機を内蔵したカップ」とは、「ユーザが決定することを支援するためのシステム」との概念で一致する。 (8)前者の「現実世界の光景」とは、本願の願書に添付した明細書、図面及び特許請求の範囲の記載を参酌すれば、ユーザの視点から見える光景を撮影し記録するカメラ204よって記録された画像(【0010】、【0026】等参照。)であると認められる。すなわち、ユーザの目の前の現在の光景であるといえる。 そうすると、前者は、「距離表示」を「ゴルフコースランドマークの現実世界の光景に重ねてレンズ上に表示」するのであるから、ユーザは、ゴルフコースランドマークが見える位置にいるといえる。 そこで、引用発明について検討すると、ゴルファーの現在位置が、ホールが直接見える位置であるならば、ゴルファーは、サングラスを通して、ホール、すなわち、ゴルフコースランドマークを直接見ることができるのであるから、ゴルファーのサングラス上には、ホールの現実世界の光景と共に距離が表示されることとなるのは明らかである。 してみると、前者の「表示デバイス」と後者の「サングラス」とは、「距離表示」が「ゴルフコースランドマークの現実世界の光景に重ねて」レンズ上に表示されているとの概念で一致する。 なお、本願発明において、ユーザが、ゴルフコースランドマークが見える位置にいないのであるなら、「距離表示」を「ゴルフコースランドマークの現実世界の光景に重ねてレンズ上に表示」することはできないこととなる。 同様に、引用発明においても、ゴルファーが、ホール、すなわち、ゴルフコースランドマークを直接見ることができない位置にいるのであれば、ゴルファーは、ホールの現実世界の光景を見ることができないのであるから、距離表示は、ゴルファーから見えるホールの現実世界の光景に重ねられないことも明らかである。 そうすると、本願発明と引用発明とは、 「ユーザとゴルフコースランドマークとの間の距離を前記ユーザが決定することを支援するためのシステムであって、前記システムは、 前記ゴルフコースにおける前記ユーザの位置を追跡するためのユーザ追跡システムと、 前記ユーザの頭部に装着されるように構成された表示デバイスであり、 前記表示デバイスは、前記ユーザの視野の範囲内に画像を表示するように構成された透明な表示領域を有する表示スクリーンを含むヘッドアップ表示デバイスを備えた表示システムを含み、 前記表示システムの前記表示スクリーンは、前記ユーザの頭部に装着される前記表示デバイスのレンズの一部である、 表示デバイスと、 前記ユーザ追跡システムと前記表示システムを制御するためのプロセッサであり、 前記ゴルフコースにおける、前記ユーザの位置と前記ゴルフコースランドマークの位置との間の距離を決定し、かつ、 前記ユーザと前記ゴルフコースランドマークとの間の前記決定された距離に係る距離表示を表示するよう前記ヘッドアップ表示デバイスに指示する、 ように構成されている、プロセッサと、を含み、 前記距離表示は、前記ゴルフコースランドマークが上記表示デバイスの前記表示スクリーンの前記透明な表示領域を介して見えるように、前記ゴルフコースランドマークの現実世界の光景に重ねて前記レンズ上に表示されている、 システム。」 の点で一致し、本願発明の発明特定事項は、すべて引用発明が備えているから、本願発明と、引用発明とに差異はない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、本願出願の出願前に出願公開された引用文献に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により、特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項については検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-008147

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