商標取消審判
2020-300782
ステルス、スチールス
- 審判番号
- 2020-300782
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2001-084960
- 登録番号
- 4728521
- 請求日
- 2020年10月29日
- 審決日
- 2021年07月29日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】カーディオバスキュラー システムズ,インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】特許業務法人深見特許事務所
- 【被請求人】アプライド メディカル リソーセス コーポレイション
- 【被請求人代理人】田中 伸一郎
- 【被請求人代理人】中村 稔
- 【被請求人代理人】松尾 和子
- 【被請求人代理人】井滝 裕敬
- 【被請求人代理人】藤倉 大作
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T131 .1 -Y (Z10)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4728521号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4728521号商標(以下「本件商標」という。)は、「STEALTH」の欧文字を標準文字で表してなり、2001年(平成13年)4月30日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成13年9月19日に登録出願、第10類「拡張器,カテーテル,鉗子,腹腔鏡器具,内視鏡,電気外科用焼灼器,X線透視器具,鈎,その他の内科(泌尿器科を含む。)・外科・獣医科用機械器具,その他の医療用機械器具」を指定商品として、同15年11月21日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年11月20日である。
なお、本件審判において商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成29年11月20日ないし令和2年11月19日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用していないものであるから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
1 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次の2のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した(以下、証拠は「乙1」のように表記する場合がある。)。
2 審判事件答弁書の要旨
本件商標は、その通常使用権者によって、要証期間に、その指定商品について使用されているから、本件商標の登録は取り消されるものではない。
(1)本件商標は、その商標権者の我が国での輸入総代理店であって、通常使用権者である「コスモテック株式会社(東京都文京区。以下「コスモテック社」という。)」(乙2、乙3、乙8)によって、その指定商品中の「手術用機械器具」に属する「外科用クランプ及びクリップ並びにこれらの部品及び附属品(インサート等)」について、要証期間に、日本国内において使用されている。
(2)コスモテック社は、上記商品の紹介、広告のために、パンフレット(乙2)を作成(印刷会社:クリエイティブ・レイ株式会社(東京都文京区)、印刷日:2017年2月)し、我が国の取引者、需要者に現在まで配布している。
また、上記商品の価格表(2019年5月作成。乙3。)を作成し、これを取引者、需要者に表示し、配布している。
(3)上記パンフレット(乙2)及び価格表(乙3)の中では、上記商品「外科用クランプ及びクリップ並びにこれらの部品及び附属品(インサート等)」の商標として、本件商標「STEALTH」と、これと社会通念上同一の「Stealth」が使用されており、これは、本件商標「STEALTH」の使用といえるものである。
また、上記価格表(乙3)中で使用されている片仮名「ステルス」も、本件商標の使用といえる。
さらに、上記商品中「外科用クランプ用のインサート(先端挿入部)」を、我が国の取引者、需要者に販売した時に発行した各納品書(乙4~乙7)において、商品名の表示には、本件商標「STEALTH」の英単語の表音、表意を表す片仮名「ステルス」、すなわち、本件商標と社会通念上同一の商標が使用されており、これも、本件商標の使用といえるものである。
(4)上記商品中「外科用クランプ用のインサート(先端挿入部)」が要証期間に我が国で販売された事実は、コスモテック社が発行した各納品書の記載内容から明らかである(乙4~乙7)。
また、各納品書には、「A0C01」、「A0C02」等の商品コードも記載されており、上記パンフレットの製品番号に照合すれば、パンフレットに掲載されている商品と同一商品が販売されていることが分かる。
(5)上記商品の包装箱(外箱)及びその内容物である個々の包装袋(以下「包装箱等」という。乙8。)にも本件商標「STEALTH」が使用されている。
乙第8号証の写真に写る包装箱等は、上記コスモテック社が現在保管する在庫の商品のものである。この包装箱等に付された英語及び日本語のラベルには、その商品番号(記号)が「A0A02」と表示されており、他方、乙第7号証の納品書にも、同一の商品番号「A0A02」が記載されていることからすると、上記包装箱等の商品と同一の商品が我が国の取引者に販売されたことが分かる。
また、その包装箱等には、滅菌有効期限が、「2021年4月10日」と記載されているが、上記商品のような医療器具には、法上の求めに応じて製造日ではなく滅菌有効期限が記載されている。そして、滅菌の方法にもよるが、通常2年程度の滅菌有効期限が記載されるから、この包装箱等と同じ商品は、少なくとも、本件審判請求の予告登録日、令和2年(2020年)11月20日以前に、製造、販売されていたことが分かる。
第4 当審の判断
