2021-003257
Knee bandage
- 審判番号
- 2021-003257
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2019-501687外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年03月11日
- 審決日
- 2021年10月06日
- 公報発行日
- 2021年11月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】バウアーファインド アーゲー
- 【請求人代理人】特許業務法人平木国際特許事務所
- 分類
- D18 .113-WY (B2-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 手続の経緯
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本願は,令和1年(2019年)9月12日の欧州連合知的財産庁への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,国際登録日を同年12月16日とする国際意匠登録出願であって,その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「Knee bandage」(参考訳:「膝用包帯」,以下日本語訳で示す。)とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。
引用意匠
意匠に係る物品 膝用包帯の意匠
公報発行官庁 米国特許商標庁
文献名 米国意匠特許明細書(意匠特許公報)
出願日 2011年7月29日
出願番号 29/398,356
登録日 2012年8月21日
登録番号 D665,950
公報発行日 2012年8月21日
権利者の氏名/名称 Bauerfeind AG
権利者の住所/居所 Zeulenroda-Triebes(DE)
なお,上記拒絶理由通知書において,引用された意匠の意匠に係る物品を「膝用包帯の意匠」と記載されているが,正しくは,意匠に係る物品は「膝用プロテクター(KNEE PROTECTOR)」である。
しかし,この点につき,本件請求人(本願の出願人と同じ。)は,この誤った記載を了承の上,正しく認定して,意見書にて意見を述べ,審判請求書にて請求理由を主張しているから,このまま継続して審理するものとする。
第4 当審の判断
1.本願意匠
本願意匠は,上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容によると,以下のとおりである。
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「膝用包帯」である。
(2)本願意匠の形状
ア.基本的構成態様
〔形状A1〕全体は,おおむね目の粗いメッシュ生地でできた,側面視でくの字状に曲がった円筒状である。
〔形状A2〕上から下に行くに従い円筒は窄まっている。
〔形状A3〕正面中央やや下に,突出した縦長長円形のクッション部を設けている。
〔形状A4〕要所に,生地の目を細かくして締め付けを強くした部分(以下「締付け部分」ともいう。)を設けている。
イ.具体的態様
〔形状A5〕左側面やや後ろ寄りに,上端から下端まで,くの字状に縫い付け部がある。
〔形状A6〕周面の,上端より僅かに下がった位置に,円周上に一周,細線を施している。
〔形状A7〕締付け部分は,直線的な帯状のものがクッション部から上側に2本,下側に2本,放射状に設けてあり,その先端は,上側に延びたものは物品の上端まで,下側に延びたものは物品の下端まで達しており,左の締付け部分と右の締付け部分の間を空けて,周面上下端の後側を周回している。
〔形状A8〕前側中央やや下に,横向きに三本の帯状の装飾(以下「帯状装飾」という。)を施している。上の帯状装飾は下辺中央を円弧状にややへこませ,下の帯状装飾は上辺中央を円弧状にややへこませており,合わせて正円形状を連想させる空隙を設けている。
〔形状A9〕クッション部の上寄り中央にワンポイント模様を設けていない。
〔形状A10〕略円形状に極小穴を多数設けて通気用孔としたものを,下の帯状装飾の,上辺中央の円弧状へこみの左右下側に設けている。
〔形状A11〕物品の左右側面の中央やや前寄りに,上端寄りから下端寄りにかけて,やや弓なりになった安定材(スタビライザー)を設けている。
〔形状A12〕安定材の上下端には輪状部があり,上端の輪は,丸みを帯びた倒立略正三角形状で,下端の輪は,狭角の略二等辺三角形状である。
2.引用意匠
(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「膝用プロテクター」である。
(2)引用意匠の形状
ア.基本的構成態様
〔形状B1〕全体は,おおむね目の粗いメッシュ生地でできた,側面視でくの字状に曲がった円筒状である。
〔形状B2〕上から下に行くに従い円筒は窄まっている。
〔形状B3〕正面中央やや下に,突出した縦長長円形のクッション部を設けている。
〔形状B4〕要所に,生地の目を細かくして締め付けを強くした部分(以下「締付け部分」ともいう。)を設けている。
イ.具体的態様
〔形状B5〕左側面やや後ろ寄りに,上端から下端まで,くの字状に縫い付け部がある。
〔形状B6〕周面の,上端より僅かに下がった位置に,円周上に一周,細線を施している。
〔形状B7〕締付け部分は,クッション部より上の部分は,やや丸みを帯びた略V字状で,帯の幅は上端に向かって漸次細くなっている。そしてクッション部より下の部分は,末広がりの縦帯部に幅広い裾野部を合わせた形状としている。
〔形状B8〕前側中央やや下に,横向きに三本の帯状の装飾(以下「帯状装飾」という。)を施している。上の帯状装飾は下辺中央を円弧状に大きくへこませ,下の帯状装飾は上辺中央を円弧状に大きくへこませており,合わせて縦長長円形状を連想させる空隙を設けている。
〔形状B9〕クッション部の上寄り中央に,Jの文字とJの鏡文字を背中合わせにして横倒しにした,Bの文字をアレンジしたようなワンポイント模様を設けている。
〔形状B10〕下の帯状装飾の,上辺中央の円弧状へこみの左右下側に通気用孔を設けていない。
〔形状B11〕物品の左右側面の中央やや前寄りに,上端寄りから下端寄りにかけて,やや弓なりになった安定材(スタビライザー)を設けている。
