特許拒絶査定不服審判
2021-002775
コンテンツ配信システム、配信装置、配信方法、及びプログラム
- 審判番号
- 2021-002775
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-097893
- 請求日
- 2021年03月02日
- 審決日
- 2022年05月11日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社講談社
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】大貫 敏史
- 【請求人代理人】江口 昭彦
- 【請求人代理人】内藤 和彦
- 審判長/審判官
- 審判長 角田 慎治
- 審判官 稲葉 和生
- 審判官 小田 浩
- 分類
- P18 .121-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020- 97893「コンテンツ配信システム、配信装置、配信方法、及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年12月13日出願公開、特開2021-190030、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年6月4日の出願であって、令和2年7月3日付けで拒絶理由が通知され、令和2年9月3日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ、令和2年11月30日付けで拒絶査定がされ、これに対して令和3年3月2日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、その後、令和3年11月10日付けで当審より拒絶理由が通知され(以下、「当審拒絶理由(1)」という。)、令和4年1月7日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、令和4年1月27日付けで当審より拒絶理由(最後)が通知され(以下、「当審拒絶理由(2)」という。)、令和4年3月29日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和2年11月30日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
理由2 (進歩性)本願請求項1-3、5-7に係る発明は、以下の引用文献A-Bに基づいて、本願請求項4に係る発明は、以下の引用文献A-Cに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
A.特開2002-175325号公報
B.特開2013-125470号公報
C.小河真之、他2名、消費者の情報探索行動に着目した広告の内容と表示の個別化、情報処理学会研究報告 平成22年度(3)[CD-ROM]、日本、一般社団法人情報処理学会、2010年10月15日、p.1-8
第3 当審拒絶理由の概要
1 当審拒絶理由(1)の概要
理由1 (明確性)この出願は、特許請求の範囲の請求項1-6の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
(1) 請求項1の「前記記事」の記載よりも前に、先行する「記事」の記載が無い点で、発明の構成が不明確である。
請求項2-6についても同様である。
(2) 請求項1の「前記電子コンテンツ」が、「過去の電子コンテンツ」と「新たに投稿される電子コンテンツ」のどちらの「電子コンテンツ」を示すのかが不明である点で、発明の構成が不明確である。
請求項2-6についても同様である。
理由2 (進歩性)本願請求項1-2、4-6に係る発明は、以下の引用文献A、Xに基づいて、本願請求項3に係る発明は、以下の引用文献A、X、Cに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
A.特開2002-175325号公報(拒絶査定時の引用文献A)
X.特開2015-225352号公報(当審において新たに引用した文献)
C.小河真之、他2名、消費者の情報探索行動に着目した広告の内容と表示の個別化、情報処理学会研究報告 平成22年度(3) [CD-ROM]、日本、一般社団法人情報処理学会、2010年10月15日、p.1-8(拒絶査定時の引用文献C)
2 当審拒絶理由(2)の概要
1.(進歩性)本願請求項1-2、4-6に係る発明は、以下の引用文献1-3に基いて、本願請求項3に係る発明は、以下の引用文献1-4に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1.特開2002-175325号公報(拒絶査定時の引用文献A)
2.特開2009-130761号公報(当審において新たに引用した文献)
3.特開2015-225352号公報(当審拒絶理由(1)の引用文献X)
4.小河真之、他2名、消費者の情報探索行動に着目した広告の内容と表示の個別化、情報処理学会研究報告 平成22年度(3) [CD-ROM]、日本、一般社団法人情報処理学会、2010年10月15日、p.1-8(拒絶査定時の引用文献C)
第4 本願発明
本願請求項1-5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明5」という。)は、令和4年3月29日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された事項により特定される発明であって、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
