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特許拒絶査定不服審判

2021-003939

サービスエクスポージャ機能を介して非IPデータのポリシングを実施するための方法

審判番号
2021-003939
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-515333外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月26日
審決日
2022年01月19日
公報発行日
2022年02月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04W)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-515333「サービスエクスポージャ機能を介して非IPデータのポリシングを実施するための方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年8月24日国際公開、WO2017/141750、平成31年 4月25日国内公表、特表2019-511849、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 15項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、2017年(平成29年)2月6日(パリ条約による優先権主張2016年2月17日、欧州特許庁(EP))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年12月19日 手続補正書の提出

令和 2年11月17日付け 拒絶理由通知書

令和 2年12月 3日 意見書及び手続補正書の提出

令和 3年 2月 5日付け 拒絶査定

令和 3年 3月26日 審判請求書及び手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和3年2月5日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.本願の請求項1ないし10に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

1.Intel, Cisco Systems Inc, AT&T, LG Electronics, Samsung, Introduction of non-IP data delivery via the SCEF for cellular IoT [online], 3GPP TSG SA WG2 #113 S2-160832, 2016年1月29日アップロード, インターネット <URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_113_St_Kitts/Docs/S2-160832.zip>

第3 本願発明

本願の請求項1ないし10に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明10」という。)は、令和3年3月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
Exposure Function用の制御ノードにおいて、Cellular Internet of Things (CIoT)最適化機能を使用する、Non-Access Stratum(NAS) data Protocol Data Unit (PDU)のためのポリシーに基づいたレート制御方法であって、
前記Exposure Function用の制御ノードとコアネットワークノードとの接続が確立される際に、前記コアネットワークノードから、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む、前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージを受信し、
前記メッセージレート制御パラメータに基づいて、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を制限することを施行(enforce)する、
続きを表示(全29行)
レート制御方法。
【請求項2】
前記メッセージレート制御パラメータは、アップリンク用及びダウンリンク用で別々である、請求項1に記載のレート制御方法。
【請求項3】
前記NAS data PDUの前記単位時間当たりのメッセージ数を制限することは、少なくとも1つのパケットを破棄するか、又は遅延させることによって実行される、請求項1又は2に記載のレート制御方法。
【請求項4】
Cellular Internet of Things (CIoT)最適化機能を使用するNon-Access Stratum (NAS) data Protocol Data Unit (PDU)のためのポリシーに基づくExposure Function用の制御ノードであって、
前記Exposure Function用の制御ノードとコアネットワークノードとの接続が確立される際に、前記コアネットワークノードから、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む、前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージを受信する受信手段と、
前記メッセージレート制御パラメータに基づいて、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を制限することを施行(enforce)する制限手段を備える、制御ノード。
【請求項5】
前記メッセージレート制御パラメータは、アップリンク用及びダウンリンク用で別々である、請求項4に記載の制御ノード。
【請求項6】
前記制限手段は、少なくとも1つのパケットを破棄するか、又は遅延させることによって、前記NAS data PDUの前記単位時間当たりのメッセージ数を制限する、請求項4又は5に記載の制御ノード。
【請求項7】
コアネットワークノードにおいて、Cellular Internet of Things (CIoT)最適化機能を使用するNon-Access Stratum (NAS) data Protocol Data Unit (PDU)のためのポリシーに基づくレート制御方法であって、
Exposure Function用の制御ノードと前記コアネットワークノードとの接続が確立される際に、前記Exposure Function用の制御ノードに、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む、前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージを送信することを含み、
前記メッセージレート制御パラメータは、前記Exposure Function用の制御ノードが前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を制限することを施行(enforce)するかどうか決定するのに使われる、レート制御方法。
【請求項8】
Cellular Internet of Things (CIoT)最適化機能を使用するNon-Access Stratum (NAS) data Protocol Data Unit (PDU)のレート制御のためのポリシーに基づくコアネットワークノードであって、
Exposure Function用の制御ノードと前記コアネットワークノードとの接続が確立される際に、前記Exposure Function用の制御ノードに、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む、前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージを送信する送信手段を備え、
前記メッセージレート制御パラメータは、前記Exposure Function用の制御ノードが前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を制限することを施行(enforce)するかどうか決定するのに使われる、コアネットワークノード。
【請求項9】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の制御ノードと、請求項8に記載のコアネットワークノードとを備えるシステム。
【請求項10】
通信装置に請求項1乃至3、及び7のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラム。」

第4 引用文献及び引用発明

1 引用文献1について

原査定の拒絶の理由で引用され、本願優先日前に公開された引用文献1(Intel, Cisco Systems Inc, AT&T, LG Electronics, Samsung, Introduction of non-IP data delivery via the SCEF for cellular IoT [online](当審仮訳:セルラーIoTのためのSCEFによる非IPデータ配信の導入), 3GPP TSG SA WG2 #113 S2-160832, 2016年1月29日アップロード, インターネット <URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_113_St_Kitts/Docs/S2-160832.zip>)には、図面とともに以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)

