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商標異議申立

2020-900141

ベンクリ

審判番号
2020-900141
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2019-046708
登録番号
商標登録第6231111号(T6231111)
請求日
2020年05月21日
審決日
2021年05月31日
公報発行日
2021年11月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】義烏市騰鼎傘業有限公司
  • 【異議申立人】ジルド パランカ パストール
  • 【異議申立人代理人】松井 宏記
  • 【異議申立人代理人】宗助 智左子
  • 【異議申立人代理人】田中 景子
  • 【異議申立人代理人】鈴木 行大
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 豊田 純一
  • 審判官 小俣 克巳
分類
T1651.261-Y (W09) / T1651.262-Y (W09) / T1651.263-Y (W09) / T1651.271-Y (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6231111号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6231111号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第6231111号商標(以下「本件商標」という。)は、「Venkuri」の文字を標準文字により表してなり、平成31年(2019年)4月2日に登録出願され、第9類「再充電可能な電池,タコグラフ,ビデオカメラ,映写装置,イヤホン,ヘッドホン,スピーカー用筐体,電気プラグ,モニター付監視装置(医療用のものを除く。),バッテリーチャージャー」を指定商品として、令和2年(2020年)2月3日に登録査定、同年3月2日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 1 登録録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして、引用する商標は、以下の(1)ないし(3)の登録商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5435690号商標(以下「引用商標1」という。)は、「VENTURI AMERICA」の欧文字を横書きにしてなり、平成22年(2010年)4月28日に登録出願、第9類「アメリカ製の蓄電器その他の配電用又は制御用の機械器具,アメリカ製のバッテリー」及び第12類「アメリカ製の自動車並びにその部品及び附属品,アメリカ製の船舶並びにその部品及び附属品,アメリカ製の航空機並びにその部品及び附属品,アメリカ製の鉄道車両並びにその部品及び附属品,アメリカ製の二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、同23年(2011年)9月2日に設定登録されたものである。 (2)登録第5415910号商標(以下「引用商標2」という。)は、「VENTURI ANTARCTICA」の欧文字を横書きにしてなり、平成21年(2009年)12月17日に登録出願、第9類「蓄電器その他の配電用又は制御用の機械器具,バッテリー」及び第12類「自動車並びにその部品及び附属品,船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、同23年6月3日に設定登録されたものである。 (3)登録第5616360号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲に示したとおりの構成よりなり、平成24年(2012年)1月6日に域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年1月13日に登録出願、第9類、第12類、第16類、第24類、第25類、第35類、第37類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同25年(2013年)9月20日に設定登録されたものである。 2 申立人が、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとして、引用する登録第2573171号商標(以下「引用商標4」という。)は、「VENTURI」の欧文字を横書きにしてなり、平成2年(1990年)8月3日にフランス共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、同年11月9日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年(1993年)9月30日に設定登録、その後、指定商品については、同16年(2004年)11月24日に、第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにその部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」とする指定商品の書換登録がなされたものであり、現に有効に存続しているものである。 