商標拒絶査定不服審判
2021-000924
マンナカレートーシツ
- 審判番号
- 2021-000924
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-068301
- 請求日
- 2021年01月22日
- 審決日
- 2022年03月16日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】パナソニック株式会社
- 【請求人代理人】中村 仁
- 【請求人代理人】土生 真之
- 【請求人代理人】大塚 啓生
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 大森 友子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .13 -Z (W11) / T18 .272-Z (W11)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第1項、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019- 68301拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和元年5月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 3月 9日付け:拒絶理由通知
令和2年 4月27日 :意見書の提出
令和2年10月21日付け:拒絶査定
令和3年 1月22日 :審判請求書の提出
令和3年11月 9日付け:証拠調べ通知
令和3年12月21日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「真ん中冷凍室」の文字を標準文字で表してなり、第11類「家庭用及び業務用の電気冷蔵庫,家庭用電熱用品類,業務用冷凍機械器具」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「真ん中冷凍室」の文字を標準文字により表してなるところ、真ん中(中段)に冷凍室を配置した構成よりなる冷蔵庫等が製造・販売されている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば、「真ん中に冷凍室を配置した冷蔵庫」等に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が「真ん中に冷凍室を配置した冷蔵庫」であることを認識するに止まるものといえるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「真ん中に冷凍室を配置した商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審における職権証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲に掲げる事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第1項の規定に基づき、その結果を請求人に通知し、意見を求めた。
5 職権証拠調べに対する請求人の意見
(1)「真ん中冷凍室」の語が使用されている事実は認められるものの、引用記事は、「真ん中冷凍室」の語を単独で使用する例ではなく、「真ん中冷凍室」の意味について解説が付されているものや、「冷凍室が真ん中配置」のように、「配置」の語や助詞の「が」等を用いるなど、特徴を説明する語が補われている。このことは、「真ん中冷凍室」の語からは、指定商品の具体的な品質等を認識できないことから行われているものであり、「真ん中冷凍室」の語は一種の造語として使用されている。
(2)「真ん中冷凍室」の語が使用されている事実は認められるものの、引用記事は、登録第4003511号「まんなか野菜室」の漢字表記である「真ん中野菜室」と並列的に使用されている。このことから、「真ん中冷凍室」の語は同登録商標と同様に一種の造語として使用されている。
(3)以上のとおり、職権に基づく証拠調べの結果を考慮しても、本願商標は、商品の特徴や品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえないことから、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
6 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は「真ん中冷凍室」の文字を標準文字で表してなるところ、「真ん中」の文字は「距離・場所・順序などで、ちょうど中央にあたるところ。」(出典:デジタル大辞泉)を、「冷凍室」の文字は「物を凍らせる、あるいは、凍った状態を維持する機能を有した部屋のこと。」(出典:実用日本語表現辞典)を意味する語であり、構成文字全体として「真ん中が冷凍室」程度の意味を理解させるものである。
そして、別掲における証拠調べ通知によって示した事実によれば、本願指定商品の分野においては、真ん中(中段)に冷凍室を配した冷蔵庫が製造・販売されており、そのような配置を有する冷蔵庫の特徴が、「真ん中冷凍室」と称されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品中「家庭用及び業務用の電気冷蔵庫」及び「その他の冷蔵庫」に使用したときは、これに接した需要者及び取引者は、その商品が「真ん中(中段)に冷凍室を配置した冷蔵庫」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するに止まり、自他商品の識別標識としては機能し得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標に含まれる「真ん中」の語が多義的であるから、本願商標からは複数の意味合いが生じること、本願商標は助詞を介さずに一語として表されているから、日本語として正確な表現でないこと、別掲の証拠調べにおいて列挙した使用例については、「真ん中冷凍室」の語が単独で使用されておらず、特徴を説明する語が補われていること等から、本願商標は自他商品識別力を有する一種の造語である旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願指定商品の分野において、「真ん中冷凍室」の語が、真ん中(中段)に冷凍室を配置した冷蔵庫の特徴を表示するもの即ち、商品の品質を表示するものとして取引上使用されている実情があることを踏まえると、本願商標に接する需要者及び取引者は、本願商標を「真ん中に冷凍室を配置した冷蔵庫」であることを表すものと認識するに止まると判断するのが相当である。
イ 請求人は、過去の登録例(第1号証~第6号証)を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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