審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2021-003435

情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

審判番号
2021-003435
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-537660外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月16日
審決日
2022年01月05日
公報発行日
2022年08月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04B) / P18 .65 -WY (H04B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第37条、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-537660「情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 3月 9日国際公開、WO2017/038319、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 25項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成28年7月27日(優先権主張 平成27年9月4日)を国際出願日とする出願であって、令和2年5月26日付けで拒絶理由通知がされ、令和2年7月1日に手続補正がされ、令和2年12月25日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対して、令和3年3月16日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和2年12月25日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.理由1(特許法第37条(発明の単一性))

本願は、特許法第37条に規定する要件を満たしていない。

したがって、請求項2、請求項2を含む請求項3-6、8-9、請求項11-13に係る発明は、特許法第37条以外の要件についての判断を行っていない。

2.理由3(特許法第29条第2項(進歩性))

この出願の請求項1、3-10に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1-5に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開2005-352814号公報

2.特開2006-287536号公報

3.特開2008-160856号公報

4.特開2013-219863号公報

5.特開2015-011592号公報

第3 本願発明

本願請求項1-9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は、令和3年3月16日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
外部装置との非接触通信において認識された所定の要求に基づいて、静的な情報を送信する第1の処理モード、または、処理に応じた動的な情報を送信する第2の処理モードを選択し、選択された処理モードに対応する処理を行う処理部を備え、
前記処理部は、
前記認識された所定の要求が、情報を送信させる読み出し要求である場合に、前記第1の処理モードを選択し、
続きを表示(全32行)
前記認識された所定の要求が、情報を記録媒体へ書き込ませる書き込み要求である場合に、前記第2の処理モードを選択し、
前記第1の処理モードが選択された場合には、前記非接触通信と異なる他の通信方式による通信を前記外部装置との間で行うための接続情報を、前記静的な情報として送信する、情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、一の処理モードが選択されていることを示すフラグが設定されていないときに、前記所定の要求が認識された場合に、認識された前記所定の要求を、最初に認識された前記所定の要求であると判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第2の処理モードが選択された場合に、前記フラグを設定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記フラグが設定されているときに、前記読み出し要求に応じた処理が行われた場合に、前記フラグを解除する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第2の処理モードが選択された場合には、受電に関する情報を前記動的な情報として送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受電に関する情報に基づき前記外部装置から前記非接触通信による給電が行われているときに、受電の終了が検出された場合、
前記処理部は、インピーダンスを変化させる、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記外部装置との前記非接触通信は、負荷変調により行われ、
前記処理部は、前記負荷変調に関する負荷をオフ状態からオン状態として、前記オン状態を保つことによって、前記インピーダンスを変化させる、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
外部装置との非接触通信において認識された所定の要求に基づいて、静的な情報を送信する第1の処理モード、または、処理に応じた動的な情報を送信する第2の処理モードを選択し、選択された処理モードに対応する処理を行うステップを有し、
前記処理を行うステップでは、
前記認識された所定の要求が、情報を送信させる読み出し要求である場合に、前記第1の処理モードが選択され、
前記認識された所定の要求が、情報を記録媒体へ書き込ませる書き込み要求である場合に、前記第2の処理モードが選択され、
前記第1の処理モードが選択された場合には、前記非接触通信と異なる他の通信方式による通信を前記外部装置との間で行うための接続情報が、前記静的な情報として送信される、情報処理装置により実行される情報処理方法。
【請求項9】
外部装置との非接触通信において認識された所定の要求に基づいて、静的な情報を送信する第1の処理モード、または、処理に応じた動的な情報を送信する第2の処理モードを選択し、選択された処理モードに対応する処理を行う機能を、コンピュータに実現させ、
前記処理を行う機能は、
前記認識された所定の要求が、情報を送信させる読み出し要求である場合に、前記第1の処理モードを選択し、
前記認識された所定の要求が、情報を記録媒体へ書き込ませる書き込み要求である場合に、前記第2の処理モードを選択し、
前記第1の処理モードが選択された場合には、前記非接触通信と異なる他の通信方式による通信を前記外部装置との間で行うための接続情報を、前記静的な情報として送信する、プログラム。」

第4 引用文献、引用発明等

1.引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-352814号公報(以下、「引用文献1」という。下線は、当審において付与した。)には、次の事項が記載されている。

