2021-003720
物品の相互作用及び移動検出方法
- 審判番号
- 2021-003720
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-000023外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年03月22日
- 審決日
- 2022年07月01日
- 公報発行日
- 2022年08月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】伊藤 信和
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 20項目
第1 手続きの経緯
本願は、2014年(平成26年)6月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年(平成25年)6月26日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願である特願2016-523802号の一部を、平成29年6月27日に新たな特許出願として出願した特願2017-124740号の一部を、平成31年1月4日に新たな特許出願として出願したものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(令和2年11月19日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願の請求項1~11に係る発明は、引用文献1~8に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第3 審判請求時の補正について
1 請求項1について
審判請求時の補正により、請求項1に追加された「前記ユーザが前記在庫場所から前記除去した前記物品を確認させるよう、前記ユーザに通知を提供させ」るという事項は、当初明細書の段落【0063】に記載されているから、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に違反するものではない。また、同第4項に違反するものでもない。
そして、請求項1についてする補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「前記ユーザが前記在庫場所から前記対象物を除去したと判断したことに応答し、前記在庫場所に関連付けられた在庫の物品を判断させ」、「前記物品を表す物品識別子を前記ユーザ物品リストに加えさせる」ことについて、ユーザが在庫場所から除去して保持したと判断した「物品」をユーザ物品リストに加えるときに、ユーザに「確認させるよう、前記ユーザに通知すること」という限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
2 請求項6について
審判請求時の補正により、補正前の請求項6に記載された「前記対象物の識別を判断する」を「前記対象物の物品を判断する」と変更すること、補正前の請求項6に記載された「前記対象物の物品識別子を取り除いて」を「前記物品の物品識別子を取り除いて」と変更することは、特許法第17条の2第5項第3号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
審判請求時の補正により、請求項6に追加された「前記ユーザが前記在庫場所に前記対象物を配置したことを確認させるよう、前記ユーザに通知すること」という事項は、当初明細書の段落【0070】に記載されているから、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に違反するものではない。また、同第4項に違反するものでもない。
そして、請求項6についてする補正は、補正前の請求項6に記載された発明を特定するために必要な事項である「前記在庫場所に配置された前記対象物の識別を判断すること」、「前記ユーザ物品リストから前記在庫場所に配置された前記対象物の物品識別子を取り除いて前記ユーザ物品リストを更新すること」について、ユーザが保持した状態から在庫場所に戻したと判断した「物品」をユーザ物品リストから取り除くときに、ユーザに「確認させるよう、前記ユーザに通知すること」という限定を付加するものであって、補正前の請求項6に記載された発明と補正後の請求項6に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1~11に係る発明は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に適合する(独立特許要件を満たす)ものである。
第4 本願発明
本願の請求項1~11に係る発明(以下、それぞれを「本願発明1」~「本願発明11」という。)は、令和3年3月22日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~11に記載された以下のとおりのものであり、本願発明1及び本願発明6は次のとおりである。下線は、補正箇所である。
「【請求項1】1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサに結合され、プログラム命令を格納するメモリと、から構成されるコンピューティングシステムであって、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、前記プログラム命令は、在庫場所近くにある材料取扱施設内で、ユーザの顔認証または前記ユーザが有する携帯装置からの識別情報に基づいて前記ユーザを識別させ、続きを表示(全11行)データストアから前記ユーザに関連付けされたユーザ物品リストを検索させ、第1デバイスから、前記在庫場所に前記ユーザが接触する前に生成された、前記ユーザの少なくとも一部に対応する第1画像データを受信させ、前記第1デバイスから、もしくは前記第1デバイスとは異なる第2デバイスから、前記在庫場所に前記ユーザが接触した後に生成された、前記ユーザの少なくとも一部に対応する第2画像データを受信させ、前記第1画像データ及び前記第2画像データの分析に基づき、前記ユーザが前記在庫場所から対象物を除去したことを判断させ、前記ユーザが前記在庫場所から前記対象物を除去したと判断したことに応答し、前記在庫場所に関連付けられた在庫の物品を判断させ、前記ユーザが前記在庫場所から前記除去した前記物品を確認させるよう、前記ユーザに通知を提供させ、前記物品を表す物品識別子を前記ユーザ物品リストに加えさせる、命令を含む、コンピューティングシステム。」
「【請求項6】実行可能な命令で構成された1つまたは複数のコンピューティングシステムの制御の下、材料取扱施設内で、ユーザの顔認証または前記ユーザが有する携帯装置からの識別情報に基づいて前記ユーザを識別することと、データストアから、前記ユーザに関連付けされた少なくとも一つの物品を表示するユーザ物品リストを検索することと、第1デバイスから、前記ユーザが前記材料取扱施設内の在庫場所に接触する前に生成された、前記在庫場所に対応する第1画像データを受信することと、前記第1デバイスから、もしくは前記第1デバイスとは異なる第2デバイスから、前記ユーザが前記在庫場所に接触した後に生成された、前記在庫場所に対応する第2画像データを受信することと、前記第1画像データ及び前記第2画像データの分析に基づき、前記ユーザが前記在庫場所に対象物を配置したことを判断することと、前記在庫場所に配置された前記対象物の物品を判断することと、前記ユーザが前記在庫場所に前記対象物を配置したことを確認させるよう、前記ユーザに通知することと、前記ユーザ物品リストから前記在庫場所に配置された前記物品の物品識別子を取り除いて前記ユーザ物品リストを更新することと、を含む、材料取扱施設内でユーザに支援を提供するコンピュータ実行方法。」
本願発明2~5は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明7~11は、本願発明6を減縮した発明である。
第5 引用文献、引用発明
1 引用文献1について
(1)引用文献1の記載事項
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原査定の拒絶の理由において引用された引用文献1(特開2011-253344号公報)には、以下のとおりの記載がある。下線は当審が付した。
「【技術分野】【0001】本発明は、顧客の商品の購買に関する行動を分析する装置等に関するものである。」
「【発明が解決しようとする課題】【0004】しかしながら、従来の購買行動分析装置等は、顧客の店舗内の移動と商品の購買との関係から購買行動を分析するものであるため、顧客が商品を購入する際の詳細な購買行動を分析することができない、という課題があった。例えば、店舗の一箇所に並べられている同じカテゴリーの商品群の中から、顧客がどのように商品を選択するかを分析することができなかった。【課題を解決するための手段】【0005】本発明の購買行動分析装置は、2以上の各顧客ごとに取得された情報であって、顧客を識別する情報である顧客識別情報と、商品に対する接触の有無を示す情報である接触関連情報と、接触された商品を購入したか否かを示す情報である購買情報とを含む情報である顧客購買行動情報が格納される顧客購買行動情報格納部と、顧客購買行動情報を用いて、接触を行った回数のシェアを示す情報である接触シェアと、商品が購入された回数のシェアを示す情報である購買シェアとを含む情報である購買分析情報を取得する購買分析情報取得部と、購買分析情報を出力する出力部とを備えた購買行動分析装置である。」
「【0019】また、本発明の購買行動分析装置は、前記購買行動分析装置において、顧客購買行動情報に含まれる複数の商品識別情報が示す複数の商品を販売している状況を撮影した画像である商品販売画像が格納される商品販売画像格納部と、商品販売画像格納部に格納されている商品販売画像を用いて、顧客ごとに、商品に対する接触の有無の検出と、接触された商品が購入されたか否かの検出とを行う画像検出部と、画像検出部の検出結果が示す顧客ごとの商品に対する接触の有無の検出結果に応じた接触関連情報と、接触された商品が購入されたか否かの検出結果に応じた購買情報と、顧客識別情報とを含む顧客購買行動情報を生成し、顧客購買行動情報格納部に蓄積する顧客購買行動情報蓄積部とを更に備えた購買行動分析装置である。」
