商標拒絶査定不服審判
2023-007528
ベンリテープ、ベンリ
- 審判番号
- 2023-007528
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-033563
- 請求日
- 2023年05月10日
- 審決日
- 2024年03月01日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コニシ株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 中島 光
- 分類
- T18 .13 -Z (W16)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-33563拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年3月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年9月8日付け:拒絶理由通知書
令和4年12月26日:意見書の提出
令和5年2月6日付け:拒絶査定
令和5年5月10日:審判請求書の提出
令和5年11月28日付け:証拠調べ通知書
令和6年1月10日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「便利テープ」の文字を標準文字で表してなり、第16類「事務用又は家庭用の接着テープ」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「便利テープ」の文字を標準文字で表してなるところ、「便利」の文字は、「うまく役立つこと」を意味する語であるから、本願商標は全体として、「うまく役立つテープ」の意味合いを容易に認識させるものである。そして、本願指定商品との関係では、「うまく役立つ事務用又は家庭用の接着テープ」が「便利テープ」の名称で販売されている実情があることからすれば、本願商標をその指定商品中、例えば、「うまく役立つ事務用又は家庭用の接着テープ」に使用する場合には、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審における証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1ないし別掲3に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に対し、前記1の証拠調べ通知書をもって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
5 証拠調べに対する請求人の意見(要旨)
証拠調べ通知書中の各事実における、「便利」及び「便利テープ」等の文字は、いずれも、「便利」であるための用途や場面等の説明とあわせて使用されているものであり、これらの各事実は、「便利」及び「便利テープ」等の文字が、それのみをもって、本願指定商品の品質・特徴等を表示したものとは全く認識されていないことを明らかにしている。
さらに、「便利テープ」の文字の使用例は数例にとどまるものであり、かつ、これらの使用例中には誤植の可能性があるものも見られるため、「便利テープ」の文字が普通名称化しているともいえない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
ア 商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(昭和53年(行ツ)第129号、最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁)。
また、この趣旨に照らせば、当該商標が指定商品の品質等を表すものとして、審決時に需要者に広く認識されている場合はもとより、将来を含め、需要者にその商品の品質等を表すものと認識される可能性があって、これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときは、その商標は、同号に該当すると解するのが相当である。
イ 本願商標は、「便利テープ」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲1に示すとおり、その構成中「便利」の文字は、「うまく役立つこと」の意味を有する語として、「テープ」の文字は、「接着剤がついていて、ものにはりつけられるテープ」の意味を有する語として、いずれも広く一般に親しまれた語であるから、全体として「うまく役立つテープ」ほどの意味合いを理解させるものである。
また、別掲2に示すとおり、接着テープについて、「便利」の文字が、「うまく役立つ」ほどの意味合いを端的に表す言葉として広く使用されている実情が認められる。
そして、別掲3に示すとおり、接着テープについて、「便利テープ」又は「便利なテープ」の文字が、「うまく役立つテープ」ほどの意味合いを端的に表す言葉として使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標の各構成文字の意味と、上記の実情に照らせば、本願商標は、全体として「うまく役立つテープ」ほどの意味合いを容易に認識させるものであるから、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する需要者は、その商品が、うまく役立つテープであるという、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものであって、本願商標は、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというべきである。
また、前記のとおり、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。
したがって、本願商標は、その指定商品との関係において、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願指定商品の分野においては、本願商標及びその構成中の「便利」の文字は、需要者に、商品の品質及び特徴等を表したものとして認識されておらず、本願商標は自他商品識別標識としての機能を十分に果たすものである旨主張する。
また、請求人は、「便利テープ」の文字が使用されている例は数例にとどまり、さらに、これらの中には誤植の可能性のあるものも含まれるから、「便利テープ」の文字が普通名称化しているとはいえない旨主張する。
しかしながら、前記(1)イのとおり、本願商標は、その構成文字の意味並びに別掲1及び別掲2の事実から、「うまく役立つテープ」ほどの意味合いを容易に認識させるものであることからすれば、本願指定商品との関係において、本願商標に接する需要者は、これを、商品の品質を表したものであると理解するにとどまるといえる。
イ 請求人は、「便利」の文字を商標中に含む過去の登録例を挙げ、本願もこれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については前記(1)イのとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることをもって、本願の判断を左右するものではない。
ウ したがって、請求人の前記主張は、いずれも採用することができない。
7 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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