2021-007924
インターフェース再構成モードを有する携帯用電子装置
- 審判番号
- 2021-007924
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-024663外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年06月16日
- 審決日
- 2022年09月13日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】アップル インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】特許業務法人大塚国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
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本願は,2006年(平成18年)12月18日を国際出願日(パリ条約による優先権主張2005年12月30日 米国,2006年7月24日 米国)とする特願2008-548858号の一部を平成21年3月5日に新たな特許出願である特願2009-051921号とし,その一部を平成25年1月24日に新たな特許出願である特願2013-011209号とし,その一部を平成28年4月28日に新たな特許出願である特願2016-091460号とし,その一部を平成29年10月23日に新たな特許出願である特願2017-204561号とし,その一部を平成31年2月14日に新たな特許出願である特願2019-024663号としたものであって,その手続の経緯は,概略,以下のとおりである。
補正の却下の決定,
拒絶査定(以下「原査定」という。)
通知
第2 原査定の概要
原査定の概要は,次のとおりである。
この出願の請求項1,7~9に係る発明は,以下の引用文献1に記載された発明に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり,この出願の請求項2~5に係る発明は,以下の引用文献1および2に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明できたものであり,この出願の請求項6に係る発明は,以下の引用文献1~4に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第3 本願発明
本願請求項1~8に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」~「本願発明8」という。)は,令和4年5月9日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される,次のとおりの発明である。
「【請求項1】タッチセンシティブディスプレイを備える携帯用電子装置において,前記タッチセンシティブディスプレイ上で,第1所定領域の第1位置に第1アイコンを,前記第1所定領域とは異なる第2所定領域の第2位置に第2アイコンを,表示することであって,前記第2所定領域は有限の数のアイコンを収容するように構成される,ことと,前記タッチセンシティブディスプレイ上で,所定の期間よりも長い間,前記第1位置に対応するタッチ入力を検出することと,続きを表示(全24行)前記タッチセンシティブディスプレイ上で,所定の期間よりも長い間,前記第1位置に対応する前記タッチ入力を検出した後,前記タッチセンシティブディスプレイ上で,前記第1位置から前記第2位置への前記タッチ入力の移動を検出し,前記タッチセンシティブディスプレイ上で,前記第1位置から前記第2位置への前記タッチ入力の前記移動を検出したことに応じて,前記第1アイコンを,前記第2アイコンの上の前記第2所定領域の前記第2位置へ動かし,前記第1アイコンが前記第2アイコンの上へ移動後,前記第1アイコンが前記第2所定領域へ付加されると前記装置が判断したとき,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加えることが前記第2所定領域の前記有限の数のアイコンに加えて追加のアイコンを前記第2所定領域へ加えることになるであろう場合,前記第2アイコンを前記第2位置とは異なる第3位置へ動かし,前記第3位置は前記第2所定領域の外にあり,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加える前に該第2所定領域のアイコンの数が前記有限の数未満である場合,前記第1アイコンを前記第2所定領域の前記第2位置へ動かす際に前記第2アイコンを該第2位置とは異なる第4位置へ動かすことであって,前記第4位置は前記第2所定領域の内にあることと,を含む方法。【請求項2】前記第1アイコンを前記第2位置へ動かすことは,前記第1アイコンが前記第2位置の前記第2アイコンに部分的に重なるように,前記第1アイコンを前記第2位置の前記第2アイコンの近くへと動かすことを含む請求項1に記載の方法。【請求項3】前記第1アイコンの前記第2アイコンとの部分的な重なりに応じて,前記第2アイコンが前記第2位置とは異なる前記第3位置へと動かされる請求項1または2に記載の方法。