特許拒絶査定不服審判
2021-002613
ホース
- 審判番号
- 2021-002613
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-089765
- 請求日
- 2021年03月01日
- 審決日
- 2022年01月11日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】帝国繊維株式会社
- 【請求人代理人】清流国際特許業務法人
- 【請求人代理人】昼間 孝良
- 【請求人代理人】境澤 正夫
- 審判長/審判官
- 審判長 金澤 俊郎
- 審判官 山本 信平
- 審判官 星名 真幸
- 分類
- P18 .121-WY (A62C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-89765「ホース」拒絶査定不服審判事件〔令和2年11月19日出願公開、特開2020-185059、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和元年5月10日の出願であって、令和2年12月4日付けで拒絶査定がされた。これに対し、令和3年3月1日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、その請求と同時に手続補正書が提出されたものである。そして令和3年4月6日付けで前置報告書が作成された。
第2 本願発明について
1 本願発明
特許請求の範囲の請求項1ないし10に係る発明(以下「本願発明1ないし10」という。)は、令和3年3月1日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される以下のとおりのものであると認める。
「【請求項1】
織物からなるジャケットと該ジャケットの内周面の全周を被覆する内側被覆層と前記ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記ジャケットの外周面に蓄光性を有する蓄光ラインまたは反射性を有する反射ラインが設けられ、前記蓄光ラインまたは前記反射ラインがホース長さ方向に沿って延在し、前記外側被覆層が透明の樹脂からなり、前記内側被覆層の厚さAと前記外側被覆層の厚さBとが0.5≦A/B≦2.0の関係を満たし、前記外側被覆層の厚さBが0.2mm~3.0mmの範囲にあり、前記ホースの内径が100mm~450mmの範囲であることを特徴とするホース。
【請求項2】
織物からなるジャケットと該ジャケットの内周面の全周を被覆する内側被覆層と前記ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記ジャケットの外周面に蓄光性を有する蓄光ラインまたは反射性を有する反射ラインが設けられ、前記蓄光ラインまたは前記反射ラインがホース長さ方向に沿って延在し、前記外側被覆層が透明の樹脂からなり、前記内側被覆層および前記外側被覆層が同種の樹脂からなり、前記ホースの内径が100mm~450mmの範囲であることを特徴とするホース。
【請求項3】
前記ジャケットの外周面に複数本の前記蓄光ラインまたは前記反射ラインが配置され、前記蓄光ラインまたは前記反射ラインがホース周方向に間隔をおいて配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のホース。
【請求項4】
前記蓄光ラインまたは前記反射ラインの幅の合計が前記ホースの周囲長の1%~80%であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のホース。
【請求項5】
前記反射ラインが再帰反射性を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のホース。
【請求項6】
前記内側被覆層の厚さAと前記外側被覆層の厚さBとが0.5≦A/B≦2.0の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載のホース。
【請求項7】
前記内側被覆層および前記外側被覆層が同種または異種の樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のホース。
【請求項8】
前記織物が、ホース長さ方向に延在する綾織部および杉綾織部がホース周方向に交互に配置されてなり、前記綾織部が順綾目構造または逆綾目構造を有し、前記杉綾織部が順綾目構造および逆綾目構造を有し、前記杉綾織部の経糸が第1の糸および第2の糸からなり、前記第1の糸および前記第2の糸の少なくとも一方が蓄光性または反射性を有し、前記杉綾織部が前記蓄光ラインまたは前記反射ラインをなし、前記第2の糸は前記第1の糸および前記綾織部の経糸とは色が異なる着色糸であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のホース。
【請求項9】
