商標拒絶査定不服審判
2021-006568
ケーソクケンサセンサテン、ケーソクケンサ、ケンサセンサテン、ケーソク、ケンサ、センサテン
- 審判番号
- 2021-006568
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-114076
- 請求日
- 2021年05月21日
- 審決日
- 2022年05月19日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】RX Japan株式会社
- 【請求人代理人】高橋 孝仁
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .13 -Z (W3541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-114076拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は,「計測・検査・センサ展」の文字を標準文字で表してなり,第35類及び第41類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として,令和元年8月26日に登録出願されたものである。
本願は,令和2年8月28日付けで拒絶理由の通知がされ,同年10月15日に意見書が提出されたが,同3年2月15日付けで拒絶査定がされ,これに対して同年5月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『計測・検査・センサ展』の文字を標準文字で表してなるところ,構成中の『計測』の文字は,『種々の器械を使って、長さ・重さ・容積などをはかること。』等の意味を,『検査』の文字は,『(基準に照らして)適不適や異状・不正の有無などをしらべること。』等の意味を,『センサ』の文字は,広辞苑の『センサー【sensor】」の項によれば,『温度・圧力・流量・光・磁気などの物理量やそれらの変化量を検出する素子、または装置。さらに検出量を適切な信号に変換して計測系に入力する装置を指す場合もある。検知器。』等の意味を,『展』の文字は,『展覧会の略。』等の意味を有する語であり,本願の指定役務等を取り扱う業界においては,展覧する内容を『展』の文字の頭に付けて,例えば,『計測展』,『検査機器展』,『センサ技術展』のように使用している実情がある。また,展覧する複数の内容を『展』の文字の頭に付けて,例えば,『測定計測展』等のように使用している実情がある。そうすると,本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する取引者,需要者は,計測・検査・センサの展覧等に関する役務であること,すなわち,単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識する。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,「計測・検査・センサ展」の文字を標準文字で表してなるところ,本願商標を構成する文字の語義や使用事例について,以下のとおり確認することができる。
(1)「計測」,「検査」及び「センサ」の文字の語義について
本願商標の構成中,「計測」,「検査」及び「センサ」の文字の語義は,広辞苑第七版によれば以下のとおりである。なお,「センサ」の文字は,一般に,「コンピュータ(ー)」,「フォルダ(ー)」,「ウェハ(ー)」,「ボイラ(ー)」,「ディスペンサ(ー)」等,語尾の長音を省略して表記することがしばしばあることからすれば,「センサー」の長音を略して表記したものと容易に理解できるものである。
ア 「計測」:「種々の器械を使って、長さ・重さ・容積などをはかること。」
イ 「検査」:「(基準に照らして)適不適や異状・不正の有無などをしらべること。」
ウ 「センサー」:「温度・圧力・流量・光・磁気などの物理量やそれらの変化量を検出する素子、または装置。さらに検出量を適切な信号に変換して計測系に入力する装置を指す場合もある。検知器。」
(2)展示内容を冠した「○○展」の使用について
「多くの人にひろげて見せる。」等を意味する「展」(「新明解国語辞典第八版」株式会社三省堂発行)の語を用い,主たる展示内容(製品や技術等)を冠した「○○展」の文字が,展示会の開催において使用されている実情を,以下のとおり確認することができる。
ア 「TECHNO-FRONTIER 2022/INDUSTRY-FRONTIER 2022」のウェブサイトにおいて,以下の展示会が紹介されている。
(ア)「第40回 モータ技術展」の見出しの下,「モータ技術展とは/モータ技術展とはどんな展示会ですか?/“国内唯一”あらゆるアプリケーション向け最新モータ・ドライブ技術が一堂に集結!/精密機器から産業機械まで、あらゆる分野・用途に不可欠な“モータ”に関する最新・最適のソリューションが一堂に会する国内唯一の専門技術展。小型・精密~大型の各種モータをはじめ、制御技術、計測・解析技術、材料・素材など、幅広い製品・技術が集結します。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/tf/tf/motor.html)。