以下、上記の引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは「11号引用商標といい、また、引用商標1ないし引用商標4をまとめていうときは「引用商標」という。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録が取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 本件商標について 本件商標は、欧文字で「Venkuri」と普通に表してなり、「Venkuri」は、辞書にはない単語であるため、アルファベット風に「ヴェンキュリ」との称呼が生じ、特定の観念は生じない。 2 申立人が「電気自動車」について使用する商標「Venturi」の周知著名性について 申立人の使用に係る商標「Venturi」は、引用商標1ないし4(決定注:引用商標1、引用商標2及び引用商標4の誤記と認める。)の専用使用権者で、モナコに本拠を置くフランスの高級自動車の製造・販売企業「ヴェンチュリ オートモビル(Venturi Automobiles)」(以下「ヴェンチュリ オートモビル社」という場合がある。)によって使用されてきた商標である。ヴェンチュリ オートモビル社は、昭和59年(1984年)に高級スポーツカーの製造・開発会社として設立され、過去には、同社のスポーツカー「Venturi Atlantique」により、F1チームやル・マン24時間耐久レースにも出場した(甲6)。 その後、平成12年(2000年)に破産を宣告するが、現在の引用商標の商標権者(以下「引用商標権者)という。)が同社のオーナーとなり、電気自動車の開発にも力を入れるようになった。 ヴェンチュリ オートモビル社の電気自動車は、完全に電動化されたパワートレイン搭載車両の現在の最高速度記録を保持しており、電気自動車の世界的なパイオニアとなっている(甲7)。また、レーシングチーム「Venturi Formula E Team」を結成し、Formula Eの開幕元年となる2014-2015年シーズンからFIAフォーミュラE選手権(化石燃料を使用しない電気自動車のフォーミュラカーによるレース)においてFIAよりライセンスを授与された参加10チームのうちの一つとして、アウディ、ジャガー、シトロエン、ルノー等とともに参戦している(甲6)。ヴェンチュリのチームには、設立時からハリウッド俳優が参加し、また、平成30年(2018年)末からはF1ドライバーの起用が決定するなど、注目度抜群のチームであると、我が国の自動車に関する情報を掲載するインターネットウェブサイトにおいても、ヴェンチュリ オートモビル社の自動車の秀逸さが高く評価されている(甲6、甲9)。電気自動車には、車載電池のみならず、電池のエネルギーを効率的に使用するために、半導体、電子部品等の最先端の技術が集約されている。そのため、技術開発にあたっても、電池、電子部品、半導体メーカーが技術開発に参加している。たとえば、ヴェンチュリ オートモビル社のレーシングチームには、日本の電子部品メーカーであるローム株式会社が同チームのオフィシャル・テクノロジー・パートナーとしてパワーデバイスを提供している(甲6、甲10、甲12)。また、パナソニックは、「Jaguar Racing(ジャガー レーシング)」のメインスポンサーとして、IT見本市で電池の宣伝を積極的に行っているとITビジネスの情報サイトで紹介されている(甲10)。 ヴェンチュリ オートモビル社は、世界で初めての量産スポーツカー「フェティッシュ」に無線通信機器を利用した制御システムを採用したことなど、高級電気自動車ブランドメーカーとして、我が国の娯楽情報サイトでも注目されている(甲8)。「フェティッシュ」は、リチウムイオン電池を搭載し、最高速度が170km/hで、Wimax無線通信機を搭載し、情報通信システムによりモーターの温度、電池の充電などもインターネット経由で遠隔操作でき、モナコ、アメリカ西海岸、日本でのみ販売される電気スーパーカーであり、モナコの販売価格は日本円で6,200万円相当であることが、我が国の娯楽情報サイトでも紹介されている(甲8)。 また、平成25年(2013年)には、世界最速の時速600m(決定注:60kmの誤記と思われる。)を目指す電動自動車「Venturi VBB-3」を公開し、我が国のインターネット情報サイトでも紹介されている(甲13)。その他、マイナス50度の世界で電気で動く雪上車「Antarctica」をヴェンチュリ オートモビル社は開発しており、我が国の技術情報サイトでも紹介されている(甲11)。 このように、ヴェンチュリ オートモビル社は、電気自動車の分野における技術革新のパイオニアとして活躍しており(甲14)、その使用商標「Venturi」は、電気スポーツカーを含む電気自動車の分野で、我が国を含め世界的に周知著名性を有している。 さらに、電気自動車には、電池、電子部品、半導体及び通信機器など、様々な技術が関係していることから、その周知著名性は、自動車の取引者、需要者のみならず、電池、電気、通信技術関連を含む取引者、需要者に及ぶというべきである。また、「VENTURI」ブランドのモデルカーが「ASTON MARTIN」等と並んで販売されていることもあり(甲15)、「VENTURI」は、伝統ある高級自動車ブランドとしても我が国で広く知られているというべきである。 