(1)「The support of transmission of non-IP data via SCEF provided by CIoT optimized EPS supporting Control Plane CIoT Optimization is also defined in this document.」(第2頁第7行目及び第8行目)

(当審仮訳:本文書では、制御プレーンCIoT最適化をサポートするCIoT最適化されたEPSが提供するSCEFによる非IPデータの送信のサポートについても定義している。)

(2)「3.2 Abbreviations」(当審仮訳:3.2 略語)(第3頁第2行目)、「CIoT Cellular Internet of Things」(第3頁第10行目)、「SCEF Service Capability Exposure Function」(第3頁第20行目)

(3)「5.x.1.2 T6a Connection Establishment Procedure
[図:0001381536000001.jpg]
Figure 5.x.1.2-1: T6a Connection Establishment Procedure
・・・(中略)・・・
2. If the subscription information corresponding to either the default APN for PDN type of "Non-IP" or the UE requested APN includes "Invoke SCEF Selection" indicator, then MME shall, instead of step 12-16 of the E-UTRAN Initial Attach procedure (see TS 23.401 [7]) clause 5.3.2.1) or instead of step 2-6 of the UE requested PDN connectivity procedure (see TS 23.401[7] clause 5.10.2), create a PDN connection to the SCEF and allocate an EPS Bearer Identity (EBI) (see TS 23.401 [7]) to that PDN connection. The MME does so by sending Create SCEF Connection Request (User Identity, EPS Bearer Identity) message to the SCEF.」(第9頁第9行目ないし第18行目)

(当審仮訳:5.x.1.2 T6a 接続確立手順

(図の仮訳は省略)

図5.x.1.2-1: T6a 接続確立手順

・・・(中略)・・・

2. PDNタイプが「Non-IP」のデフォルトAPNまたはUE要求APNのいずれかに対応するサブスクリプション情報に「Invoke SCEF Selection」インジケータが含まれている場合、MMEは、E-UTRAN初期アタッチ手順(TS 23.401[7] 5.3.2.1節参照)のステップ12~16の代わりに、またはUE要求PDN接続手順(TS 23.401[7] 5.10.2節参照)のステップ2~6の代わりに、SCEFへのPDN接続を生成し、そのPDN接続にEPSベアラアイデンティティ(EBI)(TS 23.401[7]参照)を割り当てる。MMEは、生成SCEF接続要求(ユーザーアイデンティティ、EPSベアラアイデンティティ)メッセージをSCEFに送信することでこれを行う。)

(4)「5.x.3 Mobile Terminated NIDD procedure
Figure 5.x.3-1 illustrates the procedure using which the SCS/AS sends non-IP data to a given user as identified via External Identifier or MSISDN. This procedure assumes that procedures in clause 5.x.1 and 5.x.2 are completed.
[図:0001381536000002.jpg]
Figure 5.x.3-1: Mobile Terminated NIDD procedure
・・・(中略)・・・
2. If a valid SCEF EPS bearer context corresponding to External Identifier or MSISDN included in step 1 is found, then the SCEF checks whether the SCS/AS is authorised to send NIDD requests and that the SCS has not exceeded its quota (eg 200 bytes in 24hrs) or rate (eg 10 bytes / hour) of Small Data submission.」(第11頁第13行目ないし第12頁第3行目)

(当審仮訳:5.x.3 モバイルターミネイテッドNIDD手順

図 5.x.3-1 は、SCS/AS が外部識別子または MSISDN によって識別される所定のユーザに非 IP データを送信するための手順を示す。この手順では、5.x.1節および5.x.2節の手順が完了していることを前提としている。

(図の仮訳は省略)

図5.x.3-1: モバイルターミネイテッドNIDD手順

・・・(中略)・・・

2. 手順1に含まれる外部識別子またはMSISDNに対応する有効なSCEF EPSベアラコンテキストが見つかった場合、SCEFは、SCS/ASがNIDD要求を送信する権限を有しているかどうか、およびSCSが小データ送信のクォータ(例:24時間で200バイト)またはレート(例:10バイト/時間)を超えていないかどうかを確認する。)

引用文献1の上記記載、及び無線通信システムの分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

ア 上記「(1)」の「CIoT最適化をサポートするCIoT最適化されたEPSが提供するSCEF」との記載、上記「(2)」の「CIoT Cellular Internet of Things」及び上記「(2)」の「SCEF Service Capability Exposure Function」との記載によれば、SCEFは、Service Capability Exposure Functionであり、Cellular Internet of Things(CIoT)最適化をサポートするEPSが提供するものといえる。