(1)「【0031】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における構成を示している。本実施の形態では、例えばスーパーマーケット等で商品を購入する場合の無線タグを利用したシステム構成の一例を示している。図1において、100はスーパーマーケット、101 は商品と無線タグのIDの関連付けを管理している管理サーバ、102はスーパーマーケット100内に設置された無線タグの情報を読み取り可能な情報端末、1 03は無線タグの情報を読み取り清算を行うレジ、104はスーパーマーケット内で販売されている商品、K100はスーパーマーケット100の利用者が所持している無線タグのリーダ/ライタ機能及び情報保存機能付の携帯電話、200は利用者宅、T100は無線タグである。また、無線タグT100は、内部に読み書き可能なメモリを有しており、そのメモリ上に無線タグ毎に固有のID及び関連情報を保持している。
【0032】
まず、無線タグの動作について説明する。
【0033】
図2は無線タグの構造例を示している。T102は無線タグT100のアンテナ、T101はアンテナT102からの電波によって無線タグT100内の電源を生成する電源回路、T103はデータの送受信や無線タグT100内のメモリへの読み書き等の制御を行う制御部、T104はデータの比較を行う比較部、メモリはリーダ/ライタから読み書きできないメモリT105と読み書き可能なメモリT1 06で構成されている。
【0034】
無線タグは、アンテナT102で受信したリーダ/ライタからの電波によって電源回路T101で電源を生成し、全体に電源が供給される。制御部T103は、リーダ/ライタより受信した電波からデータを再生し、そのデータに従いメモリT 106とのアクセス制御やリーダ/ライタへのデータ送信等を実施する。比較部T 104は、受信したデータとメモリT105内のデータの比較を行う。メモリは、リード専用のメモリT105とリード/ライトが可能なメモリT106で構成されており、無線タグ固有のIDは、メモリT105とメモリT106の両方に保持されている。さらにメモリT106には、IDの他に関連情報も保持可能となっている。携帯電話からのリード/ライト命令により読み書きされるのはメモリT1 06で保持されている情報である。携帯電話K100と無線タグT100間の情報の送受信例を図3から図5に示す。」

【0035】

図3は読み込み時の動作例である。携帯電話K100から読み込みコマンドを無線タグT100に送信すると、無線タグT100内の制御部T103はメモリT106内に保持しているIDと関連情報を読み出し、そのデータをリーダ/ライタに返信する。

【0036】

図4は消去時の動作例である。携帯電話K100から、消去コマンドに続いて無線タグT100のIDを送信する。無線タグT100内の制御部T103は消去コマンドを受信すると、続いて受信したIDとメモリT105に保持しているID を比較部T104で比較し、一致すればメモリT106内の情報を全て消去する。消去が正常に完了すれば携帯電話K100にACKを返信する。IDが一致しない場合や正常に情報が消去できない場合にはNACKが返信される。なお、ACKは正常に完了したことを示すデータであり、NACKは異常であることを示すデータである。

【0037】

図5は書き込み時の動作例である。携帯電話K100から書き込みコマンドに続いて無線タグT100のIDと関連情報を送信する。無線タグT100内の制御部T103は書き込みコマンドを受信すると、続いて受信したIDとメモリT105に保持しているIDを比較部にて比較し、一致すればメモリT106内にIDと更に続いて受信した関連情報の書き込みを行う。

(2)「
【図2】
[図:0001386813000001.jpg]
【図3】
[図:0001386813000002.jpg]
【図5】
[図:0001386813000003.jpg]
」

上記(1)~(2)の記載によれば、引用文献1には、次の発明が(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

<引用発明>

「アンテナT102、アンテナT102からの電波によって無線タグT100内の電源を生成する電源回路T101、データの送受信や無線タグT100内のメモリへの読み書き等の制御を行う制御部T103、データの比較を行う比較部T104、リーダ/ライタから読み書きできないメモリT105、リーダ/ライタから読み書き可能なメモリT106で構成されている無線タグT100であって(【0033】)、
携帯電話K100から読み込みコマンドを無線タグT100に送信すると、無線タグT100内の制御部T103はメモリT106内に保持しているIDと関連情報を読み出し、そのデータをリーダ/ライタに返信し(【0035】)、
携帯電話K100から書き込みコマンドに続いて無線タグT100のIDと関連情報を送信し、無線タグT100内の制御部T103は書き込みコマンドを受信すると、続いて受信したIDとメモリT105に保持しているIDを比較部にて比較し、一致すればメモリT106内にIDと更に続いて受信した関連情報の書き込みを行う(【0037】)、無線タグT100。」

2.引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-287536号公報(以下、「引用文献2」という。下線は、当審において付与した。)には、次の事項が記載されている。