「【0024】(実施の形態)図1は、本実施の形態における購買行動分析装置1のブロック図である。購買行動分析装置1は、顧客購買行動情報格納部101、配置サイズ管理情報格納部102、購買分析情報取得部103、出力部104、勝敗判断部105、勝敗出力部106、指定商品識別情報格納部107、商品販売画像格納部108、画像検出部109、および顧客購買行動情報蓄積部110を備える。続きを表示(全24行)【0025】顧客購買行動情報格納部101には、2以上の各顧客ごとに取得された商品購買時の顧客の行動に関する情報である顧客購買行動情報が格納される。顧客購買行動情報は、例えば、顧客を識別する情報である顧客識別情報と、商品に対する接触の有無を示す情報である接触関連情報と、接触された商品を購入したか否かを示す情報である購買情報とを含む情報である。また、顧客購買行動情報には、更に、接触された商品を識別する情報である商品識別情報が更に含まれていても良い。ここで述べる商品は、複数の商品であっても良いし、単一の商品であっても良い。商品は、例えば、一のジャンルやカテゴリーを構成する複数の商品であっても良い。ここでは、例えば、同じ商品名や、商品番号や製品番号等で管理される商品を、同じ商品と考えてもよい。また、例えば、同じ商標が対応付けられた商品を同じ商品と考えても良い。【0026】顧客ごとに取得された顧客購買行動情報とは、例えば、各顧客が商品の配置されている領域内に移動してきて、この領域内に立ち止まってから、この領域外に立ち去るまでの間に取得された情報である。つまり、この場合、顧客は、商品の配置されている領域に立ち止まった顧客と考えても良い。ここでの領域とは、例えば、顧客の行動を記録するための画像に写された領域と考えてもよい。商品が配置されている領域とは、商品の売り場や、商品の陳列棚を含む領域である。商品が配置されている領域は、商品が陳列されている領域と考えても良い。【0027】顧客購買行動情報は、例えば、店舗における商品が陳列されている領域(例えば売り場や陳列棚等)を撮影した画像から取得された情報である。顧客購買行動情報は、画像から取得されたいわゆるメタデータと考えても良い。画像は通常は動画像であるが、一定又は不定のタイミング等で撮影された複数の静止画像であっても良い。画像からの顧客購買行動情報の取得および蓄積は、ユーザが撮影した画像を見ながら目視および手入力の組合せで行っても良い。また、画像処理等を利用して自動で行っても良い。ここでは、後述する画像検出部109により画像から自動的に取得した顧客購買行動情報を蓄積する場合を例に挙げて説明する。【0028】顧客識別情報は、例えば、顧客が同じ顧客か異なる顧客かを識別できる情報であればよい。また、この顧客識別情報は、時間を隔てて店舗等に現れた同じ顧客を識別できないものであっても良い。つまり、時間を隔てて店舗に再度現れた顧客には、前回に与えられた顧客識別情報とは異なる顧客識別情報を与えるようにしても良い。ただし、同じ顧客を識別できるようにしてもよい。顧客識別情報は、例えば、数字や文字列等の組合せで構成される情報である。また、一の顧客について取得された1以上の顧客購買行動情報が区切られている場合、この区切を示す情報等を、顧客識別情報と考えても良い。ここでの顧客は、一人であっても複数人のグループであっても良い。【0029】接触関連情報は、商品に対する接触が行われたことを示す情報であれば、どのような情報であっても良い。例えば、接触の有無を示す情報であっても良いし、接触開始時間または接触終了時間またはその両方で構成される情報であっても良い。また、接触が継続している時間である接触継続時間を含む情報であってもよい。また、接触回数等を示す情報でも良い。顧客購買行動情報に商品識別情報が含まれる場合、ここでの商品は、例えば、接触関連情報を含む顧客購買行動情報に含まれる商品識別情報が示す商品である。【0030】購買情報は、顧客が接触した商品を購入したか否かを示す情報であればどのような情報であっても良い。顧客購買行動情報に商品識別情報が含まれる場合、ここでの商品は、例えば、購買情報を含む顧客購買行動情報に含まれる商品識別情報が示す商品である。購買情報は、結果的に商品が購入されたと考えられることを示す情報であればよい。例えば、顧客が商品についての実際の支払いを終了する前であっても、顧客が商品に対する購入意志を示す動作を行った場合に、購入したことを示す購買情報を取得して蓄積してもよい。購入意志を示す行動とは、例えば、商品をショッピングカートや、買い物かごに商品を入れる行動や、顧客が商品を商品が配置されていた領域(例えば陳列棚等)から持ち出して移動する行動である。また、実際に代金等の決済が終了して購買された場合に、購入したことを示す購買情報を取得しても良い。購買情報は、購入した商品の個数を示す情報を含んでいても良い。【0031】商品識別情報は、一の商品を他の商品に対して識別可能な情報であればどのような情報でもよい。商品識別情報は、例えば、商品名や、商品コード等の商品に割り当てられた文字列や番号等である。商品識別情報は商品の属性を示す情報(例えばメーカー名や、商品のジャンルやカテゴリー等を示す情報)を一部に含んでいても良い。なお、顧客購買行動情報が商品の属性を示す情報を、商品識別情報とは別に含んでいてもよい。【0032】なお、顧客購買行動情報は、顧客が現れた日時等の情報を更に含んでいても良い。【0033】顧客購買行動情報格納部101は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。【0034】顧客購買行動情報格納部101に顧客購買行動情報が蓄積される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して顧客購買行動情報が顧客購買行動情報格納部101で蓄積されてもよく、通信回線等を介して送信された顧客購買行動情報が顧客購買行動情報格納部101で蓄積されてもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された顧客購買行動情報が顧客購買行動情報格納部101で蓄積されてもよい。」
「【0083】商品販売画像格納部108には、顧客購買行動情報に含まれる複数の商品識別情報が示す複数の商品を販売している状況を撮影した画像である商品販売画像が格納される。商品販売画像は、例えば、ビデオカメラ等のカメラで撮影された画像である。商品販売映像は、複数のカメラで撮影された画像でもよい。商品販売画像は、例えば、商品が配置されている売り場や陳列棚等を写した画像である。商品販売画像は、店舗内の監視カメラ等で取得された画像でもよい。ここでの画像は、通常は動画像であるが、一定又は不定の所定のタイミングで取得された連続した静止画像であっても良い。画像のファイル形式等は問わない。商品販売画像格納部108に商品販売画像が蓄積される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して商品販売画像が蓄積されてもよいし、通信回線等を介して送信された商品販売画像が蓄積されるようになってもよく、カメラ等が出力した商品販売画像が蓄積されても良い。【0084】商品販売画像格納部108は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。【0085】画像検出部109は、商品販売画像格納部108に格納されている商品販売画像を用いて、顧客ごとに、商品に対する接触の有無の検出と、接触された商品が購入されたか否かの検出とを行う。例えば、画像検出部109は、商品販売画像のフレーム間を比較して、差分等を求めることにより、画像内の動きのあった領域を検出して取り出し、この領域の画像と、予め図示しない記憶媒体等に商品識別情報と対応付けて用意された商品ごとの商品画像とを、色や形を元にパターンマッチングし、一致すると判断された商品画像に対応付けられた商品識別情報を、顧客によって接触があった商品の識別情報として検出する。通常、ユーザが商品を手に取ると、その商品の画像が移動することから、上記のようにして商品を特定可能である。画像内の移動領域を検出する処理は、MPEG等の移動検出等の技術として公知である。また、パターンマッチングの技術は、例えば、特開2006?48322号公報等に開示されている。あるいは、予め商品販売画像内の商品の位置(例えば座標やエリア)と、商品識別情報等を対応付けて管理しておくようにし、商品販売画像から、顧客の手の動きを検出して、手の動きと、商品の位置を示す画像内の座標等から、顧客が触った商品の識別情報を取得するようにしてもよい。なお、顧客が、商品を棚に戻したことも、例えば、商品画像とマッチングする画像が、顧客が接触を行う前の位置に戻ったことにより判断可能である。【0086】なお、人が商品販売画像内に現れたことは、動き画像検出等で検出できる。また、ここでは、商品販売画像内に現れた人が立ち止まったことを動き画像検出等により検出し、立ち止まった人だけを顧客と考えて、この顧客について上記の接触や購入の検出を行うようにしても良い。【0087】また、顧客が商品を購入したか否かは、例えば、上記のように商品販売画像のフレーム間等の差分から、商品が陳列棚等から取り上げられたことを判断し、この状態で、ユーザが商品販売画像が示すフレーム外に出た場合(つまり、商品販売画像からフレームアウトした場合)に、商品が購入されたと判断しても良い。また、ユーザが、商品販売画像にフレームインする直後と、フレームアウトした直後の画像を比較して、変化があった領域の画像から、上述したようなパターンマッチングにより、欠落した商品を検出することで、この商品が購入されたことを判断しても良い。また、顧客が持つショッピングカードやかごを色や形状等から検出し、かご内に、商品画像とマッチする画像が移動して隠れた場合に、商品がカートに入れられたと判断して、マッチした商品画像が示す商品が購入されたと判断してもよい。また、手の動きから商品の購入を判断しても良い。また、顧客が商品の前に立ち止まったか否か等は、商品販売画像にフレームインしたオブジェクトがそのまま移動を続けてフレームアウトしたか、一旦フレーム内に停止したかを判断することにより判断可能である。」
「【0090】顧客購買行動情報蓄積部110は、画像検出部109の検出結果が示す顧客ごとの商品に対する接触の有無の検出結果に応じた接触関連情報と、接触された商品が購入されたか否かの検出結果に応じた購買情報と、顧客識別情報とを含む顧客購買行動情報を生成し、顧客購買行動情報格納部101に蓄積する。一の顧客について取得された情報から生成された1以上の顧客購買行動情報として、同じ顧客識別情報を有する顧客購買行動情報を蓄積する。接触関連情報や、顧客購買行動情報等は、顧客購買行動情報格納部101に格納される顧客購買行動情報の接触関連情報や、顧客購買行動情報等と同様であるので、ここでは説明は省略する。」
「【0092】なお、ここでは、顧客購買行動情報蓄積部110は、商品販売画像から画像検出部109が取得した情報を用いて作成した顧客購買行動情報を蓄積する場合について説明したが、顧客購買行動情報蓄積部110は、商品販売画像以外から取得された情報も利用して、顧客購買行動情報を作成しても良い。例えば、商品等にRFIDタグ等を取り付けておくように、このRFIDタグが示す位置の変化を、RFIDタグリーダライタ等を備えた図示しない位置検出部で検出して、どの商品が顧客に接触したか(ユーザに取り上げられたか)等を判断しても良い。RFIDタグの位置の変化を検出は、例えばRFIDタグの情報を読み出す複数のアンテナの位置を調整したり、複数のアンテナで受信するRFIDタグが出力する信号の強度等から検出可能である。」