前記第1の糸は前記綾織部の経糸とは色が同じ糸であることを特徴とする請求項8に記載のホース。
【請求項10】
前記第1の糸は前記綾織部の経糸とは色が異なる着色糸であることを特徴とする請求項8に記載のホース。」
2 拒絶査定の理由
拒絶査定の理由は、概略以下のとおりである。
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1、4、5、7、8
・引用文献等 1-3
・請求項 3
・引用文献等 1、2
・請求項 9-11
・引用文献等 3-6
<引用文献等一覧>
1.特開2000-140146号公報
2.特開2001-193874号公報
3.特開2004-132443号公報
4.特開2017-189239号公報
5.特開2017-86698号公報(周知技術を示す文献)
6.特開2002-340241号公報(周知技術を示す文献)
3 当審の判断
(1)引用発明1を主引用発明とする場合の本願発明1について
ア 引用文献1
引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。
(ア)「【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態からなる消防用ホースを例示するものであり、図2は該消防用ホースを偏平に押し潰してコイル状に巻き取った状態におけるホース断面を示すものである。
【0015】図において、ホース本体10は管状の織物からなるジャケット1と、ジャケット1の内面に設けたゴム又は合成樹脂からなる被覆層2とを備えている。このホース本体10を偏平に押し潰したときのジャケット1の両側縁には、蓄光物質と展色剤との混練物からなる蓄光塗料3がホース本体10の全長にわたり帯状に付着されている。この蓄光塗料3はジャケット1の両側縁の少なくとも一方に付着させることが必要であるが、両方に付着させるようにすれば暗所での認識が一層容易になる。また、蓄光塗料3は連続的に付着させても良く、或いは間欠的に付着させても良い。」
(イ)「【0023】また、蓄光塗料3はホース表面に露出していても良いが、その上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆することが好ましい。このように蓄光塗料3をクリア塗装で被覆することにより、ホースが過酷な条件で使用されても、その使用時の摩耗や摩擦による蓄光塗料3の消耗を防ぐことができる。また、クリア塗装であれば蓄光塗料3の蓄光性を損なうことはない。」
(ウ)「【図1】
[図:0001381502000001.jpg]
」
(エ)(ウ)から「ジャケット1の内面に設けたゴム又は合成樹脂からなる被覆層2」が内周面の全周を被覆するものであることが看取できる。
イ 引用発明1
上記記載を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。
「織物からなるジャケット1とジャケット1の内周面の全周を被覆するゴム又は合成樹脂からなる被覆層2とを備え、ホース本体10を偏平に押し潰したときのジャケット1の両側縁には、蓄光物質と展色剤との混練物からなる蓄光塗料3がホース本体10の全長にわたり帯状に付着されており、蓄光塗料3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆するホース本体10。」
ウ 本願発明1と引用発明1の対比・判断
(ア)対比
本願発明1と引用発明1とを対比する。
引用発明1の「織物からなるジャケット1」は、その構成、機能又は技術的意義からみて本願発明1の「織物からなるジャケット」に相当し、以下同様に「ジャケット1の内周面の全周を被覆するゴム又は合成樹脂からなる被覆層2」は「該ジャケットの内周面の全周を被覆する内側被覆層」に、「ホース本体10を偏平に押し潰したときのジャケット1の両側縁には、蓄光物質と展色剤との混練物からなる蓄光塗料3がホース本体10の全長にわたり帯状に付着されており」は「前記ジャケットの外周面に蓄光性を有する蓄光ラインまたは反射性を有する反射ラインが設けられ、前記蓄光ラインまたは前記反射ラインがホース長さ方向に沿って延在し」に、それぞれ相当する。
また、引用発明1において「蓄光塗料3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆する」ことと、本願発明1において「ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記外側被覆層が透明の樹脂からな」ることとは、「少なくとも蓄光ライン上に透明の樹脂からなる被覆を設ける」ことという限りにおいて一致している。
したがって、本願発明1と引用発明1との一致点及び相違点は、それぞれ以下のとおりである。
<一致点>
「織物からなるジャケットと該ジャケットの内周面の全周を被覆する内側被覆層とを備え、前記ジャケットの外周面に蓄光性を有する蓄光ラインまたは反射性を有する反射ラインが設けられ、前記蓄光ラインまたは前記反射ラインがホース長さ方向に沿って延在し、少なくとも蓄光ライン上に透明の樹脂からなる被覆を設けるホース。」