(1)「【0015】
本実施の形態に係るデジタルカメラ1は、同図に示すように、NFC(近距離無線:Near Field Communication)部と撮像部とから構成され、アンテナ回路101、整流回路102、電源切替回路103、変復調回路104、NFC_CPU105、不揮発メモリ106、RAM(Randam Access Memory)107、操作部108、バッテリー109、メインCPU110、画像メモリ111、制御バス112及び通信バス113を備えている。」
(2)「【0024】
このプリンタ2は、図2に示すように、NFC(近距離無線:Near Field Communication)部と印刷部とから構成され、アンテナ回路201、整流回路202、電源切替回路203、変復調回路204、NFC_CPU205、不揮発メモリ206、RAM(Randam Access Memory)207、操作部208、バッテリー209、メインCPU210、印刷ヘッド211、制御バス212及び通信バス213を備えている。」
(3)「【0027】
次に、図4のシーケンスに従い、デジタルカメラ1からプリンタ2へ画像を送信して印刷する場合のデジタルカメラ1及びプリンタ2の動作を説明する。
【0028】
ここでは、NFC部の動作モードについて、通信相手が送信するキャリアからの誘導電力で動作するモードをパッシブモード、自らの電源により動作するモードをアクティブモードと規定する。
続きを表示(全20行)
【0029】
図4のシーケンスではデジタルカメラ1のデフォルトは待機状態であり、デジタルカメラ1及びプリンタ2では動作モードがパッシブモードに設定されている。
【0030】
デジタルカメラ1に操作部108から画像送信の要求が入力されると、ネゴシエーションフェーズへ移行する。ネゴシエーションフェーズでは、デジタルカメラ1 の動作モードはアクティブモードに設定される。このときプリンタ2の動作モードはパッシブモードのままである。アクティブモードでは、電源切替回路103が"B"側となるようにメインCPU110が制御を行い、バッテリー109の出力B がNFC部の電源として供給される。
【0031】
デジタルカメラ1がバッテリ109のバッテリー残量aを検出すると、プリンタ2がバッテリ209のバッテリー残量bを検出するためのコマンドをバッテリー残量aの情報とともにプリンタ2に通知する。
【0032】
プリンタ2はこのコマンドを受信して、バッテリ209のバッテリー残量bを検出し、検出されたバッテリー残量bの情報をデジタルカメラ1にレスポンスとして通知する。
【0033】
その後、デジタルカメラ1及びプリンタ2のそれぞれで、バッテリー残量aとバッテリー残量bの残量比較を行い、デジタルカメラ1及びプリンタ2はデータ通信フェーズに移行する。
【0034】
デジタルカメラ1では、バッテリー残量aとバッテリー残量bの残量比較の結果、バッテリー残量aがバッテリー残量bより多い場合には動作モードがアクティブモードに設定され、バッテリー残量bがバッテリー残量aより多い場合には動作モードはパッシブモードに設定される。
【0035】
プリンタ2では、バッテリー残量aとバッテリー残量bの残量比較の結果、バッテリー残量bがバッテリー残量aより多い場合には動作モードはアクティブモードに設定され、バッテリー残量aがバッテリー残量bより多い場合には動作モードはパッシブモードに設定される。
【0036】
その後、設定されたモードにおいて、画像データがデジタルカメラ1からプリンタ2に送信され、通信が終了した旨がデジタルカメラ1からプリンタ2に通知され、その確認通知がプリンタ2からデジタルカメラ1に送信され、デジタルカメラ1及びプリンタ2は動作を終了する。」

上記(1)~(3)の記載によれば、引用文献2には、次の技術が記載されている。

「デジタルカメラ1及びプリンタ2のNFC部の動作モードを、通信相手が送信するキャリアからの誘導電力で動作するパッシブモード、又は、自らの電源により動作するアクティブモードに設定する技術。」

3.引用文献3について

原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-160856号公報(以下、「引用文献3」という。下線は、当審において付与した。)には、次の事項が記載されている。