「【0102】(ステップS208)画像検出部109は、商品販売画像から、顧客がフレームインしたか否かを判断する。例えば、画像検出部109は、商品販売画像格納部108に格納されている商品販売画像の1以上のフレーム画像を時系列に沿って順次読み出し、オブジェクトの動き検出等を行って、顧客がフレーム画像内に現れたか(フレームインしたか)否かを判断する。顧客のフレームインを検出した場合、ステップS209に進み、検出しなかった場合、ステップS213に進む。【0103】(ステップS209)画像検出部109は、商品販売画像から、顧客がフレーム内に一時停止したか否かを判断する。画像検出部109は、例えば、次の1以上のフレーム画像を読み出し、オブジェクトの動き検出等を行って、フレームインした顧客が、フレーム内に一時停止したか否かを判断する。一時停止した場合、ステップS210に進み、一時停止していない場合、このまま、フレームアウトしたこととして、ステップS213に進む。【0104】(ステップS210)画像検出部109は、商品販売画像から、顧客の、商品に対する接触の有無や、接触された商品が購入されたか否かの検出等を行う。例えば、画像検出部109は、商品販売画像格納部108に格納されている商品販売画像の1以上のフレーム画像を時系列に沿って順次読み出し、オブジェクトの動き検出や、予め用意された商品画像とのパターンマッチングを行って、商品に対する接触の有無や、接触された商品が購入されたか否かの検出等を行う。商品に対する接触の検出として、例えば、商品に対する接触開始時刻や接触終了時刻の、商品販売画像のタイムコードの情報からの取得を行う。また、商品画像に対応した商品識別情報等も取得してよい。検出した情報は、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。【0105】(ステップS211)画像検出部109は、顧客が商品販売画像から、フレームアウトしたか否かを判断する。画像検出部109は、例えば、次の1以上のフレーム画像を読み出し、オブジェクトの動き検出等を行って、フレームインした顧客が、フレーム外に退出したか(フレームアウトしたか)否かを判断する。退出した場合、ステップS212に進み、退出していない場合、ステップS210に戻る。【0106】(ステップS212)顧客購買行動情報蓄積部110は、顧客識別情報と、ステップS210で取得した一の顧客による商品に対する接触の有無を示す情報と、接触された商品が購入されたか否かの検出結果を示す情報や、商品識別情報等を含む顧客購買行動情報を生成し、顧客購買行動情報格納部101に蓄積する。」
「【0161】顧客購買行動情報管理表は、「ID」、「顧客ID」、「商品名」、「接触」、「接触開始」、「接触終了」、「購入」、「年月日」という項目を有している。「ID」は、顧客購買行動情報を管理するための識別情報である。「顧客ID」は、顧客識別情報であり、同じ値は、同じ顧客であることを示す。ここでは特に、一の顧客が一度立ち止まってから立ち去るまでに取得された顧客購買行動情報に同じ値の「顧客ID」を付与している。「商品名」は商品識別情報である。「接触」は、接触の有無を示す情報であり、値が「あり」であれば、商品に接触されたことを示し、「なし」であれば、商品に接触されなかったことを示す。「接触開始」は、接触が開始された時刻を示し、「接触終了」は接触が終了した時刻を示す。ここでは、「接触」、「接触開始」、「接触終了」が接触関連情報である。なお、「接触」だけを接触関連情報と考えても良い。「購入」は購買情報であり、「1」は、購入されたことを示し、「0」は購入されなかったことを示す。「年月日」は、各顧客購買行動情報を取得した商品販売画像が撮影された日付を示す。なお、「接触」の値が「なし」である顧客購買行動情報は、撮影領域内に立ち止まっただけで何らかの商品に接触しなかった顧客について取得された顧客購買行動情報であり、商品に接触していないため、「商品名」の値が空欄となっている。」
「【0224】画像検出部109は、商品販売画像格納部108から、商品販売画像のフレームを順次読み出す。読み出す単位は、1フレーム単位でも複数フレーム単位でも良い。そして、読み出した複数のフレーム画像について、例えば、動き検出等を行って、商品販売画像のフレーム画像内に、顧客が入ってきたか(即ち、フレームインしたか)否かを判断する。顧客のフレームインを検出した場合、次に、画像検出部109は、顧客がフレーム画像内で停止したか否かを判断する。これは、例えば、顧客と考えられる動きのあるオブジェクトをフレーム画像内で検出し、その動きの大きさで検出することが可能である。顧客がフレーム画像内で停止せずにフレームアウトした場合、顧客識別情報は取得するが、商品に対して接触があったことを示す情報や、商品を購入したことを示す情報や、商品識別情報等は取得しない。取得した情報は、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。【0225】フレーム画像において顧客が停止したことが検出された場合、フレーム画像から、商品に対する接触や、商品の購入の検出等を行う。続きを表示(全12行)【0226】まず、ここでは、例えば、ユーザの手の動きを、肌の色や動き検出等で検出し、ユーザの手が、フレーム画像に設定されたいずれかの領域で止まったか否かを判断する。いずれかの領域で止まった場合、その領域の商品を手に取った(接触した)と判断する。そして、接触が行われたことを示す情報を取得する。また、商品販売画像内のタイムコードの情報等から、接触開始時刻を取得する。さらに、ユーザの手の止まった位置の座標を取得し、この座標含まれる領域を上述した領域管理情報から検出し、その領域に対応付けられた「商品名」を、領域管理情報を取得する。例えば、図24の領域003に一定時間手が位置していることが検出された場合、画像検出部109は、図25に示す領域管理情報から、「領域ID」が「003」であるレコードの「商品名」である「ソフレ スキンケアボディソープ」を取得する。取得した情報は、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。その後も、手の動きを検出し、再度同じ領域で手が止まったことを検出した場合、商品を元の位置に置いたと判断し、接触終了時刻を取得する。取得した情報は、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。【0227】また、画像検出部109は、ショッピングカートまたは買い物かごを、形状や色のパターンマッチングによりフレーム画像内で検出し、商品に対する接触が検出された後、ユーザの手の位置が、ショッピングカートや買い物かごの位置と重なった場合、接触した商品を顧客がショッピングカートや買い物かごにいれて、商品の購入を決定したと判断する。そして、商品が購入されたことを示す情報を取得する。取得した情報は、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。【0228】画像検出部109は、以上のような処理を、顧客がフレーム画像からフレームアウトするまで行う。フレームアウトは、顧客と考えられるオブジェクトが、フレーム内からフレーム外に移動したことで検出可能である。なお、ここで説明した画像検出部109が、商品に対する接触等を検出する処理は一例であり、これ以外の処理で検出を行うようにしても良い。【0229】そして、フレームアウトしたことを検出した時点で、顧客購買行動情報蓄積部110が、画像検出部109が各商品について取得した接触が行われたことを示す情報や、購入が行われたことを示す情報を、図示しない記憶媒体等から読み出し、それぞれに同じ顧客識別情報を対応付けることで、接触が行われた各商品について顧客購買行動情報を生成する。」
「【0237】また、上記実施の形態において、更に、商品販売画像格納部108に格納されている商品販売画像や、図示しない格納部等に予め格納されている商品棚(陳列棚)等を撮影した画像から、図示しない画像処理部等が、パターンマッチング等を行うことで、商品棚等に配置されている商品に関する情報を取得し、この情報を用いて上述した商品サイズ管理情報や、消費陳列状況管理情報を作成して、上述した配置サイズ管理情報格納部102に蓄積するようにしてもよい。商品棚等に配置されている商品に関する情報は、例えば、商品名等の商品識別情報や、上述したような商品サイズ情報や、商品陳列状況情報等を含む情報である。例えば、図示しない画像処理部は、予め図示しない格納部等に用意された商品識別情報と、商品の形状や色等の外観を示す画像情報とを対応付けた情報を用いて、この画像情報と一致する画像領域を、商品棚を撮影した画像内でパターンマッチングにより検出し、合致した領域を示す座標情報等と、この画像に対応した商品名等の商品識別情報とを取得する。あるは、商品の外観を示す画像情報を用いる代わりに商品ラベルの商品のロゴ等の画像情報を用いて、パターンマッチングを行うようにしても良い。また、特売札や、POP広告等の有無等も、予め用意された特売札やPOP広告の画像情報とのパターンマッチングを行うことで検出可能である。また、販売サイズ情報も、商品の外観を示す画像等を用いたパターンマッチングを行って、同じ外観の商品が商品棚に何列並んでいる加藤を検出することにより取得可能である。【0238】また、上記実施の形態において、レーザ等を利用したセンサーを用いた顧客の行動検知を行う行動検知装置(図示せず)を用いるようにして、この行動検知装置がセンサーを用いて取得して出力する顧客が商品の前に立ち止まったか否かを示す情報や、立ち止まった時間や、人数等の情報を、顧客購買行動情報蓄積部110が取得して、このような情報を含む顧客購買行動情報を取得するようにしても良い。あるいは、画像検出部109が商品の接触の有無等を判断する際に、この行動検知装置が出力する情報を用いて、顧客が商品棚の前に立ち止まったか否か等を判断するようにしても良い。レーザ等を利用したセンサーを用いた顧客の行動検知を行う行動検知装置としては、例えば、「フローレーダー」(北陽電機株式会社製)等が知られている。この行動検知装置においては、複数のセンサーを、顧客の行動を検知したい領域の周囲等に配置して、センサーの出力を処理することで、顧客の位置や位置の変化を検出するものであり、顧客に自動でID番号等を割り当て、リアルタイムに顧客の位置座標の取得等が可能である。【0239】また、上記実施の形態においては、具体例等において、画像検出部109が商品販売画像を用いて商品に対する接触の有無や購買の有無を示す情報を取得し、顧客購買行動情報蓄積部110が、この画像検出部109が取得した情報を用いて顧客購買行動情報を生成する例について説明したが、上記のような行動検知装置を利用することで、商品に対する接触の有無や購買の有無を示す情報を取得するようにしても良い。例えば、センサーを商品の陳列棚近傍に配置し、商品の位置の変化を検出することで、商品が手に取られたか否か(接触されたか否か)や、買い物かごに入れられたか否か(購入されたか否か)を示す情報を取得することが可能である。」