<相違点1>
少なくとも蓄光ライン上に設けられた被覆について、本願発明1は「ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記外側被覆層が透明の樹脂からな」るのに対して、引用発明1は、「蓄光塗料3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆する」点。
<相違点2>
本願発明1は、「内側被覆層の厚さAと前記外側被覆層の厚さBとが0.5≦A/B≦2.0の関係を満たし、外側被覆層の厚さBが0.2mm~3.0mmの範囲にあり、ホースの内径が100mm~450mmの範囲である」のに対して、引用発明1は、各部の寸法についてまったく特定されていない点。
(イ)当審の判断
事案に鑑み、上記相違点1について検討する。
引用発明1において「蓄光塗料3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆する」理由については、引用文献1の段落【0023】に「光塗料3をクリア塗装で被覆することにより、ホースが過酷な条件で使用されても、その使用時の摩耗や摩擦による蓄光塗料3の消耗を防ぐことができる。」と記載されているのみである。ここではもっぱら蓄光塗料3の摩耗を防ぐことのみが言及されており、ジャケット1の外周全体を保護することには何ら触れられていない。
してみれば、引用文献1にはクリア塗装でジャケット1の外周面の全周を被覆するようにすることの示唆や動機付けはない。
また、引用文献2ないし6にも上記相違点1に係る本願発明1の事項について何ら記載も示唆もなく、周知であるとする証拠もない。
ゆえに、引用発明1において、上記相違点1に係る本願発明1の事項とすることを、当業者が容易に想到することができたとはいえない。
以上のとおり、本願発明1は当業者が引用文献1ないし6に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(2)引用発明2を主引用発明とする場合の本願発明1について
ア 引用文献2
引用文献2には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0013】図1は本発明の第1実施形態からなる消防用ホースを示すものである。図1において、ホース本体10は管状の織物からなるジャケット1と、ジャケット1の内面に設けたゴム又は合成樹脂からなる被覆層2とを備えている。このホース本体10の外面には、多数のガラスビーズをバインダ中に分散させてなる反射層3がホース長手方向に沿って帯状に塗布形成されている。反射層3はホース長手方向に沿って連続的に付着させても良く、或いは間欠的に付着させても良い。」
(イ)「【0020】反射層3や発光層4はホース表面に露出していても良いが、その上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆することが好ましい。このように反射層3や発光層4をクリア塗装で被覆することにより、ホースが過酷な条件で使用されても、その使用時の摩耗や摩擦による反射層3や発光層4の消耗を防ぐことができる。また、クリア塗装であれば反射層3の反射性や発光層4の発光性を損なうことはない。」
(ウ)「【図1】
[図:0001381502000002.jpg]
」
(エ)(ウ)から「ジャケット1の内面に設けたゴム又は合成樹脂からなる被覆層2」が内周面の全周を被覆するものであることが看取できる。
イ 引用発明2
上記記載を総合すると、引用文献2には、以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。
「織物からなるジャケット1とジャケット1の内周面の全周を被覆するゴム又は合成樹脂からなる被覆層2とを備え、ホース本体10の外面には、多数のガラスビーズをバインダ中に分散させてなる反射層3がホース長手方向に沿って帯状に塗布形成されており、反射層3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆するホース本体10。」
ウ 本願発明1と引用発明2の対比・判断
(ア)対比
本願発明1と引用発明2とを対比する。
引用発明2の「織物からなるジャケット1」は、その構成、機能又は技術的意義からみて本願発明1の「織物からなるジャケット」に相当し、以下同様に「ジャケット1の内周面の全周を被覆するゴム又は合成樹脂からなる被覆層2」は「該ジャケットの内周面の全周を被覆する内側被覆層」に、「ホース本体10の外面には、多数のガラスビーズをバインダ中に分散させてなる反射層3がホース長手方向に沿って帯状に塗布形成されており」は「前記ジャケットの外周面に蓄光性を有する蓄光ラインまたは反射性を有する反射ラインが設けられ、前記蓄光ラインまたは前記反射ラインがホース長さ方向に沿って延在し」に、それぞれ相当する。