(イ)「第37回 電源システム展」の見出しの下,「電源システム展とは/電源システム展とはどんな展示会ですか?/国内唯一の『電源』に関する専門技術展/パワーエレクトロニクス、パワーコンディショナー等による電力変換や、UPS、キャパシタ等による電力安定供給に関する最新技術が一堂に集まる、国内唯一の専門技術展。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/tf/tf/power.html)。
(ウ)「第3回 電子部品材料展」の見出しの下,「電子部品材料展とは/電子部品材料展とはどんな展示会ですか?/未来を創る機能性材料の進化/あらゆる製品・部品は材料無くして成立はせず、材料の特性・性質はその製品・部品の品質・コスト・加工納期に大きく影響します。そのため未来の新機能性材料が開発・発表されると、爆発的に普及する傾向にあります。」の記載があると共に,「出展対象」の欄には,「ナノマテリアル」,「受動部品」,「回路」等の記載がある。(https://www.jma.or.jp/tf/tf/electronic.html)。
(エ)「第24回 熱設計・対策技術展」の見出しの下,「熱設計・対策技術展とは/熱設計・対策技術展とはどんな展示会ですか?/国内唯一の『熱解析』『熱設計』『熱対策』に関する専門技術展/熱解析及び熱設計・技術から熱対策製品・材料等を出展対象とする『熱に関する総合ソリューション』をユーザに提案する専門技術展。電子部品・機器の小型化・高密度化に伴い、熱設計・熱対策はその重要性を増しており、熱に関する総合的なソリューションが提供される本技術展は、国内唯一の専門技術展として、エンジニアから高く評価されています。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/tf/tf/heat.html)。
イ 「SUBSEA/TECH JAPAN/第4回海洋産業技術展 2022」のウェブサイトにおいて,「出展・来場対象」の見出しの下,「出展対象/海洋技術、海洋ビジネスに関する機器、システム、/計測センサの技術、情報が一堂に集結します。」,「来場対象/■ 海洋技術を求めるあらゆる業種の研究開発者・技術者/■ 新たな海洋技術の利活用を検討する異業種の関係者 など」の記載があるほか,ウェブサイト名の右側には「海洋技術、海洋ビジネスに関する専門展示会」の記載がある(http://www.subsea-tech.jp/2022/contents/conduct.php)。
ウ 「BtoBプラットフォーム 業界チャネル」のウェブサイトにおいて,「INTERMOLD 2022(第32回金型加工技術展)/金型展2022 大阪」の見出しの下,「東京ビックサイトで開催する、最新の金型加工技術が集まる専門展示会。」の記載がある(https://b2b-ch.infomart.co.jp/expo/detail.page?IMEXPO=3512)。
エ 「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2022」のウェブサイトにおいて,以下の展示会が紹介されている。
(ア)「第1回/交通インフラ設備機器展」の見出しの下,「交通インフラ設備機器展とは/交通インフラ設備機器展の総称のもと、駅と空港の施設・設備・システム・サービスに関する『駅と空港の設備機器ゾーン』、(略)『駐輪・駐車場システム・設備ゾーン』、(略)『バス・トラック運行システムゾーン」を開催し、次世代の安全・安心・快適な交通インフラの構築を目指す展示会です。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/mente/tokyo2022/outline/traffic.html)。
(イ)「第8回/建設資材展」の見出しの下,「建設資材展とはどんな展示会ですか?(略)需要量/場所が一定でない全国のどのような場所でも一定の品質の建設資材が必要量に応じて供給される必要がある等の特徴がある。そのような建設資材の啓発、普及を目的に、全国から来場される来場者を対象とした製品、サービスを一堂に会する機会を設けることで建設資材分野の発展に寄与するためにこの展示会を開催いたします。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/mente/tokyo2022/outline/construction.html)。