【請求項4】前記第3位置は,前記第2アイコンが前記第3位置に動かされる前にアイコンによって占められていない請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。【請求項5】前記第4位置は前記第2位置に隣接する位置である請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。【請求項6】コンピュータに請求項1から5のいずれか一項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラム。【請求項7】請求項6に記載のコンピュータプログラムを保持するメモリと,前記メモリに保持される前記コンピュータプログラムを実行することができるひとつ以上のプロセッサと,を備える電子デバイス。【請求項8】請求項1から5のいずれか一項に記載の方法を実行する手段を備える電子デバイス。」
第4 引用文献の記載,引用発明等
1 引用文献1
(1)原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献1には,図面とともに,次の記載がある(下線は当審による。以下同様。)。
ア 「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は,表示画面上のマークの再配置が可能な電子表示方法および装置に関する。【0002】【従来の技術】従来の電子機器においては,ユーザーインターフェースの利便性を高めるために,液晶表示装置等の表示画面にタッチパネルを重ね,表示された各種の操作ボタンを押圧すると,その押圧された操作ボタンの機能が実現される電子表示装置が使用されている。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の電子表示装置においては,画面に表示された操作ボタンの位置は,メーカーによって予め決められており,ユーザが任意に設定することはできなかった。このため,ユーザにとっては最も使用頻度の高い操作ボタンの位置が,操作のしづらい位置に配置されている場合があった。【0004】本発明は,このような従来の問題を解決するものであり,表示画面に表示された操作ボタン等のマークの位置をユーザが任意に変更することのできる電子表示方法および装置を提供することを目的とする。」
イ 図1
[図:0001388850000001.jpg]
ウ 「【0009】【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態における電子表示装置の概略構成を示している。図1において,液晶表示装置1の前面には透明なタッチパネル2が取りつけられており,それぞれマイクロコンピュータからなる表示制御手段3に接続されている。タッチパネル2は,多数のタッチセンサがマトリックス状に配置されて,各位置が座標で特定されている。」
エ 図3
[図:0001388850000002.jpg]
オ 「【0011】次に,本実施の形態の表示制御手段3におけるマーク移動処理について説明する。ここでは,図1のトラック選択ボタン14を移動位置22に移動する場合について,図3のフロー図を参照して説明する。まず,装置がカスタマイズモードになっているかどうかを判断し(ステップS1),なっていない場合は,カスタムボタン12が押下されたかどうかを判断し(ステップS2),押下された場合はカスタマイズモードがオン状態になる(ステップS3)。次に,トラック選択ボタン14が押下されたかどうかが判断され(ステップS4),押下された場合は,その押下位置情報を取得(ブロック番号リード)するとともにメモリに記憶する(ステップS5)。次に,その押下した状態のまま移動位置22へ移動し(ステップS6),次いでその移動位置22でそのトラック選択ボタン14が離されたかどうかを判断する(ステップS7)。その際,移動位置22に他のボタンが既に存在するかどうかを判断し(ステップS8),他のボタンが存在する場合にはそのボタンをスペア位置23に移動した後(ステップS9),移動位置22にトラック選択ボタン14を移動し(ステップS10),ステップS1に戻る。この状態では,まだカスタマイズモードになっているので,ステップS1では“yes”になり,次いでカスタムボタン12を押下することにより(ステップS11),カスタマイズモードがオフ状態になり(ステップS12),処理が終了する。ステップS11でカスタムボタン12を押下しない場合は,ステップS4以降に進み,他のボタンの移動を連続して行うことができる。【0012】以上のように,本実施の形態によれば,移動させたいボタンを指で押えて指定し,その押えた状態のまま移動したい位置へ移動し,その位置でボタンから指を離すという極めて簡単な操作によりユーザの希望する位置へボタンの表示位置を変更することができる。この操作は,パソコンのアイコン操作におけるクリック,ドラッグ,ドロップと同じ感覚で操作することができる。」