「【0244】また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。【0245】なお、上記各実施の形態における購買行動分析装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、顧客購買行動情報格納部に格納されている2以上の各顧客ごとに取得された情報であって、顧客を識別する情報である顧客識別情報と、商品に対する接触の有無を示す情報である接触関連情報と、接触された商品を購入したか否かを示す情報である購買情報とを含む情報である顧客購買行動情報を用いて、接触を行った回数のシェアを示す情報である接触シェアと、商品が購入された回数のシェアを示す情報である購買シェアとを含む情報である購買分析情報を取得する購買分析情報取得部と、購買分析情報を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。」
「【0250】図27は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図27において、コンピュータ901は、CD-ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。」
(2)引用文献1の記載から把握できる事項
ア 段落【0004】、【0005】、【0019】、【0024】、【0025】の記載によると、引用文献1には、「顧客を識別する情報である顧客識別情報と、商品に対する接触の有無を示す情報である接触関連情報と、接触された商品を識別する情報である商品識別情報と、接触された商品を購入したか否かを示す情報である購買情報とを含む情報である顧客購買行動情報が格納される顧客購買行動情報格納部と、顧客ごとに、商品に対する接触の有無の検出と、接触された商品が購入されたか否かの検出とを行う画像検出部と、画像検出部の検出結果が示す顧客ごとの商品に対する接触の有無の検出結果に応じた接触関連情報と、接触された商品が購入されたか否かの検出結果に応じた購買情報と、顧客識別情報とを含む顧客購買行動情報を生成し、顧客購買行動情報格納部に蓄積する顧客購買行動情報蓄積部と、商品販売画像格納部とを備えた購買行動分析装置。」が記載されている。
イ 段落【0244】、【0245】、【0250】の記載によると、上記アの「購買行動分析装置」の各部は、「MPUとMPUに接続されたアプリケーションプログラムを格納するRAMとからなるコンピュータシステムにおいて、プログラムを実行することにより実現」されてもよいものである。
ウ 段落【0028】、【0161】の記載によると、上記アの「顧客識別情報」は「顧客が同じ顧客か異なる顧客かを識別できる情報」であり、「一の顧客が一度立ち止まってから立ち去るまでに取得された顧客購買行動情報に同じ値の「顧客ID」を付与した」ものである。
エ 段落【0026】の記載によると、上記アの「顧客購買行動情報」は、「各顧客が商品の売り場や、商品の陳列棚を含む領域内に移動してきて、この領域内に立ち止まってから、この領域外に立ち去るまでの間に取得された情報」である。
オ 段落【0083】、【0085】の記載によると、上記アの「商品販売画像格納部」は、「店舗内の監視カメラ等のビデオカメラ等のカメラで撮影された商品販売画像を商品販売画像格納部に格納し、商品販売画像は、複数のカメラで撮影された画像でも」よく、上記アの「画像検出部」は、「商品販売画像格納部に格納されている商品販売画像を用いて、顧客ごとに、商品に対する接触の有無の検出と、接触された商品が購入されたか否か検出とを行う」ものである。
カ 段落【0030】の記載によると、上記アの「購買情報」は、「顧客が商品をショッピングカートや、買い物かごに商品を入れる行動や、顧客が商品を商品が配置されていた領域(例えば陳列棚等)から持ち出して移動する行動など、顧客が商品に対する購入意志を示す動作を行った場合に、取得される」ものである。
キ 段落【0085】、【0087】、【0237】の記載によると、上記アの「画像検出部」は、「商品販売画像のフレーム間等の差分から、商品が陳列棚等から取り上げられたことを判断し、この状態で、ユーザが商品販売画像が示すフレーム外に出た場合(つまり、商品販売画像からフレームアウトした場合)に、商品が購入されたと判断し、ユーザが、商品販売画像にフレームインした直後と、フレームアウトした直後の画像を比較して、変化があった領域の画像から、商品識別情報と対応付けて用意された商品ごとの商品画像とを、色や形を元にパターンマッチングすることにより、欠落した商品を検出することで、この商品が購入されたことを判断するものであり、顧客が、商品を棚に戻したことも、商品画像とマッチングする画像が、顧客が接触を行う前の位置に戻ったことにより判断可能」なものである。
ク 段落【0090】の記載によると、上記キの結果について、「顧客購買行動情報蓄積部は、画像検出部の検出結果が示す顧客ごとの商品に対する接触の有無の検出結果に応じた接触関連情報と、接触された商品が購入されたか否かの検出結果に応じた購買情報と、顧客識別情報とを含む顧客購買行動情報を生成し、顧客購買行動情報格納部に蓄積する」ものである。
(3)引用発明
上記(2)より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「MPUとMPUに接続されたアプリケーションプログラムを格納するRAMとからなるコンピュータシステムにおいて、プログラムを実行することにより実現される、顧客を識別する情報である顧客識別情報と、商品に対する接触の有無を示す情報である接触関連情報と、接触された商品を識別する情報である商品識別情報と、接触された商品を購入したか否かを示す情報である購買情報とを含む情報である顧客購買行動情報が格納される顧客購買行動情報格納部と、顧客ごとに、商品に対する接触の有無の検出と、接触された商品が購入されたか否かの検出とを行う画像検出部と、画像検出部の検出結果が示す顧客ごとの商品に対する接触の有無の検出結果に応じた接触関連情報と、接触された商品が購入されたか否かの検出結果に応じた購買情報と、顧客識別情報とを含む顧客購買行動情報を生成し、顧客購買行動情報格納部に蓄積する顧客購買行動情報蓄積部と、商品販売画像格納部とを備えた購買行動分析装置であって、顧客識別情報は、顧客が同じ顧客か異なる顧客かを識別できる情報であり、一の顧客が一度立ち止まってから立ち去るまでに取得された顧客購買行動情報に同じ値の「顧客ID」を付与したものであり、顧客購買行動情報は、各顧客が商品の売り場や、商品の陳列棚を含む領域内に移動してきて、この領域内に立ち止まってから、この領域外に立ち去るまでの間に取得された情報であり、商品販売画像格納部は、店舗内の監視カメラ等のビデオカメラ等のカメラで撮影された商品販売画像を商品販売画像格納部に格納し、商品販売画像は、複数のカメラで撮影された画像でもよく、購買情報は、顧客が商品をショッピングカートや、買い物かごに商品を入れる行動や、顧客が商品を商品が配置されていた領域(例えば陳列棚等)から持ち出して移動する行動など、顧客が商品に対する購入意志を示す動作を行った場合に、取得されるものであり、画像検出部は、商品販売画像格納部に格納されている商品販売画像を用いて、顧客ごとに、商品に対する接触の有無の検出と、接触された商品が購入されたか否か検出とを行うものであり、商品販売画像のフレーム間等の差分から、商品が陳列棚等から取り上げられたことを判断し、この状態で、ユーザが商品販売画像が示すフレーム外に出た場合(つまり、商品販売画像からフレームアウトした場合)に、商品が購入されたと判断し、ユーザが、商品販売画像にフレームインした直後と、フレームアウトした直後の画像を比較して、変化があった領域の画像から、商品識別情報と対応付けて用意された商品ごとの商品画像とを、色や形を元にパターンマッチングすることにより、欠落した商品を検出することで、この商品が購入されたことを判断するものであり、顧客が、商品を棚に戻したことも、商品画像とマッチングする画像が、顧客が接触を行う前の位置に戻ったことにより判断可能とし、顧客購買行動情報蓄積部は、画像検出部の検出結果が示す顧客ごとの商品に対する接触の有無の検出結果に応じた接触関連情報と、接触された商品が購入されたか否かの検出結果に応じた購買情報と、顧客識別情報とを含む顧客購買行動情報を生成し、顧客購買行動情報格納部に蓄積する、購買行動分析装置を実現するコンピュータシステム。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由において引用された引用文献2(特開2009-008966号公報)には、以下のとおりの記載がある。下線は当審が付した。
「【0084】本発明に係る電子広告出力装置は、周囲の視聴者が陳列物を手に取った場合、当該行為を感知し、前記陳列物に関連する広告データを出力するように設定することができる。これは、例えば、陳列棚の底に圧力センサーを設置し、陳列物を前記圧力センサー上に陳列することにより達成してもよい。すなわち、視聴者が陳列物を手に取ると、圧力センサー上の圧力が変化、一般的には、低下する。前記圧力の変化を前記電子広告出力装置に送信し、この圧力変化に基づいて、前記陳列物等に関連する広告データを出力するように前記出力条件を設定することにより、前記陳列物に関連するデータが適時出力される。これにより、活字では表せない商品の機能や性能を音と映像で説明することが可能となり、広告訴求効果が増大する。」
3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由において引用された引用文献3(特開2000-123086号公報)には、以下のとおりの記載がある。下線は当審が付した。
「【0007】【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記載の電子決済システムは、顧客の識別情報が記憶される記憶媒体を用いて、前記顧客が選択した商品の代金を電子的に決済する電子決済システムであって、前記顧客の入場及び退場時に、前記記憶媒体に記憶される前記顧客の識別情報を受信する受信手段と、前記顧客による商品の買い物中に、前記顧客が商品を選択したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記顧客が商品を選択したと判定される毎に、前記受信手段により受信された前記顧客の識別情報に対応させて前記選択された商品の仮の価格を記憶する記憶手段と、前記顧客による商品の買い物終了時に、前記記憶手段に記憶される仮の価格を用いて、正規の支払い価格を確定処理する処理手段と、を備える構成とした。【0008】かかる構成によれば、受信手段で顧客の識別情報を受信し、判定手段で顧客によって商品が選択されたか否かを判定する。顧客が商品の買い物をしているときに、判定手段で顧客が商品を選択したと判定される毎に、選択された商品の仮の価格を、受信手段で受信された顧客の識別情報に対応させて記憶手段に記憶する。この後、顧客が商品の買い物を終了したときには、記憶手段に記憶される仮の価格に基づいて正規の支払い価格を確定し、商品の代金を電子的に決済する。」