(ウ)「第3回/地盤改良展」の見出しの下,「地盤改良展とはどんな展示会ですか?/地盤改良の施工、道路陥没、基礎杭施工データの改ざんなど地盤に関する諸問題等々、地盤技術はまだ多くの課題と技術開発の余地を残している分野です。また、ここ数年は、豪雨や地震による地盤災害が全国で頻発し、災害防止あるいはその基盤となる基礎工、地盤改良などの技術が重要となり、しかもその技術自体の高度化が強く望まれています。地盤改良展は、数多くある地盤改良工法・基礎工法や、ICTを活用したシステム、地震・豪雨などの自然災害の対策技術を一堂に集め、地盤に関連する新たな商談の機会をご提供します。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/mente/tokyo2022/outline/ground.html)。
(エ)「第15回/インフラ検査・維持管理展」の見出しの下,「本展示会はインフラの老朽化対策に関する最新の技術・取り組みを紹介し、維持管理・更新に関わる技術(メンテナンス技術)の基盤強化を図り、建設から維持管理・更新に至る一連のサイクルにおいて、将来にわたって安全で強靱なインフラを維持・確保することを目的に開催いたします。」,「どのような製品・サービスが出展しますか?/点検・調査・診断・評価、3次元計測、補修・補強技術、補修・補強材料、維持管理システム、上下水道施設向け設備維持管理システムなどの点検・診断・補修技術に関する製品やサービスが出展します。」の記載がある(https://www.jma.or.jp/mente/tokyo2022/outline/infra.html)。
オ 「JETRO」のウェブサイトにおいて,以下の展示会が紹介されている。
(ア)「MEMSセンシング&ネットワークシステム展 2023」の見出しの下,「主催者より IoTビジネスを加速するセンシング×ネットワークの最新テクノロジーが一堂に!車載・自動運転、ビッグデータ、AI、ロボット、健康・医療、環境・エネルギーの分野にわたり、次世代センサーに向けた要素技術が集結します。」の記載がある(https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair/detail/122868)。
(イ)「テロ対策特殊装備展(SEECAT)′22」の見出しの下,「主催者より テロ対策特殊装備展(SEECAT)は、国内外よりテロ対策に関わる関係者が集結する国内唯一の『テロ対策』に特化したビジネストレードショーです。(略)SEECATは、テロの未然防止・対策に関わる最新機器や情報が一堂に集結する場として多くの関係者から高い期待が寄せられています。」の記載がある(https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair/detail/122898)。
(ウ)「コンバーティングテクノロジー総合展2023 -新機能性材料展」の見出しの下,「主催者より “新しい”付加価値を創造する機能性マテリアルの総合展。」の記載がある(https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair/detail/123123)。
(エ)「産業用カメラ展2022」の見出しの下,「出展対象品目 分光イメージング関連製品、車載カメラ、産業用・FA用カメラ、ロボット用カメラ、IoT・ネットワークカメラ、介護・監視カメラ、研究用・バイオ/医用カメラ、計測カメラ、特殊カメラ、カメラシステム、ビデオカメラ周辺機器/部品/材料 ほか」の記載がある(https://www.jetro.go.jp/j-messe/tradefair/detail/122789)。
カ 「人とくるまのテクノロジー展 2022」のウェブサイトにおいて,「ニュース」の見出しの下,「2021.12.08(略)自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2022 出展申込受付中/自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展は、自動車業界の第一線で活躍する技術者・研究者のための自動車技術の専門展として1992年に始まりました。」の記載がある(https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/topics_page/?id=202)。
キ 「MOBAC SHOW 2023」のウェブサイトにおいて,トップページに「名称 2023モバックショウ(第28回国際製パン製菓関連産業展)」の記載と共に,「モバックショウの特長(略)パン・菓子に関する原材料・資材から製造機械、製品の出荷まであらゆるものがトータルに展示され、最高レベルの品質と信頼性で ユーザーの課題解決に貢献する専門見本市。」の記載がある(https://www.mobacshow.com/)。