(2)上記(1)より,特に,下線部に着目すると,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「表示画面上のマークの再配置が可能な電子表示方法および装置に関し,液晶表示装置等の表示画面にタッチパネルを重ね,表示された各種の操作ボタンを押圧すると,その押圧された操作ボタンの機能が実現される電子表示装置におけるマーク移動処理であって,装置がカスタマイズモードになっているかどうかを判断し(ステップS1),なっていない場合は,カスタムボタン12が押下されたかどうかを判断し(ステップS2),押下された場合はカスタマイズモードがオン状態になり(ステップS3),次に,トラック選択ボタン14が押下されたかどうかが判断され(ステップS4),押下された場合は,その押下位置情報を取得(ブロック番号リード)するとともにメモリに記憶し(ステップS5),次に,その押下した状態のまま移動位置22へ移動し(ステップS6),次いでその移動位置22でそのトラック選択ボタン14が離されたかどうかを判断し(ステップS7),その際,移動位置22に他のボタンが既に存在するかどうかを判断し(ステップS8),他のボタンが存在する場合にはそのボタンをスペア位置23に移動した後(ステップS9),移動位置22にトラック選択ボタン14を移動し(ステップS10),移動させたいボタンを指で押えて指定し,その押えた状態のまま移動したい位置へ移動し,その位置でボタンから指を離すという極めて簡単な操作によりユーザの希望する位置へボタンの表示位置を変更することができる電子表示装置におけるマーク移動処理。」
2 引用文献2
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献2には,図面とともに,次の記載がある。
ア 「【0001】【発明の属する技術分野】この発明はアイコンを用いたGUI(Graphical User Interface) によるプログラミング装置に関するものである。【0002】【従来の技術】近年のGUI環境の発展に従い,マウス操作を記録したり簡易プログラミング言語を用いた定型処理が行われている。これらの処理によれば,ユーザーの作業手順をそのまま記録することにより,いわゆるプログラミング作業を行わずにプログラムを作成することが可能となる。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記の従来技術では,定型処理のプログラミングは容易だが,それを編集しようとすると,ある程度のプログラミングの知識が必要となる。そこで,本発明は,アイコンを並べることによってプログラムを行い,アイコンの入れ替え,追加,削除等によりプログラムを編集することにより,キーボードレスの操作を可能とするプログラミング装置を提供することを課題とする。【0004】また,アイコンを用いたビジュアルなプログラミング環境ではプログラムが大きくなったり,画面が小さかったりするとプログラム全体を画面によって把握することが困難となる。そこで,本発明においては並べたアイコン群のブロック化及びブロック化したアイコン群の展開を行えるようにすることにより,この問題を解決しようとするものである。」
イ 図2
[図:0001388850000003.jpg]
ウ 「【0015】図2にディスプレイ7の画面の構成を示す。ユーザーが画面の右側に並んでいるアイコン21をドラッグしプログラムウィンドウ22にドロップすると,プログラム作成手段1bはプログラムウィンドウ内のアイコン23のインデックスをプログラム記録手段1dに記録する。【0016】プログラムウィンドウ22にはプログラム実行ボタン25が設けられている。プログラム実行ボタン25をクリックすると,プログラム実行手段1cはプログラム記録手段1dからアイコンのインデックスを読みだし,それに基づきアイコン-命令記録手段,またはユーザーアイコン-命令記録手段からそのアイコンに対応する命令を読みだし,順次実行する。【0017】プログラムウィンドウ内には,さらにモード切替ボタン26が設けられている。プログラムの編集にはアイコン実行,削除,入れ替え,ブロック化及び展開の五つのモードがある。画面のモード切替ボタン26をクリックすることによって,いずれかのモードを選択することができる。以下,それぞれのモードの処理について,図7に示した全体の処理フローチャートにしたがって説明する。【0018】アイコン実行モードにおいては,プログラムウインドウ22に並べられたアイコンをクリックするとそのアイコンに対応付けられた命令が実行される(S706)。実行ボタン25をクリックした場合との違いは実行ボタンをクリックした場合には,プログラムウインドウに並べられたアイコンすべての命令を通して実行する(S703)のに対し,アイコン実行モードではクリックした1アイコンしか実行しない点である。このモードは作成したプログラムの一部を試しに実行するときに有効である。【0019】削除モードにおいては,アイコンをクリックすると,そのアイコンは削除されプログラム記録手段のメモリの削除されたアイコンより後ろにあったデータは一つ前に移される(S707)。【0020】入れ替えモードにおいては,プログラムウィンドウの中のアイコンを他のアイコン上へとドラッグドロップすることによって,ドラッグ元のアイコンをドラッグ先のアイコンの前へと入れ替えることが出来る(S708)。」
3 引用文献3
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献3には,図面とともに,次の記載がある。
