2021-006195
インモジュール機能を遂行するメモリモジュール
- 審判番号
- 2021-006195
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-033466外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年05月14日
- 審決日
- 2022年01月04日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】三星電子株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人共生国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 18項目
第1 手続の経緯
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本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,平成29年2月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年3月3日,2016年3月3日,2016年3月3日,2016年3月3日,2016年6月8日,2016年7月18日,いずれもアメリカ合衆国)の出願であって,令和2年1月23日に手続補正書が提出され,同年7月17日付けで拒絶理由が通知され,同年10月28日に手続補正がされ,令和3年1月13日付けで拒絶査定がされたが,これに対し,同年5月14日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和3年1月13日付け拒絶査定)の概要は,次のとおりである。
請求項1-17に係る発明は,以下の引用文献1-4に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.国際公開第2014/143056号
2.特開2014-157391号公報
3.特開2012-89137号公報
4.特開2008-171163号公報
第3 本願発明
本願請求項1-17に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」~「本願発明17」という。)は,令和3年5月14日にされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-17に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1,本願発明7,本願発明11,及び,本願発明17は,それぞれ以下のとおりの発明である。なお,符号「1A」~「1G」,「7A」~「7F」,「11A」~「11H」,「17A」~「17G」は,当審において付与したものであり,それぞれの構成を,「構成1A」などという。
「【請求項1】1A メモリアレイと,1B 前記メモリアレイをホスト装置にインターフェイス(interface)するために前記メモリアレイに連結されたインターフェイスと,1C 前記メモリアレイ及び前記インターフェイスに連結されたコントローラと,を備え,1D 前記インターフェイスは,前記メモリアレイのフィードバック状態情報を前記ホスト装置にインターフェイスするために標準のDIMM(DualIn-LineMemoryModule)ピンアウト(pinout)構成から用途変更された複数のコネクション(connection)を含み,1E 前記コントローラは,前記メモリアレイのエラー訂正動作を制御し,そして前記インターフェイスを通じて前記ホスト装置からコマンド(command)を受信し,前記受信されたコマンドに応答して,前記エラー訂正動作の結果に関連するフィードバック状態情報を前記インターフェイスの前記用途変更された複数のコネクションを通じて前記ホスト装置に提供し,前記エラー訂正動作の結果が失敗である場合に措置を遂行するように前記ホスト装置に指示するフィードバック状態情報を前記インターフェイスの前記用途変更された複数のコネクションを通じて前記ホスト装置に提供するように前記インターフェイスを制御し,1F 前記フィードバック状態情報は,前記ホスト装置に無効アクセスを通知して前記メモリアレイと前記ホスト装置との間の動作を調整するために使用され,無効理由のカテゴリー,アドレス,及びヒントに関連した情報を含むことを特徴とする1G メモリモジュール。」
「【請求項7】7A DRAM(DynamicRandomAccessMemroy)及び複数のNVRAM(Non-VolatileRandomAccessMemory)を含むメモリセルのアレイを含み,DIMM(DualIn-LineMemoryModule)で構成されたメモリアレイと,7B 前記メモリアレイに連結されたコントローラと,を備え,7C 前記DIMMは,前記メモリアレイの動作状態をホスト装置にインターフェイスするように標準のDIMMピンアウト構成で用途変更された複数のコネクション(connection)を含み,7D 前記コントローラは,前記メモリアレイのウェアレベリング(wear-leveling)動作を制御し,ウェアレベリング動作が遂行中であることを示すフィードバック状態情報,及び前記ウェアレベリング動作中に別の動作をスケジュールするよう前記ホスト装置に指示するフィードバック状態情報を,標準のDIMMピンアウト構成で用途変更された複数のコネクションを含むインターフェイスのうちの前記用途変更された複数のコネクションを通じて前記ホスト装置に提供し,7E 前記フィードバック状態情報は,前記ホスト装置に無効アクセスを通知して前記メモリアレイと前記ホスト装置との間の動作を調整するために使用され,無効理由のカテゴリー,アドレス,及びヒントに関連した情報を含むことを特徴とする7F メモリモジュール。」
「【請求項11】11A メモリセルのアレイを含むメモリアレイと,11B インターフェイスと,11C 前記メモリアレイ及び前記インターフェイスに連結されたコントローラと,を備え,11D 前記メモリアレイは,前記メモリアレイの動作状態をホスト装置にインターフェイスするように標準のDIMMピンアウト構成で用途変更された複数のコネクションを含むDIMMで構成され,11E 前記インターフェイスは,前記メモリアレイを前記ホスト装置にインターフェイス(interface)するために前記DIMMの複数のコネクションを含んで前記メモリアレイに連結され,11F 前記コントローラは,前記メモリアレイのリフレッシュ動作,前記メモリアレイのエラー訂正動作,前記メモリアレイのスクラビング(scrubbing)動作,及び前記メモリアレイのウェアレベリング(wear-leveling)動作のうちの少なくとも1つを制御し,前記インターフェイスを通じて前記ホスト装置からコマンドを受信し,前記受信したコマンドに応答して,前記コントローラによって制御される動作に関連するホスト装置にフィードバック状態情報を前記インターフェイスのうちの前記標準のDIMMピンアウト構成で用途変更された複数のコネクションを通じて提供し,11G 前記フィードバック状態情報は,前記ホスト装置に無効アクセスを通知して前記メモリアレイと前記ホスト装置との間の動作を調整するために使用され,無効理由のカテゴリー,アドレス,及びヒントに関連した情報を含むことを特徴とする11H メモリモジュール。」