ク 「ifia JAPAN 2022/HFE JAPAN 2022」のウェブサイトにおいて,「開催概要」の見出しの下,「展示会名 ifia JAPAN 2022 [アイフィア・ジャパン] 第27回 国際食品素材/添加物展・会議 HFE JAPAN 2022 [エイチエフイー・ジャパン] 第20回 ヘルスフードエキスポ」の記載と共に,「ifia JAPANは食品素材・添加物の専門展として、来年で27回目の開催を迎えます。今後も、食品業界の最新情報を発信すると共に、日頃の営業活動では手の届きにくい潜在顧客の開拓、新製品発表、既存顧客への効率的な営業活動の場として発展していく所存でございます。」の記載がある(https://www.ifiajapan.com/outline)。
ケ 「九州アグロ・イノベーション2022」のウェブサイトにおいて,以下の展示会が紹介されている。
(ア)「農業資材展」の見出しの下,「農業資材展とは/農業資材・設備、機械など/農業生産のための製品・技術の専門展示会」の記載がある(https://jma-agro.com/kyushu/outline/product/)。
(イ)「畜産資材展」の見出しの下,「畜産資材展とは/畜産資材、畜産業の省力化推進のための専門展示会(略)本展では国内主要の畜産生産地帯である九州において畜産資材・機械・ITなど生産に関する製品・技術から昨今注目の高まる畜産輸出支援サービス・ツールまでを一堂に集め生産者の課題解決を実現する場を創出します!」の記載がある(https://jma-agro.com/kyushu/outline/livestock/)。
コ 上記アないしケよりすれば,展示会の開催において,展示内容を冠した「○○展」の文字の使用は,展示会の展示内容を端的に表す手法として,業界において一般に行われているということができる。
(3)製品や技術等の「分野」を冠した「○○展」の使用について
本願商標を構成する「計測」や「検査」のように,主として展示する製品や技術等の属する分野(産業・ジャンル・カテゴリー等)の名称が,上記(2)と同様,「〇〇展」のように,「展」の文字に冠して,展示会における展示内容を表すものとして使用されている実情は,原審で示した証拠(別掲2)に加え,以下のとおり確認することができる。
ア 「測定計測展」のウェブサイトにおいて,トップページには,「開催にあたって」の小見出しの下,「日本光学測定機工業会と日本精密測定機器工業会は2021年10月、東京ビッグサイトにて測定をはじめとした計測全般に関する総合展示会『測定計測展2021/Measuring Technology Expo 2021』を開催いたします。本展示会は奇数年秋に開催するトレードショーとして、産経新聞社の特別協力のもと、自動車、ロボット、航空機関連などに用いられる光学・精密測定はもちろん、幅広い計測業界の最新製品・技術・情報が一堂に集まり関係者には見逃せない3日間になります。」の記載がある(https://www.mt-expo.jp/)。
イ 「計量計測展/INTERMEASURE 2022」のウェブサイトにおいて,「出展概要」の見出しの下,「出展対象/ものづくり、社会インフラ、品質・工程管理、試験・検査、医療・ヘルスケアで使用される計量計測機器、関連機器、システム、ソフトウェア、アプリケーション、サービス 等。」の記載がある(https://intermeasure.org/itms2022/exhibition/)。また,同展示会の主催者である「一般社団法人日本計量機器工業連合会」のウェブサイト(http://www.keikoren.or.jp/)に掲載されている「計量計測展/INTERMEASURE 2018/開催結果報告書」の1ページには,「今回は国内外の106社・団体・研究機関・大学から最新鋭の計量計測機器及びその技術等が展示、紹介され、来場者は19,429名を数え、計量計測機器及びその技術への関心の高さが窺えた展示会となりました。(略)こうした産業界及び社会の要請に沿うべく『HAKARUで新しいトビラをひらこう』をテーマに、研究開発用、知的基盤用、品質管理用あるいは省力化、省エネ、環境保全機器として使用される最先端の計量計測機器・システム等を多数展示したほか、計量法政省令の改正に対応した企画展示、さらには18の大学・研究機関から計量計測に係る最先端技術、基盤技術、情報等の紹介をいただきました。」の記載がある(http://www.keikoren.or.jp/exhibition/intermeasure_2018.pdf)。
ウ 「アドコム・メディア株式会社」のウェブサイトにおいて,以下の展示会が紹介されている。
(ア)「精密加工測定展2020」の紹介ページにおいて,「開催概要」の見出しの下,「世界のものづくりを支えているのは日本の高度な技術であり、特に精密・微細加工の分野では、一目置かれる優位性を持ち続けています。また、計測・測定技術においては、あらゆる研究開発、設計、製造など多くの現場で重要な役割を担っています。本展示会では、精密・微細加工の現場で必要とされる技術、計測・測定、位置決め装置、システムを一堂に集め効率的なビジネスマッチングの場を、創出いたします。」の記載がある(https://www.adcom-media.co.jp/pef/outline/)。