(1)「【0026】
図1においては、通信システムは、3つの通信装置1,2,3から構成されている。通信装置1乃至3それぞれは、例えば、複数の通信プロトコルによる通信を行うことができるようになっている。
【0027】
なお、通信システムを構成する通信装置は、3つの通信装置1乃至3に限定されるものではなく、2つの通信装置や4以上の通信装置であっても良い。
【0028】
また、図1の通信システムは、通信装置1乃至3のうちの1以上をリーダ/ライタとするとともに、他の1以上をICカードとするICカードシステムとして採用することができることは勿論、通信装置1乃至3それぞれを、通信機能を備えるPDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、携帯電話、腕時計、ペン等の携帯可能な端末とする通信システムとして採用することも可能である。即ち、通信装置1乃至3は、ICカードシステムのICカードやリーダ/ライタなどに限定されるものではない。また、通信システムは、通信装置1,2、または3の他、例えば、従来のICカードシステムを構成するICカードやリーダ/ライタなどを含めて構成することも可能である。
【0029】
但し、ここでは、通信装置1乃至3それぞれは、無線通信を行う機能を有するものとし、複数の通信プロトコルには、NFC(Near Field Communication)が含まれるものとする。」
(2)「【0126】
なお、図15は、通信装置1と2の機能的な構成例を示している。
【0127】
即ち、図15においては、通信装置1は、NFC通信部51とBT通信部52を有し、通信装置2は、NFC通信部61とBT通信部62を有している。NFC通信部51および61は、NFCによる通信を行い、BT通信部52および62は、BT通信を行う。
続きを表示(全26行)
【0128】
図16は、図15の通信装置1と2を、それぞれ、イニシエータとターゲットとして、初めに、NFCによる通信を行い、その後、NFCによる通信からBT通信にハンドオーバする場合の、通信装置1および2の処理を説明するフローチャートである。
【0129】
まず最初に、イニシエータであるNFC通信部51は、ステップS51において、ポーリングを行い、ターゲットであるNFC通信部61は、そのポーリングを受信し、ステップS52において、そのポーリングに対する応答を、NFC通信部51に送信する。
【0130】
NFC通信部51は、NFC通信部61から、ポーリングに対する応答が送信されてくると、その応答を受信し、ステップS53において、NFC通信部61に、NFCIDを要求する。NFC通信部61は、NFC通信部51からのNFCIDの要求を受信し、ステップS54において、その要求に応じて、自身のNFCIDを、NFC通信部51に送信する。NFC通信部51は、NFC通信部61からのNFCIDを受信し、これにより、通信相手であるNFC通信部61(通信装置2)を特定する。なお、NFC通信部51から61に送信される、NFCIDの要求には、NFC通信部51のNFCIDが含まれており、NFC通信部61は、そのNFCIDによって、通信相手であるNFC通信部51(通信装置1)を特定する。
【0131】
その後、NFC通信部51と61との間では、ステップS55において、相互認証のためのデータがやりとりされることにより、相互認証が行われ、さらに、その際、トランザクションIDとトランザクションキーとが交換される。その後のNFC通信部51と61との間では、トランザクションIDとトランザクションキーを暗号鍵として、その暗号鍵でデータを暗号化して、データがやりとりされる。なお、上述したように、相互認証は、スキップすること(行わないようにすること)が可能である。
【0132】
ステップS55において、相互認証が成功すると、ステップS56に進み、NFC通信部51は、NFC通信部61に対して、通信装置2が利用可能なプロトコルの情報である利用可能プロトコル情報の要求(アベイラブルメディアリクエスト)を送信し、NFC通信部61は、その要求を受信する。NFC通信部61は、ステップS57において、NFC通信部51からの要求に応じて、通信装置2が利用可能なプロトコルの情報である利用可能プロトコル情報(アベイラブルメディアレスポンス)を、NFC通信部51に送信し、NFC通信部51は、その利用可能プロトコル情報を受信する。
【0133】
いまの場合、NFC通信部51は、NFC通信部61から受信した利用可能プロトコル情報から、通信装置2がBT通信が可能であることを認識する。
【0134】
そして、例えば、NFCによる通信よりも、BT通信の方が高伝送レートであり、大容量のデータの送信を、通信装置1と2との間で行うには、NFCによる通信よりも、BT通信の方が有利であるとして、NFCによる通信から、BT通信に切り換えることが、通信装置1において決定されたとする。
【0135】
この場合、ステップS58において、NFC通信部51と61との間で、BT通信に必要な通信情報が交換される。ここで、BT通信に必要な通信情報としては、例えば、BT通信において、通信相手を特定するBD(Bluetooth Device)アドレスなどがある。即ち、通信装置1のBT通信部52と、通信装置2のBT通信部62は、それぞれユニークなBDアドレスを有しており、ステップS58では、NFC通信部51から61に対して、BT通信部52のBDアドレスが送信され、NFC通信部61は、そのBDアドレスを受信する。さらに、ステップS58では、NFC通信部61から51に対して、BT通信部62のBDアドレスが送信され、NFC通信部51は、そのBDアドレスを受信する。
【0136】
その後、NFC通信部51は、ステップS59において、NFC通信部61に対して、NFCによる通信からBT通信に切り換える切り換え要求(メディアハンドオーバリクエスト)を送信し、NFC通信部61は、その切り換え要求を受信する。そして、NFC通信部52は、ステップS60において、NFC通信部51からの切り換え要求に対する応答(メディアハンドオーバレスポンス)を、NFC通信部51に送信し、NFC通信部51は、その応答を受信する。
【0137】
その後、通信装置1は、ステップS61において、NFC通信部51が行うNFCによる通信から、BT通信部52が行うBT通信への切り換え(ハンドオーバ)を行う。さらに、通信装置2も、ステップS62において、NFC通信部61が行うNFCによる通信から、BT通信部62が行うBT通信への切り換え(ハンドオーバ)を行う。
【0138】
そして、NFC通信部51と61は、ステップS63において、NFCによる通信をターミネーションする。その後、ステップS64において、BT通信部52と62との間で、ステップS58で交換された通信情報に基づき、BT通信が行われる。」

上記(1)~(2)の記載によれば、引用文献3には、次の技術が記載されている。

「初めに、NFCによる通信を行い、その後、NFCによる通信からBT通信にハンドオーバするにあたって、NFC通信部51と61との間で、BT通信に必要な通信情報が交換され、ここで、BT通信に必要な通信情報としては、例えば、BT通信において、通信相手を特定するBD(Bluetooth Device)アドレスなどである技術。」