ア 「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は,据置型や携帯型などの端末装置に用いられるタッチパネルを備えた表示装置に関する。【0002】続きを表示(全19行)【従来の技術】近年,各種業界では,端末装置が広く使用されるようになってきている。例えば,銀行などでATM(Automatic Tellers Machine:自動預入支払機)が,駅などでは券売機や地図案内機が夫々設置され,銀行や駅などの業務の一部を端末装置で賄うことができるようにしている。また,ファーストフード店などの店舗においても,商品の注文処理に端末装置を用いるようにする場合もあり(例えば,特開平5ー216587号公報),さらに,インターネットなどの通信ネットワークを利用してコンテンツの配信を受ける端末装置やウェブ閲覧(ブラウズ)用の端末装置なども実現あるいは提案されている。【0003】ところで,このような端末装置では,表示装置が設けられており,その表示画面に表示されるメッセージなどの情報を見ながらキーボードなどの入力手段を操作することにより,上記のような各種の作業ができるようにしているが,表示画面に入力手段としての機能を持たせ,その表示画面に表示されるメッセージやメニューなどにしたがって画面操作を行なうことにより,各種の作業を実行することができるようにしたタッチパネルを備えた表示装置が用いられるようになってきている。【0004】このようなタッチパネルを備えた表示装置によると,その表示画面に直接指先を触れて操作を行なうものであるから,操作がし易く,操作の間違いが少ない,という優れた操作性を実現することができるし,また,キーボードなどの操作部も,操作ボタンの数を少なくすることができるので,端末装置自体を小型化でき,設置面積も狭くできて,店内や構内などでの設置場所の自由度が高まるといったようなメリットも得られることになる。【0005】【発明が解決しようとする課題】しかし,従来のタッチパネルを備えた表示装置では,その表示画面に操作ボタン(タッチボタン)などのタッチ操作部材からなる入力手段の画像を表示することにより,その入力手段を顧客やユーザの視覚で認識させ,この認識のもとに,この入力手段の画像の操作したいと思われる個所をタッチすることで所定の処理を実行する。【0006】パソコンでは,マウスによるドラッグ・アンド・ドロップ機能が付加されている。マウスでは,カーソルを自由に移動させることができるとともに,クリックボタンを操作することができるので,クリックボタンを押しながらアイコンを移動させたり,あるいは,アイコンにカーソルを合わせて,クリックボタンをダブルクリックすることで予め設定されたアイコンの機能を実行させることができる。【0007】しかし,従来のタッチパネルでは,1回のタッチを検知して各種処理を実行しているために,1つの処理しか実行することができない。例えば,ATMなどで採用されているタッチパネルを備えた表示装置では,表示画面のタッチ操作部材にタッチすると,その時点でこのタッチ操作部材に関する機能が実行されるため,タッチ操作によってドラッグ・アンド・ドロップを行なわせることができない。タッチパネルを備えた小型の情報機器では,ドラッグ・アンド・ドロップを可能にしたものがあるが,これらは,アイコンに予め設定された機能を実行するためには,予め設定されたタイミングで2回タッチしなければならない。マウスの操作では,表示画面に表示されるカーソルを見ながら間接的に操作するため,視認性や操作性に左程問題を生じない。しかし,表示画面に表示されたタッチ操作部材を直接操作するタッチパネルにおいては,一度タッチした箇所を同じタイミングでタッチしなければならないために,誤操作や操作性に課題がある。特に,不特定の操作者が操作するATMや自動機などの公共機器においては,操作者全部に同じタイミングで2回タッチさせることには課題が残る。【0008】本発明の目的は,かかる問題を解消し,操作ボタンなどのタッチ操作部材をユーザが所望とする位置に任意に移動させることができ,かつタッチ操作部材に予め設定された機能を実行できるタッチパネルを備えた表示装置及び情報処理方法を提供することにある。」
イ 図18
[図:0001388850000004.jpg]
ウ 「【0082】図18は図5における制御部17の機能制御による情報処理方法の第4の実施形態を示すフローチャートであって,この第4の実施形態は表示画面2に品目を表わすアイコンなどのオブジェクトをタッチ操作部材としてドラッグ・アンド・ドロップ可能とし,所望品目の購入などの処理機能を持たせる,所謂ドラック・アンド・機能選択というべきものである。この第4の具体例は,デジタルコンテンツの配信端末の機能を持つものとしている。」
エ 図19
[図:0001388850000005.jpg]
オ 「【0083】また,図19はかかる第4の実施形態を実行中に表示画面2に表示される画面を示すものであって,21はオブジェクト表示領域,22は機能設定領域,23,23’はオブジェクト(ここでは,品目を表わすアイコンとするが,これに限るものではない),24は案内,25は「購入する」ボタン,26は「やめる」ボタンである。」
4 引用文献4
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献4には,図面とともに,次の記載がある。
ア 「[図:0001388850000006.jpg](中略)[図:0001388850000007.jpg]」
(当審訳:
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