「【請求項17】17A 複数の不揮発性メモリセルを含むメモリアレイと,17B 前記メモリアレイをホスト装置にインターフェイス(interface)するために前記メモリアレイに連結されたインターフェイスと,17C 前記メモリアレイ及び前記インターフェイスに連結されたコントローラと,を備え,17D 前記インターフェイスは,前記メモリアレイのフィードバック状態情報を前記ホスト装置にインターフェイスするために標準のDIMM(DualIn-LineMemoryModule)ピンアウト(pinout)構成から用途変更された複数のコネクション(connection)を含み,17E 前記コントローラは,前記メモリアレイのウェアレベリング(wear-leveling)動作を制御し,そして前記インターフェイスを通じて前記ホスト装置からコマンド(command)を受信し,前記受信されたコマンドに応答して,前記ウェアレベリング動作が遂行中であることを示すフィードバック状態情報,及び前記ウェアレベリング動作中に別の動作をスケジュールするように前記ホスト装置に指示するフィードバック状態情報を前記インターフェイスの前記用途変更された複数のコネクションを通じて前記ホスト装置に提供するように前記インターフェイスを制御し,17F 前記フィードバック状態情報は,前記ホスト装置に無効アクセスを通知して前記メモリアレイと前記ホスト装置との間の動作を調整するために使用され,無効理由のカテゴリー,アドレス,及びヒントに関連した情報を含むことを特徴とする17G メモリモジュール。」
また,本願発明2-6は,本願発明1を減縮した発明であり,本願発明8-10は,本願発明7を減縮した発明であり,本願発明12-16は,本願発明11を減縮した発明である。
第4 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(国際公開第2014/143056号)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は,節タイトル部に元々付与されているものを除き,当審が付与した。「・・・」は,省略した部分があることを示す。以下,同じ。)。
ア「[0032] FIG. 1 illustrates an embodiment of a computing system 2 including one or more processors 4, a host memory controller 6 and multiple memory modules 8a, 8b, which are typically mounted on a motherboard. The processors 4 may comprise a central processing unit, multi-core processor. The host memory controller 6, in response to memory access requests from the processors 4, communicates with multiple memory modules 8a, 8b over a bus 10, also referred to as a channel, bus interface, etc., where both memory modules 8a, 8b are separately and independently connected to the same bus 10. The host memory controller 6 may include a request counter 7 that is incremented when receiving a request signal for a grant to use when later issuing grants based on the number of requests indicated in the request counter 7, a write credit counter 9 indicating a number or credits permitting write requests to be sent to one of the memory modules 8a, 8b, and a scramble seed value 11 used to descramble read requested data from one of the memory modules 8a, 8b.
[0033] In the embodiment of FIG. 1, the memory modules 8a, 8b are mounted in slots or memory sockets on the system 2 motherboard. The memory modules 8a, 8b may comprise the same or different types of memory modules that have a pin arrangement compatible with the pin arrangement in the memory slots on the motherboard. Further, the memory modules may support the same or different memory protocols, such as Double Data Rate Fourth Generation (DDR4) protocol and additional protocols. Although only two memory modules 8a, 8b are shown, there may be multiple memory modules
[0034] Each of the memory modules 8a, 8b include memory chips 12a, 14a, 16a, 18a and 12b, 14b, 16b, 18b, respectively, on one or both sides of the memory module, to store the data. The memory chips, e.g., DRAM chips, located on one or both sides of the memory module 8a, 8b package, comprise the storage elements that store data being used by the processor 4.