3 引用商標について 引用商標1は、欧文字の「VENTURI AMERICA」からなり、前半部分は、上記2のとおり、申立人が電気スポーツカーを含む電気自動車に使用し、我が国を含め世界的に広く知られた商標「VENTURI」を表し、後半部分は、「アメリカ」の地名を表す部分であるため、「VENTURI」の部分を要部として、「ヴェンチュリ」の称呼が生じ、「ヴェンチュリ オートモビル」の観念が生じ得るというべきである。 引用商標2は、欧文字の「VENTURI ANTARCTICA」からなり、前半部分は、上記2のとおり、申立人が電気スポーツカーを含む電気自動車に使用し我が国を含め世界的に広く知られた商標「VENTURI」を表し、後半部分は、「南極地方」の地名を表す部分であるため、「VENTURI」の部分を要部として、「ヴェンチュリ」の称呼が生じ、「ヴェンチュリ オートモビル」の観念が生じ得るというべきである。 引用商標3は、別掲のとおりの構成からなり、構成中の「VENTURI」の部分は、上記2のとおり、申立人が電気スポーツカーを含む電気自動車に使用し我が国を含め世界的に広く知られた商標「VENTURI」を表すため、当該部分を要部として、「ヴェンチュリ」の称呼が生じ、「ヴェンチュリ オートモビル」の観念が生じ得るというべきである。 引用商標4は、欧文字の「VENTURI」からなり、申立人が電気スポーツカーを含む電気自動車に使用し、我が国を含め世界的に広く知られた商標「VENTURI」を表すため、「ヴェンチュリ」の称呼が生じ、「ヴェンチュリ オートモビル」の観念が生じ得るというべきである。 4 本件商標と引用商標との類否について 称呼においては、本件商標は、上記1のとおり、「ヴェンキュリ」の称呼が生じ、引用商標から生じる「ヴェンチュリ」の称呼と対比すると、中間部の「キュ」音と「チュ」音は、拗音で相紛らわしい音であるから、両商標を全体的に一連称呼すれば、非常に紛らわしく、両商標の称呼における類似性は高いというべきである。 外観においては、本件商標の「Venkuri」は、11号引用商標の「VENTURI」の文字部分及び引用商標4と対比すると、7文字中6文字が同一文字からなり、全体的に一見すれば、非常に紛らわしく、両商標の外観における類似性は高いというべきである。 したがって、本件商標は、引用商標と称呼及び外観において類似する商標である。特に、引用商標4「VENTURI」との類似性は極めて高いというべきである。 また、本件商標の指定商品中、「再充電可能な電池,ビデオカメラ,イヤホン,ヘッドホン,スピーカー用筐体,電気プラグ,モニター付監視装置(医療用のものを除く。),バッテリーチャージャー」は、11号引用商標の指定商品と類似している。 5 商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、11号引用商標と類似し、類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 6 商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標は、引用商標4の専用使用者であるモナコ公国の法人「ヴェンチュリ オートモビル社」が「電気自動車」等に使用し、我が国の需要者の間でも広く知られる引用商標4に類似している。 さらに、本件商標の指定商品には、電気自動車に搭載される「再充電可能な電池,電気プラグ,モニター付監視装置(医療用のものを除く。),バッテリーチャージャー」等が含まれている。 すなわち、いずれも、申立人が使用し、周知著名な引用商標4の指定商品に包含される商品「電気自動車」との間で、技術的に関連性が高いものであり、かつ、本件商標の指定商品は、「電気自動車」との間で、取引者、需要者において共通しており、本件商標の指定商品は、技術的にも取引分野においても、「電気自動車」と関連性が高いというべきであるから、本件商標がその指定商品について使用された場合は、これに接する取引者、需要者は、あたかも、申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその商品の出所において混同を生じるおそれがあるというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 「VENTURI」(引用商標4)及び「Venturi」の周知著名性について 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 (1)申立人は、引用商標4及び「Venturi」(以下、これらをまとめて「使用商標」という。)はモナコを拠点とする自動車の製造・販売企業「ヴェンチュリ オートモビル社」(1984年設立)により、スポーツカーに使用された商標である旨主張しているが、使用商標の使用開始日や使用に係る具体的な商品及び実際の使用態様は明らかではない。 (2)ヴェンチュリ オートモビル社は、平成13年(2001年)に現在の引用商標の商標権者(申立人)がオーナーとなり、電気自動車の開発に力を入れ、レーシングチームを結成、2014-2015年シーズンから「FIAフォーミュラE選手権」に参加した(甲6)こと、また、何らかのカーレースにおいてレーシングカーに「VENTURI」の文字を付していたことがうかがえる。 しかしながら、その証拠はウェブサイトの掲載情報のみであり、その頃に「FIAフォーミュラE選手権」や使用商標を使用したレーシングカー等が、新聞、雑誌及びテレビ等を通じて注目され、話題になったというような状況はうかがえない。 