本発明はポインティング装置を具備した移動端末の使用者インターフェース駆動方法及び装置に関する。
従来移動端末で使用者が特定項目を選択するようにするためにキーパッドを提供した。移動端末は携帯用という目的上,サイズに一定の制限がよって,このようなサイズ制限によってキーパッドの構成が画一的になるしかない。このような画一的なキーパッドの構成にもかかわらず,電子,電気及び通信技術の発達によって移動端末に搭載される機能が多くなる趨勢であり,このような趨勢に合わせて従来具備されたキーパッドの各キーに多い機能が割り当てされている。 このような理由で,使用者は所望の項目に移動するために,移動端末の出力部に出力されるメニューを参照して多くの段階のキー入力をすることで不便さが加重されている。このような不便さを勘案してソフトキーが導入して使われている。ソフトキーは特殊な複数のキー入力に特定の機能が選択されうるようにソフトウェアで提供されるキー方式である。 このようなソフトキー方式も複数のキー入力過程を使用者が熟知すればこそ使われることができるという点で不便さが消滅したことで見られない。
(中略)
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はポインティング装置を具備した移動端末で使用者が任意に画面を再構成することができる使用者インターフェースを駆動する方法及び装置を提供することにある。)
イ 図10i
[図:0001388850000008.jpg]
ウ 「[図:0001388850000009.jpg]」
(当審訳:
図10iは本発明の望ましい一実施例による移動端末の表示部に出力される開始画面を示した例示図であり,図10jは特定応用プログラムの実行状態を示した例示図である。
図10i及び図10jを参照すると,使用者はポインティング装置を操作してマウスポインタで特定項目(例えば,MP3項目)を選択すると,CD-GUIは特定項目に該当するメニューを表示部に出力する。使用者が表示部に出力されたMP3項目によるメニューの中でプレーヤーを選択するとプレーヤー画面(1025)が表示部に出力される。使用者はポインティング装置を操作して,マウスポインタを特定アイコン(プレイアイコン,停止アイコン,終了アイコンなど,1027,1029及び1031参照)を選択して該当の応用プログラムを利用することができる。)
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明1」という。)と,引用発明とを対比する。
ア 引用発明において,「液晶表示装置等の表示画面にタッチパネルを重ね,表示された各種の操作ボタンを押圧すると,その押圧された操作ボタンの機能が実現される電子表示装置」とされている。
ここで,引用発明の「液晶表示装置等の表示画面にタッチパネルを重ね,表示された各種の操作ボタンを押圧すると,その押圧された操作ボタンの機能が実現される」表示画面は,表示画面に表示された操作ボタンを押圧可能なタッチパネルが重ねられた液晶表示装置等(ディスプレイ)であるから,本願発明1の「タッチセンシティブディスプレイ」に相当するといえる。
したがって,引用発明と,本願発明1とは,「タッチセンシティブディスプレイを備える」「電子装置」である点で共通しているといえる。
しかし,本願発明1の「電子装置」は,「携帯用」であるのに対し,引用発明の電子装置は,「携帯用」であるのか否か明らかでない点で相違している。
イ 引用発明において,「トラック選択ボタン14が押下されたかどうかが判断され(ステップS4),押下された場合は,その押下位置情報を取得(ブロック番号リード)するとともにメモリに記憶する(ステップS5),
次に,その押下した状態のまま移動位置22へ移動し(ステップS6),次いでその移動位置22でそのトラック選択ボタン14が離されたかどうかを判断する(ステップS7),その際,移動位置22に他のボタンが既に存在するかどうかを判断し(ステップS8),他のボタンが存在する場合にはそのボタンをスペア位置23に移動した後(ステップS9),移動位置22にトラック選択ボタン14を移動」するとされている。
ここで,引用発明の「トラック選択ボタン14」,「押下位置」,「移動位置22」,「他のボタン」,「スペア位置23」は,それぞれ,本願発明1の「第1アイコン」,「第1位置」,「第2位置」,「第2アイコン」,「第2位置とは異なる第3位置」に対応するといえる。
また,引用発明における,「押下位置」を含む領域,および,「移動位置22」を含む領域は,それぞれ,本願発明1の「第1所定領域」,および,「第第1所定領域とは異なる第2所定領域」に対応するといえる。
したがって,本願発明1と引用発明とは,「前記タッチセンシティブディスプレイ上で,第1所定領域の第1位置に第1アイコンを,前記第1所定領域とは異なる第2所定領域の第2位置に第2アイコンを,表示することであ」「る,ことと,」「前記タッチセンシティブディスプレイ上で,前記第1位置から前記第2位置への前記タッチ入力の移動を検出し,前記タッチセンシティブディスプレイ上で,前記第1位置から前記第2位置への前記タッチ入力の前記移動を検出したことに応じて,前記第1アイコンを,前記第2アイコンの上の前記第2所定領域の前記第2位置へ動かし,前記第1アイコンが前記第2アイコンの上へ移動後,」「前記第2アイコンを前記第2位置とは異なる第3位置へ動か」す「ことと,を含む方法」である点で共通しているといえる。