また、引用発明2において「反射層3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆する」ことと、本願発明1において「ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記外側被覆層が透明の樹脂からな」ることとは、「少なくとも反射ライン上に透明の樹脂からなる被覆を設ける」ことという限りにおいて一致している。
したがって、本願発明1と引用発明2との一致点及び相違点は、それぞれ以下のとおりである。
<一致点>
「織物からなるジャケットと該ジャケットの内周面の全周を被覆する内側被覆層とを備え、前記ジャケットの外周面に蓄光性を有する蓄光ラインまたは反射性を有する反射ラインが設けられ、前記蓄光ラインまたは前記反射ラインがホース長さ方向に沿って延在し、少なくとも反射ライン上に透明の樹脂からなる被覆を設けるホース。」
<相違点3>
少なくとも反射ライン上に設けられた被覆について、本願発明1は「ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記外側被覆層が透明の樹脂からな」るのに対して、引用発明2は、「反射層3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆する」点。
<相違点4>
本願発明1は、「内側被覆層の厚さAと前記外側被覆層の厚さBとが0.5≦A/B≦2.0の関係を満たし、外側被覆層の厚さBが0.2mm~3.0mmの範囲にあり、ホースの内径が100mm~450mmの範囲である」のに対して、引用発明2は、各部の寸法についてまったく特定されていない点。
(イ)当審の判断
事案に鑑み、上記相違点3について検討する。
引用発明2において「反射層3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆する」理由については、引用文献2の段落【0020】に「このように反射層3や発光層4をクリア塗装で被覆することにより、ホースが過酷な条件で使用されても、その使用時の摩耗や摩擦による反射層3や発光層4の消耗を防ぐことができる。」と記載されているのみである。ここではもっぱら反射層4や発光層4の摩耗を防ぐことのみが言及されており、ジャケット1の外周全体を保護することには何ら触れられていない。
してみれば、引用文献2にはクリア塗装でジャケット1の外周面の全周を被覆するようにすることの示唆や動機付けはない。
また、引用文献1及び3ないし6にも上記相違点3に係る本願発明1の事項について何ら記載も示唆もなく、周知であるとする証拠もない。
ゆえに、引用発明2において、上記相違点3に係る本願発明1の事項とすることを、当業者が容易に想到することができたとはいえない。
以上のとおり、本願発明1は当業者が引用文献1ないし6に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(3)引用発明3を主引用発明とする場合の本願発明1について
ア 引用文献3
引用文献3には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0019】
以下、本発明について図に示す実施形態を参照して具体的に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態からなる消防用ホースを例示したものであり、また図2は、図1の消防用ホースを偏平に折り畳んだときのホース本体の一部を切り出した斜視図である。
【0021】
本発明の消防用ホースは、図1に示すように、ホース本体10の長手方向の両端部の一方に連結金具のオス金具11を取り付け、他方にメス金具12を取り付けて構成されている。ホース本体10の表面には、長手方向の全長に渡り発光性塗料からなるマーク3が列状に配列するように付着している。マーク3としては、発光性物質を配合した合成繊維をホース本体10に織り込んで形成したものであってもよい。或いは、マークがホース本体10の全面に織柄として織り込まれていたものでもよい。
【0022】
ホース本体10は、図2に示すように、管状織物からなるジャケット1の内面にゴム又は合成樹脂の被覆層2を設けて構成されている。そのジャケット1の外側表面に、複数の発光性塗料からなるマーク3又は発光性物質を混合した合成繊維を織り込んだマーク3が一定のピッチで列状に形成されている。マーク3は、方向性を示すように矢印状に形成され、かつそのマーク3が、メス金具12が取り付けられたホース本体10の端部側を指し示している(図1参照)。
【0023】
このマーク3を配置した位置は、図2の例では、偏平に折り畳まれたホース本体10の縁部になっている。この場合、マーク3はホース本体10の両縁部のうちの片側だけであってもよく、或いは両側に設けもよい。また、マーク3の列は、1列だけであっても、或いは複数列であってもよい。
【0024】