さらに、「FIAフォーミュラE選手権」の規模、開催期間、来場者数や、その選手権を通じて使用商標がレーシングカー等に使用され、どれぐらいの需要者の目に触れたかなどを具体的、客観的に示すような証拠の提出はない。 (3)以上からすると、使用商標は、レーシングカーやレーシング用電気自動車に関心のある需要者の間においてある程度知られているといえるとしても、ヴェンチュリ オートモビル社の業務に係る商品「電気自動車」の我が国における販売台数、販売額などの販売実績、市場シェア及び広告宣伝の回数や宣伝広告費の額など、周知著名性を数量的に判断し得る具体的な証拠は何ら提出されていないから、申立人提出の証拠によっては、使用商標が、我が国の需要者の間に広く認識されているものとまでは認められない。 したがって、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又はヴェンチュリ オートモビル社の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の一般の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標 本件商標は、上記第1のとおり、「Venkuri」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成は、語頭の「V」のみを大文字とし、その余は全て小文字としており、全体としてまとまりよく一体的に表されているものであり、これから生じると認められる「ベンクリ」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、「Venkuri」の文字は、辞書類に掲載されている成語とは認められないことから、特定の意味合いを想起させるものではなく、一種の造語として理解、認識されるものというのが相当である。 してみると、本件商標からは「ベンクリ」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)11号引用商標 ア 引用商標1 引用商標1は、上記第2の1(1)のとおり、「VENTURI AMERICA」の文字を横書きしてなるところ、該構成は、「VENTURI」及び「AMERICA」の文字からなるものと看取され得るとしても、外観上まとまりよく一体のものとして把握されるものであり、また、その構成文字全体から生じる「ベンチュリアメリカ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、「VENTURI AMERICA」の文字は、辞書類に掲載されている成語とは認められないことから、特定の意味合いを想起させるものではなく、一種の造語として理解、認識されるものというのが相当である。 してみると、引用商標1は、その構成文字全体から「ベンチュリアメリカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標2 引用商標2は、上記第2の1(2)とおり、「VENTURI ANTARCTICA」の文字を横書きしてなるところ、該構成は、「VENTURI」及び「ANTARCTICA」の文字からなるものと看取され得るとしても、外観上まとまりよく一体のものとして把握されるものであり、また、その構成文字全体から生じる「ベンチュリアンタークティカ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、「VENTURI ANTARCTICA」の文字は、辞書類に掲載されている成語とは認められないことから、特定の意味合いを想起させるものではなく、一種の造語として理解、認識されるものというのが相当である。 してみると、引用商標2は、その構成文字全体から「ベンチュリアンタークティカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ 引用商標3 引用商標3は、別掲に示した構成からなるところ、それぞれの文字や図形の構成及び態様に照らすならば、その構成中、赤く塗りつぶされた横長四角形の輪郭図形の上部の幅広部分内に白抜きで表された「VENTURI GLOBAL CHALLENGES」の文字部分については、独立して自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たすものといい得るものである。 そして、該独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといい得る文字部分は、「VENTURI」、「GLOBAL」及び「CHALLENGES」の文字からなるものと看取され得るとしても、各文字の間には、ごく僅かな隙間しかなく、しかも、該各文字は、同書、同大、等間隔で横一連に表されているものであるから、外観上まとまりよく一体のものとして把握されるものであり、また、その構成文字全体から生じる「ベンチュリグローバルチャレンジ」の称呼は、やや冗長であるとしても無理なく一連に称呼し得るものである。 また、「VENTURI GLOBAL CHALLENGES」の文字は、辞書類に掲載されている成語とは認められないことから、特定の意味合いを想起させるものではなく、一種の造語として理解、認識されるものというのが相当である。 