また、上記「(4)」の図 5.x.3-1から、「SCEF」が「2. Authorization and Load Control」(当審仮訳:2. 認可と負荷制御)を行うことを読み取ることができる。してみれば、SCEFは、負荷制御を行うものといえるから、引用文献1には、SCEFにおける負荷制御方法が記載されているといえる。

以上のことから、引用文献1には、Service Capability Exposure Functionであり、Cellular Internet of Things(CIoT)最適化をサポートするEPSが提供するSCEFにおける負荷制御方法が記載されている。

イ 上記「(3)」の「MMEは、・・・(中略)・・・SCEFへのPDN接続を生成し」及び「MMEは、生成SCEF接続要求(ユーザーアイデンティティ、EPSベアラアイデンティティ)メッセージをSCEFに送信することでこれを行う。」との記載によれば、SCEFとMMEとの接続が生成される際に、MMEは、生成SCEF接続要求メッセージをSCEFに送信するものであるから、SCEFは、MMEから生成SCEF接続要求メッセージを受信するものといえる。

ウ 上記「(4)」の図 5.x.3-1中の「2. Authorization and Load Control」(当審仮訳:2. 認可と負荷制御)との記載、及び上記「(4)」の「2. ・・・(中略)・・・SCEFは、・・・(中略)・・・SCSが小データ送信の・・・(中略)・・・レート(例:10バイト/時間)を超えていないかどうかを確認する。」との記載によれば、SCEFは、小データ送信のレートを超えていないかどうかを確認する負荷制御を行うものといえる。

したがって、上記「ア」ないし「ウ」を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「Service Capability Exposure Functionであり、Cellular Internet of Things(CIoT)最適化をサポートするEPSが提供するSCEFにおける負荷制御方法であって、SCEFとMMEとの接続が生成される際に、MMEから生成SCEF接続要求メッセージを受信し、小データ送信のレートを超えていないかどうかを確認する負荷制御を行う、負荷制御方法。」

第5 対比及び判断

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明における「SCEF」は、「Exposure Function」であるとともに、Functionが制御ノードにより実現されることは無線通信システムの分野における技術常識であるから、上記「SCEF」は、本願発明1の「Exposure Function用の制御ノード」に含まれる。

また、引用発明では、「SCEF」は「Cellular Internet of Things(CIoT)最適化をサポートするEPSが提供する」ものであるから、「SCEF」は、「Cellular Internet of Things(CIoT)最適化」を使用することができるといえる。そうすると、引用発明における「SCEF」が「Cellular Internet of Things(CIoT)最適化」を使用することは、本願発明1の「Cellular Internet of Things (CIoT)最適化機能を使用する」ことに相当する。

イ 引用発明における「負荷制御方法」は、SCEFにおいて、小データ送信のレートを超えていないかどうかを確認するものであるから、本願発明1の「レート制御方法」に含まれる。

ウ 上記「ア」で述べたとおり、引用発明における「SCEF」は、本願発明1の「Exposure Function用の制御ノード」に含まれ、上記「ア」で述べたとおり、引用発明における「SCEF」が「Cellular Internet of Things(CIoT)最適化」を使用することは、本願発明1の「Cellular Internet of Things (CIoT)最適化機能を使用する」ことに相当し、上記「イ」で述べたとおり、引用発明における「負荷制御方法」は、本願発明1の「レート制御方法」に含まれるから、引用発明における「Service Capability Exposure Functionであり、Cellular Internet of Things(CIoT)最適化をサポートするEPSが提供するSCEFにおける負荷制御方法」は、本願発明1の「Exposure Function用の制御ノードにおいて、Cellular Internet of Things (CIoT)最適化機能を使用するレート制御方法」に含まれる。

エ 引用発明における「MME」は、コアネットワークのノードであることは無線通信システムの分野における技術常識であるから、本願発明1の「コアネットワークノード」に含まれる。

オ 引用発明における「生成SCEF接続要求メッセージ」は、SCEFとMMEとの接続が生成される際に、SCEF がMMEから受信するものであるとともに、SCEFへの接続を要求するメッセージであり、上記「ア」で述べたとおり、引用発明における「SCEF」は、本願発明1の「Exposure Function用の制御ノード」に含まれるから、引用発明における、SCEFへの「生成SCEF接続要求メッセージ」は、本願発明1の「前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージ」に含まれる。

カ 上記「ア」で述べたとおり、引用発明における「SCEF」は、本願発明1の「Exposure Function用の制御ノード」に含まれ、上記「エ」で述べたとおり、引用発明における「MME」は、本願発明1の「コアネットワークノード」に含まれ、引用発明における「接続が生成される」ことは、すなわち、接続が確立されることであるといえるから、引用発明における「SCEFとMMEとの接続が生成される」ことは、本願発明1の「前記Exposure Function用の制御ノードとコアネットワークノードとの接続が確立される」ことに含まれる。

