商標拒絶査定不服審判
2023-019304
デンジスチーム
- 審判番号
- 2023-019304
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-129123
- 請求日
- 2023年11月14日
- 審決日
- 2024年11月11日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社カジワラ
- 【請求人代理人】須藤 雄一
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .13 -Z (W11) / T18 .272-Z (W11)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-129123拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年11月11日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 5年 3月28日付け:拒絶理由通知
令和 5年 5月26日 :意見書、手続補正書の提出
令和 5年 8月10日付け:拒絶査定
令和 5年11月14日 :審判請求書の提出
令和 6年 8月 8日付け:審尋
令和 6年 9月24日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「電磁スチーム」の文字を標準文字で表してなり、第11類に属する願書記載の商品を指定商品として登録出願されたものであり、指定商品については、上記1の手続補正書により第11類「業務用加熱調理機械器具,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,熱交換器,ボイラー,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「電磁スチーム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「電磁」の文字は、「電気と磁気の相互作用」の意味を、「スチーム」の文字は、「蒸気」の意味を有する語である。
そして、本願に係る指定商品と関連する分野において、電磁を利用して蒸気を発生させるような技術が取り入れられている実情がうかがえる。
そうすると、本願商標を、本願に係る指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、「電磁を利用して発生させた蒸気を用いた商品」であることを認識するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものというべきであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「電磁を利用して発生させた蒸気を用いた商品」以外の指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審における審尋
当審において、上記1の審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
本願商標「電磁スチーム」は、請求人が発案した造語であり、特定の意味をなすものではない。そして、本願商標を構成する「電磁」の文字は、広範な意味を含むものであって、「電磁誘導加熱(IH)」を表示したものと一義的に解さなければならない必然性はない。
また、裁判例「東京高裁平成11年(行ケ)381号」と同様に、特定の意味をなさない本願商標「電磁スチーム」が品質等を表示するものであるとするならば、そのような使用事実等の証拠が必要になるところ、そのような証拠を全く欠いている。
6 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「電磁スチーム」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中、「電磁」の文字は「電気と磁気とが相互に伴って作用する意。」を、「スチーム」の文字は「蒸気。湯気。」をそれぞれ意味する語(いずれも出典:広辞苑 第七版)である。
そして、本願の指定商品を取り扱う分野においては、電磁誘導加熱の原理を応用した調理器(IH調理器)が「電磁調理器」と称されている(出典:広辞苑 第七版)ほか、「電磁誘導加熱(IH)」を「電磁」と称した商品が取引されている実情が確認できる(別掲1)。
また、本願の指定商品を取り扱う分野において、「電磁(IH)」及び「スチーム(蒸気)」は、熱源として利用されている実情が確認できる(別掲2)。
そうすると、「電磁スチーム」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「商品の熱源が電磁(IH)及びスチーム(蒸気)」であること、すなわち商品の品質を表示したものと看取、理解するにとどまり、これを商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきである。
さらに、本願商標は標準文字で表してなるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。
してみれば、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、上記内容に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標「電磁スチーム」は、請求人が発案した造語であり、他社による使用は皆無であって、特定の意味をなすものでもない旨、そして、本願商標を構成する「電磁」の文字は、広範な意味を含むものであって、当該文字が「電磁誘導加熱(IH)」であると関連付けられていない場合においては、「電磁」の語が「電磁誘導加熱(IH)」を表示したものと一義的に解さなければならない必然性はない旨主張している。
これについて「商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品の識別力を欠くものであることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・同53年(行ツ)第129号参照)。そうすると、出願に係る商標が、その指定商品について商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、本件審決の時点において、当該商標が当該商品との関係で商品の品質等を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標の取引者、需要者によって当該商品に使用された場合に、将来を含め、商品の品質等を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。そして、当該商標の取引者、需要者によって当該商品に使用された場合に商品の品質等を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和4年1月25日第3部判決・同3年(行ケ)第10113号参照)。」と解される。
そうすると、本願商標の「電磁スチーム」の文字自体としては他人による使用例が見受けられないとしても、本願商標を構成する「電磁」及び「スチーム」の各文字の使用の実情(別掲1及び別掲2)に照らせば、本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者によって、「商品の熱源が電磁(IH)及びスチーム(蒸気)」であることを表示するものとして一般に認識されるものであり、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものと認められるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというべきである。
イ 請求人は、過去の判決例を挙げ、本願商標が特定の品質等を表示するものであるならば、そのような客観的事実が形成されていることの事実が形成されていることの証拠が必要になるところ、そのような証拠を全く欠いている旨主張している。
しかしながら、本願の指定商品を取り扱う分野においては、上記(1)のとおり、「電磁誘導加熱(IH)」を「電磁」と称した商品が取引されている上、「電磁(IH)」及び「スチーム(蒸気)」が、熱源として利用されている実情が確認できることからすれば、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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