(イ)「画像センシング展2022」の紹介ページにおいて,トップページには,「開催概要/未来をつくるセンシング技術/国内外の画像処理機器・センシング技術が一堂に会する『画像センシング展』。」,「本展示会の来場メリット(略)DX(デジタルトランスフォーメーション)/AI・ディープラーニング/クラウド・5G・6G・通信/IoT・エッジコンピューティング/VR・AR・MR/RPAといったテーマにそった最新の画像処理に関連する技術の展示をご覧いただけます。」の記載がある(https://www.adcom-media.co.jp/iss/)。
エ 「N-PLUS」のウェブサイトにおいて,「出展案内・申込書」の見出しの下,例えば以下の展示会に係る記載がある(https://www.n-plus.biz/)。
(ア)「コーティング・表面処理展/毎回来場者のニーズが最も多い『コーティング』『表面処理』に関わる提案。これに応える素材・材料、加工技術・受託加工、機械の提案が集う。」
(イ)「接着・接合・ファスニング展/部品や材料、異種材を『くっつける』ための接着剤やテープ、ネジ・ボルトなど『接着』『接合』『ファスニング』の素材・材料、技術、機器、受託加工をPR。」
(ウ)「電動化技術展/EV・PHEV、航空機、船舶、建機、人工衛星などの動力の『電動化』が急速に進んでいる。これら次世代モビリティが必要とする電動化技術、バッテリー・電池、パワー半導体やLIDARといった要素技術の提案が集う。」
(エ)「SATEX 衛星測位・位置情報展/コロナ禍で注目された人流データ解析・可視化という『位置情報』は、感染症・災害対策やマーケティング、業務効率化への活用・展開が期待されている。そのサービスの根底となる『衛星測位』『屋内測位』『シームレス測位』の技術、機器・装置、端末、から各種サービス提案に至るまでを一堂に集める商談展示会。」
オ 「バリアフリー2022 慢性期医療展2022/看護未来展2022 在宅医療展2022」のウェブサイトにおいて,「特長」の見出しの下,例えば以下の展示会に係る記載がある(https://www.tvoe.co.jp/bmk/exhibitor/)。
(ア)「慢性期医療展2022/慢性期医療に特化した唯一の専門展/超高齢社会の今、慢性期医療はその重要性を増しています。「慢性期医療展」は、医療関係者へ高齢者医療に関する最新情報を提供する展示会として、出展者と来場者のビジネスの場を創出します。」
(イ)「在宅医療展2022/在宅医療に特化した専門展(略)在宅医療の需要は大きく増すことが見込まれます。『在宅医療展』では、これからさらに注目が高まる在宅医療の充実を目指し、医療関係者・介護従事者へ最新情報を発信します。」
(4)小括
上記(1)のとおり,本願商標を構成する「計測」,「検査」及び「センサ」の語はいずれも辞書等に載録されており,また,日常的に使用されることの多い,慣れ親しまれた語であるといえる。
また,上記(2)のとおり,展示会の開催において,「多くの人にひろげて見せる」等を意味する「展」の文字に展示内容(展示される製品や技術等)を冠し,「○○展」と称して,展示会の展示内容を端的に表したものが,業界において一般に使用されている実情が見られる。
そして,上記(3)のとおり,製品や技術等が属する分野(産業・ジャンル・カテゴリー等)を展示内容として捉え,同様に「○○展」として表す場合もある。また,実際に「計測」,「検査」及び「センサ」の分野に係る製品や技術等を主たる展示内容とし,これら又は同等の文字を用いた展示会が存在することは,原審で示した証拠(別掲2)や上記(3)でも見られるとおりである。
加えて,上記(2)及び(3)の事例には,関連ある複数の語を結合して配列し,又は「・(中点)」で区切って配列して,「○○展」と称するものも存在する。
以上を総合して考慮すれば,本願商標は,「計測」,「検査」及び「センサ」の分野の製品や技術等を主たる展示内容とし,当該展示内容を冠した展示会であると認識させるから,全体として,「計測・検査・センサの分野の展示会」ほどの意味合いを認識させるというべきである。
そうすると,本願商標を,その指定役務中,第35類「商品見本市・商品博覧会・商品展示会の企画及び運営,販売促進のためのイベント及びマーケティングイベントの手配及び運営,商業又は広告のための商品見本市の企画・運営,商業又は広告のための展示会の企画・運営」及び第41類「展示会・展覧会・セミナー・会議・ビジネス会議及び協議会の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供及び助言」について使用をしても,これに接する取引者,需要者は,「計測・検査・センサの分野の展示会」を表したもの,すなわち役務の質(内容)を表したものと認識するにとどまるというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は,展示会の分野においては,本願商標を構成する各文字はあくまで造語要素であり,これらを組み合わせて成る「計測・検査・センサ展」は新規かつ特徴ある造語と認識されるものである,また,展示対象物に関係する文字を冠した「○○展」の文字が,展示会の「商標」として採択・使用され,現実に,自他役務識別標識として機能している事実がある旨主張する。
