2021-007475
吐水口
- 審判番号
- 2021-007475
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2020-005734外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年06月08日
- 審決日
- 2021年09月15日
- 公報発行日
- 2021年11月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- D18 .113-WY (M2-5)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 手続の経緯
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本願は,令和2年(2020年)3月25日の意匠登録出願であって,その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。
12月 8日 :上申書の提出
2月 1日 :意見書の提出
3月 4日付け :拒絶査定
6月 8日 :審判請求書の提出
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「吐水口」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。
引用意匠
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1592754号
(意匠に係る物品,給水栓)の意匠の吐水口部分
第4 当審の判断
1.本願意匠
(1)意匠に係る物品
本願意匠の,意匠に係る物品は「吐水口」である。
提出されている全書類の記載内容によると,本願意匠は,プルアウト式の給水栓における吐水口であって,給水栓本体から引き抜いて吐水させることができるものである。
(2)本願意匠の形状
〔形状A1〕根元側から先端にかけての横断面の形状が,おおむね,上弦のように,下に凸の略半円形に,略直線状の上面としたものである。
〔形状A2〕全体の寸法が,長さ約90,幅約40,厚さ(高さ)約25である。
〔形状A3〕平面視形状は,略長方形で,先端角が小さい円弧の角丸で,先端の辺が大きな円弧に成っており,先端部は俵のような形状である。
〔形状A4〕側面視で,上面は,先端側約5分の2が大きな円弧で下がっている。
〔形状A5〕下面には,先端側約3分の1の位置に中心がある,直径が横幅の約2分の1の穴が設けてある。
〔形状A6〕背面には,中央に直径が横幅の約2分の1の穴が設けてある。
〔形状A7〕背面には,中央の穴の左右両脇に,背面視で倒立直角台形の突起を設けてある。
2.引用意匠
(1)意匠に係る物品
引用意匠の,意匠に係る物品は「給水栓」である。
そして,原審では,給水栓の内の吐水口部分を引用している。
(2)引用意匠(引用部分)の形状
〔形状B1〕根元側から先端にかけての横断面の形状が,おおむね,上弦のように,下に凸の略半円形に,略直線状の上面としたものである。
〔形状B2〕全体の寸法が,長さ約64,幅約40,厚さ(高さ)約20である。
〔形状B3〕平面視形状は,略長方形で,先端角が小さい円弧の角丸で,先端の辺が大きな円弧に成っており,先端部は俵のような形状である。
〔形状B4〕側面視で,上面は,全体が大きな円弧で先端が僅かに下がっている。
〔形状B5〕下面には,先端側約3分の1の位置に中心がある,直径が横幅の約2分の1の穴が設けてある。
〔形状B6〕背面は,存在しない。
3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠の,意匠に係る物品は,吐水口であって,給水栓本体と合わせて初めて給水栓に成るものであるから,給水栓の部品といえるものである。
そして,使用状態においては,給水栓本体に装着して使用することもでき,吐水口を手に持って,給水栓本体から引き抜いて使用することもできる。
引用意匠の,意匠に係る物品は,給水栓であって,ハンドルの操作によって,給水の開始と停止を行うものである。
(2)両意匠の形状の対比
両意匠の形状を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
〔共通点1〕根元側から先端にかけての横断面の形状が,おおむね,上弦のように,下に凸の略半円形に,略直線状の上面としたものである。(形状A1とB1)
〔共通点2〕全体の寸法が,長さ>幅>厚さである。(形状A2とB2)
〔共通点3〕平面視形状は,略長方形で,先端角が小さい円弧の角丸で,先端の辺が大きな円弧に成っており,先端部は俵のような形状である。(形状A3とB3)
〔共通点4〕側面視で,上面は大きな円弧で先端が下がっている。(形状A4とB4)
〔共通点5〕下面には,先端側約3分の1の位置に中心がある,直径が横幅の約2分の1の穴が設けてある。(形状A5とB5)
イ.相違点について
〔相違点1〕寸法につき,本願意匠は,長さ約90,幅約40,厚さ約25であるのに対して,引用意匠は,長さ約64,幅約40,厚さ約20である。(形状A2とB2)
〔相違点2〕側面視における上面の形状につき,本願意匠は,先端側約5分の2が大きな円弧で下がっているのに対して,引用意匠は,全体が大きな円弧で僅かに下がっている。(形状A4とB4)
〔相違点3〕背面につき,本願意匠は,背面が存在し,中央に直径が横幅の約2分の1の穴が設けてあり,かつ,中央の穴の左右両脇に,背面視で倒立直角台形の突起を設けてあるのに対して,引用意匠は,背面が存在しない。(形状A6,7とB6)
4.判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
本願意匠に係る物品は「吐水口」であり,給水栓本体と合わせて初めて給水栓に成るものであるから,給水栓の部品といえるものであって,給水栓本体に装着して使用することもでき,吐水口を手に持って,給水栓本体から引き抜いて使用することもできるものであるのに対して,引用意匠に係る物品は「給水栓」であり,ハンドルの操作によって,給水の開始と停止を行うものであるから,両意匠に係る物品の使用の目的,使用状態及び機能に共通性は無い。
よって,本願意匠の意匠に係る物品と引用意匠の意匠に係る物品は,共通するとは認められない。
(2)両意匠における形状の評価
ア.共通点について
共通点1及び2については,この種物品分野においては,ごくありふれた形状と認められ,両意匠のみの特徴とは認められないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
共通点3ないし5については,この種物品分野においては,ありふれた形状と認められ,両意匠のみの特徴とは認められないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
イ.相違点について
相違点1については,本願意匠の方が断然長く,厚みがあることから下に凸の略半円形が大きく,手に持ちやすい形状であるから,使用状態に適した形であることが視認できるものであるのに対して,引用意匠は,薄くてシャープな印象を与えるものであって,この相違は両意匠の全体にかかわる形状について別異の印象を与えるものであるから,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
相違点2については,僅かな相違であるから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
相違点3については,本願意匠は,給水栓本体から引き抜いて使用するという使用目的を達成するための形状が表れているものであるのに対して,引用意匠は表れていないものであって,この相違は両意匠の全体にかかわる形状について別異の印象を与えるものであるから,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
(3)両意匠における形状の類否判断
以上のとおり,共通点は,両意匠の類否判断に与える影響は,小さいものであり,これらの共通点によっては,両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して,相違点1及び3によっては,需要者に別異の印象を起こさせるものであるから,両意匠の類否判断を決するものといえる。
そうすると,本願意匠の形状と引用意匠の形状は,類似するとは認められない。
(4)両意匠における類否判断
よって,両意匠は,意匠に係る物品が共通せず,上記のとおり本願意匠と引用意匠の形状は類似するものではないから,本願意匠と引用意匠は類似するとはいえない。
第5 結び
したがって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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