しかし,本願発明1では「第2所定領域は有限の数のアイコンを収容するように構成される」のに対して,引用発明では,第2所定領域は有限の数のアイコンを収容するように構成されるのか否か明らかでないない点で相違している。
また,本願発明1では「前記タッチセンシティブディスプレイ上で,所定の期間よりも長い間,前記第1位置に対応するタッチ入力を検出することと,前記タッチセンシティブディスプレイ上で,所定の期間よりも長い間,前記第1位置に対応する前記タッチ入力を検出した後」に,第1アイコンを移動させているのに対して,引用発明では,カスタムボタン12が押下されたかどうかを判断し(ステップS2),押下された場合はカスタマイズモードがオン状態になった後に,第1アイコンを移動させている点で相違している。
さらに,本願発明1では「前記第1アイコンが前記第2アイコンの上へ移動後,前記第1アイコンが前記第2所定領域へ付加されると前記装置が判断したとき,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加えることが前記第2所定領域の前記有限の数のアイコンに加えて追加のアイコンを前記第2所定領域へ加えることになるであろう場合,前記第2アイコンを前記第2位置とは異なる第3位置へ動かし,前記第3位置は前記第2所定領域の外にあり,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加える前に該第2所定領域のアイコンの数が前記有限の数未満である場合,前記第1アイコンを前記第2所定領域の前記第2位置へ動かす際に前記第2アイコンを該第2位置とは異なる第4位置へ動かすことであって,前記第4位置は前記第2所定領域の内にある」のに対して,引用発明では,そのような構成を備えていない点で相違している。
(2)一致点・相違点
本願発明1と,引用発明とは,以下アの点で一致し,以下イの点で相違する。
ア 一致点
「タッチセンシティブディスプレイを備える電子装置において,前記タッチセンシティブディスプレイ上で,第1所定領域の第1位置に第1アイコンを,前記第1所定領域とは異なる第2所定領域の第2位置に第2アイコンを,表示することである,ことと,前記タッチセンシティブディスプレイ上で,前記第1位置から前記第2位置への前記タッチ入力の移動を検出し,前記タッチセンシティブディスプレイ上で,前記第1位置から前記第2位置への前記タッチ入力の前記移動を検出したことに応じて,前記第1アイコンを,前記第2アイコンの上の前記第2所定領域の前記第2位置へ動かし,前記第1アイコンが前記第2アイコンの上へ移動後,前記第2アイコンを前記第2位置とは異なる第3位置へ動かすことと,を含む方法。」
イ 相違点
(ア) 相違点1
本願発明1では「第2所定領域は有限の数のアイコンを収容するように構成される」のに対して,引用発明では,第2所定領域は有限の数のアイコンを収容するように構成されるのか否か明らかでないない点。
(イ) 相違点2
本願発明1では「前記タッチセンシティブディスプレイ上で,所定の期間よりも長い間,前記第1位置に対応するタッチ入力を検出することと,前記タッチセンシティブディスプレイ上で,所定の期間よりも長い間,前記第1位置に対応する前記タッチ入力を検出した後」に,第1アイコンを移動させているのに対して,引用発明では,カスタムボタン12が押下されたかどうかを判断し(ステップS2),押下された場合はカスタマイズモードがオン状態になった後に,第1アイコンを移動させている点。
(ウ) 相違点3
本願発明1では「前記第1アイコンが前記第2アイコンの上へ移動後,前記第1アイコンが前記第2所定領域へ付加されると前記装置が判断したとき,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加えることが前記第2所定領域の前記有限の数のアイコンに加えて追加のアイコンを前記第2所定領域へ加えることになるであろう場合,前記第2アイコンを前記第2位置とは異なる第3位置へ動かし,前記第3位置は前記第2所定領域の外にあり,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加える前に該第2所定領域のアイコンの数が前記有限の数未満である場合,前記第1アイコンを前記第2所定領域の前記第2位置へ動かす際に前記第2アイコンを該第2位置とは異なる第4位置へ動かすことであって,前記第4位置は前記第2所定領域の内にある」のに対して,引用発明では,そのような構成を備えていない点。
(3)相違点についての判断
事案に鑑みて,まず,相違点3について検討する。
本願発明1の相違点3に係る構成の「前記第1アイコンが前記第2アイコンの上へ移動後,前記第1アイコンが前記第2所定領域へ付加されると前記装置が判断したとき,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加えることが前記第2所定領域の前記有限の数のアイコンに加えて追加のアイコンを前記第2所定領域へ加えることになるであろう場合,前記第2アイコンを前記第2位置とは異なる第3位置へ動かし,前記第3位置は前記第2所定領域の外にあり,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加える前に該第2所定領域のアイコンの数が前記有限の数未満である場合,前記第1アイコンを前記第2所定領域の前記第2位置へ動かす際に前記第2アイコンを該第2位置とは異なる第4位置へ動かすことであって,前記第4位置は前記第2所定領域の内にある」という構成について,引用文献1ないし4には,記載も示唆も無く,当該構成が周知であったとも認められない。