「【0032】ゲート20が開かれると、顧客は、店30内に入場して、買い物を開始できる。【0033】店30内では、撮影装置4により、陳列棚8及び顧客が撮影される。撮影された画像情報は、ディスプレイ13に表示される。このとき、ディスプレイ13には、例えば、図3に示すように、撮影画像並びに顧客の顔画像及びIDが表示される。【0034】次に、ステップ3で、監視装置1の処理装置により、前記顧客が前記陳列棚8から商品を抜き取った時の撮影装置4の撮影画像の変化に基づいて、顧客が商品を選択したと判定する。例えば、撮影画像を一定時間毎に記憶しておき、顧客が陳列棚8に近寄る前の画像と後の画像とを比較することにより、後の画像に表示されていない商品を選択商品と判定できる。【0035】ステップ3で、顧客が商品を選択したと判定したならば、ステップ4で、選択された商品に対応する見積もり価格が記憶装置から読み出されて決定され、ステップ5で、顧客のIDに対応して、選択された商品名及びその見積もり価格がメモリ装置に仮記憶される。【0036】尚、見積もり価格は、正確な売価であっても良いし、万引き者等に対する懲罰的な意味を込めて、正確な売価よりも多少高めな価格であっても良い。【0037】図4(A)は、メモリ装置の仮取引記憶領域の記憶状態の一例であり、選択された商品の商品名と見積もり価格とが、仮取引記憶領域に記憶された状態を示している。【0038】また、ステップ3で、撮影画像の比較により、顧客が商品の選択を取り消したと判定されたときには、メモリ装置に記憶される選択取り消し商品の商品名及びその見積もり価格が消去される。」
「【0058】但し、記憶装置には、顧客の顔等の画像情報が記憶されている必要はない代わりに、陳列棚8に載置される商品の重量値が記憶されている。【0059】記憶媒体としては、非接触ICカードが使用され、顧客のID及び使用可能金額が記憶されている。【0060】前記判定手段としては、陳列棚8に載置される商品の重量を検出する重量検出手段である重量センサを備える。例えば、図5に示すように、店30内の陳列棚8上に、複数の重量センサ6a,6b,6c,6dが設置され、各重量センサ6a、6b、6c、6d上に商品が載置される。各重量センサ6a、6b、6c、6dは、監視装置1と接続されている。【0061】また、陳列棚8には、顧客の非接触ICカード3との間で情報を送受信するためのアンテナ7が設置されている。アンテナ7も、監視装置1と接続されている。続きを表示(全16行)【0062】次に、図5の電子決済システムの処理動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。【0063】まず、ステップ21で、顧客により、ゲート20のアンテナ2の近くにかざされた非接触ICカードからの顧客のIDがアンテナ2に受信されたか否かが判別される。受信された顧客のIDは、監視装置1に送信される。【0064】監視装置1では、受信した顧客のIDを、記憶装置に予め記憶されているIDと比較して、どの顧客であるかを判別する。【0065】さらに、ステップ22で、タイマ装置の所定時間分のカウント動作が開始されると共に、ゲート20が開かれる。【0066】ゲート20が開かれると、顧客は、店30内に入場して、商品の買い物を開始できる。【0067】次に、ステップ23で、監視装置1の処理装置により、重量センサからの出力を検出して、商品が選択されたか否かを判定する。【0068】ステップ23で、顧客が商品を選択したと判定したならば、ステップ24で、監視装置1の処理装置により、選択された商品に対応する見積もり価格が記憶装置から読み出されて決定される。これと同時に、監視装置1は、例えば、呼びかけ信号等をアンテナ7を介して非接触ICカードに送信し、非接触ICカードに記憶される顧客のIDをアンテナ7を介して受信する。【0069】これにより、ステップ25で、監視装置1の処理装置は、受信した顧客のIDに対応させて、選択された商品の商品名及びその見積もり価格をメモリ装置に仮記憶させる。尚、見積もり価格は、正確な売価である。【0070】また、ステップ23で、顧客が商品の選択を取り消したと判定されたときには、メモリ装置に記憶される取り消された商品名及びその見積もり価格が消去される。【0071】例えば、重量センサから監視装置1に「0g」を示す値が出力された場合に、商品が選択されたと判定される。また、例えば、重量センサからの出力値が「0g」から商品の重量値の±3%以内の値に復帰した場合には、商品が陳列棚8に戻されたと判定される。【0072】この後、ステップ26で、ゲート20のアンテナ20で、顧客のIDが再び受信されたと判別されたならば、ステップ27で、監視装置1の処理装置の制御により、ゲート20が開かれる。【0073】これと同時に、ステップ29で、監視装置1の処理装置により、メモリ装置の仮取引記憶領域に記憶される見積もり価格を正規の支払い価格とし、非接触ICカードに記憶される利用可能金額から減算して、商品の代金を決済する取引確定処理を行い、処理を終了する。」
4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由において引用された引用文献4(特開2009-251625号公報)には、以下のとおりの記載がある。下線は当審が付した。
「【0001】本発明は、商業施設において、レジで決済することなく自動的に商品の購入や返品の決済を行うことができる自動決済システムに関するものである。」
「【0020】前記従来の課題を解決するために、本発明の自動決済システムは、ショッピングカート内の商品の決済を自動で行う自動決済システムであって、ショッピングカートは、商品を検出する商品検出部と、前記商品検出部の検出結果に基づいてその商品の商品情報を取得する情報取得部と、位置認識により店舗の出入りを検知する出入り検知部と、前記出入り検知部の検知結果と前記商品情報とに基づいて自動で決済を行う自動決済部と、を備えることを特徴とする。【発明の効果】【0021】以上のような自動決済システムによれば、店舗の出入り口にゲートやレジを設けることなく商品の購入や返品が可能となり、顧客に対してはレジ待ち等が不要となる快適な環境を提供し、店舗側に対しては省人化が可能なシステムを提供することができる。」
「【0027】図2において、ショッピングカート27は、例えばGPSなどの情報を用いてショッピングカート27の現在位置(現在、存在している店舗名)を検出する位置検出装置28と、サーバ22との通信を行うためのカート側情報通信装置29とを備える。更に、ショッピングカート27は、商品20aを収納するための商品収納部30と、ショッピングカート27内の商品20aのID情報を読み取るために商品収納部30内に設けられた商品ID読取装置31aと、商品ID読取装置31aで読み取った商品情報を記憶するための商品情報記憶部31bと、決済処理に用いられる商品決済装置32と、開け閉めやロックが可能な商品取り出し防止装置33を備える。」
「【0039】(ステップC4)位置検出装置28を用いて、ショッピングカート27が店舗18a外へ退店したことを検知させる。【0040】(ステップC5)ステップC4でショッピングカート27が退店したことを検知すると、商品ID読取装置31によって、ショッピングカート27内に存在する商品20aを検出する。」
「【0124】なお、商品情報記憶部31bがテンポラリーなショッピングカート内商品情報を有し、商品の取り入れ、取り出しを常に監視を行っておうことで、顧客26への現在のショッピングカート27内の商品情報の通知用として、商品情報提示装置36を用いて、現在のショッピングカート内の商品情報、合計金額、購入の有無を表示することができる。更に、商品情報提示装置36では、顧客へのお買い得情報、店舗案内情報などを合わせて表示することで、店舗側から顧客への情報発信も行うことができる。」
5 引用文献5について
原査定の拒絶の理由において引用された引用文献5(特開2013-033512号公報)には、以下のとおりの記載がある。下線は当審が付した。
「【0017】PLUファイルF1は、店舗に陳列して販売する商品Aの各々について、商品Aの売上登録にかかる情報と、その商品Aの画像との関連付けが設定されたファイルである。図3は、PLUファイルF1のデータ構成を例示する概念図である。図3に示すように、PLUファイルF1は、商品Aごとに、ユニークに割り当てられた商品ID、商品Aが属する商品分類、商品名、単価などの商品に関する情報と、その商品を撮像した商品画像と、「類似度:0.XX」という閾値と、仕切りが必要か否かを表す情報と、を格納するファイルである。詳細は後述するが、この「類似度:0.XX」という閾値は、商品Aがドーナツなどであり、揚げ不足/過ぎのような場合などは、予めPLUファイルF1に記憶していた商品の商品画像と比較することで、正規の状態とは異なった物品であると判断することが可能となる。仕切りが必要か否かを表す情報は、洋菓子店やドーナツショップなどで販売されるケーキやドーナツを紙箱153内に箱詰めする際に、「仕切りが必要である」旨の警告を発するためのものである。」
「【0026】商品検出部1612は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれる商品Aの全部または一部を、パターンマッチング技術などを用いて検出する。具体的には、取り込まれたフレーム画像を2値化した画像から輪郭線などを抽出する。次いで、直近のフレーム画像から抽出された輪郭線と、今回のフレーム画像から抽出された輪郭線とを比較し、変更があった部分、すなわち、売上登録のために読取窓103に向けられた商品の写り込みを検出する。なお、商品を検出する別の方法としては、取り込まれたフレーム画像から肌色領域の有無を検出する。次いで、肌色領域が検出された場合、すなわち、店員の手の写り込みが検出された場合は、上述した輪郭線の検出を行うことで、店員の手が把持していると想定される商品の輪郭抽出を試みる。この時、手の形状を示す輪郭と、それ以外の輪郭とが検出された場合は、店員の手が商品を把持していることから、商品の写り込みを検出する。【0027】画像出力部1613は、撮像画像取込部1611が取り込んだフレーム画像を、接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する。画像出力部1613は撮像画像取込部1611が取り込んだフレーム画像を逐次POS端末11へ出力してもよいが、本実施形態では、商品検出部1612により商品Aの全部または一部が検出されたフレーム画像をPOS端末11へ出力するものとする。このように、商品検出部1612により商品Aの全部または一部が検出されたフレーム画像をPOS端末11へ出力することで、商品Aの全部または一部が含まれていないフレーム画像によってPLUファイルF1を参照して実行する物体認識がPOS端末11で行われることを防止できる。特定の物体の認識処理は処理時間を要することから、特定の物体の認識の見込みのない、商品Aの全部または一部が含まれていないフレーム画像での処理を防止することで、処理時間の短縮を図ることができる。【0028】物体認識部611は、PLUファイルF1の商品画像を参照して、商品読取装置101の撮像部164により撮像された商品Aの全部または一部の画像から、特徴量として色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を読み取ることによって特定の物体として商品Aを認識する。なお、物体認識部611は、処理時間の短縮を図るため、商品Aの輪郭や大きさは考慮しないものとする。POS端末11では、物体認識部611の認識結果により、PLUファイルF1に予め登録されている商品の中から商品読取装置101が読み取った商品を特定できる。」