マーク3の形状は、方向性を示すものであれば特に限定されない。図1及び図2に示す実施形態では、マーク3の形状が三角形の矢形であるが、そのほか、例えば、図4(A)~(F)に示すような形状のものを例示することができる。マークの大きさは矢形が視認可能であれば特に限定されない。例えば、幅5~50mm、長さ10~100mm程度であるものが好ましい。
【0025】
ホース本体10上のマーク3の位置は特に限定されないが、マーク3が蓄光性塗料の塗布或いは蓄光性物質を混合した合成繊維の織り込みからなる場合には、図2に示すように、消防用ホースを収納のため偏平に折り畳んだときの縁部にすることが好ましい。特に両縁部共に配置するのがよい。このように偏平状態の縁部にマーク3を付着または織り込むと、消防用ホースをロール状に巻回状態にして保管するとき、或いは多数本の支持バーにジグザグ状に懸架して保管するとき、常にホース本体10の縁部に光が当たるようにするので、マーク3内の蓄光性物質に光エネルギーを蓄光させやすくするからである。なお、このときの光は狭い縁部だけに当ることになるが、マーク3内の蓄光性物質全体が励起するので、消防用ホースを展張したときはマーク3の全体が発光する。」
(イ)「【0027】
また、マーク3は直接ホース表面に露出する状態のままでもよいが、好ましくは、そのマーク3の上から無色透明又は有色透明の樹脂又はエラストマーの膜で被覆するとよい。このようにマーク3の表面を透明な樹脂膜又はエラストマー膜で被覆することにより、使用時の摩擦による消耗を防ぐことができる。」
(ウ)「【図2】
[図:0001381502000003.jpg]
」
(エ)(ウ)から「ジャケット1の内面に設けたゴム又は合成樹脂からなる被覆層2」が内周面の全周を被覆するものであることが看取できる。
イ 引用発明3
上記記載を総合すると、引用文献3には、以下の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されている。
「織物からなるジャケット1とジャケット1の内周面の全周を被覆するゴム又は合成樹脂からなる被覆層2とを備え、そのジャケット1の外側表面に、複数の蓄光性物質を混合した合成繊維を織り込んだマーク3が一定のピッチで列状に形成されており、マーク3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーの膜で被覆するホース本体10。」
ウ 本願発明1と引用発明3の対比・判断
(ア)対比
本願発明1と引用発明3とを対比する。
引用発明3の「織物からなるジャケット1」は、その構成、機能又は技術的意義からみて本願発明1の「織物からなるジャケット」に相当し、同様に「ジャケット1の内周面の全周を被覆するゴム又は合成樹脂からなる被覆層2」は「該ジャケットの内周面の全周を被覆する内側被覆層」に相当する。
さらに、引用発明3において「そのジャケット1の外側表面に、複数の蓄光性物質を混合した合成繊維を織り込んだ三角形の矢形であるマーク3が一定のピッチで列状に形成されて」いることと、本願発明1において「前記ジャケットの外周面に蓄光性を有する蓄光ラインまたは反射性を有する反射ラインが設けられ、前記蓄光ラインまたは前記反射ラインがホース長さ方向に沿って延在」することとは、「ジャケットの外周面に蓄光性を有する部分が設けられ、前記蓄光性を有する部分がホース長さ方向に沿って設けられる」ことという限りにおいて一致している。
また、引用発明3において「マーク3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーの膜で被覆する」ことと、本願発明1において「ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記外側被覆層が透明の樹脂からな」ることとは、「少なくとも蓄光部上に透明の樹脂からなる被覆を設ける」ことという限りにおいて一致している。
したがって、本願発明1と引用発明3との一致点及び相違点は、それぞれ以下のとおりである。
<一致点>
「織物からなるジャケットと該ジャケットの内周面の全周を被覆する内側被覆層とを備え、前記ジャケットの外周面に蓄光性を有する蓄光部が設けられ、前記蓄光部がホース長さ方向に沿って設けられ、少なくとも蓄光部上に透明の樹脂からなる被覆を設けるホース。」
<相違点5>
少なくとも蓄光部上に設けられた被覆について、本願発明1は「ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記外側被覆層が透明の樹脂からな」るのに対して、引用発明3は、「マーク3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーの膜で被覆する」点。
<相違点6>
本願発明1は、「内側被覆層の厚さAと前記外側被覆層の厚さBとが0.5≦A/B≦2.0の関係を満たし、外側被覆層の厚さBが0.2mm~3.0mmの範囲にあり、ホースの内径が100mm~450mmの範囲である」のに対して、引用発明3は、各部の寸法についてまったく特定されていない点。