4.引用文献4について

原査定の拒絶の理由に引用された特開2013-219863号公報(以下、「引用文献4」という。下線は、当審において付与した。)には、次の事項が記載されている。

(1)「【0038】
携帯制御回路51は、2次コイルL2を通じてポーリング信号を受けた旨認識すると、負荷変調回路55を通じて負荷変調を行う。詳しくは、負荷変調回路55は、ポーリング信号が受信されたとき、2次コイルL2に負荷(図示略)を接続した接続状態と、2次コイルL2に負荷を接続しない非接続状態との間で切り替える。この接続状態及び非接続状態間での切り替えに応じて、2次コイルL2と磁気結合する1次コイルL1からみたインピーダンスが変化する。従って、1次コイルL1に供給される電流が変化する。充電制御回路41は、この電流の変化を通じて送電パッド40aに携帯端末50が設置されているか否かを判断し、設置されている旨判断したとき連続的に1次コイルL1を励磁させることで携帯端末50の充電を行う。
【0039】
また、携帯制御回路51は、携帯バッテリ54の充電が完了した旨判断すると、上記同様に負荷変調回路55を通じて負荷変調を行うことで、その旨を充電制御回路41に通知する。」

上記(1)の記載によれば、引用文献4には、次の技術が記載されている。

「携帯制御回路51は、携帯バッテリ54の充電が完了した旨判断すると、負荷変調回路55を通じて負荷変調を行うことで、充電が完了した旨を充電制御回路41に通知する技術。」

5.引用文献5について

原査定の拒絶の理由に引用された特開2015-011592号公報(以下、「引用文献5」という。下線は、当審において付与した。)には、次の事項が記載されている。

(1)「【0120】
図23はNFCとWLANを切り換えてデータ転送を行う場合のシーケンスである。
【0121】
ここで、NFCは通信速度が数百bpsと比較的低速であるため、NFCで認証等を行い、容量の多いデータはより高速なWLANで行うことで効率的なデータ転送を図ることができる。
続きを表示(全44行)
【0122】
図23においては、携帯型通信端末装置2301上に存在する画像データを印刷装置2302で印刷するために、携帯型通信端末装置2301が主体となって転送する、いわゆるプッシュ型の場合の一例である。
【0123】
ここで、携帯型通信端末装置2301は、図1の携帯型通信端末装置200に対応し、印刷装置2302は、図1のMFP300に対応する。また、NFC通信部2303及びWLAN通信部2304はそれぞれ、図8のNFCユニット818及びWLANユニット817に対応する。更に、NFC通信部2305及びWLAN通信部2306はそれぞれ、図9のNFCユニット918及びWLANユニット917に対応する。
【0124】
ステップS2301で、NFC通信を確立するため、NFC通信部2303は、自身がイニシエータとなって、NFC通信部2305をターゲットとして検知する。
【0125】
ステップS2302で、NFC通信部2305は、NFC通信部2305が正しく検知された場合、検知応答を送信する。尚、図の例は、携帯型通信端末装置2301がイニシエータとなる場合を示しているが、実際には、操作表示部305からの入力に基づいて印刷装置2302がイニシエータとなってもよい。
【0126】
ステップS2303で、NFC通信部2303は、検知応答を正しく受信した場合、NFC通信を行うための属性要求を送信する。
【0127】
ステップS2304で、NFC通信部2305は、属性要求を受信した場合、属性応答を送信する。ここで、属性要求及び属性応答では、それぞれイニシエータ及びターゲットのNFC IDを送信し、このIDによって通信相手を特定する。
【0128】
ステップS2305で、NFC通信部2303及びNFC通信部2305との間で相互認証を行い、データ暗号化のための暗号鍵等を受け渡すことができる。尚、暗号鍵を渡す必要がない場合は、この相互認証は行わないことも可能である。
【0129】
ステップS2306で、NFC通信部2303は、NFC通信部2305に対して、印刷装置2302が利用可能な通信プロトコルの情報を要求する。この要求には、携帯型通信端末装置2301が利用可能な通信プロトコルの情報が含まれており、NFC通信部2305は、この要求を受信した際に、携帯型通信端末装置2301のWLAN通信が利用可能であることを認識することができる。
【0130】
ステップS2307で、NFC通信部2305は、受信した要求に対して、自身の利用可能な通信プロトコルの情報を応答する。これによって互いの装置は、互いの利用可能な通信プロトコルを把握することができる。
【0131】
ここで認識したNFC以外のプロトコルであるWLANが、NFCよりも高速なデータ転送が可能であり、WLANに切り換えて(ハンドオーバーして)通信を行うことがイニシエータである携帯型通信端末装置2301によって決定されたとする。尚、切り換えを行うための決定は、印刷装置2302が行っても良い。その場合、ステップS2308及びS2309において、WLANで通信を行うために必要な、例えば、通信相手を特定するアドレス等の情報を交換する。
【0132】
ステップS2310で、NFC通信部2303は、NFC通信からWLAN通信へと切り換える要求を送信する。
【0133】
ステップS2311で、NFC通信部2305は、切り換えの要求を受信した場合、切り換え応答を返信する。
【0134】
ステップS2312で、NFC通信部2303は、切り換え応答を受信した場合、NFC通信部2303からWLAN通信部2304へ切り換える。
【0135】
ステップS2313で、NFC通信部2305は、切り換え応答を送信した場合、NFC通信部2305からWLAN通信部2306へ切り換える。
【0136】
切り換え後、ステップS2314で、NFC通信部2303は、解放要求を送信する。
【0137】
ステップS2315で、NFC通信部2305は、解放要求を受信した場合、解放応答を送信し、NFC通信を終了する。
【0138】
ステップS2316以降では、ステップS2308及びS2309で交換したWLAN通信のための情報に基づき、WLAN通信を行う。
【0139】
ステップS2316で、WLAN通信部2304は、データ転送が可能かどうかWLAN通信部2306に確認する確認要求を送信する。ここで、確認する内容は、例えば、印刷装置2302内に転送しようとする画像を一時保存するための空き容量等がある。
【0140】
ステップS2317で、WLAN通信部2306は、確認要求を受信した場合、確認要求に対する確認応答を送信する。
【0141】
ステップS2318で、WLAN通信部2304は、確認応答を受信し、データ転送が可能であると判定した場合、携帯型通信端末装置2301に存在する画像データをWLAN通信部2306に対して送信する。こうすることで、容量の大きいデータはより高速な通信プロトコルを用いて転送することができる。」