メッセージングサービスを利用してユーザに複数の記事により構成される電子コンテンツを配信するシステムであって、
各ユーザによる過去の電子コンテンツに含まれる各記事へのアクセス履歴をあらわすアクセス情報を取得する取得部と、
コンテンツ事業者によって前記メッセージングサービスを利用して新たに投稿される、複数の記事により構成される電子コンテンツについて、少なくとも配信対象者数の設定を受け付ける設定部と、
設定された前記配信対象者数に応じて、前記アクセス情報をもとに、前記過去の電子コンテンツに含まれる各記事へのアクセス数が多いユーザを、配信対象ユーザとして抽出するとともに、前記アクセス情報に含まれるクリック情報をもとに、前記配信対象ユーザのクリックしやすい最適配信時間を特定する抽出部と、
抽出された前記配信対象ユーザに対し、前記メッセージングサービスを利用して、前記新たに投稿される、複数の記事により構成される電子コンテンツを配信する配信部とを具備し、
前記アクセス情報には、前記各ユーザによって過去にアクセスされた過去の記事に含まれるトピック情報が含まれ、
前記新たに投稿される電子コンテンツを解析することで、前記新たに投稿される電子コンテンツに含まれる新たな複数の記事のそれぞれについてトピック情報を特定する解析部をさらに具備し、
前記解析部は、前記新たな記事のそれぞれについて複数のトピック情報を抽出するとともに、抽出した前記トピック情報のそれぞれのスコアを算出し、最もスコアの高いトピック情報を前記新たな記事のそれぞれについてのトピック情報として特定し、
前記抽出部は、前記配信対象者数に応じて、前記アクセス情報に含まれる前記過去にアクセスされた前記過去の記事のトピック情報と、前記新たに投稿される電子コンテンツに含まれる前記新たな複数の記事のトピック情報とに基づき、前記配信対象ユーザを抽出し、
前記配信部は、抽出された前記配信対象ユーザに対し、前記メッセージングサービスを利用して、前記最適配信時間に、前記新たな複数の記事により構成される前記新たに投稿される電子コンテンツを、前記複数の記事それぞれのトピック情報を含めて配信する、コンテンツ配信システム。」
なお、本願発明2-5の概要は以下のとおりである。
本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明3-5は、それぞれ、本願発明1に対応する配信装置、配信方法、プログラムの発明である。
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1及び引用発明
(1) 引用文献1
当審拒絶理由(2)に引用した引用文献1には、図面とともに、以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。
ア 段落【0002】
「【0002】
【従来の技術】近年の電子メール(インターネットメール)の普及に伴い、各種の広告を電子メールで配信することが行われるようになっている。オプトインメール、ダイレクトメール広告などと呼ばれるのがそれである(以下、このような電子メール的に配信される広告を総称してDM広告という)。このようなDM広告で最も一般的なものは、ソフトウェアの製造者からソフトウェアの購入者に送られる新製品情報であるが、最近では、広告主の依頼を受けた仲介業者が不特定多数の広告受信者にDM広告を配信するDM広告の配信サービスも登場しており、配信されるDM広告の内容も多種多様になってきている。このようなDM広告の配信サービスは、DM広告の受信希望者(以下、広告受信者という)が仲介業者に対してユーザ登録を行うシステムになっており、仲介業者はユーザ登録時に広告受信者から開示された電子メールアドレス宛に広告主の依頼に係るDM広告を配信する。また、広告受信者が、ユーザ登録時に配信して欲しいDM広告のカテゴリを登録できるDM広告の配信サービスも存在しており、これにより広告受信者は、自分の趣味・趣向に合致するDM広告のみを受け取ることができる。DM広告は、図7に示したのは、DM広告の一例であり、このDM広告100は広告内容101に、広告主のインターネット上のWWW(World Wide Web)サイトを示すURL(Uniform Resource Locator )102で構成され、広告受信者は、自己の端末に表示されたDM広告100のURL102をクリックすることにより、広告主の運営するWWWサイトにアクセスできるようになっている。
イ 図1
「
[図:0001384772000001.jpg]
」
ウ 段落【0005】-【0007】
「【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1はインターネットのネットワーク構成の概略を示すものであり、1は不特定多数の広告受信者にDM広告を配信するための広告配信システムである。この広告配信システム1は、広告受信者を含む不特定多数の利用者が自己の端末(図1中、符号10が広告受信者の端末を示し、符号Cはその他のインターネット利用者の端末を示す)からインターネット2を通じてアクセス可能な配信サーバ3を有している。なお、インターネット2の詳細な構造については公知であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0006】前記配信サーバ3は、制御手段4と、受信者登録データベース5(以下、受信者DB5という)と、広告登録データベース6(以下、広告DB6という)とを備えている。