してみると、引用商標3は、その構成中独立して自他商品の識別標識としての機能を果す文字部分から「ベンチュリグローバルチャレンジ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と11号引用商標との類否について ア 外観 本件商標と11号引用商標の外観を比較すると、両者は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであるから、それぞれ商標全体の構成に照らし、外観上、明確に区別し得るものであるから、相紛れるおそれはない。 また、本件商標と引用商標3の構成中、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすとものといい得る「VENTURI GLOBAL CHALLENGES」との比較においても、それぞれ文字の構成に照らし、外観上、明確に区別し得るものであるから、相紛れるおそれはない。 イ 称呼 本件商標から生じる「ベンクリ」の称呼と、11号引用商標から生じる「ベンチュリアメリカ」、「ベンチュリアンタークティカ」及び「ベンチュリグローバルチャレンジ」の各称呼とを比較すると、全体の構成音数及び音構成の相違及び相違する音の音質や音感の相違により、それぞれを一連に称呼した場合においても、称呼上、明確に聴別し得るものであるから、相紛れるおそれはない。 ウ 観念 本件商標と11号引用商標は、ともに特定の観念を有しない造語と認められるものであるから、両商標は、観念において比較することができない。 エ そうすると、本件商標と11号引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれがなく、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (4)小括 以上のとおり、本件商標は、その指定商品中に11号引用商標の指定商品と同一又は類似のものが含まれているとしても、11号引用商標とは非類似の商標である。 したがって、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)使用商標の周知性について 使用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は申立人と経済的な関係を有する者の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。 (2)本件商標と使用商標の類似性の程度について 本件商標は、上記第1のとおり、「Venkuri」の文字を標準文字で表したものであり、これよりは「ベンクリ」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。 他方、使用商標は、「VENTURI」又は「Venturi」の欧文字を横書きした構成からなるところ、これよりは、「ベンチュリ」の称呼を生じるものであり、該文字は、辞書類に掲載されている成語とは認められないことから、特定の意味合いを想起させるものではなく、一種の造語として理解、認識されるものであるというのが相当である。 そこで、本件商標と使用商標の外観を比較すると、両者は、4文字目における「k」と「T」又は「t」の差異があるから、これらの差異がそれぞれの構成全体の印象に与える影響は少なくなく、両者は、外観上、明確に区別し得るものであるから、相紛れるおそれはない。 次に、本件商標から生じる「ベンクリ」の称呼と、使用商標から生じる「ベンチュリ」の称呼とを比較すると、共に4音構成からなり、その3音目において、「ク」の音と「チュ」の音に差異を有するものであるが、4音という極めて少ない音構成において、該差異が、称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときには、その語感、語調が異なり、明確に聴別し得るものであるから、相紛れるおそれはない。 また、本件商標と使用商標は、ともに特定の観念を有しない造語と認められるものであるから、両商標は、観念において比較することができないものである。 そうすると、本件商標と使用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれがなく、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、両者の類似性の程度は低いというべきものである。 (3)小括 上記(1)のとおり、使用商標は、申立人又は申立人と経済的な関係を有する者の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであり、また、上記(2)のとおり、本件商標と使用商標は、非類似の商標であるから、両者の類似性の程度は低いというべきものである。 そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして使用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人あるいは同人らと経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。 その他、本件商標と使用商標とが取引者、需要者において現実に出所の混同を生じている事実を認め得る具体的、客観的な証拠は見いだせないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2020-900141

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