[0035] Each memory module 8a, 8b may include a memory module controller 20a, 20b to coordinate memory management and access operations with the host memory controller 6. The host memory controller 6 includes logic to manage read and write operations and memory management operations with respect to the memory modules 8a, 8b connected to the bus 10, and interface the processor 4 to the memory modules 8a, 8b. The host memory controller 6 may be integrated with the processor 4 or implemented in logic separate from the processor 4 on the system 2 motherboard.
[0036] The system 2 motherboard may include a memory socket compatible with different types of memory chips, to allow different types of memory modules 8a, 8b supporting different types of memory devices supporting different memory protocols as long as the different types of memory modules 8a, 8b are compatible with the pin architecture in the memory sockets.
[0037] In one embodiment, the memory modules 8a, 8b may comprise a same or different type of Dynamic Random Access Memories (DRAMs). In one embodiment, the memory modules 8a, 8b may comprise Dual In-Line Memory Modules (DIMMs), such as unbufferred DIMMs (UDIMM), Load Reduced Dual-inline Memory Module (LRDIMM), a Small Outline Dual In-line Memory Module (SODIMM), etc. The memory modules 8a, 8b may implement various forms of memory, including, but not limited to, NAND (flash) memory, ferroelectric random-access memory (FeTRAM), nanowire-based non-volatile memory, three-dimensional (3D) crosspoint memory such as phase change memory (PCM), memory that incorporates memristor technology, Magnetoresistive random-access memory (MRAM), Spin Transfer Torque (STT)-MRAM, etc.」
(当審訳:※特表2016-514320号公報を参考にした。以下同じ。)
「[0032] FIG.1は,通常マザーボードに搭載される,1または複数のプロセッサ4,ホストメモリコントローラ6および複数のメモリモジュール8a,8bを含む,コンピューティングシステム2に係る一実施形態を示す。複数のプロセッサ4は,中央処理装置,マルチコアプロセッサを備えてよい。ホストメモリコントローラ6は,複数のプロセッサ4からの複数のメモリアクセスリクエストに応答して,チャネル,バスインターフェース等とも言われるバス10を介して,複数のメモリモジュール8a,8bと通信する。ここでは,メモリモジュール8a,8bの両方は,別個かつ独立的に,同一のバス10に接続されている。ホストメモリコントローラ6は,リクエストカウンタ7,ライトクレジットカウンタ9,およびスクランブルシード値11を含んでよい。リクエストカウンタ7は,リクエストカウンタ7で示されるリクエスト数に基づいて,後に複数のグラントを発行する際に使用する,グラントのためのリクエスト信号を受信するとき,インクリメントされる。ライトクレジットカウンタ9は,メモリモジュール8a,8bの1つに,複数のライトリクエストが送信されることを許可する,多数または複数のクレジットを示す。スクランブルシード値11は,メモリモジュール8a,8bの1つからのリードリクエストされたデータをデスクランブルするのに使用される。[0033] FIG.1の実施形態において,メモリモジュール8a,8bは,システム2のマザーボード上の複数のスロットまたはメモリソケットに搭載される。メモリモジュール8a,8bは,マザーボード上の複数のメモリスロット内のピン配置と互換性のあるピン配置を有する,同一または異なるタイプの複数のメモリモジュールを備えてよい。さらに,複数のメモリモジュールは,Double Data Rate Fourth Generation(DDR4)プロトコルおよび追加の複数のプロトコル等の,同一または異なる複数のメモリプロトコルをサポートしてよい。