上記(1)の記載によれば、引用文献5には、次の技術が記載されている。

「NFC通信からWLAN通信へと切り換えるにあたって、NFC通信部2303は、NFC通信部2305に対して、印刷装置2302が利用可能な通信プロトコルの情報を要求し、NFC通信部2305は、受信した要求に対して、自身の利用可能な通信プロトコルの情報を応答する技術。」

第5 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比する。

(1-1)本願発明1の『外部装置との非接触通信において認識された所定の要求に基づいて、静的な情報を送信する第1の処理モード、または、処理に応じた動的な情報を送信する第2の処理モードを選択し、選択された処理モードに対応する処理を行う処理部を備え、』について

(1-1-1)引用発明の「携帯電話K100」は、無線タグT100とは異なる装置であり、無線タグT100の外部にあるものなので、本願発明1の『外部装置』に相当する。

(1-1-2)引用発明の「無線タグT100」と「携帯電話K100」とは、電波を介してデータの送受信を行うものであるから、『非接触通信』を行っているといえる。

(1-1-3)引用発明の「読み込みコマンド」は、無線タグT100に対してメモリT106内に保持しているIDと関連情報を読み出し、そのデータをリーダ/ライタに返信することを要求するものであるから、『所定の要求』であるといえる。

(1-1-4)引用発明の「書き込みコマンド」は、無線タグT100に対してメモリT106内にIDと関連情報を書き込むことを要求するものであるから、『所定の要求』であるといえる。

(1-1-5)引用発明の「制御部T103」は、携帯電話K100から読み込みコマンドを受信すると、メモリT106内に保持しているIDと関連情報を読み出し、そのデータをリーダ/ライタに返信するといった処理を行い、携帯電話K100から書き込みコマンドを受信すると、メモリT106内にIDと関連情報を書き込むといった処理を行うものであるから、『認識された』読み込みコマンド、又は、書き込みコマンド『に基づいて』、各コマンドに応じた『処理を行う処理部』であるといえる。

(1-1-6)上記(1-1-1)~(1-1-5)で言及した事項を踏まえると、本願発明1と引用発明は、『外部装置との非接触通信において認識された所定の要求に基づいて、処理を行う処理部』を備える点で共通する。

(1-1-7)なお、引用発明の「制御部T103」が、本願発明1でいう『外部装置との非接触通信において認識された所定の要求に基づいて、静的な情報を送信する第1の処理モード、または、処理に応じた動的な情報を送信する第2の処理モードを選択し、選択された処理モードに対応する処理を行う』旨は引用文献1には開示されていない。

(1-2)本願発明1の『前記処理部は、

前記認識された所定の要求が、情報を送信させる読み出し要求である場合に、前記第1の処理モードを選択し、

前記第1の処理モードが選択された場合には、前記非接触通信と異なる他の通信方式による通信を前記外部装置との間で行うための接続情報を、前記静的な情報として送信する』について

(1-2-1)引用発明の「読み込みコマンド」は、上記(1-1-3)で言及したように、無線タグT100に対してメモリT106内に保持しているIDと関連情報を読み出し、そのデータをリーダ/ライタに返信することを要求するものであるから、『所定の要求』であって『情報を送信させる読み出し要求』であるといえる。

(1-2-2)そうすると、引用発明の「メモリT106内に保持しているIDと関連情報を読み出し、そのデータをリーダ/ライタに返信」することと本願発明1の『前記第1の処理モードを選択し、前記第1の処理モードが選択された場合には、前記非接触通信と異なる他の通信方式による通信を前記外部装置との間で行うための接続情報を、前記静的な情報として送信する』ことは、何れも『所定の要求』が『情報を送信させる読み出し要求』である場合に行われる所定の処理(以下、「第1の所定の処理」という。)であるといえる。