したがって,引用発明および引用文献2ないし引用文献4に基づいて,当業者は本願発明1の相違点3に係る構成を容易に想到することができない。
エ 小括
したがって,上記相違点1あるいは2について判断するまでもなく,本願発明1は,引用発明および引用文献2ないし引用文献4に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし本願発明8について
本願発明2ないし本願発明8は,いずれも,本願発明1を引用したものであって,本願発明1と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,引用発明および引用文献2ないし引用文献4に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
第6 原査定についての判断
令和4年5月9日提出の手続補正書による補正の結果,本願発明1~8はそれぞれ,相違点1ないし3に係る発明特定事項を有するものとなっており,上記第5のとおり,引用発明および引用文献2ないし引用文献4に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
したがって,原査定を維持することはできない。
第7 当審拒絶理由について
1 当審拒絶理由の概要
当審が令和4年2月8日付けで通知した当審拒絶理由の概要は次のとおりである。
本件出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため,特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
記
令和3年6月16日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の「前記第1アイコンが前記第2アイコンの上にあると前記装置が判断したとき,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加えることが前記第2所定領域の前記有限の数のアイコンに加えて追加のアイコンを前記第2所定領域へ加えることになるであろう場合,前記第2アイコンを前記第2位置とは異なる第3位置へ動かし,前記第3位置は前記第2所定領域の外にあり,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加える前に該第2所定領域のアイコンの数が前記有限の数未満である場合,前記第1アイコンを前記第2所定領域の前記第2位置へ動かす際に前記第2アイコンを該第2位置とは異なる第4位置へ動かすことであって,前記第4位置は前記第2所定領域の内にあること」という記載は,明細書等に記載された技術の範囲を超えるものを含みうるものである。
2 検討
これに対し,令和4年5月9日に提出された手続補正書による補正により,特許請求の範囲の請求項1の「前記第1アイコンが前記第2アイコンの上にあると前記装置が判断したとき,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加えることが前記第2所定領域の前記有限の数のアイコンに加えて追加のアイコンを前記第2所定領域へ加えることになるであろう場合,前記第2アイコンを前記第2位置とは異なる第3位置へ動かし,前記第3位置は前記第2所定領域の外にあり,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加える前に該第2所定領域のアイコンの数が前記有限の数未満である場合,前記第1アイコンを前記第2所定領域の前記第2位置へ動かす際に前記第2アイコンを該第2位置とは異なる第4位置へ動かすことであって,前記第4位置は前記第2所定領域の内にあること」という記載は,「前記第1アイコンが前記第2アイコンの上へ移動後,前記第1アイコンが前記第2所定領域へ付加されると前記装置が判断したとき,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加えることが前記第2所定領域の前記有限の数のアイコンに加えて追加のアイコンを前記第2所定領域へ加えることになるであろう場合,前記第2アイコンを前記第2位置とは異なる第3位置へ動かし,前記第3位置は前記第2所定領域の外にあり,前記第1アイコンを前記第2所定領域へ加える前に該第2所定領域のアイコンの数が前記有限の数未満である場合,前記第1アイコンを前記第2所定領域の前記第2位置へ動かす際に前記第2アイコンを該第2位置とは異なる第4位置へ動かすことであって,前記第4位置は前記第2所定領域の内にあることと」となり,当該構成は明細書の段落0030等に記載された技術の範囲内となったから,当審拒絶理由の理由1は解消した。
第8 むすび
以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-007924