2つのメモリモジュール8a,8bのみが示されているが,複数のメモリモジュールが存在してよい。[0034] メモリモジュール8a,8bの各々は,データを格納するためのメモリチップ12a,14a,16a,18aおよび12b,14b,16b,18bをそれぞれ,メモリモジュールの一方または両方の側に含む。メモリモジュール8a,8bパッケージの一方または両方の側に配置される,複数のDRAMチップ等の複数のメモリチップは,プロセッサ4によって使用されているデータを格納する複数のストレージ要素を備える。[0035] 各メモリモジュール8a,8bは,ホストメモリコントローラ6とのメモリ管理および複数のアクセス動作を調整するためのメモリモジュールコントローラ20a,20bを含んでよい。ホストメモリコントローラ6は,バス10に接続されたメモリモジュール8a,8bに対する,複数のリードおよびライト動作並びに複数のメモリ管理動作を管理するため,およびプロセッサ4をメモリモジュール8a,8bに対しやり取りさせるためのロジックを含む。ホストメモリコントローラ6は,プロセッサ4と統合されてよく,あるいはシステム2のマザーボード上のプロセッサ4とは分離したロジックに実装されてよい。[0036] 異なるタイプのメモリモジュール8a,8bが複数のメモリソケット内のピンアーキテクチャと互換性がある限り,システム2のマザーボードは,異なる複数のタイプのメモリチップと互換性のあるメモリソケットを含んでよく,異なる複数のタイプのメモリプロトコルをサポートする異なる複数のタイプのメモリデバイスをサポートする異なるタイプのメモリモジュール8a,8bを許容する。[0037] 一実施形態において,メモリモジュール8a,8bは,同一または異なるタイプのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAMs)を備えてよい。一実施形態において,メモリモジュール8a,8bは,アンバッファードDIMMs(UDIMM),Load Reduced Dual-inline Memory Module(LRDIMM),Small Outline Dual In-line Memory Module(SODIMM)等のDual In-Line Memory Modules(DIMMs)を含んでよい。メモリモジュール8a,8bは,様々な形態のメモリを実装してよく,限定はされないがそれらには,NAND(flash)メモリ,強誘電体ランダムアクセスメモリ(FeTRAM),ナノワイヤーベースの不揮発性メモリ,相変化メモリ(PCM)のような3次元(3D)クロスポイントメモリ,メモリスタ技術組込みメモリ,磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM),Spin Transfer Torque(STT)-MRAM等を含む。」
イ「[0043] FIG. 3 illustrates an arrangement of the pins on the memory module 8a, 8b, with the host memory controller 6, bus 10 lines and the memory modules 8a, 8b, where such pin designations are described below or known in the art.
Encoding Functions in a Request Signal
[0044] In certain embodiments, the memory module controller 20 may send a request signal, e.g., REQ# 50, to the host memory controller 6 to indicate that there is data in the read buffer 24 for the host memory controller 6 to return as part of a read command. The request signal may comprise the REQ# clock enable (CKE) signal 50 shown in the pin-out diagram of FIG. 3. The memory module controller 18 may transmit the request signal at a minimum pulse width to guarantee detection by the host memory controller 6, which in certain implementations may comprise two clock cycles. The memory module controller 20 may further encode an additional function in the request signal for the host memory controller 6 to perform. By encoding additional functions in the request signal, multiple functions may be indicated in one signal in order to maximize the number of operations and information communicated in a single signal.」
(当審訳)