<相違点7>
蓄光部が、本願発明1では「蓄光ライン」であるのに対して、引用発明3では「三角形の矢形であるマーク3」である点。
(イ)当審の判断
事案に鑑み、上記相違点5について検討する。
引用発明3において「マーク3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーの膜で被覆する」理由については、引用文献3の段落【0020】に「このようにマーク3の表面を透明な樹脂膜又はエラストマー膜で被覆することにより、使用時の摩擦による消耗を防ぐことができる。」と記載されているのみである。マーク3の表面を被覆することにより消耗が防止できるのはマーク3のみであり、この記載はマーク3の消耗を防ぐことができるということを意味していることは明らかである。そしてジャケット1の外周全体を保護することには何ら触れられていない。
してみれば、引用文献3には透明な樹脂膜又はエラストマー膜でジャケット1の外周面の全周を被覆するようにすることの示唆や動機付けはない。
また、引用文献1、2及び4ないし6にも上記相違点5に係る本願発明1の事項について何ら記載も示唆もなく、周知であるとする証拠もない。
ゆえに、引用発明3において、上記相違点5に係る本願発明1の事項とすることを、当業者が容易に想到することができたとはいえない。
以上のとおり、本願発明1は当業者が引用文献1ないし6に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(4)引用発明7を主引用発明とする場合の本願発明1について
ア 引用文献7
令和3年4月6日付けの前置報告書では、引用文献7として特開平7-55069号公報を新たに引用し、本願発明1は当業者が引用文献7に記載された発明及び引用文献1ないし3に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものである旨の報告がなされている。
そこで引用文献7についても検討すると、引用文献7には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消防用吸水管より吸い上げられた、若しくは消火栓から供給される消火用水を火災現場に直接放水するために使用する水走り特性を一層良好にした消防用送水管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、消防用ホースのうちの消防用送水管は、有機系制電性繊維やテトロンフィラメント糸等の合成繊維を縦糸と横糸に使用して細長い円筒状に織成し、得られた織物の内周面にラテックスゴム若しくは合成樹脂をライニングし、用途に応じて前記織物の外周面に合成樹脂をコーティングしたジャケットホースが存在していた。
【0003】前記ジャケットホースのうち、ゴムライニングホースは被膜の肉厚が0.5mmと厚いために重く、柔軟性に欠け、伸展若しくは巻取等の作業性が悪く、又、外周面に織物が露出しているために防汚性が低く汚れを抱き込むためホースの洗浄乾燥作業を必要とし、更にゴムの耐薬品性の低さを理由にゴム被膜に亀裂が生じやすく漏水の一因となる蓋然性が高いという問題点があった。
【0004】又、一般樹脂張ホースは、耐外傷性が低く、地表面との摩擦、釘等の尖鋭物による損傷が生じやすいという問題点があった。
【0005】そこで、前記問題点を除去するために、近年、エンプラ系特殊高級エラストマーガ耐候性、耐熱性、耐薬品性、耐外傷性及び強度が高く、且つ柔軟性を有する点に着目し、太糸で細長い円筒状に織成された織物の内外両周面に前記エンプラ系特殊高級エラストマーの約0.3mmの被膜を押出成形により形成した消防用送水管を開発するに至った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術で述べたエンプラ系特殊高級エラストマーを内外両面に被覆した消防用送水管においては、太糸で織成されているため水圧に耐えられ、かつ被膜の性質上耐候性、耐熱性、耐薬品性、耐外傷性、耐久性及び通水性等の消防用送水管に必要な条件を一応満足するものであるが、太糸で織成されているため、内壁面に織目の凹凸が形成され、摩擦抵抗が大きいという問題点がある」
(イ)「【0016】
【実施例】以下、図を参照にして本発明の好適な実施例について説明する。
【0017】図1に示される実施例においては、芳香族ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、フェノール系、フッ素系等の防炎繊維を縦糸及び横糸に用いて平織、綾織若しくはサキウラ織等にて複数の異径の円筒状織物1、2、3を織成する。織物1、2、3は編物であってもよい。円筒状織物1、2、3は直径500ミクロン以下の糸で織成されていることが好ましい。細糸であればある程、表裏面が滑らかに織成されるためである。円筒状織物1、2、3間には接着剤4、5を介在させて重合接着している。織物3の外周面に耐火性塗料の被膜6を形成している。被膜6は、例えばエンプラ系特殊高級エラストマーを使用することが好ましい。織物1の内周面には耐水性を有する合成樹脂の被膜7を形成している。