【0007】前記受信者DB5には、広告受信者の個別識別情報が記録された受信者登録テーブル20が備えられている(図2(a)参照)。この受信者登録テーブル20の各レコードには、本システム1の管理者に対してユーザ登録を行った広告受信者の個別情報が記録されている。個別情報は、広告受信者の氏名、電子メールアドレス、広告受信者が配信を希望するDM広告のカテゴリ(以下、希望カテゴリという)、ユーザ登録時に発行される識別ID、パスワード、DM広告のクリック数で構成され、これらはそれぞれテーブル上のフィールド20a~20fとして設定されている。なお、DM広告のクリック数の記録フィールド20fは、DM広告のカテゴリに対応して、ビジネス、スポーツ、釣り、旅行などといったカテゴリ別に細分化されており、DM広告のカテゴリ毎に、広告受信者がDM広告に含まれているURLをマウスでクリックして広告主のWWWサイトにアクセスした回数が記録できるようになっている。」
エ 図2
「
[図:0001384772000002.jpg]
」
オ 図5
「
[図:0001384772000003.jpg]
」
カ 段落【0010】-【0012】
「【0010】前記制御手段4は、予め設定されているHTML文書、CGI(Common Gateway Interface)スクリプト等で構成された制御プログラムと一定のプロトコル(TCP/IP等)とに基づいて利用者の端末と各種情報信号の送受信制御処理を行う。これにより、サービスサイトを運営し、広告受信者のユーザ登録等を受け付ける。その一方で制御手段は、広告主から運営者に依頼されたDM広告の広告配信処理も行う。この広告配信処理としては、ノーマル配信、アクティブ配信およびスポット配信の3通りのパターンが用意されており、DM広告は、これら何れかの配信処理により広告受信者に配信されることになる。なお、このノーマル配信、アクティブ配信およびスポット配信は、DM広告の配信依頼時に広告主が指定したものが利用される。以下、それぞれについて処理を詳しく説明する。
・・・(中略)・・・
【0012】◎アクティブ配信(図5参照)
広告DB6内に登録された所定のDM広告のアクティブ配信指令およびその配信部数が制御手段4に入力される(S101)と、制御手段4は、広告DB6の広告情報登録テーブル30から配信指令のあったDM広告の識別コード、広告内容およびカテゴリを取得する(S102)。次に、制御手段4は、受信者登録テーブル20を開き、取得したDM広告のカテゴリに対応するカテゴリのクリック数記録フィールドにクリック数がカウントされているレコードを選択し(S103)、当該選択レコードにおける広告受信者の識別IDおよび電子メールアドレスを取得する(S104)。この時、取得した識別ID数が配信部数に満たない場合は、選択されたレコード以外のレコードから無作為に不足数分の識別IDおよび電子メールアドレスを取得する(S105,S106)。逆に取得した識別ID数が広告配信部数を超えている場合には、クリック数の少ないものから順に破棄して識別ID数を配信部数に調整する(S107,S108)。こうして配信部数分の識別IDおよび電子メールアドレスが得られると、制御手段4は、取得した識別ID毎にDM広告用のURLを生成する(S109)。このURLは、前述のノーマル配信で示したものと同様、配信サーバ3のURLに識別ID、DM広告の識別コードを合成した形式で成る(図4参照)。次に、制御手段4は、各URLを順次広告内容の所定位置(例えば上記従来の技術の欄で紹介したDM広告100におけるURL102の位置等)に挿入して配信部数分のDM広告を作成し(S110)、これをURLに付された識別IDに対応する電子メールアドレス宛に順次送信する(S111)。こうして、選択された広告受信者にはDM広告が配信される。このように、アクティブ配信では、配信するDM広告のカテゴリと同じカテゴリの過去に配信されたDM広告中のURLをクリックしたことのある広告受信者に優先的にDM広告が配信される。」
キ 段落【0018】
「【0018】
【発明の効果】本発明の広告配信システムによれば、広告受信者が広告を通じて広告主のWWWサイトにアクセスしたことを記録し、このアクセス記録がある広告受信者に対して優先的に広告を配信するため、広告を通じた広告主のWWWサイトへのアクセス数を増加させることが可能になる等、広告による宣伝効果を高めることができる等の利点がある。また、DM広告のカテゴリに受信希望カテゴリが一致する広告受信者中、そのカテゴリについてアクセス記録がある広告受信者に優先的に広告を配信することにより、DM広告を通じた広告主のサイトへのアクセス数をより一層増加させることが可能になる等の利点がある。」
(2) 引用発明
したがって、上記引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「電子メール的に配信される広告を総称してDM広告といい、
不特定多数の広告受信者にDM広告を配信するための広告配信システムであって、この広告配信システム1は、広告受信者を含む不特定多数の利用者が自己の端末からインターネット2を通じてアクセス可能な配信サーバ3を有し、
前記配信サーバ3は、制御手段4と、受信者登録データベース5(以下、受信者DB5という)と、広告登録データベース6(以下、広告DB6という)とを備え、
前記受信者DB5には、広告受信者の個別識別情報が記録された受信者登録テーブル20が備えられ、
個別情報は、広告受信者の氏名、電子メールアドレス、広告受信者が配信を希望するDM広告のカテゴリ(以下、希望カテゴリという)、ユーザ登録時に発行される識別ID、パスワード、DM広告のクリック数で構成され、
DM広告のクリック数の記録フィールド20fは、DM広告のカテゴリに対応して、ビジネス、スポーツ、釣り、旅行などといったカテゴリ別に細分化されており、DM広告のカテゴリ毎に、広告受信者がDM広告に含まれているURLをマウスでクリックして広告主のWWWサイトにアクセスした回数が記録できるようになっており、