「[0043] FIG.3は,ホストメモリコントローラ6,複数のバス10のラインおよびメモリモジュール8a,8bを有するメモリモジュール8a,8b上の複数のピンの配置を示す。このような複数のピン指定については,以下に記載されるか,または当技術分野において既知である。リクエスト信号内のファンクションのエンコーディング[0044] 特定の複数の実施形態において,リードコマンドの一部としてホストメモリコントローラ6に戻すべきデータがリードバッファ24内にあることを示すべく,メモリモジュールコントローラ20は,REQ#50等のリクエスト信号をホストメモリコントローラ6に送信してよい。リクエスト信号は,FIG.3のピンアウトダイアグラムに示される,REQ#クロックイネーブル(CKE)信号50を備えてよい。メモリモジュールコントローラ20は,ホストメモリコントローラ6による検出を保証すべく,最小パルス幅でリクエスト信号を送信してよく,これは,複数の特定の実装において,2クロックサイクルを備えてよい。メモリモジュールコントローラ20はさらに,ホストメモリコントローラ6が実行する追加のファンクションをリクエスト信号内にエンコードしてよい。単一の信号内における動作数および通信される情報を最大化すべく,複数の追加のファンクションをリクエスト信号内にエンコーディングすることによって,複数のファンクションが1つの信号内で示され得る。」
(当審注:原文中の“The memory module controller 18”は,“The memory module controller 20”の誤記と解した。)
ウ「Performing Error Handling Operations Using Error Signals
[0095] Described embodiments provide techniques for a simplified error flow at the memory module 8 to coordinate error handling with the host memory controller 6. In described embodiments, the memory module controller 20 may signal an error on the error pin 68 ERR0# shown in the pin-out design of FIG. 2. The memory module controller 20 may assert an error (ERR) low signal on the error pin 68 to signal commencement of error handling operations and assert an error (ERR) high signal on the error pin 68 to signal that the error mode has ended and the bus 10 is returned to an initial state ready for operation. In this way communication to coordinate error handling between the memory module controller 20 and the host memory controller 6 on the bus 10 comprises a limited number of signals to avoid consuming bandwidth with more extensive error handling coordination.」
(当審訳)
「エラー信号を使用したエラー処理動作[0095] 複数の記載された実施形態は,ホストメモリコントローラ6とのエラー処理を調整する,メモリモジュール8における簡易なエラーフローのための複数の技術を提供する。複数の記載された実施形態において,メモリモジュールコントローラ20は,FIG.3のピンアウト設計に示されるエラーピン68ERR0#上にエラーを送信してよい。メモリモジュールコントローラ20は,複数のエラー処理動作の開始を送信すべく,エラーピン68上にエラー(ERR)ロー信号をアサートしてよく,またメモリモジュールコントローラ20は,エラーモードが終了したこと,およびバス10が動作の準備が整った初期状態に戻されたことを送信すべく,エラーピン68上にエラー(ERR)ハイ信号をアサートしてよい。このように,バス10上でのメモリモジュールコントローラ20とホストメモリコントローラ6との間のエラー処理を調整するための通信は,より広範なエラー処理調整で,帯域幅を消費することを回避すべく,制限された数の信号を備える。」
(当審注:原文中のFIG.2は,FIG.3の誤記と解した。)
エ「FIG.1
[図:0001381570000001.jpg]
」
オ「FIG.3.
[図:0001381570000002.jpg]
」
(2)引用発明の認定
上記ア~オによれば,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお,符号「a」~「e」は,当審において付与したものであり,それぞれの構成を,「構成a」などという。
<引用発明>
「a メモリチップ12b,14b,16b,18bと,b DIMMを構成するメモリモジュール8bとホストメモリコントローラ6とが通信するバス10に接続される複数のピン配置と,c ホストメモリコントローラ6とのメモリ管理および複数のアクセス動作を調整するためのメモリモジュールコントローラ20bとを備え,d メモリモジュールコントローラ20bは,ホストメモリコントローラ6に戻すべきデータがリードバッファ24内にあることを示すリクエスト信号REQ#を,複数のピン配置のうち,クロックイネーブル信号50(CKE1)を用いてホストメモリコントローラ6に送信し,また,メモリモジュールコントローラ20bは,ホストメモリコントローラ6に対し,エラーピン68(ODT1)上にエラーを送信する,e メモリモジュール8b。」