「【0032】商品登録部612は、物体認識部611により認識された商品画像と関連する売上登録にかかる情報、すなわち、商品読取装置101が読み取った商品として特定された商品の商品ID、商品分類、商品名、単価などを売上マスタファイルなどに記録して売上登録を行う。【0033】次に、チェックアウトシステム1の動作について詳細に説明する。図5は、本実施形態にかかるチェックアウトシステム1の動作の一例を示すフローチャートである。続きを表示(全30行)【0034】先ず、商品読取装置101側の動作について説明する。図5に示すように、POS端末11による商品登録の開始などに応じて処理が開始されると、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164による撮像を開始する(ステップS1)。次いで、撮像画像取込部1611は、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像(撮像画像)を取り込む(ステップS2)。次いで、商品検出部1612は、撮像画像取込部1611が取り込んだフレーム画像から紙箱153内の全ての商品Aの全部または一部の検出を行う(ステップS3)。次いで、画像出力部1613は、商品検出部1612により紙箱153内の全ての商品Aの全部または一部が検出されたフレーム画像をPOS端末11へ出力する(ステップS4)。【0035】図6は、読取窓103における読取領域Rの例を示す概念図である。具体的には、図6は商品Aを読み取る際の読取領域Rを例示する概念図である。図6に示すように、前述した商品Aの移動過程において読取領域Rに紙箱153内の商品Aが映り込んだ場合は、その読取領域Rを撮像したフレーム画像からステップS3で紙箱153内の全ての商品Aの全部または一部が検出される。この紙箱153内の全ての商品Aの全部または一部の検出により、ステップS4では読取領域Rを撮像したフレーム画像がPOS端末11へ出力されることとなる。【0036】次いで、CPU161は、POS端末11から商品登録の終了通知などによる業務終了の有無を判定する(ステップS5)。業務を継続する場合(ステップS5:No)、CPU161は、ステップS2へ処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(ステップS5:Yes)、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オフ信号を出力して撮像部164による撮像を終了し(ステップS6)、処理を終了する。【0037】次に、POS端末11側の動作について説明する。図5に示すように、キーボード22の操作指示による商品登録の開始などに応じて処理が開始されると、CPU61は、商品読取装置101から出力された、紙箱153内の全ての商品Aの全部または一部を検出したフレーム画像を受信する(ステップS11)。次いで、物体認識部611は、PLUファイルF1の商品画像を参照して、商品読取装置101から出力された紙箱153内の全ての商品Aの全部または一部の画像から特定の物体として商品Aを順に認識する(ステップS12)。【0038】ここで、ステップS12における認識の結果、商品Aの候補が複数出てくる場合がある。そこで、商品Aの候補が複数ある場合には(ステップS13:Yes)、CPU61は、図7に示すような表示デバイス23への画面表示によって(ステップS14)、店員に報知する。図7は、表示デバイス23による表示例を示す概念図である。図7に示すように、表示デバイス23の表示画面には、ステップS12における認識の結果である複数の商品Aの候補の商品名、単価がPLUファイルF1から取得されて表示される。図7に示す例では、「プレーンドーナツ」と「シュガードーナツ」とが表示されている。【0039】その後、CPU61は、オペレータ(店員)がタッチパネル26を介して正しい候補を商品Aとして選択したと判定すると(ステップS15:Yes)、ステップS16に進む。【0040】なお、商品Aの候補が複数ない場合には(ステップS13:No)、そのままステップS16に進む。【0041】次いで、類似度判定部613は、物体認識部611が認識した商品Aについて、類似度を算出する(ステップS16)。類似度は、PLUファイルF1に記憶されている各商品の商品画像を100%=「類似度:1.0」とした場合に、商品読取装置101から出力された商品Aの全部または一部の画像がどの程度類似しているかを示すものである。上述したように、例えば色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態に応じて類似度を算出する。なお、例えば、色合いと表面の凹凸状況とでは、重み付けを変えるようにしても良い。【0042】次いで、類似度判定部613は、ステップS16で算出した類似度が予め定められた閾値(「類似度:0.XX」)を超えているか否かを判定する(ステップS17)。【0043】類似度判定部613が、ステップS16で算出した類似度が予め定められた閾値(「類似度:0.XX」)を超えていると判定した場合(ステップS17:Yes)、ステップS18において、商品登録部612が、特定の物体である商品Aの認識結果や、その認識結果の中から選択されて一つに特定された商品Aの売上を登録する。【0044】加えて、仕切り警告部616が、認識された商品AについてPLUファイルF1に記憶された仕切りが必要か否かを表す情報を参照して、仕切りが必要な商品である場合には、その旨を店員に報知する(ステップS19)。具体的には、仕切り警告部616は、表示デバイス23や接続インターフェース65、176を介した表示デバイス106への画面表示や、接続インターフェース65、175を介した音声出力部165による警告音の出力などで仕切りが必要な旨を店員に報知する。【0045】次いで、CPU61は、全ての物体を認識したか否かを判定する(ステップS20)。CPU61は、全ての物体を認識したと判定した場合は(ステップS20:Yes)、ステップS21に進み、全ての物体を認識していないと判定した場合は(ステップS20:No)、ステップS12へ処理を戻して次の物体の認識処理を継続させる。【0046】ステップS21では、確認画像表示部615が、図8に示すような顧客用表示デバイス24への画面表示によって、顧客に購入商品を確認させる。図8に示す例では、商品Aが詰められている紙箱153の画像を表示領域G1に表示するとともに、予め保存していた商品Aの商品名や単価などの商品情報および個数、合計金額などの購入商品の履歴も表示領域G2に併せて表示させている。また、表示領域G1に表示されている商品Aの商品画像には商品名も付記されている。この表示領域G2における購入商品の履歴の表示は、RAM63にスタックしている購入商品にかかる情報をもとにPOS端末11のCPU61が行う。このような画面表示によって、希望している商品と間違いないかを顧客に対して確認することができる。従来においては、洋菓子店やドーナツショップなどでは、商品Aが詰められている紙箱153を陳列ケース151越しに顧客に提示し誤りがないか確認し、その後に売買取引のための登録や締め操作などのPOS操作を行なうが、本システムにおいては、購入商品を商品読取装置101で映し、全ての商品の商品名や価格などの情報を一括で読み出すため、顧客が確認後に短時間でPOS操作を完了することが可能となる。」
6 引用文献6について
原査定の拒絶の理由において引用された引用文献6(特開2011-054038号公報)には、以下のとおりの記載がある。下線は当審が付した。
「【技術分野】【0001】この発明は、セルフチェックアウト端末装置およびその制御プログラムに関し、例えば、セルフチェックアウトシステムに用いられるセルフチェックアウト端末等に適用されるものである。」
「【0028】制御部253には、バーコードスキャナ203、LCD210、タッチパネル211、カード読取部206、テンキー207、カードリーダライタ252、レシートプリンタ251、監視カメラ205、発光部218、入出金装置221との間でのデータ通信を媒介するインターフェース260がシステムバス259を介して接続され、制御部253による制御を受ける。制御部253は、それらの各部を制御し、検索処理と商品情報登録処理と決済処理とを含む商品販売データ処理を実行する。【0029】さらに、後述するように、バーコードスキャナ203によって商品に付されたバーコードが読み取られた場合、スキャン判定部M3は、当該商品に対応する商品情報登録としてRAM254中に、例えば、”1”データのフラグをセットし、正常にスキャンされた商品であることを記憶させる。また、スキャン判定部M3は、RAM254にセットされた上記フラグを確認され商品決済が終了した場合、次に商品のスキャンに備えてRAM254の上記”1”データフラグをリセットする。上記動作をスキャンする商品ごとに行う。【0030】決済処理は、検索処理によって取得した単価に基づいて決済金額を算出し、その決済金額の決済を実行する処理である。決済金額は、タッチパネル211での締め操作に応じて必要な消費税計算等を含む売上合計金額を計算することによって算出され、RAM254等に仮登録するか、あるいは売上ファイルに登録する。決済処理では、算出した決済金額について、現金、クレジットカード等の磁気カード、電子マネー又は銀行口座特定用の識別番号を記憶保存する非接触ICカードを利用した決済を可能にする。現金の扱いは、ベースハウジング202aに設けられた入出金装置221で実行され、磁気カードの扱いは、カード読取溝212の内部に設けられたカードリーダライタ252によって実行され、非接触ICカードの扱いは、カード読取部206を介して実行される。【0031】制御部253にはシステムバス259を介して通信インターフェース261も接続されている。通信インターフェース261は、通信ネットワーク41に接続され、アテンダント端末501及びストアコントローラ31とセルフチェックアウト端末101 との間のデータ通信を実現させる。【0032】認識カメラ299は、商品が買物かごからの出たことを認識したり、買物かごから収納袋までの間を移動する商品およびその導線を認識する。認識カメラ299により撮像された画像データは、例えば、RAM254に格納され、エラー警告の際に、タッチパネル211上に表示される。」
「【0038】エラー警告報知部M4は、バーコードスキャナ203において商品がスキャンされたとしてRAM54中にセットされたフラグが確認されない場合、例えば発光部218青色から赤色に発光等させることにより、エラー警告を報知する。加えて、エラー警告報知部M4、商品440がスキャンされていないと判定された場合、認識カメラ299から取得し解析したエラー警告の対象となった当該商品の画像を、タッチパネル211上に表示させる。」