広告配信処理としては、ノーマル配信、アクティブ配信およびスポット配信の3通りのパターンが用意されており、
アクティブ配信において、
広告DB6内に登録された所定のDM広告のアクティブ配信指令およびその配信部数が制御手段4に入力される(S101)と、
制御手段4は、広告DB6の広告情報登録テーブル30から配信指令のあったDM広告の識別コード、広告内容およびカテゴリを取得し(S102)、
次に、制御手段4は、受信者登録テーブル20を開き、取得したDM広告のカテゴリに対応するカテゴリのクリック数記録フィールドにクリック数がカウントされているレコードを選択し(S103)、
当該選択レコードにおける広告受信者の識別IDおよび電子メールアドレスを取得し(S104)、
この時、取得した識別ID数が配信部数に満たない場合は、選択されたレコード以外のレコードから無作為に不足数分の識別IDおよび電子メールアドレスを取得し(S105,S106)、
逆に取得した識別ID数が広告配信部数を超えている場合には、クリック数の少ないものから順に破棄して識別ID数を配信部数に調整し(S107,S108)、
こうして配信部数分の識別IDおよび電子メールアドレスが得られると、制御手段4は、取得した識別ID毎にDM広告用のURLを生成し(S109)、
このURLは、前述のノーマル配信で示したものと同様、配信サーバ3のURLに識別ID、DM広告の識別コードを合成した形式で成り、
次に、制御手段4は、各URLを順次広告内容の所定位置に挿入して配信部数分のDM広告を作成し(S110)、
これをURLに付された識別IDに対応する電子メールアドレス宛に順次送信する(S111)、
広告配信システム1。」
2 引用文献2について
当審拒絶理由(2)に引用した引用文献2には、以下の記載がある。
(1) 段落【0006】-【0008】
「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された方式では、利用者があらかじめ情報を配信する時間を指定する必要がある。その理由は、情報の受容可能な時間を推測するための手段が無いためである。
【0007】
特許文献2,3に記載された方式によれば、端末がサーバにアクセスした日時に基づいて、サーバが適切な時間帯を選定し、データを配信することができる。しかし、端末がサーバにアクセスした日時は、ユーザが情報を要求する契機であって、端末に配信された情報を閲覧する契機ではない。そのため、効果的に情報配信を行うためには、端末がサーバにアクセスした日時だけでは不十分である。
【0008】
そこで、本発明は、端末がサーバにアクセスした日時に限らず、ユーザが情報を受容可能と推測される時間帯に情報を配信することができる情報配信システム、情報配信方法および情報配信用プログラムを提供することを目的とする。」
(2) 段落【0030】-【0034】
「【0030】
まず、図3に示すフローチャートを参照し、携帯電話機100が操作履歴を情報配信システム300に送信する動作について説明する。図3は、端末操作履歴を記憶させる処理の例を示すフローチャートである。
【0031】
端末操作履歴取得手段101は、携帯電話機100の端末操作履歴を取得し、端末操作履歴受信手段301に送信する(ステップS301)。
【0032】
端末操作履歴は、端末操作履歴DB302に格納される情報であって、端末操作時刻、ユーザID、端末操作種別の各情報を含む情報である。また、端末操作時刻は、携帯電話機100を操作した時の時刻を示す情報である。ユーザIDは、ユーザを識別するためのIDである。端末操作種別は、携帯電話機100のフリップを開けた、メールを閲覧した、Webを閲覧した、配信した情報を閲覧したなどの、携帯電話機100で行った各種の操作を識別可能な情報である。
【0033】
次に、端末操作履歴受信手段301は、受け取った端末操作履歴を端末操作履歴DB302に格納させる(ステップS302)。
【0034】
図4は、各データベースの登録例を示す説明図である。端末操作履歴DB302は、図4(a)に示すように、端末操作時刻、端末を利用しているユーザのユーザIDおよび端末操作種別を格納している。」
(3) 段落【0056】-【0057】
「【0056】
配信情報の決定方法として、コンテンツIDの順番に決定する方法が考えられる。また、ある時間にある特定のコンテンツが配信されるように、配信情報管理DB307(図4(b)参照。)が構成されていても良い。例えば、配信情報管理DB307が記憶する配信情報に、あらかじめ配信時間情報が付与されていてもよい。
【0057】
図4(c)は、配信情報を管理する一例である。例えば、付加情報として店舗のジャンルを格納したり、場所情報を格納したり、コンテンツの配信対象時間を格納したりすることが考えられる。情報配信手段306は、付加情報を、配信する情報を決定する時に使用してもよい。例えば、ユーザが特定のジャンルについて興味がある場合や、ユーザの現在地と情報に付与されている場所情報に近い情報に限り情報を配信したり、情報提供者の営業時間に限り情報を配信するよう構成されていても良い。」
(4) 段落【0073】
「【0073】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態は、端末操作履歴を解析する端末操作履歴解析手段を備えているため、携帯電話機から取得した端末操作履歴を解析して情報配信時間帯を取得できる。すなわち、利用者があらかじめ情報を配信する時間を設定せずとも、情報配信システムが情報配信時間を推定することができる。その理由は、携帯電話機の操作履歴を元に情報配信時間帯を推定できるため、利用者が情報を見逃す確率が減り、受容される可能性が高くなり、効果的な情報配信を行うことが可能となるためである。」