2 引用文献2-4について
(1)引用文献2に記載された技術事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2014-157391号公報)には,以下のとおりの記載がある。
ア「【0184】 [情報処理システムの構成]
図29は,本技術の第7の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。この情報処理システムは,第1乃至6の実施の形態と同様に,ホストコンピュータ100と,メモリコントローラ200と,メモリ300とから構成される。メモリコントローラ200およびメモリ300はストレージシステムを構成する。但し,エラー情報管理テーブル121がホストコンピュータ100において管理され,メモリコントローラ200がエラー情報保持部250を備える点が異なる。」
イ「【0186】 エラー情報保持部250は,エラー検出訂正部230において検出されたエラー数とそのエラーを発生した論理アドレスを一時的に保持するものである。エラー情報保持部250が保持するデータサイズは,ホストコンピュータ100が,1回のリードコマンドで読み出す最大のデータサイズに応じたサイズとなる。例えば,1論理アドレスで示される領域のサイズが512バイトであるとき,ホストコンピュータ100が1回のリードコマンドで最大128KBのデータを読み出す場合,256個のエラー数を保持することが可能である。
【0187】 [リードコマンド処理の動作]
図30は,本技術の第7の実施の形態におけるリードコマンド処理の処理手順例を示す流れ図である。
【0188】 この第7の実施の形態におけるリードコマンド処理は,図6により説明した第1の実施の形態とほぼ同様であるが,エラー情報管理テーブル221の更新処理(ステップS920)に代えて,エラー情報保持部250にエラー情報を保持する点において異なる。すなわち,ステップS835で検出されたエラー数と,ステップS832で決定した論理アドレスとが,エラー情報保持部250に保持される(ステップS839)。
【0189】 処理終了時にプロセッサ240は,エラー情報保持部250で保持しているエラーを検出した論理アドレスとそのエラー数およびリードコマンドが正常終了したことをホストコンピュータ100に通知し,リードコマンド処理を終了させる(ステップS843)。一方,訂正可能なエラー数を越えた場合には(ステップS837:No),リードコマンドがエラー終了したことをホストコンピュータ100に通知し,リードコマンド処理を終了させる(ステップS844)。その際,エラー情報保持部250で保持しているエラーが検出された論理アドレスとそのエラー数,および,ステップS837で訂正不可能と判定された論理アドレスと訂正可能なエラー数を超えた旨がホストコンピュータ100に通知される。」
ウ「【図29】
[図:0001381570000003.jpg]
」
エ「【図30】
[図:0001381570000004.jpg]
」
上記ア~エによれば,引用文献2には,以下の技術事項が記載されていると認められる。
「ストレージシステムのメモリコントローラが,エラー検出訂正部を備え,エラーを検出した論理アドレスとそのエラー数およびリードコマンドが正常終了したことをホストコンピュータに通知し,訂正可能なエラー数を超えた場合には,リードコマンドがエラー終了したことをホストコンピュータに通知すること。」
(2)引用文献3に記載された技術事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2012-89137号公報)には,以下のとおりの記載がある。
ア「【0023】 図1に図示されているように,本発明の一実施形態によるメモリモジュール1000は,一つ以上の半導体装置1100,1200_1ないし1200_nを具備する。・・・
【0024】 メモリモジュール1000のモジュールボード(module board)上には,一つ以上の半導体装置1100,1200_1ないし1200_nが装着され,例えば,半導体装置1100,1200_1ないし1200_nは,メモリ管理チップ(management chip)1100と,メモリセル・アレイを含む一つ以上のメモリチップ1200_1ないし1200_nとを含む。前記メモリ管理チップ1100は,動的メモリ管理部,動的メモリ管理回路,またはDRAM管理部とも言える。本発明について説明するにあたり,メモリセル・アレイは,DRAMセルを含み,メモリチップ1200_1ないし1200_nは,DRAMチップであると仮定する。・・・
【0028】 図2は,図1のメモリ管理チップの一具現例を示すブロック図である。図1及び図2を参照すれば,メモリ管理チップ1100は,制御ユニット1110,リフレッシュ・スケジューラ1120,動作パラメータ保存回路1130(MDOP(memory device operational parameter) storage circuit)及び温度センサ1140を具備する。リフレッシュ・スケジューラ1120は,特定周期(または周波数)に基いて,特定ページのリフレッシュ動作を管理し,実際特定ページに対するリフレッシュ動作は,動作パラメータ保存回路1130に保存されたページに係わる動作パラメータの値に基いて遂行されうる。これによって,ページに係わる動作パラメータは,命令に応答するページそれぞれに対するリフレッシュ動作に影響を与えうる。」
イ「【0063】 図10A及び図10Bは,本発明の他の実施形態によるメモリモジュール及びメモリシステムを示すブロック図である。図10Aに図示されているように,本発明の一実施形態によるメモリモジュール4000Aないし4000Cそれぞれは,一つ以上の半導体装置4100を含む。・・・