(1-2-3)上記(1-1-6)及び上記(1-2-1)~(1-2-2)で言及した事項を踏まえると、本願発明1と引用発明は、『処理部は、認識された所定の要求が、情報を送信させる読み出し要求である場合に、“第1の所定の処理”』を行う点で共通する。

(1-2-4)なお、引用発明の「制御部T103」が、本願発明1でいう『前記認識された所定の要求が、情報を送信させる読み出し要求である場合に、前記第1の処理モードを選択し、前記第1の処理モードが選択された場合には、前記非接触通信と異なる他の通信方式による通信を前記外部装置との間で行うための接続情報を、前記静的な情報として送信する』旨は引用文献1には開示されていない。

(1-3)本願発明1の『前記処理部は、

前記認識された所定の要求が、情報を記録媒体へ書き込ませる書き込み要求である場合に、前記第2の処理モードを選択し、』について

(1-3-1)引用発明の「書き込みコマンド」は、上記(1-1-4)で言及したように、無線タグT100に対してメモリT106内にIDと関連情報を書き込むことを要求するものであり、メモリT106は『記録媒体』であるから、『所定の要求』であって『情報を記録媒体へ書き込ませる書き込み要求』であるといえる。

(1-3-2)そうすると、引用発明の「メモリT106内にIDと更に続いて受信した関連情報の書き込みを行う」ことと本願発明1の『前記第2の処理モードを選択』することとは、何れも『所定の要求』が『情報を記録媒体へ書き込ませる書き込み要求』である場合に行われる所定の処理(以下、「第2の所定の処理」という。)であるといえる。

(1-3-3)上記(1-1-6)及び上記(1-3-1)~(1-3-2)で言及した事項を踏まえると、本願発明1と引用発明は、『処理部は、認識された所定の要求が、情報を記録媒体へ書き込ませる書き込み要求である場合に、“第2の所定の処理”』を行う点で共通する。

(1-3-4)なお、引用発明の「制御部T103」が、本願発明1でいう『前記認識された所定の要求が、情報を記録媒体へ書き込ませる書き込み要求である場合に、前記第2の処理モードを選択』する旨は引用文献1には開示されていない。

(1-4)本願発明1の『情報処理装置』について

(1-4-1)引用発明の「無線タグT100」は、上記(1-1-5)で言及したように、各コマンドに応じた処理を行う「制御部T103」を有し、情報を処理する装置であるといえるから、本願発明1の『情報処理装置』に対応する。

上記(1-1)~(1-4)で言及した事項を踏まえると、本願発明1と引用発明とは、次の点で一致する。

<一致点>

「外部装置との非接触通信において認識された所定の要求に基づいて、処理を行う処理部を備え、
前記処理部は、
前記認識された所定の要求が、情報を送信させる読み出し要求である場合に、“第1の所定の処理”を行い、
前記認識された所定の要求が、情報を記録媒体へ書き込ませる書き込み要求である場合に、“第2の所定の処理”を行う、情報処理装置。」

そして、本願発明1と引用発明とは、次の点で相違する。

<相違点1>

本願発明1では、『外部装置との非接触通信において認識された所定の要求に基づいて、静的な情報を送信する第1の処理モード、または、処理に応じた動的な情報を送信する第2の処理モードを選択し、選択された処理モードに対応する処理を行う』のに対し、引用発明では、メモリT106内に保持しているIDと関連情報を読み出し、そのデータをリーダ/ライタに返信し、または、書き込みコマンドに続いて受信したIDとメモリT105に保持しているIDを比較部にて比較し、一致すればメモリT106内にIDと更に続いて受信した関連情報の書き込みを行う点。

<相違点2>

本願発明1では、『認識された所定の要求が、情報を送信させる読み出し要求である場合に、第1の処理モードを選択し』、『前記第1の処理モードが選択された場合には、非接触通信と異なる他の通信方式による通信を外部装置との間で行うための接続情報を、静的な情報として送信する』のに対し、引用発明では、読み込みコマンドを受信した場合に、メモリT106内に保持しているIDと関連情報を読み出し、そのデータをリーダ/ライタに返信する点。

<相違点3>

本願発明1では、『認識された所定の要求が、情報を記録媒体へ書き込ませる書き込み要求である場合に、第2の処理モードを選択』するのに対し、引用発明では、書き込みコマンドを受信した場合に、続いて受信したIDとメモリT105に保持しているIDを比較部にて比較し、一致すればメモリT106内にIDと更に続いて受信した関連情報の書き込みを行う点。

(2)相違点についての判断

事案に鑑み、まず相違点2について検討する。

引用文献3には、「NFCによる通信を行い、その後、NFCによる通信からBT通信にハンドオーバするにあたって、NFC通信部51と61との間で、BT通信に必要な通信情報が交換され、ここで、BT通信に必要な通信情報としては、BT通信において、通信相手を特定するBD(Bluetooth Device)アドレスなど」であることが記載されており、通信相手を特定するBDは、『接続情報』であるから、BT通信、すなわち、他の通信方式による通信を行うための接続情報を送信しているといえる。