【0018】本実施例においては、細糸で滑らかな表裏面を有する円筒状織物1、2、3を同心円状に重合接着し、その内壁面には耐水性被膜7を形成しているので、内壁面が滑らかになり、摩擦係数が小さくなることにより、管内を流れる流体の速度が速くなる。細糸で織成すると、水圧に対する耐性が悪くなることを防止するため、細糸で織成した複数の円筒状織物1、2、3を重合接着して耐性を高めた。
【0019】図2及び図3に示される実施例においては、芳香族ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、フェノール系、フッ素系等の防炎繊維を縦糸8及び横糸9に用いて平織、綾織若しくはサキウラ織等にて円筒状に織成し、該織物の外周面に耐火性塗料の被膜6を形成している。被膜6は、例えばエンプラ系特殊高級エラストマーを使用することが好ましい。織物の内周面には耐水性を有する合成樹脂の被膜7を形成し、該被膜7には突片10を高密度に連設している。この突片10は、基部11を被膜7より内方に向って突出させ、先端になるに従い斬次径を小さくし、中途で彎曲部12を設けて尖鋭な先端13が水の走行方向に対して反対方向を向くように形成されている。」
(ウ)「【図1】
[図:0001381502000004.jpg]
」
(エ)「【図2】
[図:0001381502000005.jpg]
」
(オ)(ウ)及び(エ)から「被膜7」が内周面の全周に形成され、「被膜6」が外周面の全面に形成されることが看取できる。
(カ)(エ)から、縦糸8及び横糸9からなる織物、被膜7及び被膜6の三層構造を有していることが看取できる。
イ 引用発明7
上記記載を総合すると、引用文献7には、以下の発明(以下「引用発明7」という。)が記載されている。
「防炎繊維を縦糸8及び横糸9に用いて平織、綾織若しくはサキウラ織等にて円筒状に織成し、該織物の外周面の全面に耐火性塗料の被膜6を形成し、織物の内周面の全面には耐水性を有する合成樹脂の被膜7を形成し、三層構造を有し、被膜6は、エンプラ系特殊高級エラストマーを使用し、内外両周面の被膜は約0.3mmである消防用送水管。」
ウ 本願発明1と引用発明7の対比・判断
(ア)対比
本願発明1と引用発明7とを対比する。
引用発明7の「防炎繊維を縦糸8及び横糸9に用いて平織、綾織若しくはサキウラ織等にて円筒状に織成し、該織物の外周面の全面に耐火性塗料の被膜6を形成し、織物の内周面の全面には耐水性を有する合成樹脂の被膜7を形成し、三層構造を有」することは、その構成、機能又は技術的意義からみて本願発明1の「織物からなるジャケットと該ジャケットの内周面の全周を被覆する内側被覆層と前記ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有」することに相当する。
また、引用発明7において「被膜6は、エンプラ系特殊高級エラストマーを使用する」ことと、本願発明1において「前記外側被覆層が透明の樹脂からな」ることとは、「外側被覆層が樹脂からなる」という限りにおいて一致している。
したがって、本願発明1と引用発明7との一致点及び相違点は、それぞれ以下のとおりである。
<一致点>
「織物からなるジャケットと該ジャケットの内周面の全周を被覆する内側被覆層と前記ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記外側被覆層が樹脂からなるホース。」
<相違点8>
外周面の全周を被覆する外側被覆層について、本願発明1は、「透明」であるのに対して、引用発明7は、色等が特定されていない点。
<相違点9>
本願発明1は、「ジャケットの外周面に蓄光性を有する蓄光ラインまたは反射性を有する反射ラインが設けられ、前記蓄光ラインまたは前記反射ラインがホース長さ方向に沿って延在し」ているのに対して、引用発明7は、蓄光ラインまたは反射ラインが設けられていない点。
<相違点10>
本願発明1は、「内側被覆層の厚さAと前記外側被覆層の厚さBとが0.5≦A/B≦2.0の関係を満たし、外側被覆層の厚さBが0.2mm~3.0mmの範囲にあり、ホースの内径が100mm~450mmの範囲である」のに対して、引用発明7は、「内外両周面の被膜は約0.3mmである」点。
(イ)当審の判断
事案に鑑み、上記相違点8について検討する。
引用文献7には、被膜6を透明にすることについて記載も示唆もされていない。そして、織物からなるジャケットの外周に透明の被膜を設けることは、引用文献1ないし3において蓄光塗料等の上から透明の被膜を設けることが記載されているのみである。
しかし、引用文献1ないし3において、蓄光塗料等の上から透明の被膜を設けるのは、蓄光塗料の蓄光性等を損なうことなく蓄光塗料等の摩耗を防ぐためである。一方、引用発明7において外周面の全面を被覆する被膜6を設けるのは、引用文献7の段落【0004】及び【0005】の記載から、消防用送水管全体の耐候性、耐熱性、対薬品性、対外傷性及び強度を高めるためであることが理解できる。