【0064】 図10Aに図示されたメモリモジュール4000Aないし4000Cは,FBDIMM形態のモジュールであり,メモリモジュール4000Aないし4000Cそれぞれは,AMB(advanced memory buffer)4200を具備する。FBDIMM形態のメモリモジュールそれぞれは,メモリ・コントローラ3000と通信し,メモリ・コントローラ3000とモジュール内のAMB4200とが,ポイント・ツー・ポイント(point-to-point)方式で接続される。・・・
【0067】 図11は,図10AのAMB 4200の一具現例を示すブロック図である。・・・AMB 4200には,本発明の実施形態による多様なポリシーが適用され,メモリに対する統合的な管理を行うメモリ管理部4210がさらに備わる。
【0068】 図12は,図11のメモリ管理部4210の一具現例を示すブロック図である。・・・また,メモリ管理部4210は,外部から,またはAMBコア4220から,クロック信号CLK,コマンド/アドレスCMD,ADD及びデータDQなどを受信して,これを処理する制御ユニット4216,メモリの一定個数のアドレス情報を保存するLRU(least recently used)/FIFO(first-in first-out)部4213,メモリに保存されたデータのビットエラーいかんをモニタリングするために,メモリセルをリードするスクラバ(scrubber)4214,及びメモリの一部ページにエラー訂正が不可能なエラーが発生した場合,エラーページをリダンダントページで代替するためのアドレス交換制御部4215などをさらに具備する。・・・
【0071】 スクラバ4214は,メモリ(例えば,図10Aの半導体装置4100に備わるメモリセル・アレイ)で,シングルビットエラーが発生したか否かをモニタリングするために,メモリをリードするスクラビング動作を一定周期ごとに行う。メモリ管理部4210のスクラバ4214は,メモリセル・アレイそれぞれのページに対して,スクラビング動作を行い,スクラビングの結果,シングルビットエラーが発生した場合,その結果をメタデータ保存部4211のスクラビング・フィールド(scrubbing field)に保存する。・・・」
ウ「【図1】
[図:0001381570000005.jpg]
」
エ「【図2】
[図:0001381570000006.jpg]
」
オ「【図10A】
[図:0001381570000007.jpg]
」
カ「【図10B】
[図:0001381570000008.jpg]
」
キ「【図11】
[図:0001381570000009.jpg]
」
ク「【図12】
[図:0001381570000010.jpg]
」
上記ア,ウ,エによれば,引用文献3には,以下の技術事項が記載されていると認められる。
「メモリモジュールのメモリ管理チップに設けたリフレッシュスケジューラにより,リフレッシュを制御すること。」
また,上記イ,オ~クによれば,引用文献3には,以下の技術事項が記載されていると認められる。
「メモリモジュールのメモリ管理部に設けたスクラバにより,スクラビング動作を行うこと。」
(3)引用文献4に記載された技術事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2008-171163号公報)には,以下のとおりの記載がある。
ア「【0043】 図4は,フラッシュメモリモジュールP00の構成を示すブロック図である。フラッシュメモリモジュールP00は,フラッシュメモリコントローラMC,フラッシュメモリMEM及び電源(PS)408を備える。フラッシュメモリMEMはデータを記憶する。フラッシュメモリコントローラMCは,フラッシュメモリMEMに対してデータを読み書きあるいは消去する。・・・
【0044】 フラッシュメモリコントローラMCは,プロセッサ(μP)401,インターフェース部(DKCI/F)402,内部バス(BUS)403,メモリ(RAM)404,メモリ(ROM)407,電力制御部(PCTL)409,フラッシュメモリインターフェース部(FMI/F)410及びデータ転送部(DMA)411を備える。」
イ「【0056】 また,プロセッサ401は,フラッシュメモリモジュールP00内のブロック406に対して,後述するリクラメーション処理(ブロック再生処理)及び後述するウエアレベリング処理(消去回数平準化処理)を行う。」
ウ「【図4】
[図:0001381570000011.jpg]
」
上記ア~ウによれば,引用文献4には,以下の技術事項が記載されていると認められる。
「フラッシュメモリモジュールのフラッシュメモリコントローラが,ウエアレベリング処理を行うこと。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
ア 本願発明1の構成1A~1Cと引用発明の構成a~cについて
本願発明1の構成1A~1Cと引用発明の構成a~cとを対比すると,引用発明の構成aの「メモリチップ12b,14b,16b,18b」は,複数のメモリチップにより「メモリアレイ」を構成しているといえるから,引用発明の構成aは,本願発明1の構成1Aの「メモリアレイ」に相当する。また,引用発明の構成bの「ホストメモリコントローラ6」は,本願発明の構成1Bの「ホスト装置」に相当し,同構成bの「複数のピン配置」は,メモリチップとホストメモリコントローラとの通信インターフェイスとして機能しているから,本願発明1の構成1Bの「インターフェイス」に対応するといえる。そして,引用発明の構成cの「メモリモジュールコントローラ20b」は,「ホストメモリコントローラ6」からのアクセスを調整するために,「メモリチップ」及び「複数のピン配置」と連結されていることは明らかであるから,本願発明1の構成1Cの「コントローラ」に相当すると認められる。
したがって,引用発明の構成a~cと本願発明1の構成1A~1Cとの間に差異はない。
イ 本願発明1の構成1Dと引用発明の構成dについて