また、引用文献5には、「NFC通信からWLAN通信へと切り換えるにあたって、NFC通信部2303は、NFC通信部2305に対して、印刷装置2302が利用可能な通信プロトコルの情報を要求し、NFC通信部2305は、受信した要求に対して、自身の利用可能な通信プロトコルの情報を応答する技術」が記載されており、自身の利用可能な通信プロトコルの情報は、『接続情報』であるから、WLAN通信、すなわち、他の通信方式による通信を行うための接続情報を送信しているといえる。

すなわち、引用文献3及び5には、『非接触通信と異なる他の通信方式による通信を外部装置との間で行うための接続情報を送信する』技術が開示されているといえる。

ここで、引用発明と上記『非接触通信と異なる他の通信方式による通信を外部装置との間で行うための接続情報を送信する』技術との組み合わせについて検討するに、引用発明は、読み込みコマンドを受信した場合に、単に、メモリT106内に保持しているIDと関連情報を読み出し、そのデータをリーダ/ライタに返信するといった処理を行うものであり、それ以外の処理を行うことを想定したものではなく、ましてや、非接触通信と異なる他の通信方式による通信を行うものではない。

してみれば、引用発明において読み込みコマンドを受信した場合に、上記『非接触通信と異なる他の通信方式による通信を外部装置との間で行うための接続情報を送信する』技術を採用する動機があるとはいえない。

加えて、本願発明1の『認識された所定の要求が、情報を送信させる読み出し要求である場合に、第1の処理モードを選択し』、『前記第1の処理モードが選択された場合には、非接触通信と異なる他の通信方式による通信を外部装置との間で行うための接続情報を、静的な情報として送信する』点は、引用文献2~5のいずれにも記載されておらず、周知な技術でもない。

したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献2~5に記載された事項に基いて容易に発明できたものとはいえない。

2.本願発明2-7について

本願発明2-7は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2~5に記載された事項に基いて容易に発明できたものとはいえない。

3.本願発明8について

本願発明8は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明8と引用発明とは、上記相違点1ないし3が存在する。

したがって、本願発明1と同様の理由により、本願発明8は、当業者であっても、引用発明、引用文献2~5に記載された事項に基いて容易に発明できたものとはいえない。

4.本願発明9について

本願発明9は、本願発明1の構成と同様の構成を備えるプログラムの発明であり、本願発明9と引用発明とは、上記相違点1ないし3が存在する。

したがって、本願発明1と同様の理由により、本願発明9は、当業者であっても、引用発明、引用文献2~5に記載された事項に基いて容易に発明できたものとはいえない。

第6 原査定について

1.理由1(特許法第37条(発明の単一性))について

本願発明2-7は、本願発明1を引用して記載されており、また、本願発明8-9は、それぞれ、本願発明1に対応する方法、プログラムの発明であるから、発明の単一性の要件を満たしている。

したがって、原査定の理由1を維持することはできない。

2.理由3(特許法第29条第2項(進歩性))について

上記「第5」に記載したとおり、本願発明1-9は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献に基いて、容易に発明できたものとはいえない。

したがって、原査定の理由3を維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2021-003435

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決173件(ソニーグループ株式会社)
  • 2025-015376拒絶査定不服審判 / 2026-07-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)アアルウエア
    同じ当事者: ソニーグループ株式会社
  • 2024-005641拒絶査定不服審判 / 2026-06-15 / 請求不成立蛍光シグナルを増強するための二価金属の使用
    同じ当事者: ソニーグループ株式会社
  • 2024-019674拒絶査定不服審判 / 2026-04-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)画像処理装置および係数データ生成方法
    同じ当事者: ソニーグループ株式会社
  • 2025-004396拒絶査定不服審判 / 2026-04-06 / 請求不成立通信装置及び通信方法、並びにコンピュータプログラム
    同じ当事者: ソニーグループ株式会社
  • 2024-001585拒絶査定不服審判 / 2026-03-11 / 請求不成立生物学的に活性な化合物を含むイオン性ポリマー
    同じ当事者: ソニーグループ株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)168件(121・H04B、65・H04B)
  • 2024-000990拒絶査定不服審判 / 2025-03-31 / 原査定取消(特許/登録すべき)軌道上の環境内で動作中の宇宙船と地上電気通信デバイスとの間の通信を取り扱うための…
    共通の審決分類: 121・H04B、65・H04B
  • 2024-017285拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)端末デバイスの方法、及び端末デバイス
    共通の審決分類: 121・H04B
  • 2025-001989拒絶査定不服審判 / 2026-06-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)信号の送信に関与するユーザ機器およびネットワークノード
    共通の審決分類: 121・H04B
  • 2025-010646拒絶査定不服審判 / 2026-05-12 / 原査定取消(特許/登録すべき)ビーム管理方法、装置及びビーム管理装置
    共通の審決分類: 121・H04B
  • 2025-008852拒絶査定不服審判 / 2026-04-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)通信信号を表す複数のダウンリンク信号の検出後合成のためのシステム及び方法
    共通の審決分類: 121・H04B

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存