3 引用文献3について
当審拒絶理由(2)に引用した引用文献3には、段落【0099】-【0110】に、以下の記載がある。
「【0099】
ステップS52において、サーバ11は、トピック解析を行う。具体的には、管理部181は、解析対象記事の言語解析結果をトピック解析モジュール114のトピック解析部151に供給する。トピック解析部151は、例えば、PLSA(Probabilistic Latent Semantic Analysis;確率的潜在意味解析)やLDA(Latent Dirichlet Allocation;潜在的ディリクレ配分法)等の確率的トピックモデルを用いて、解析対象記事のトピック解析を行う。
【0100】
例えば、トピック解析部151は、解析対象記事の言語解析結果であるtfi,j及びtfidfi,j、並びに、分類したいトピック(クラスタ)の数Kを入力とし、次式(3)で表されるPLSAを用いて、各記事djの各トピックzk(k=1,2,・・・,K)への帰属確率p(zk|dj)、及び、各トピックzkにおける各単語wiの生起確率p(wi|zk)を計算する。
【0101】
【数2】
[図:0001384772000004.jpg]
【0102】
なお、p(wi|dj)は、記事djにおける単語wiの生起確率である。
【0103】
さらに、トピック解析部151は、次式(4)に従って、各記事djの各トピックzkへのトピック帰属確率p(zk|dj)からなるトピックベクトルTjを生成する。
【0104】
Tj={p(z1|dj),p(z2|dj),・・・,p(zK|dj)} ・・・(4)
【0105】
すなわち、トピックベクトルTjは、各トピックzkに帰属する確率に基づいて各記事djの特徴を表す特徴ベクトルである。
【0106】
トピック解析部151は、解析対象記事のトピック解析結果を管理部181に供給し、管理部181は、解析対象記事のトピック解析結果を記憶部184に記憶させる。なお、各解析対象記事のトピック解析結果は、各解析対象記事の単語ベクトルWjを含む。
【0107】
なお、PLSAの詳細については、"Thomas Hofmann, "Probabilistic latent semantic indexing", 1999, Proceedings of the 22nd annual international ACM SIGIR conference on Research and development in information retrieval"等に記載されている。また、LDAの詳細については、"David M. Blei, Andrew Y. Ng, Michael I. Jordan, "Latent Dirichlet Allocation", 2003, Journal of Machine Learning Research, Volume 3"等に記載されている。
【0108】
また、以下、トピックzkを個々に区別する必要がない場合、単にトピックz又はトピックと称する。さらに、以下、単語ベクトルWj及びトピックベクトルTjを個々に区別する必要がない場合、それぞれ単に単語ベクトルW及びトピックベクトルTと称する。また、以下、トピック帰属確率p(zk|dj)を個々に区別する必要がない場合、単にトピック帰属確率p(z|d)と称する。
【0109】
ステップS53において、情報統合モジュール117の管理部181は、閲覧対象情報の登録を行う。具体的には、管理部181は、各解析対象記事を、各記事のメタデータ、単語ベクトルWj、トピックベクトルTj、及び、帰属確率最大トピックとともに、閲覧対象情報に登録する。
【0110】
ここで、帰属確率最大トピックとは、記事djのトピック帰属確率p(zk|dj)が最大となるトピックのことである。例えば、トピックの分類数(以下、総トピック数と称する)Kが10であり、記事d1のトピックベクトルT1の値が{0.2,0.4,0.8,0.1,0.3,0.5,0.1,0.1,0.3,0.6}である場合、記事d1の帰属確率最大トピックは、トピックz3となる。すなわち、記事d1は、トピックz3に属する確率が最も高く、トピックz3に関する内容を最も多く含んでいると予測される。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と、引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。
ア 引用発明の「DM広告」は、本願発明1の「複数の記事により構成される電子コンテンツ」と「電子コンテンツ」である点で共通するといえる。
引用発明の「広告受信者」は、本願発明1の「ユーザ」に相当する。
引用発明の「DM広告」が「電子メール的に配信される」ことは、本願発明1の「メッセージングサービスを利用してユーザに複数の記事により構成される電子コンテンツを配信する」ことと、「メッセージングサービスを利用してユーザに電子コンテンツを配信する」点で共通するといえる。
よって、引用発明の「電子メール的に配信される広告を総称してDM広告といい、不特定多数の広告受信者にDM広告を配信するための広告配信システム」は、本願発明1の「メッセージングサービスを利用してユーザに複数の記事により構成される電子コンテンツを配信するシステム」と、「メッセージングサービスを利用してユーザに電子コンテンツを配信するシステム」である点で共通するといえる。
