特許訂正審判
2020-390112
プリンタ
- 審判番号
- 2020-390112
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2014-107674
- 登録番号
- 特許第6795280号(P6795280)
- 請求日
- 2020年12月14日
- 審決日
- 2021年02月09日
- 公報発行日
- 2021年06月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】サトーホールディングス 株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人後藤特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 藤田 年彦
- 審判官 吉村 尚
- 審判官 尾崎 淳史
- 分類
- P141 .852-Y (B41J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6795280号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6795280号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本件特許第6795280号は,平成26年5月26日に特願2014-107674号として出願した特許出願に係り,令和2年11月16日にその特許権の設定の登録がなされ,令和2年12月14日に本件訂正審判の請求がなされた。
2.審判請求の要旨
本件審判請求の趣旨は,本件特許第6795280号の特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める,との審決を求めるものである。(以下,特許第6795280号の明細書,特許請求の範囲及び図面を,それぞれ「願書に添付した明細書」,「本件特許請求の範囲」及び「願書に添付した図面」という。)
その訂正内容は,次のとおりである。
<訂正事項1>
本件特許請求の範囲の請求項1において,
「前記搬送方向の幅方向」を,
「前記搬送経路の幅方向」と訂正する。
3.訂正事項1についての当審の判断
(1)訂正の目的
訂正事項1に係る訂正前の「前記搬送方向」は,当該記載が「前記」という語句を用いているところからみて,当該記載より前に「搬送方向」という発明特定事項が存在することを前提として記載されていたことは明らかであるところ,本件特許請求の範囲の請求項1においては,これより前に「搬送方向」なる発明特定事項は記載がなく,他の請求項並びに願書に添付した明細書にも「搬送方向」なる語句は存在しない。
また,訂正事項1を含む本件特許請求の範囲の記載は,「ケーブル群」が,「折り返して延在」することを限定しているものであって,願書に添付した明細書の段落【0021】及び【0022】には以下のとおりの記載がある。(下線は,当審によるもの。)
「【0021】
そして,本実施の形態に係るプリンタPにおいては,図1乃至図4に示すように,搬送経路の一方側に,ケーブル群20を収納可能な収納空間31を有した収納ケース30が設けられている。収納ケース30は,ヘッドブラケット5の上流側上部に配置され,機台1の側面板1aと固定板13との間に架設されている。詳しくは,収納ケース30は,上側に開口32を有した容器状のケース本体33と,ケース本体33の開口32を開閉可能に塞ぐ蓋40とを備えて構成されている。
【0022】
ケース本体33は,底壁34と,底壁34に連設され開口32を形成する側壁35とを備えて構成されている。底壁34は上流側から下流側に向けて上向きに傾斜形成されており,ケース本体33はこの底壁34が搬送経路側に向くように配置されている。搬送経路の幅方向一側壁35(a)は,側面板1aの貫通孔22の位置に接合されており,この一側壁35には,貫通孔22に対応して形成されるとともに,ケーブル群20の基端側が挿通されケーブル群20を収納空間31に引き通す第一開放口36が形成されている。また,底壁34には,搬送経路の一方側に延在するケーブル群20を収納空間31に出し入れ可能にする第二開放口37が形成されている。第二開放口37は,底壁34の面積の50%~70%を切除した大きさに形成されている。」
さらに,願書に添付した図面の特に【図4】からは,以下の事項が看て取れる。
「収納ケース30の左端にある第一開放口36から収納空間の左から右方向のほぼ全幅にわたって延在するように,収納ケース30の収納空間31に引き通されたケーブル群20は,収納空間31の右端側で折り返され,収納ケース30の底壁34にある第二開放口37から収納空間31に対して出し入れ可能とされていること。」
そして,「収納空間の左から右方向のほぼ全幅」は,「搬送経路の幅方向」に相当することは明らかであるから,願書に添付した明細書,及び,願書に添付した図面には,「ケーブル群」が「搬送経路の幅方向」に「折り返して延在」することが記載されているといえる。
以上のことより,訂正事項1に係る本件特許請求の範囲の「前記搬送方向の幅方向」は,「前記搬送経路の幅方向」の誤記であることは明らかであり,訂正前の「前記搬送方向の幅方向」を「前記搬送経路の幅方向」と訂正する訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は,「(1)訂正の目的」で検討したとおり,願書に添付した明細書の段落【0021】及び【0022】,願書に添付した明細書の図面【図4】に記載されている事項に基づいて誤記を訂正するものであって,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであることは明らかである。
したがって,訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明は,同法126条5項の規定に適合する。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではないこと
訂正事項1は,明らかな誤記を訂正するためのものであるため,新規事項の追加に該当せず,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではないことは明らかである。
したがって,訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明は,同法126条6項の規定に適合する。
(4)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明は,拒絶すべき理由を有しない特許発明において,明らかな誤記を正しい記載に訂正しただけのものであるから,特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でないことは明らかである。
したがって,訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明は,同法126条7項の規定に適合する。
4.むすび
以上のとおりであるから,本件訂正審判の請求は,特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものである。また,同条第5項乃至第7項の規定にも適合する。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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