「【0043】(ステップS24)続いて、エラー警告報知部M4は、上記ステップS23の際、買物かご400から収納袋401の導線477の間で、商品440がスキャンされていない(当該商品440に対応する商品情報登録としてRAM254中にフラグがセットされていない)と判定された場合(No)、例えば、発光部218を青色から赤色に発光等させることにより、エラー警告を報知する。【0044】そのため、バーコードスキャナ203にて商品登録されていない商品440が収納袋401に移動した場合は、エラー警告を瞬時に発生させることができる。加えて、エラー警告報知部M4は、商品440がスキャンされていないと判定された場合(No)、認識カメラ299から取得し解析したエラー警告の対象となった当該商品の画像をタッチパネル211上に表示させる。そのため、商品440が商品登録確認ができずエラー警告した場合であっても、タッチパネル211上の当該商品440を画像で認識しながら、キーボード207やタッチパネル211上の選択画面、操作画面、操作ボタン等を操作することにより、商品登録確認ができ、顧客に不快感を与えることを防止できる。」
(7)引用文献7について
原査定の拒絶の理由において引用された引用文献7(特開2013-054593号公報)には、以下のとおりの記載がある。下線は当審が付した。
「【0002】従来、スーパーマーケット等の各種店舗では、会員登録を行った会員(顧客)に対し、所定の特典を提供することで販売促進を図ることが行われている。会員に対する特典としては、例えば、ポイントを発行するポイントサービス制度が利用されている。係るポイントサービス制度では、会員となった顧客に対して取引金額に応じたポイントを付与し、そのポイントを次回以降の取引時に値引等に利用できるものとしている。」
「【0004】また、従来、撮像手段で撮像した顧客の顔画像に基づいて顧客を認識し、認識した顧客に関連付けて記憶していた購買履歴等の情報を、店舗側のオペレータ(販売員)に提示する技術が知られている。」
「【0006】実施の形態の情報処理装置は、第1撮像手段と、商品認識手段と、第2撮像手段と、会員判定手段と、特典付与手段とを備える。第1撮像手段は、購入対象の商品を撮像する。商品認識手段は、第1撮像手段で撮像された第1画像と、予め記憶された各商品の商品画像とを照合し、この照合により得られる各商品の商品画像との類似度に基づいて、第1撮像手段で撮像された商品を認識する。第2撮像手段は、商品を購入する顧客の顔を撮像する。会員判定手段は、第2撮像手段で撮像された第2画像と、予め記憶された各会員の顔画像とを照合し、この照合により得られる各会員の顔画像との類似度に基づいて、第2撮像手段で撮像された顧客が会員か否かを判定する。特典付与手段は、商品認識手段が認識した各商品の精算時に、会員判定手段が会員と判定した顧客に対し所定の特典を付与する。」
8 引用文献8について
原査定の拒絶の理由において引用された引用文献8(国際公開第2013/033442号)には、引用文献8の日本語翻訳文である特表2014-531636号を参照すると、以下の事項が記載されている。下線は当審が付した。
「【0031】一態様によれば、本技術は、例えばスーパーマーケットの精算システムで商品を識別する方法に関する。第1のそのような方法は、購入対象の商品を搬送ベルトなどで経路に沿って移動させることを含む。商品が経路に沿った第1の位置にある時に、第1のカメラ機構が、商品を記述する第1の2D画像データを捕捉する。商品が経路に沿った第2の位置にある時に、第2の2D画像データが捕捉される。プログラムされたコンピュータ又は他の装置が、捕捉された画像データを、経路及びカメラについての幾何学的情報と併せて処理して、商品表面上の第1のパッチについての3D空間における向き情報を判別する。この3D空間の向き情報を参照することにより、システムは、少なくとも第1のパッチのカメラの描写から物体識別情報を判定する。」
「【0301】店舗の中は、一定の資格付与水準を満たす買い物客が利用できる、信頼できる買い物客の精算オプションの実施を選択するものもある。そのような水準には、例えば、平均購入額が月に300ドル以上である、その店舗でのメンバーカードによる買い物歴が少なくとも2年になる、住所が店舗から2マイル以内にある、等が含まれる。信頼性を示す他の標識は、例えば、信用度、職歴、身元調査等の公衆又は私的なデータベースから集めることができる。信頼できる買い物客のオプションは、そのような買い物客は信頼度が高いため、そうでない客よりも迅速に精算させるように設計される。例えば、セルフサービスの精算所では、一般の買い物客を時折不快にさせる警告の一部(「商品は袋詰めエリアに置いて下さい!」等)を、信頼できる買い物客には無効にしてもよい。同様に、製品を機械で識別することを要求する代わりに、買い物客が自分で商品を識別することもできる(例えば、その買い物客がよく購入する商品の一覧から表示されたエントリに軽く触れる、又は購入する商品を示す買い物リストを提出する等により)。資格のある買い物客は、顔認識、カードの読み取り、及び暗証番号(例えばメンバーカードやクレジット/デビットカード)で認証することができる。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の、「プログラム」、「MPU」、「RAM」、「コンピュータシステム」は、それぞれ、本願発明1の「プログラム命令」、「1つまたは複数のプロセッサ」、「メモリ」、「コンピューティングシステム」に相当することは明らかであるから、引用発明の、MPUとMPUに接続されたアプリケーションプログラムを格納するRAMとからなるコンピュータシステムにおいて、プログラムを実行することにより購買行動分析装置を実現する、コンピュータシステムは、本願発明1の「1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサに結合され、プログラム命令を格納するメモリと、から構成されるコンピューティングシステムであって、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、前記プログラム命令は、」「命令を含む、コンピューティングシステム」に相当する。
イ 引用発明の「顧客購買行動情報」は、「各顧客が商品の売り場や、商品の陳列棚を含む領域内に移動してきて、この領域内に立ち止まってから、この領域外に立ち去るまでの間に取得された情報」であり、この「商品の売り場や、商品の陳列棚を含む領域」は、本願発明1の「在庫場所近くにある材料取扱施設内」であるから、引用発明の「一の顧客が一度立ち止まってから立ち去るまでに取得された顧客購買行動情報に同じ値の「顧客ID」を付与」することと、本願発明1の「在庫場所近くにある材料取扱施設内で、ユーザの顔認証または前記ユーザが有する携帯装置からの識別情報に基づいて前記ユーザを識別させ」ることとは、「在庫場所近くにある材料取扱施設内で、前記ユーザを識別させ」る点で共通する。
ウ 引用発明において、引用発明の「商品販売画像にフレームインした直後」の画像、「フレームアウトした直後の画像」は、それぞれ、本願発明1の「前記在庫場所に前記ユーザが接触する前に生成された、前記ユーザの少なくとも一部に対応する第1画像データ」、「在庫場所に前記ユーザが接触した後に生成された、前記ユーザの少なくとも一部に対応する第2画像データ」に相当する。
また、引用発明のコンピュータシステムに、「ユーザが、商品販売画像にフレームインした直後と、フレームアウトした直後の画像を比較して、変化があった領域の画像から、商品識別情報と対応付けて用意された商品ごとの商品画像とを、色や形を元にパターンマッチングすることにより、欠落した商品を検出することで、この商品が購入されたことを判断」させることは、本願発明1の「前記第1画像データ及び前記第2画像データの分析に基づき、前記ユーザが前記在庫場所から対象物を除去したことを判断させ、前記ユーザが前記在庫場所から前記対象物を除去したと判断したことに応答し、前記在庫場所に関連付けられた在庫の物品を判断させ」ることに相当する。
そして、引用発明の「商品販売画像にフレームインした直後」の画像及び「フレームアウトした直後の画像」は、「商品販売画像格納部」に格納されたものであるから、引用発明のコンピュータシステムに、「商品販売画像にフレームインした直後」の画像、及び「フレームアウトした直後の画像」から、「ユーザが、商品販売画像にフレームインした直後と、フレームアウトした直後の画像を比較して、変化があった領域の画像から、商品識別情報と対応付けて用意された商品ごとの商品画像とを、色や形を元にパターンマッチングすることにより、欠落した商品を検出することで、この商品が購入されたことを判断」させることと、本願発明1の「第1デバイスから、前記在庫場所に前記ユーザが接触する前に生成された、前記ユーザの少なくとも一部に対応する第1画像データを受信させ、前記第1デバイスから、もしくは前記第1デバイスとは異なる第2デバイスから、前記在庫場所に前記ユーザが接触した後に生成された、前記ユーザの少なくとも一部に対応する第2画像データを受信させ、前記第1画像データ及び前記第2画像データの分析に基づき、前記ユーザが前記在庫場所から対象物を除去したことを判断させ、前記ユーザが前記在庫場所から前記対象物を除去したと判断したことに応答し、前記在庫場所に関連付けられた在庫の物品を判断させ」ることとは、「前記在庫場所に前記ユーザが接触する前に生成された、前記ユーザの少なくとも一部に対応する第1画像データを取得させ、前記在庫場所に前記ユーザが接触した後に生成された、前記ユーザの少なくとも一部に対応する第2画像データを取得させ、前記第1画像データ及び前記第2画像データの分析に基づき、前記ユーザが前記在庫場所から対象物を除去したことを判断させ、前記ユーザが前記在庫場所から前記対象物を除去したと判断したことに応答し、前記在庫場所に関連付けられた在庫の物品を判断させ」る点で共通する。
エ 引用発明の「顧客購買行動情報」は、顧客毎の商品が購入された否かの検出結果に応じた購買情報と、顧客識別情報とを含む情報であり、顧客が店内において購入した全ての商品を顧客識別情報に対応させて蓄積されるものであるから、引用発明のコンピュータシステムに「画像検出部の検出結果が示す顧客ごとの商品に対する接触の有無の検出結果に応じた接触関連情報と、接触された商品が購入されたか否かの検出結果に応じた購買情報と、顧客識別情報とを含む顧客購買行動情報」を生成させることと、本願発明1の「前記物品を表す物品識別子を前記ユーザ物品リストに加えさせる」こととは、「前記物品を特定する情報に基づいてユーザ物品リストを生成する」点で共通する。
(2)一致点、相違点
上記(1)によると、本願発明1と引用発明とは、次の一致点、相違点を有する。
[一致点]
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサに結合され、プログラム命令を格納するメモリと、から構成されるコンピューティングシステムであって、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、前記プログラム命令は、