イ 引用発明において、「制御手段4」の制御によって、「受信者登録テーブル20」の「DM広告のクリック数の記録フィールド20fは、DM広告のカテゴリに対応して、ビジネス、スポーツ、釣り、旅行などといったカテゴリ別に細分化されており、DM広告のカテゴリ毎に、広告受信者がDM広告に含まれているURLをマウスでクリックして広告主のWWWサイトにアクセスした回数が記録できるようになって」いることは、本願発明1が「各ユーザによる過去の電子コンテンツに含まれる各記事へのアクセス履歴をあらわすアクセス情報を取得する取得部」を備えることと、「各ユーザによる過去の電子コンテンツへのアクセス履歴をあらわすアクセス情報を取得する取得部」を備える点で共通するといえる。
また、引用発明の上記の点は、本願発明1において「前記アクセス情報には、前記各ユーザによって過去にアクセスされた前記過去の記事に含まれるトピック情報が含まれ」ることと、「前記アクセス情報には、前記各ユーザによって過去にアクセスされた前記電子コンテンツに含まれるトピック情報が含まれ」る点で共通するといえる。
ウ 引用発明において、「制御手段4」の制御によって、「広告DB6内に登録された所定のDM広告のアクティブ配信指令およびその配信部数が制御手段4に入力される(S101)」ことは、本願発明1が「コンテンツ事業者によって前記メッセージングサービスを利用して新たに投稿される、複数の記事により構成される電子コンテンツについて、少なくとも配信対象者数の設定を受け付ける設定部」を備えることと、「コンテンツ事業者によって前記メッセージングサービスを利用して新たに投稿される電子コンテンツについて、少なくとも配信対象者数の設定を受け付ける設定部」を備える点で共通するといえる。
エ 引用発明において、「制御手段4」の制御によって、「逆に取得した識別ID数が広告配信部数を超えている場合には、クリック数の少ないものから順に破棄して識別ID数を配信部数に調整し(S107,S108)」ていることは、本願発明1が「設定された前記配信対象者数に応じて、前記アクセス情報をもとに、前記過去の電子コンテンツに含まれる各記事へのアクセス数が多いユーザを、配信対象ユーザとして抽出するとともに、前記アクセス情報に含まれるクリック情報をもとに、前記配信対象ユーザのクリックしやすい最適配信時間を特定する抽出部」を備えることと、「設定された前記配信対象者数に応じて、前記アクセス情報をもとに、前記過去の電子コンテンツへのアクセス数が多いユーザを、配信対象ユーザとして抽出する抽出部」を備える点で共通するといえる。
オ 引用発明において、「制御手段4」の制御によって、「こうして配信部数分の識別IDおよび電子メールアドレスが得られると、制御手段4は、取得した識別ID毎にDM広告用のURLを生成し(S109)、このURLは、前述のノーマル配信で示したものと同様、配信サーバ3のURLに識別ID、DM広告の識別コードを合成した形式で成り、次に、制御手段4は、各URLを順次広告内容の所定位置に挿入して配信部数分のDM広告を作成し(S110)、これをURLに付された識別IDに対応する電子メールアドレス宛に順次送信する(S111)」ことは、本願発明1が「抽出された前記配信対象ユーザに対し、前記メッセージングサービスを利用して、前記新たに投稿される、複数の記事により構成される電子コンテンツを配信する配信部」を備えることと、「抽出された前記配信対象ユーザに対し、前記メッセージングサービスを利用して、前記新たに投稿される電子コンテンツを配信する配信部」を備える点で共通するといえる。
また、引用発明の上記の点は、本願発明1において、「前記配信部は、抽出された前記配信対象ユーザに対し、前記メッセージングサービスを利用して、前記最適配信時間に、前記新たな複数の記事により構成される前記新たに投稿される電子コンテンツを、前記複数の記事それぞれのトピック情報を含めて配信する」ことと、「前記配信部は、抽出された前記配信対象ユーザに対し、前記メッセージングサービスを利用して、前記新たに投稿される電子コンテンツを配信する」点で共通するといえる。
カ 引用発明において、「制御手段4は、広告DB6の広告情報登録テーブル30から配信指令のあったDM広告の識別コード、広告内容およびカテゴリを取得し(S102)、次に、制御手段4は、受信者登録テーブル20を開き、取得したDM広告のカテゴリに対応するカテゴリのクリック数記録フィールドにクリック数がカウントされているレコードを選択し(S103)」ていることは、本願発明1の「前記抽出部は、前記配信対象者数に応じて、前記アクセス情報に含まれる前記過去にアクセスされた前記過去の記事のトピック情報と、前記新たに投稿される前記電子コンテンツに含まれる前記新たな複数の記事のトピック情報に基づき、前記配信対象ユーザを抽出し」ていることと、「前記抽出部は、前記配信対象者数に応じて、前記アクセス情報に含まれる前記過去にアクセスされた前記電子コンテンツのトピック情報と、前記新たに投稿される前記電子コンテンツのトピック情報に基づき、前記配信対象ユーザを抽出し」ている点で共通するといえる。
キ 引用発明の「電子メール的に配信される広告を総称してDM広告といい、不特定多数の広告受信者にDM広告を配信するための広告配信システム」は、本願発明1の「コンテンツ配信システム」に相当する。
ク したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
「メッセージングサービスを利用してユーザに電子コンテンツを配信するシステムであって、
各ユーザによる過去の電子コンテンツへのアクセス履歴をあらわすアクセス情報を取得する取得部と、
コンテンツ事業者によって前記メッセージングサービスを利用して新たに投稿される電子コンテンツについて、少なくとも配信対象者数の設定を受け付ける設定部と、