また、上記「オ」で述べたとおり、引用発明における、SCEFへの「生成SCEF接続要求メッセージ」は、本願発明1の「前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージ」に含まれる。

以上のことから、引用発明における「SCEFとMMEとの接続が生成される際に、MMEから生成SCEF接続要求メッセージを受信し」という点は、本願発明1の「前記Exposure Function用の制御ノードとコアネットワークノードとの接続が確立される際に、前記コアネットワークノードから、前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージを受信する」ことに含まれる。

したがって、上記「ア」ないし「カ」を総合すれば、本願発明1と引用発明は、以下の点で一致し、また相違する。

<一致点>

「Exposure Function用の制御ノードにおいて、Cellular Internet of Things (CIoT)最適化機能を使用するレート制御方法であって、
前記Exposure Function用の制御ノードとコアネットワークノードとの接続が確立される際に、前記コアネットワークノードから、前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージを受信する、
レート制御方法。」

<相違点1>

本願発明1の「レート制御方法」が「Non-Access Stratum(NAS) data Protocol Data Unit (PDU)のためのポリシーに基づいた」ものであるのに対して、引用発明の「負荷制御方法」は、当該発明特定事項について特定されていない点。

<相違点2>

本願発明1では、「接続要求メッセージ」が「前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む」とともに、「前記メッセージレート制御パラメータに基づいて、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を制限することを施行(enforce)する」のに対して、引用発明は、当該発明特定事項について特定されていない点。

(2)相違点についての判断

上記相違点について検討するにあたり、事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討する。

上記相違点2に係る「接続要求メッセージ」が「前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む」とともに、「前記メッセージレート制御パラメータに基づいて、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を制限することを施行(enforce)する」という発明特定事項は、当該引用文献1には記載も示唆もされておらず、また当該技術分野における周知技術であるともいえない。

よって、引用発明において、上記相違点2に係る「接続要求メッセージ」が「前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む」とともに、「前記メッセージレート制御パラメータに基づいて、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を制限することを施行(enforce)する」ものとすることは、当業者といえども容易に想到し得たとはいえない。

したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本願発明2及び3について

本願発明2及び3は、本願発明1の発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 本願発明4ないし6について

本願発明4は、Exposure Function用の制御ノードの方法発明である本願発明1を、Exposure Function用の制御ノードの装置発明としたものである。そして、本願発明4は、上記「1」で説示した相違点2に対応する「前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む、前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージを受信する」という発明特定事項を少なくとも含むものであるから、本願発明1と同様な理由により、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

また、本願発明5及び6は、本願発明4の発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明4と同じ理由により、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 本願発明7について

本願発明7は、本願発明1のExposure Function用の制御ノードと対になるコアネットワークノードにおける方法発明であって、本願発明1について上記「1」で説示した相違点2に対応する「前記Exposure Function用の制御ノードに、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む、前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージを送信する」という発明特定事項を少なくとも含むものであるから、本願発明1と同様な理由により、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

5 本願発明8について

本願発明8は、コアネットワークノードの方法発明である本願発明7を、コアネットワークノードの装置発明としたものである。そして、本願発明8は、上記「1」で説示した相違点2に対応する「前記Exposure Function用の制御ノードに、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む、前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージを送信する」という発明特定事項を少なくとも含むものであるから、本願発明7と同様な理由により、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

6 本願発明9について

本願発明9は、本願発明4ないし6のいずれかの発明特定事項及び本願発明8の発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明4ないし6及び8と同じ理由により、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

7 本願発明10について

本願発明10は、本願発明1ないし3及び7のいずれかの発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明1ないし3及び7と同じ理由により、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 原査定について

令和3年3月26日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)により、本願発明1ないし6は、いずれも「接続要求メッセージ」が「前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む」とともに、「前記メッセージレート制御パラメータに基づいて、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を制限することを施行(enforce)する」という発明特定事項を備えるものとなっている。

また、本件補正により、本願発明7及び8は、いずれも「前記Exposure Function用の制御ノードに、前記NAS data PDUの単位時間当たりのメッセージ数を示し、前記ポリシーに基づくメッセージレート制御パラメータを含む、前記Exposure Function用の制御ノードへの接続要求メッセージを送信する」という発明特定事項を少なくとも含むものとなっている。

さらに、本件補正後の本願発明9は、本願発明4ないし6のいずれかの発明特定事項及び本願発明8の発明特定事項を全て備えるものとなっており、本願発明10は、本願発明1ないし3及び7のいずれかの発明特定事項を全て備えるものとなっている。

してみれば、上記「第5」の「1」ないし「7」で説示したとおり、本願発明1ないし10は、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-003939

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