〔形状B12〕安定材の上端には輪状部があり,丸みを帯びた倒立略二等辺三角形状で,下端は,タグ(荷札)状の幅広部がある。
3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠に係る物品は「膝用包帯」であり,引用意匠に係る物品は「膝用プロテクター」である。
(2)両意匠の形状の対比
両意匠の形状を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
〔共通点1〕全体は,おおむね目の粗いメッシュ生地でできた,側面視でくの字状に曲がった円筒状である。(形状A1とB1)
〔共通点2〕上から下に行くに従い円筒は窄まっている。(形状A2とB2)
〔共通点3〕正面中央やや下に,突出した縦長長円形のクッション部を設けている。(形状A3とB3)
〔共通点4〕要所に,生地の目を細かくして締め付けを強くした部分(締付け部分)を設けている。(形状A4とB4)
〔共通点5〕左側面やや後ろ寄りに,上端から下端まで,くの字状に縫い付け部がある。(形状A5とB5)
〔共通点6〕周面の,上端より僅かに下がった位置に,円周上に一周,細線を施している。(形状A6とB6)
〔共通点7〕前側中央やや下に,横向きに三本の帯状装飾を施している。上の帯状装飾は下辺中央を円弧状にへこませ,下の帯状装飾は上辺中央を円弧状にへこませており,合わせて円形状を連想させる空隙を設けている。(形状A8とB8)
〔共通点8〕物品の左右側面の中央やや前寄りに,上端寄りから下端寄りにかけて,やや弓なりになった安定材を設けている。(形状A11とB11)
〔共通点9〕安定材の上端には輪状部がある。(形状A12とB12)
イ.相違点について
〔相違点1〕締付け部分の具体的形状につき,本願意匠は,直線的な帯状のものがクッション部から上側に2本,下側に2本,放射状に設けてあり,その先端は,上側に延びたものは物品の上端まで,下側に延びたものは物品の下端まで達しており,左の締付け部分と右の締付け部分の間を空けて,周面上下端の後側を周回しているのに対して,引用意匠は,クッション部より上の部分は,やや丸みを帯びた略V字状で,帯の幅は上端に向かって漸次細くなっている。そしてクッション部より下の部分は,末広がりの縦帯部に幅広い裾野部を合わせた形状としている。(形状A7とB7)
〔相違点2〕上下の帯状装飾の具体的形状につき,本願意匠は,ややへこませて,合わせて正円形状を連想させるのに対して,引用意匠は,大きくへこませて,合わせて縦長長円形状を連想させる。(形状A8とB8)
〔相違点3〕クッション部の上寄り中央のワンポイント模様につき,本願意匠は,ワンポイント模様を設けていないのに対して,引用意匠は,Jの文字とJの鏡文字を背中合わせにして横倒しにした,Bの文字をアレンジしたようなワンポイント模様を設けている。(形状A9とB9)
〔相違点4〕通気孔につき,本願意匠は,略円形状に極小穴を多数設けて通気用孔としたものを,下の帯状装飾の,上辺中央の円弧状へこみの左右下側に設けているのに対して,引用意匠は,通気孔を設けていない。(形状A10とB10)
〔相違点5〕安定材の具体的形状につき,本願意匠は,上下端に輪状部があり,上端の輪は,丸みを帯びた倒立略正三角形状で,下端の輪は,狭角の略二等辺三角形状であるのに対して,引用意匠は,上端の輪状部は丸みを帯びた倒立略二等辺三角形状で,下端は,タグ(荷札)状の幅広部がある。(形状A12とB12)
4.判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
本願意匠に係る物品は「膝用包帯」であり,引用意匠に係る物品は「膝用プロテクター」であって,表記は異なるが,共に膝に用いて,膝を衝撃から保護したり,膝の運動機能を補助したりするものと認められるから,本願意匠に係る物品と引用意匠に係る物品は,共通する。
(2)両意匠における形状の評価
ア.共通点について
共通点1ないし3については,この種物品分野においては,ごくありふれた形状と認められ,両意匠のみの特徴とは認められないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
共通点4ないし6,並びに共通点8及び9については,この種物品分野においては,本願の出願前,そして,引用意匠の公知日前,から見られる形状であって,両意匠のみの特徴とは認められないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
共通点7については,特徴的であって,両意匠に一定程度の共通感を醸し出してはいるが,具体的には,相違点2及び4の相違があり,両意匠の類否判断に与える影響は限定的である。
イ.相違点について
相違点1は,この種物品の顔ともいうべき正面側全体にわたる大きな模様として表れており,装飾的相違もさることながら,この締付け部分の配置によって,物品の持つ期待できる効果の違いも見て取れることから,両意匠において別異の印象を与えるものであるといえ,両意匠の類否判断に与える影響はとても大きい。
相違点2ないし4は,それぞれを単独で観察すると細かな相違と認められるが,相違点2ないし4は相まって,この種物品にとって重要なパーツの一つであるクッション部について別異の印象を与えていると認められ,全体観察における両意匠の類否判断に与える影響は,一定程度認められる。
相違点5は,僅かに限られた部分の相違であるから,全体観察における両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
(3)両意匠における形状の類否判断
以上のとおり,共通点は,両意匠の類否判断に与える影響は,小さいもの又は限定的なものであり,これらの共通点によっては,両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して,相違点1ないし4によっては,需要者に別異の印象を起こさせるものであるから,両意匠の類否判断を決するものといえる。
そうすると,本願意匠の形状と引用意匠の形状は,類似するとは認められない。
(4)両意匠における類否判断
よって,両意匠は,意匠に係る物品は共通するが,上記のとおり本願意匠と引用意匠の形状は類似するものではないから,本願意匠と引用意匠は類似するとはいえない。
5.結び
したがって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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2021-003257