設定された前記配信対象者数に応じて、前記アクセス情報をもとに、前記過去の電子コンテンツへのアクセス数が多いユーザを、配信対象ユーザとして抽出する抽出部と、
抽出された前記配信対象ユーザに対し、前記メッセージングサービスを利用して、前記新たに投稿される電子コンテンツを配信する配信部とを具備し、
前記アクセス情報には、前記各ユーザによって過去にアクセスされた前記電子コンテンツのトピック情報が含まれ、
前記抽出部は、前記配信対象者数に応じて、前記アクセス情報に含まれる前記過去にアクセスされた前記電子コンテンツのトピック情報と、前記新たに投稿される前記電子コンテンツのトピック情報に基づき、前記配信対象ユーザを抽出し、
前記配信部は、抽出された前記配信対象ユーザに対し、前記メッセージングサービスを利用して、前記新たに投稿される電子コンテンツを配信する、コンテンツ配信システム。」
[相違点1]
本願発明1の「コンテンツ配信システム」は、「メッセージングサービスを利用してユーザに複数の記事により構成される電子コンテンツを配信するシステム」であるのに対して、引用発明は、「DM広告」を配信するシステムであって、「複数の記事により構成される」電子コンテンツを配信するものではない点。
[相違点2]
「取得部」に関して、本願発明1は、「各ユーザによる過去の電子コンテンツに含まれる各記事へのアクセス履歴をあらわすアクセス情報を取得する取得部」を備え、「前記アクセス情報には、前記各ユーザによって過去にアクセスされた過去の記事に含まれるトピック情報が含まれ」るのに対して、引用発明は、「DM広告」へのアクセス履歴を取得しており、電子コンテンツ「に含まれる各記事」へのアクセスの履歴を取得していない点。
[相違点3]
「設定部」に関して、本願発明1は、「コンテンツ事業者によって前記メッセージングサービスを利用して新たに投稿される、複数の記事により構成される電子コンテンツについて、少なくとも配信対象者数の設定を受け付ける設定部」を備えるのに対して、引用発明は、「DM広告」について設定するものであって、「複数の記事により構成される」電子コンテンツの配信対象者数を設定しない点。
[相違点4]
「抽出部」に関して、本願発明1は、電子コンテンツ「に含まれる各記事」へのアクセス数が多いユーザを抽出しており、さらに、「前記アクセス情報に含まれるクリック情報をもとに、前記配信対象ユーザのクリックしやすい最適配信時間を特定する」ものであって、「前記抽出部は、前記配信対象者数に応じて、前記アクセス情報に含まれる前記過去にアクセスされた前記過去の記事のトピック情報と、前記新たに投稿される電子コンテンツに含まれる前記新たな複数の記事のトピック情報とに基づき、前記配信対象ユーザを抽出し」ているのに対して、引用発明では、電子コンテンツ「に含まれる各記事」へのアクセス数が多いユーザを抽出して、さらに、「前記アクセス情報に含まれるクリック情報をもとに、前記配信対象ユーザのクリックしやすい最適配信時間を特定」し、「電子コンテンツに含まれる前記新たな複数の記事」のトピック情報に基づき抽出するものではない点。
[相違点5]
「解析部」に関して、本願発明1は、「前記新たに投稿される電子コンテンツを解析することで、前記新たに投稿される電子コンテンツに含まれる新たな複数の記事のそれぞれについてトピック情報を特定する解析部をさらに具備し、
前記解析部は、前記新たな記事のそれぞれについて複数のトピック情報を抽出するとともに、抽出した前記トピック情報のそれぞれのスコアを算出し、最もスコアの高いトピック情報を前記新たな記事のそれぞれについてのトピック情報として特定し」ているのに対し、引用発明では、「複数の記事のそれぞれについて」、「新たに投稿される電子コンテンツ」を解析する「解析部」を備えていない点。
[相違点6]
「配信部」に関して、本願発明1は、「抽出された前記配信対象ユーザに対し、前記メッセージングサービスを利用して、前記新たに投稿される、複数の記事により構成される電子コンテンツを配信する配信部」を備えており、「前記配信部は、抽出された前記配信対象ユーザに対し、前記メッセージングサービスを利用して、前記最適配信時間に、前記複数の記事それぞれのトピック情報を含めて前記新たに投稿される電子コンテンツを配信する」のに対し、引用発明では、「複数の記事により構成される」電子コンテンツを、「前記最適配信時間に、前記複数の記事それぞれのトピック情報を含めて」を配信することが特定されていない点。
(3) 当審の判断
事案に鑑みて、上記[相違点5]について先に検討すると、上記[相違点5]に係る、「解析部」に関して、「前記新たに投稿される電子コンテンツを解析することで、前記新たに投稿される電子コンテンツに含まれる新たな複数の記事のそれぞれについてトピック情報を特定する解析部をさらに具備し、前記解析部は、前記新たな記事のそれぞれについて複数のトピック情報を抽出するとともに、抽出した前記トピック情報のそれぞれのスコアを算出し、最もスコアの高いトピック情報を前記新たな記事のそれぞれについてのトピック情報として特定」する構成は、上記引用文献1-4には記載されておらず、周知技術であるともいえない。
一方、引用発明は、「電子メール的に配信される配信される広告」である「DM広告」を配信するシステムであって、引用発明における「DM広告」を、さらに「複数の記事」から構成されるものとすることは、特定されておらず、想定されていない。
引用発明は、電子コンテンツのトピック解析を自動化する「解析部」に相当する構成それ自体を、そもそも備えていないから、当然に、「複数の記事のそれぞれについて」トピック情報を特定する「解析部」は記載されておらず示唆されてもいない。