しかしながら,上記1のとおり,展示内容を冠した「○○展」の文字が,展示会を実施する業界において,展示会における展示内容を表す手法として使用されていることからすれば,本願商標「計測・検査・センサ展」についても,提供する役務の内容を表したものと理解させるものである。また,請求人が主張するように,「○○展」が展示会の名称として実際に使用されている実情があるとしても,展示会の開催において集客や出展者募集等のために主たる展示内容(テーマ)を端的に表すことは,同業界において必要不可欠といえるものである。
そうすると,本願商標「計測・検査・センサ展」は,主たる展示内容を端的に表したにすぎないものであって,将来を含め,役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示といえるから,特定人による独占使用を認めることは公益上適当でないと共に,自他役務の識別力を欠くものというべきである。したがって,請求人が主張するように,これを新規の造語と認識することはないというべきである。
なお,上記1(2)で示す事例において,例えば「TECHNO-FRONTIER 2022」と「第40回 モータ技術展」,「第37回 電源システム展」等(1(2)ア),「SUBSEA/TECH JAPAN/第4回海洋産業技術展 2022」(同イ),「INTERMOLD 2022(第32回金型加工技術展)/金型展2022 大阪」(同ウ)などのように,ウェブサイト(イベント)の名称として「○○展」の文字より大きく表して,又は括弧書きの使用や二段書き等により,「○○展」とは異なる名称を別途使用している事例が見られることからすれば,「○○展」の文字以外の文字を使用することにより,差別化を図っている様子がうかがえる。
(2)請求人は,「計測」及び「検査」は「行為(計測する,検査する)」であり,「センサ」は「物(検知器)」であるから,これらの3語は同列の関係にある言葉ではなく,これを展示内容として理解しようと表現すれば「計測し,検査し,検知器(の展覧)」となり,その意味は極めて不明確であるため,「計測・検査・センサ」の文字は,展示の内容を示す自然な表現とはならない旨主張する。
しかしながら,展示会の実施において,製品に加え技術やサービス等も含め,当該製品等の属する分野(産業・ジャンル・カテゴリー等)を展示内容として表す場合があることは上記1のとおりであって,内容として表されたものが,製品単位であるか,より包括的な概念であるかの差異にすぎず,いずれにしても展示内容を表したものと認識することに変わりはないというべきである。また,上記1(1)のとおり,「計測」,「検査」及び「センサ(ー)」は,例えば「センサー」が「検出(検査して見つけ出すこと(広辞苑第七版))」するものであるなど,製品又は製品の属する分野として共通性があることからしても,上記認識を覆すほど特異な配列であるとはいい難い。
(3)請求人は,本願商標からは,例えば,「商品としての計測器・検査機・センサそのものの展示」,「計測・検査・センサを利用した展示」,「計測と検査をされたセンサを展示等すること」,「計測され検査されセンサを経た物の展示」,「計測・検査・センサの技術の展示」などの複数の意味が看取できるものである旨主張する。
しかしながら,上記1及び上記2(2)のとおり,展示内容を冠した「○○展」の文字の使用状況,展示内容が製品のみならず技術やサービス等を含めた概念で表されることもあるといった状況等に照らせば,本願商標の「計測・検査・センサ」の文字部分は,3つの展示内容を羅列的に並べて表したと単純に捉えられるものであり,請求人主張のような意味合いが自然に生じることはないというべきである。なお,請求人が主張するように,例えば「計測・検査・センサの技術の展示」の意味合いが生じるとしても,展示会の内容を表したものであることに変わりはない。
(4)請求人は,過去の登録例や審決例を挙げて,本願商標も登録すべき旨主張する。
しかしながら,出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断は,査定(審決)の時点において,事案に即して個別具体的に判断されるべきものであり,過去に登録された事例に拘束されるべきでない。そして,本願商標は,その構成する文字の意味,前後の文字との関係や使用方法,使用例などを考慮すれば,上記1のとおり役務の質(内容)を認識させるものである。
(5)したがって,請求人の主張は,いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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2021-006568