引用発明において,「複数のピン配置」のうち,メモリモジュールコントローラ20bが使用する,「クロックイネーブル信号(CKE1)50」及び「エラーピン68(ODT1)」は,いずれも,標準のDIMMのピン配列から用途が変更されたものであり,それぞれ,ホストメモリコントローラ6に対して,メモリの状態をフィードバックする情報を送信していると認められる。
そうすると,引用発明の構成dによれば,「複数のピン配置」には,メモリアレイのフィードバック状態情報をホスト装置にインターフェイスするために,標準のDIMMピンアウト構成から用途変更されたピンコネクションが含まれるといえるから,引用発明の構成dと本願発明1の構成1Dとの間に差異はない。
ウ 本願発明1の構成1E,1Fについて
引用発明には,本願発明1の構成1E及び1Fに対応する構成が備わっていない。
エ 本願発明1の構成1Gと引用発明の構成eについて
引用発明の構成eの「メモリモジュール8b」は,本願発明1の構成1Gの「メモリモジュール」に相当する。
オ 上記ア~エを総合すると,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。
(一致点)
「メモリアレイと,前記メモリアレイをホスト装置にインターフェイスするために前記メモリアレイに連結されたインターフェイスと,前記メモリアレイ及び前記インターフェイスに連結されたコントローラと,を備え,前記インターフェイスは,前記メモリアレイのフィードバック状態情報を前記ホスト装置にインターフェイスするために標準のDIMMピンアウト構成から用途変更された複数のコネクションを含む,メモリモジュール。」
(相違点1)
本願発明1の「コントローラ」は,「メモリアレイのエラー訂正動作を制御し,そしてインターフェイスを通じてホスト装置からコマンドを受信し,受信されたコマンドに応答して,エラー訂正動作の結果に関連するフィードバック状態情報をホスト装置に提供し,エラー訂正動作の結果が失敗である場合に措置を遂行するようにホスト装置に指示するフィードバック状態情報をホスト装置に提供するようにインターフェイスを制御する」ものであるのに対し,引用発明の「メモリモジュールコントローラ20」は,そのような制御を行わない点。
(相違点2)
本願発明において,「インターフェイスの用途変更された複数のコネクション」を通じてホスト装置に提供する「フィードバック状態情報」は,「ホスト装置に無効アクセスを通知してメモリアレイとホスト装置との間の動作を調整するために使用され,無効理由のカテゴリー,アドレス,及びヒントに関連した情報を含む」のに対し,引用発明において,メモリモジュールコントローラ20からホストメモリコントローラ6に送信される情報は,そのような情報を含まない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み,相違点2について検討するに,本願の拒絶理由において引用された引用文献2-4は,それぞれ,上記第4の2(1)乃至(3)のとおりの技術事項を開示するが,上記相違点2に係る本願発明1の構成については何ら開示するものではない。また,上記相違点2に係る本願発明1の構成が,当業者にとって周知の技術であると解すべき根拠はなく,当該構成が自明であるともいえない。そして,本願発明1は,相違点2に係る構成を備えることにより,「インモジュールRAS機能を使用してシステムの信頼性,性能,電力消耗,システムヘルス(system health)を向上させ,又は維持するために,メモリモジュールとCPU/MCとの間の調整を提供する」という作用効果を奏するものであるから,本願発明1の相違点2に係る構成は,当業者であっても,引用発明に基づいて容易に想到し得るものではない。
(3)まとめ
したがって,本願発明1は,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて,容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2-6について
請求項1を引用する本願発明2-6も,引用発明との相違点2に係る,本願発明1の構成1Fを備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-4に記載の技術事項に基づいて,容易に発明できたものであるとはいえない。
3 本願発明7-10について
本願発明7-10は,引用発明との相違点2に係る,本願発明1の構成1Fに相当する構成7Eを備えるものであるから,本願発明1と同様の理由により,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
4 本願発明11-16について
本願発明11-16は,引用発明との相違点2に係る,本願発明1の構成1Fに相当する構成11Gを備えるものであるから,本願発明1と同様の理由により,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
5 本願発明17について
本願発明17は,引用発明との相違点2に係る,本願発明1の構成1Fに相当する構成17Fを備えるものであるから,本願発明1と同様の理由により,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
第6 原査定について
原査定は,請求項1-17に係る発明について,引用文献1-4に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないというものであるが,上記のとおり,本願発明1-17は,拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて,当業者が容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-006195