商標拒絶査定不服審判
2023-017814
ナベゾコカキマゼ
- 審判番号
- 2023-017814
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-122724
- 請求日
- 2023年10月20日
- 審決日
- 2025年03月11日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】パナソニックホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】山内 広之
- 【請求人代理人】酒井 壮士
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 石塚 文子
- 分類
- T18 .13 -Z (W11) / T18 .272-Z (W11)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-122724拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年10月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年3月13日付け :拒絶理由通知書
令和5年4月21日 :意見書の提出
令和5年7月18日付け :拒絶査定
令和5年10月20日 :審判請求書の提出
令和6年12月10日付け:審尋
令和7年1月24日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「鍋底かきまぜ」の文字を標準文字で表してなり、第11類「家庭用電熱用品類(美容用又は衛生用のものを除く。),業務用加熱調理機械器具」を指定商品として、登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「鍋底かきまぜ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「鍋底」の文字は「なべの底」を、また、「かきまぜ」の文字は「かきまぜること」を意味する語として、それぞれ広く一般に知られている。そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、かき混ぜる(かくはんする)機能を有する調理器(機)や調理なべの取引が行われている実情が認められる。そうすると、本願商標は、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者に、「鍋底をかき混ぜる(かくはんする)機能を有する商品」であることを認識させるにとどまるものであるから、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和6年12月10日付け審尋により、請求人に対し、別掲のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対し、令和7年1月24日付けの回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
(1)本願商標の構成中、「鍋底」の文字が「かきまぜ」の文字の目的語になるのであれば、助詞「を」を伴って「鍋底をかきまぜ」とするべきであるが、助詞を欠いているため、本願商標を構成する「鍋底」と「かきまぜ」の語の関係性が不明確である。
(2)鍋のかき混ぜやすさを確保した調理用の鍋の取引の実情を踏まえれば、「鍋底」と「かきまぜ」の語について多様な関連性が想像され、全体としても多種多様な意味合いが生じ得ると考えられ、「鍋底をかき混ぜる(かくはんする)機能を有する商品」のような意味合いが一義的かつ直接的に認識される合理的な理由はない。
6 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「鍋底かきまぜ」の文字を標準文字で表してなるところ、「鍋底」の文字(語)は「なべの底。」の意味を、「かきまぜ」の文字(語)は「かきまぜること。また、そのもの。」の意味をそれぞれ有する語として(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)、広く一般に使用されていることから、全体として、「鍋底をかき混ぜること」ほどの意味合いを認識させるものである。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、鍋をかき混ぜる(かくはんする)機能を有する自動調理器が一般に取引されているところ、別掲のウェブサイト情報のように、鍋底をかき混ぜる(かくはんする)ことができる自動調理器が取引されている実情が認められる。
してみると、「鍋底かきまぜ」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、これが「鍋底をかき混ぜることができる商品」であると理解、認識するものといえ、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
また、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
そうすると、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、かつ、本願商標を「鍋底をかき混ぜることができる商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標の構成中、「鍋底」の文字が「かきまぜ」の文字の目的語になるのであれば、助詞「を」を伴って「鍋底をかきまぜ」とするべきであるが、助詞を欠いているため、本願商標を構成する「鍋底」と「かきまぜ」の語の関係性が不明確である旨主張する。
しかしながら、本願商標は「鍋底かきまぜ」の文字からなるところ、その構成中の「鍋底」及び「かきまぜ」の各文字(語)の間の助詞「を」を欠いているとしても、語義上から全体として「鍋の底をかき混ぜること」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
また、請求人は、調理用の鍋に関する取引の実情を踏まえれば、「鍋底」と「かきまぜ」の文字(語)について多様な関連性が想像され、全体としても多種多様な意味合いが生じ得ると考えられ、「鍋底をかき混ぜる(かくはんする)機能を有する商品」のような意味合いが一義的かつ直接的に認識される合理的な理由はない旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品である「家庭用電熱用品類(美容用又は衛生用のものを除く。),業務用加熱調理機械器具」を取り扱う分野においては、「鍋の底をかき混ぜることができる商品」が取引されている実情が見受けられるものの、他の意味を認識させるとする証拠は見いだせないことから、本願の指定商品の取引者、需要者は、本願商標を構成する「鍋底かきまぜ」の文字から「鍋の底をかき混ぜること」の意味を理解し、当該商品が「鍋底をかき混ぜることができる商品」であると認識するとみるのが相当である。
したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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