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商標異議申立

2020-900193

キアツズツー

審判番号
2020-900193
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2019-091529外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年08月04日
審決日
2020年12月22日
公報発行日
2021年02月26日
結論
維持
当事者
審判長/審判官
分類
T1651.13 -Y (W05) / T1651.272-Y (W05)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号商標法43条の3第4項
識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
識別力あり(使用によるものを含む)標準文字
論点(本文から自動抽出・参考)
識別力品質表示品質効能・効果品質誤認濃い色は判断部分で検討された論点、薄い色は本文中で触れているもの
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6255477号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。

結論

【結 論】
登録第6255477号商標の商標登録を維持する。

理由

目次 ▾ 8項目
【理 由】

第1 本件商標

本件登録第6255477号商標(以下「本件商標」という。)は,「気圧頭痛」の文字を標準文字により表してなり,令和元年7月2日に登録出願,第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として,同2年5月13日に登録査定され,同月29日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

折りたたみ中(クリックで表示)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,本件商標の登録は,同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。

1 商標法第3条第1項第3号に基づく取消理由

(1)「気圧頭痛」との語から生じる意味合い

本件商標の構成中の「気圧」の語は,「気体の圧力」「大気の圧力」との意味合いを有する語であり(甲1),「頭痛」との語は,「諸種の疾患に伴い頭部の全部又は一部に痛みを感じる症状」を意味する語であるが(甲1),いずれも広く一般的に使用されている日本語である。

本件商標は,「気圧」及び「頭痛」との2語をそのまま繋げた「気圧頭痛」の文字からなる商標であるが,本件商標に接する取引者,需要者は,後半の「頭痛」の文字の前に来る文字である「気圧」を,頭痛の原因を示す語として認識するため,本件商標からは「気圧(の変化)による頭痛」との意味合いが一義的に想起される。

(2)気圧の変化による頭痛が近年注目を集めていること

近年,天気が悪い日に,気圧の変化によって頭痛が引き起こされる現象が注目されており,雑誌やウェブサイトでも,その説明がなされている(甲2~甲6)。

それらのウェブサイトでは,気圧の変化によって,頭痛が生じることが,「薬剤」の使用者である一般消費者にも広く認知されるようになっていることがわかる。「気圧の変化によって生じる頭痛」が注目されるようになったのは,比較的最近であるため,未だ明確な呼び名が定着しているとはいえない状況にあるが,本件商標に接した取引者,需要者は,「気圧頭痛」との語から「気圧の変化によって生じる頭痛」との意味合いを一義的に想起するといえる。

(3)本願人(審決注:「本件商標権者」の誤記と判断)自身が「気圧頭痛」との語を品質表示として使用していること

本件商標権者は,頭痛薬「キアガード」を紹介するウェブサイト(甲7)の中で,「天気頭痛(気圧頭痛)!こんなお悩みありませんか?」とのタイトルのもと,「雨が降る前に頭痛がする 気圧が変化すると頭が痛くなる(略)こんな症状があるあなたは,天気頭痛(気圧頭痛)かも?」との説明文を掲載している。

本件商標権者のかかる使用態様からすると,本件商標権者自身も,「気圧頭痛」の語を「気圧の変化によって生じる頭痛」の意味合いを有する品質,効能の表示として使用していることがわかる。

上記ウェブサイトでは,「天気頭痛」の語の後に,括弧書きで「気圧頭痛」と表記されているが,つまり,天気の変化に伴って生じる「天気頭痛」は,特に気圧の変化に伴って生じる「気圧頭痛」であることを説明している。

(4)「気圧頭痛」は商品の品質,効能を表示する標章のみからなる商標

以上のとおり,「気圧頭痛」の表示は,「天気頭痛」と同様に,気圧の変化に伴って生じる頭痛であることを一般的に認識する表示以外の何ものでもなく,「気圧頭痛」を指定商品中の薬剤に使用するとき,「気圧の変化によって生じる頭痛に効果を有する薬剤」の品質,効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当する。

「気圧頭痛」は,現在のところ,多く使用されている訳ではないが,取引者,需要者に,指定商品の品質表示として一般に認識され,同号に該当することは明らかである。なお,上記の使用例が本件商標権者のウェブサイトであることは,同号の該当性を否定する根拠になるものではない。

(5)「気圧頭痛」と同様の症状を示す商標の出願の審査結果

「雨の日頭痛」との文字からなる商標の出願(商願2019-49103)に対しては,令和2年2月14日付けで商標法第3条第1項第3号に基づく拒絶理由が通知されている(甲8)。

(6)小括

以上述べたとおり,本件商標を構成する「気圧頭痛」の文字は「気圧の変化によって生じる頭痛」の意味合いを一義的に想起させるものであり,本件商標は,その指定商品中の「気圧の変化によって生じる頭痛に効果を有する薬剤」の品質,効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当する。

したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 商標法第4条第1項第16号に基づく取消理由

上述したとおり,本件商標を構成する「気圧頭痛」の文字は,「気圧の変化によって生じる頭痛」を意味する語である。

そのため,本件商標を,その指定商品中の「気圧の変化によって生じる頭痛に効果を有する薬剤」以外の商品に使用した場合,商品の品質に関する誤認を生じさせるおそれがある。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当する。

4 結論

以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本件商標は,上記第1のとおり,「気圧頭痛」の文字を標準文字により表してなるところ,その商標中の「気圧」の文字が,「気体の圧力,大気の圧力」の意味を有し,また,「頭痛」の文字が,「諸種の疾患に伴い頭部の全部又は一部に痛みを感じる症状」の意味を有する語(株式会社岩波書店 広辞苑第七版 甲1)として知られているものである。

そして,その構成文字からは,申立人が主張するような「気圧の変化によって生じる頭痛」程の意味合いを暗示させる場合があるとしても,これが直ちに特定の商品の品質を直接的に表したものと理解,認識させるとはいい難く,むしろ,特定の意味合いを認識させることのない,一種の造語として認識し,把握されるものである。

また,当審において職権をもって調査したが,本件商標の指定商品を取り扱う業界において,「気圧頭痛」の文字が,取引上一般に使用されていると認めるに足りる証拠は見いだせず,さらに,本件商標に接する取引者,需要者が,当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。

加えて,申立人の提出した証拠(甲2~甲7)からすると,本件商標の登録査定時において,「気圧頭痛」の文字が本件商標に係る指定商品を取り扱う業界において使用されている事例は,本件商標権者による使用以外には見当たらない。

そうすると,本件商標は,その登録査定時において,これに接する取引者,需要者に,申立人が主張するような「気圧の変化によって生じる頭痛」程の意味合いを認識させることはなかったというべきである。

してみれば,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,商品の品質,効能を表示するものではなく,自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。

以上のとおり,本件商標は,その登録査定時において,商品の品質,効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえないと判断するのが相当であり,また,本件商標が商品の品質を表示するものでない以上,本件商標は,商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものである。

したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。

2 結論

以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

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2020-900193

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