してみれば、引用発明7における被膜6と引用文献1ないし3に記載された蓄光塗料等の上から設けられる透明の被膜とは、その機能及び作用が大きく異なるものであり、引用文献1ないし3の被膜が透明であるという事項を引用発明7の被膜6に適用することは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。また、引用発明1ないし3において、その蓄光塗料等の上から設けられる透明な被膜に、引用文献7に記載された被膜6が外周面の全周を被覆するという事項を適用することも、同様に当業者が容易に想到し得たこととはいえない。
そして、本願発明1は、外周面の全面を被覆する外側被覆層を透明とすることで、「蓄光ラインまたは反射ラインの耐摩耗性を改善し、ホース全体としての耐久性を向上させる」という審判請求書に記載される特有の効果を奏するものである。
また、引用文献4ないし6にも上記相違点8に係る本願発明1の事項について何ら記載も示唆もなく、周知であるとする証拠もない。
ゆえに、引用発明7において、上記相違点8に係る本願発明1の事項とすることを、当業者が容易に想到することができたとはいえない。
以上のとおり、本願発明1は当業者が引用文献1ないし7に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(5)本願発明2について
ア 引用文献1ないし3及び7
引用文献1ないし3及び7に記載された事項は、上記(1)ア、(2)ア、(3)ア及び(4)アのとおりである。
イ 引用発明1ないし3及び7
引用発明1ないし3及び7は、上記(1)イ、(2)イ、(3)イ及び(4)イのとおりである。
ウ 本願発明2と引用発明1ないし3又は7の対比・判断
(ア)対比
本願発明2も「ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、」「前記外側被覆層が透明の樹脂からな」るという発明特定事項を含むものであるから、本願発明2と引用発明1ないし3又は7は、それぞれ、少なくとも以下の相違点9ないし12で相違している。
<相違点9>
少なくとも蓄光ライン上に設けられた被覆について、本願発明2は「ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記外側被覆層が透明の樹脂からな」るのに対して、引用発明1は、「蓄光塗料3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆する」点。
<相違点10>
少なくとも反射ライン上に設けられた被覆について、本願発明2は「ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記外側被覆層が透明の樹脂からな」るのに対して、引用発明2は、「反射層3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーからなるクリア塗装で被覆する」点。
<相違点11>
少なくとも蓄光部上に設けられた被覆について、本願発明2は「ジャケットの外周面の全周を被覆する外側被覆層とを備えた3層構造を有し、前記外側被覆層が透明の樹脂からな」るのに対して、引用発明3は、「マーク3の上から無色透明又は有色透明の樹脂やエラストマーの膜で被覆する」点。
<相違点12>
外周面の全周を被覆する外側被覆層について、本願発明2は、「透明」であるのに対して、引用発明7は、色等が特定されていない点。
(イ)当審の判断
相違点9ないし12は、それぞれ、上記(1)ウ、(2)ウ、(3)ウ及び(4)ウの相違点1、3、5及び8と同じものである。
してみれば、上記(1)ウ、(2)ウ、(3)ウ及び(4)ウに記載したのと同様の理由により、本願発明2は当業者が引用文献1ないし7に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(6)本願発明3ないし10について
本願発明3ないし10は、本願発明1又は2を直接または間接的に引用するものである。本願発明1及び2は、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、それらを直接または間接的に引用する本願発明3ないし10も当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(7)小括
したがって、本願発明1ないし10は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとはいえない。
第3 まとめ
以上のとおり、拒絶査定の理由によっては本願を拒絶することはできない。
また他に拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-002613