1 本件商標の使用について、被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)品番を「A0A02」とする商品「インサート」(以下「使用商品」という。)の包装箱には、製造業者として本件商標に係る商標権者(以下、単に「商標権者」という。)の名称が、製造販売業者としてコスモテック社の名称が併記されている(乙8)。
また、使用商品の包装箱には、「STEALTH(R) CLAMP INSERTS」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。審決注:(R)は、「R」の欧文字を小さな円で囲んでなる。以下同じ。)及び「Soft/Traction」の文字が表示されている(乙8)。
(2)「Atraumatic Occlusion System」と題するパンフレット(以下「本件パンフレット」という。)には、「STEALTHシステムは、ロープロファイル、血管損傷を最小限に留めるインサート、安全な血管遮断により、確かな満足をご提供致します。」の記載があり、また、「Stealth(R) Clamps」の見出しの下、「インサートの安全な固定 進歩した取付方法により、クランプ上でのインサートがしっかりと固定されます。」の記載があり、さらに、「Stealth(R) Inserts」の見出しの下、「ソフト/トラクション インサート」の項に使用商品が掲載されている(乙2)。
また、本件パンフレットの表紙と裏表紙には商標権者の名称が、裏表紙には製造販売元としてコスモテック社の名称が、それぞれ記載されている(乙2)。
(3)コスモテック社は、株式会社ウイン・インターナショナル(以下「ウイン社」という。)に対し、2019年(平成31年)3月27日に、使用商品を納品した(乙7)。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商品について
使用商品は、品番を「A0A02」とする「インサート」であるところ、上記1(2)によれば、使用商品は、本件パンフレットに掲載されていることが認められる。
そして、上記1(2)のとおり、本件パンフレットには、「STEALTHシステムは、ロープロファイル、血管損傷を最小限に留めるインサート、安全な血管遮断により、確かな満足をご提供致します。」の記載があり、また、「Stealth(R) Clamps」の見出しの下、「インサートの安全な固定 進歩した取付方法により、クランプ上でのインサートがしっかりと固定されます。」の記載があることからすると、使用商品は、外科手術に用いるクランプに使用するインサート、すなわち「外科手術用クランプ用のインサート」であるとみるのが相当である。
そうすると、使用商品は、本件商標の指定商品中「医療用機械器具」の範ちゅうに含まれる商品である。
(2)使用商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「STEALTH」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
これに対し、使用商標は「STEALTH(R) CLAMP INSERTS」の文字を横書きしてなるものである。
そして、使用商標の構成中、「CLAMP INSERTS」の文字部分は、使用商品である「外科手術用クランプ用のインサート」との関係から、商品の品質等を表す部分であるといえ、商品の出所識別標識としての機能を有する部分とはいえない。
また、使用商標の構成中「(R)」の文字部分は、登録商標であることを表すものとして一般に使用されているものであるから、使用商標の構成中、「STEALTH」の文字部分が、商品の出所識別標識としての機能を有するものと認められ、要部に相当するものである。
そうすると、本件商標と使用商標の要部とは、書体のみに変更を加えた同一の文字からなるものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標であると認められる。
そして、上記1(1)のとおり、使用商品の包装箱には、使用商標が表示されているから、使用商品の包装には使用商標が付されていたといえる。
(3)使用時期について
上記1(3)のとおり、コスモテック社は、ウイン社に対し、平成31年3月27日に、使用商品を納品した。
そして、上記(2)のとおり、使用商品の包装には、使用商標が付されているから、平成31年3月27日に、コスモテック社は、ウイン社に対し、使用商品の包装に使用商標を付したものを譲渡したということができる。
そして、平成31年3月27日は、要証期間内である。
(4)使用者について
上記1(1)のとおり、使用商品の包装箱には、製造業者として商標権者の名称が、製造販売業者としてコスモテック社の名称が併記されており、また、上記1(2)のとおり、使用商品が掲載されている本件パンフレットには、表紙と裏表紙に商標権者の名称が、裏表紙に製造販売元としてコスモテック社の名称が、それぞれ記載されている。
そうすると、商標権者とコスモテック社とは、使用商品の製造及び販売において、業務上密接な関係にあったといえる。
してみると、商標権者は、コスモテック社に対して、本件商標の使用について黙示の許諾を与えていたものと推認することができる。
したがって、コスモテック社は、本件商標に係る通常使用権者(以下、単に「通常使用権者」という。)であると認めることができる。
(5)小括
以上によれば、通常使用権者であるコスモテック社は、要証期間である平成31年3月27日に、本件審判の請求に係る指定商品である第10類「医療用機械器具」の範ちゅうに含まれる使用商品の包装に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したものを、譲渡したと認めることができる。この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡・・・する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、その審判の請求に係る指定商品に含まれる使用商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の請求に係る指定商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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