在庫場所近くにある材料取扱施設内で、ユーザを識別させ、
前記在庫場所に前記ユーザが接触する前に生成された、前記ユーザの少なくとも一部に対応する第1画像データを取得させ、
前記在庫場所に前記ユーザが接触した後に生成された、前記ユーザの少なくとも一部に対応する第2画像データを取得させ、
前記第1画像データ及び前記第2画像データの分析に基づき、前記ユーザが前記在庫場所から対象物を除去したことを判断させ、
前記ユーザが前記在庫場所から前記対象物を除去したと判断したことに応答し、前記在庫場所に関連付けられた在庫の物品を判断させ
前記物品を特定する情報に基づいてユーザ物品リストを生成する、命令を含む、
コンピューティングシステム。
[相違点1]
ユーザの識別を、本願発明1では、「ユーザの顔認証または前記ユーザが有する携帯装置からの識別情報に基づいて」行うのに対し、引用発明ではユーザの識別について特定されていない点。
[相違点2]
第1画像データの取得を、本願発明1では、「第1デバイス」から受信するのに対し、引用発明では、「商品販売画像格納部」に格納された商品販売画像を読み出すものであり、また、第2画像データの取得を、本願発明1では、「前記第1デバイス」もしくは「前記第1デバイスとは異なる第2デバイス」から受信するのに対し、引用発明では、「商品販売画像格納部」に格納された商品販売画像を読み出す点。
[相違点3]
本願発明1では、「データストアから前記ユーザに関連付けされたユーザ物品リストを検索させ」るのに対し、引用発明では、そのような構成を備えていない点。
[相違点4]
物品を特定する情報が、本願発明1では「物品識別子」であるのに対し、引用発明ではそのような特定はなく、ユーザ物品リストの生成が、本願発明1では、物品を特定する情報を、検索されたユーザ物品リストに加えさせるものであるのに対し、引用発明では、そのような特定のない点。
[相違点5]
本願発明1が、「前記ユーザが前記在庫場所から前記除去した前記物品を確認させるよう、前記ユーザに通知を提供させ」るのに対し、引用発明ではそのような特定のない点。
(3)判断
事案に鑑み、[相違点5]について検討する。
ア 引用発明の「顧客購買行動情報」について
引用発明は、購買行動を分析するために、「顧客購買行動情報」を生成するものであり、引用文献1の段落【0104】に「画像検出部109は、商品販売画像格納部108に格納されている商品販売画像の1以上のフレーム画像を時系列に沿って順次読み出し、オブジェクトの動き検出や、予め用意された商品画像とのパターンマッチングを行って、商品に対する接触の有無や、接触された商品が購入されたか否かの検出等を行う。商品に対する接触の検出として、例えば、商品に対する接触開始時刻や接触終了時刻の、商品販売画像のタイムコードの情報からの取得を行う。」と記載されているように、「商品販売画像格納部」に格納された「商品販売画像」を順次読み出すものであり、リアルタイムで顧客の購買行動を検出するものではないし、顧客の購買行動を分析して店舗側に提供するものであるから、リアルタイムで顧客の購買行動を検出する必要もない。
イ [相違点5]について
引用文献4の【0124】段落には、「現在のショッピングカート内の商品情報、合計金額、購入の有無を表示することができる」との記載があるが、ユーザが在庫場所から購入のために手に取った物品を確認させるものではない。
また、引用文献2~8のいずれにも、ユーザが在庫場所から購入のために手に取った物品を確認させるよう、前記ユーザに通知をすることは記載されていないし、当該事項が本願優先日において周知技術であったともいえない。
仮に、当該事項が周知技術であったとしても、引用発明はリアルタイムで顧客の購買行動を検出するものではないから、顧客が商品を在庫場所から購入のために除去した(取り上げた)ときに顧客に購入した物品を確認させる構成とはならず、さらに、引用発明は、顧客の購買行動を検出、分析して、商品を売る側に提供するためのものであるから、ユーザに対して購入した商品を通知する構成を採用する動機付けもない。
よって、引用発明及び引用文献2~8に記載された技術的事項に基づいて、当業者が相違点5に係る構成を容易に想到し得たとはいえない。
ウ 作用効果について
本願発明1は、「ユーザは、制御装置224を介して、物品をユーザ物品リストに追加すべきか、及び/または物品の数量をいくらユーザ物品リストに追加すべきかを確認できる。」という本願明細書の段落【0032】に記載の作用効果を奏するものである。
エ したがって、本願発明1は、他の相違点について検討するまでもなく、引用発明及び引用文献2~8に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4)小括
以上のとおり、本願発明1は、引用発明及び引用文献2~8に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 本願発明2~5について
本願発明2~5も、本願発明1の相違点5に係る構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2~8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
3 本願発明6について
(1)対比
引用発明は、「顧客が、商品を棚に戻したことも、商品画像とマッチングする画像が、顧客が接触を行う前の位置に戻ったことにより判断可能」なものでもあるから、上記1(1)~(3)と同様に、本願発明6と引用発明とを対比すると、本願発明6と引用発明とは、次の一致点、相違点を有する。
[一致点]
実行可能な命令で構成された1つまたは複数のコンピューティングシステムの制御の下、
材料取扱施設内で、ユーザを識別することと、
前記ユーザが前記材料取扱施設内の在庫場所に接触する前に生成された、前記在庫場所に対応する第1画像データを取得することと、
前記ユーザが前記在庫場所に接触した後に生成された、前記在庫場所に対応する第2画像データを取得することと、
前記第1画像データ及び前記第2画像データの分析に基づき、前記ユーザが前記在庫場所に対象物を配置したことを判断することと、
前記在庫場所に配置された前記対象物の物品を判断することと、
前記在庫場所に配置された前記物品を特定する情報に基づいてユーザ物品リストを生成することと、を含む、材料取扱施設内でユーザに支援を提供するコンピュータ実行方法。
[相違点1]
ユーザの識別を、本願発明6では、「ユーザの顔認証または前記ユーザが有する携帯装置からの識別情報に基づいて」行うのに対し、引用発明ではユーザの識別について特定されていない点。
[相違点2]
第1画像データの取得を、本願発明6では、「第1デバイス」から受信するのに対し、引用発明では、「商品販売画像格納部」に格納された商品販売画像を読み出すものであり、また、第2画像データの取得を、本願発明6では、「前記第1デバイス」もしくは「前記第1デバイスとは異なる第2デバイス」から受信するのに対し、引用発明では、「商品販売画像格納部」に格納された商品販売画像を読み出す点。
[相違点3′]
本願発明6では、「データストアから前記ユーザに関連付けされたユーザ物品リストを検索」するのに対し、引用発明では、そのような構成を備えていない点。
[相違点4′]
物品を特定する情報が、本願発明6では「物品識別子」であるのに対し、引用発明ではそのような特定はなく、ユーザ物品リストの生成が、本願発明6では、物品を特定する情報を、検索されたユーザ物品リストから取り除いて更新するのに対し、引用発明では、そのような特定のない点。
[相違点5′]
本願発明6が、「前記ユーザが前記在庫場所に前記対象物を配置したことを確認させるよう、前記ユーザに通知する」のに対し、引用発明ではそのような特定のない点。
(2)判断
事案に鑑み、[相違点5′]について検討する。
ア 引用発明の「顧客購買行動情報」について
引用発明は、購買行動を分析するために、「顧客購買行動情報」を生成するものであり、引用文献1の段落【0104】に「画像検出部109は、商品販売画像格納部108に格納されている商品販売画像の1以上のフレーム画像を時系列に沿って順次読み出し、オブジェクトの動き検出や、予め用意された商品画像とのパターンマッチングを行って、商品に対する接触の有無や、接触された商品が購入されたか否かの検出等を行う。商品に対する接触の検出として、例えば、商品に対する接触開始時刻や接触終了時刻の、商品販売画像のタイムコードの情報からの取得を行う。」と記載されているように、商品販売画像格納部に格納された商品販売画像を順次読み出すものであり、リアルタイムで顧客の購買行動を検出するものではないし、顧客の購買行動を分析して店舗側に提供するものであるから、リアルタイムで顧客の購買行動を検出する必要もない。
イ [相違点5′]について
引用文献4の【0124】段落には、「現在のショッピングカート内の商品情報、合計金額、購入の有無を表示することができる」との記載があるが、ユーザが購入を取りやめて商品棚に戻した物品を確認させるものではない。
また、引用文献2~8のいずれにも、ユーザが購入を取りやめて商品棚に戻した物品を確認させるよう、前記ユーザに通知をすることは記載されていないし、当該事項が本願優先日において周知技術であったともいえない。
仮に、当該事項が周知技術であったしても、引用発明はリアルタイムで顧客の購買行動を検出するものではないから、顧客が商品の購入を取りやめて商品棚に戻したときに顧客に商品棚に戻した商品を確認させる構成とはならず、さらに、引用発明は、顧客の購買行動を検出、分析して、商品を売る側に提供するためのものであるから、顧客に、購入を取りやめて商品棚に戻した物品を通知する構成を採用する動機付けもない。
よって、引用発明及び引用文献2~8に記載された技術的事項に基づいて、当業者が相違点5′に係る構成を容易に想到し得たとはいえない。
ウ 作用効果について
本願発明6は、「在庫場所に配置されはずだと、ユーザが思う物品の識別情報をユーザに提示することができる。同様に、例示のサブプロセス700は、ユーザが在庫場所に配置された物品数量を識別することを要求することができる。」という本願明細書の段落【0070】に記載の作用効果を奏するものである。
エ したがって、本願発明6は、他の相違点について検討するまでもなく、引用発明及び引用文献2~8に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)小括
以上のとおり、本願発明6は、引用発明及び引用文献2~8に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 本願発明7~11について
本願発明7~11も、本願発明6の相違点5′に係る構成を備えるものであるから、本願発明6と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2~8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1~11は、引用発明及び引用文献2~8に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-003720