一方、上記引用文献2(上記「第5」、「2」を参照。)には、ユーザが過去に情報を閲覧した時刻に基づいて、最適な情報配信時刻を定める周知技術が開示され、上記引用文献3(上記「第5」、「3」を参照。)には、情報の「トピック」の解析を自動化するために、複数のトピックに対する「スコア」を計算して情報の「トピック」を「解析」する周知技術が記載され、上記引用文献4(特に1-2頁「1.はじめに」、「2.広告の内容と広告に対する感性面を考慮した個別広告」を参照。)には、ユーザが興味のある広告を配信するために、ユーザの閲覧履歴に基づいて、ユーザに興味のありそうな記事を「抽出」することは記載されているが、[相違点5]に係る「複数の記事のそれぞれについて」トピック情報を特定する「解析部」の構成は、記載されておらず示唆されてもいない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 請求項2-5について
本願発明2-5も、本願発明1の上記[相違点5]に係る、「前記新たに投稿される電子コンテンツを解析することで、前記新たに投稿される電子コンテンツに含まれる新たな複数の記事のそれぞれについてトピック情報を特定する解析部をさらに具備し、前記解析部は、前記新たな記事のそれぞれについて複数のトピック情報を抽出するとともに、抽出した前記トピック情報のそれぞれのスコアを算出し、最もスコアの高いトピック情報を前記新たな記事のそれぞれについてのトピック情報として特定」する構成と、(実質的に)同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第7 当審拒絶理由(1)について
1.理由1(特許法第36条第6項第2号)について
当審では、請求項1-6において、(1)「前記記事」、(2)「前記電子コンテンツ」が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、令和4年3月29日付けの補正において、(1)「前記記事」の記載を「各記事」と補正するとともに、(2)「前記電子コンテンツ」が「過去の」ものか「新たに投稿される」ものかを明確にする補正がなされた結果、この拒絶の理由は解消した。
2.理由2(特許法第29条第2項)について
令和4年3月29日付けの補正により、補正後の請求項1-5は、本願発明1の上記[相違点5]に係る、「前記新たに投稿される電子コンテンツを解析することで、前記新たに投稿される電子コンテンツに含まれる新たな複数の記事のそれぞれについてトピック情報を特定する解析部をさらに具備し、前記解析部は、前記新たな記事のそれぞれについて複数のトピック情報を抽出するとともに、抽出した前記トピック情報のそれぞれのスコアを算出し、最もスコアの高いトピック情報を前記新たな記事のそれぞれについてのトピック情報として特定」するという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、当審拒絶理由(1)における引用文献A、X、Cには記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1-5は、当業者であっても、当審拒絶理由(1)における引用文献A、X、Cに基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、この拒絶の理由は解消した。
第8 当審拒絶理由(2)について
令和4年3月29日付けの補正により、補正後の請求項1-5は、本願発明1の上記[相違点5]に係る、「前記新たに投稿される電子コンテンツを解析することで、前記新たに投稿される電子コンテンツに含まれる新たな複数の記事のそれぞれについてトピック情報を特定する解析部をさらに具備し、前記解析部は、前記新たな記事のそれぞれについて複数のトピック情報を抽出するとともに、抽出した前記トピック情報のそれぞれのスコアを算出し、最もスコアの高いトピック情報を前記新たな記事のそれぞれについてのトピック情報として特定」するという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、当審拒絶理由(2)における引用文献1-4には記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1-5は、当業者であっても、当審拒絶理由(2)における引用文献1-4に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、この拒絶の理由は解消した。
第9 原査定についての判断
令和4年3月29日付けの手続補正により、補正後の請求項1-5は、本願発明1の上記[相違点5]に係る、「前記新たに投稿される電子コンテンツを解析することで、前記新たに投稿される電子コンテンツに含まれる新たな複数の記事のそれぞれについてトピック情報を特定する解析部をさらに具備し、前記解析部は、前記新たな記事のそれぞれについて複数のトピック情報を抽出するとともに、抽出した前記トピック情報のそれぞれのスコアを算出し、最もスコアの高いトピック情報を前記新たな記事のそれぞれについてのトピック情報として特定」するという技術的事項を有するものとなった。
当該技術的事項は、原査定における引用文献A-Cには記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1-5は、当業者であっても、原査定における引用文献A-Cに基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第10 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-002775