商標取消審判
2020-300061
スプーン
- 審判番号
- 2020-300061
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1996-049914
- 登録番号
- 4069278
- 請求日
- 2020年01月24日
- 審決日
- 2023年09月28日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社 アイコ
- 【請求人代理人】古関 宏
- 【被請求人】奥山 和男
- 【被請求人代理人】奈良 武
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T132 .1 -Y (025)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第2号、商標法第2条第3項、商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4069278号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4069278号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成8年5月13日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年10月17日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の登録は、令和2年2月6日にされたものであり、この登録前3年以内の期間(2017年(平成29年)2月6日~2020年(令和2年)2月5日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の指定商品中、第25類「被服」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書、令和2年3月24日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年4月27日付け弁駁書(以下「弁駁書1」という。)、同3年5月28日付け弁駁書(以下「弁駁書2」という。)及び同年12月22日付け意見書(以下「意見書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品(以下「本件審判請求に係る指定商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 弁駁書1による主張の要旨
(1)乙第1号証の1について
被請求人は、乙第1号証の1は本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)の契約するホームページの基本情報の写しであるとし、当該契約内容により、当該ホームページが本件商標権者によって2006年より2020年3月25日の期間における掲載事実は明白である旨を主張しているが、そもそも契約という以上、契約当事者を特定しなければならないところ、「お客様情報変更」に、本件商標権者の氏名が記載されているものの、本件商標権者は、誰と契約しているのかは不明である。
また、仮にこれがレンタルサーバーの利用に関する契約であったとしても、それにより、2006年より2020年3月25日までの期間、その利用ができることを立証しているだけで、その期間における本件商標の使用事実を立証することにはならない。
(2)乙第1号証の2について
被請求人は、乙第1号証の2をもって、標章「SPOON」についての本件商標権者の販売商品全容に対する使用商品を示す旨を主張しているが、被請求人が本号証のいかなる部分が本件商標と主張しているのか不明である。
また、答弁書の「9.証拠方法」の(2)によれば、乙第1号証の2は、「ホームページのファースト頁の写し」とのことであるが、本号証と本件商標権者のホームページとの関連性については一切立証しておらず、また、その日時も立証していない。
(3)乙第1号証の3について
被請求人は、乙第1号証の3は、乙第1号証の2における標章「SPOON」についての「Snowboarding」の掲載頁であり、商品「JACKET」(2020mode1)及び「PANTS」について掲載している旨、「2020mode1」は同商品販売日前の前年2019年10月1日より掲載している旨及び当該証拠に係る「スキージャケット」及び「スキーズボン」は、「類似商品役務審査基準」において「第25類」に記載されている旨を主張している。
しかし、これらの掲載日は、一切立証されていないし、乙第1号証の3の1頁と2頁の関連性は何ら立証されておらず、特に、被請求人は、商品「JACKET」は「2020model」であると述べるが、商品「PANTS」が「2020model」とは主張していない。
また、乙第1号証の3の1頁の上部には「spoon snowboarding」の表示があるものの、各種商品写真の下には、それぞれ「STANDARD JACKET」又は「CREST JACKET」と表示されているだけであり、当該商品に本件商標が付されている事実は見当たらない。
同様に、商品「PANTS」に関しても、「STANDARD PANTS」又は「CREST PANTS」と表示されているだけで、本件商標が付されている事実は見当たらない。
(4)乙第1号証の4について
被請求人は、乙第1号証の4について、本件商標権者の販売商品中の「スキーウェア」及び「グローブ」すなわち第25類「被服」についての広告に該当する旨を主張しているが、本号証は、スノーボード選手4名を紹介しているだけであって、「スキーウェア」及び「グローブ」に関する広告ではなく、その掲載日も不明である。
(5)乙第1号証の5について
被請求人は、乙第1号証の5が、標章「SPOON」について、商品「スキー用グローブ」(2020model)についての使用事実である旨を主張しているが、「スキー用グローブ」及び「スノーボード用手袋」は、本件審判請求に係る指定商品に属するものではなく、「運動用特殊衣服」に属するものである。
(6)乙第2号証及び乙第3号証について
被請求人は、乙第2号証及び乙第3号証により、本件商標権者らが運営するホームページの通販サイト「SPOON」及び通販サイトAmazonで本件商標権者自身が出店する店舗「アクトアウトスポーツ」内において、本件商標を付した「スノーボードウェア」の販売を行っている旨を主張しているが、各号証は、要証期間の使用である事実を立証していない。
(7)乙第6号証及び乙第7号証について
被請求人は、本件商標を付した「スノーボードウェア」を含むスノーボード関連用品について、複数の法人との間に商品の企画・製造・販売における使用許諾について合意し締結している旨を主張し、乙第6号証及び乙第7号証を提出しているが、本件商標が商品「被服」について要証期間に使用された事実は、何ら立証していない。
(8)乙第4号証及び乙第5号証について
被請求人は、「ティーシャツ、パジャマ、トレーニングウェア等の「被服」について、過去に企画、製造、販売していた」旨を主張し、乙第4号証及び乙第5号証を提出しているが、要証期間の使用であることは何ら立証されていない。
(9)小括
以上、被請求人は、答弁書及び乙各号証によって、商標法第50条第2項に規定する使用事実を何等証明していない、といわざるを得ない。
3 弁駁書2による主張の要旨
(1)被請求人は、乙第1号証の6を提出することにより、被請求人の契約するサーバーの契約当事者とその契約期間等についての内容を立証し、同契約上の被請求人の乙第2号証が被請求人のウェブページであることを立証しようとしている。
しかしながら、答弁書に添付の乙第1号証の1として提出された3枚の書証に関して、「基本情報」と題されたもの、及び、「お客様清報変更」と題されたものに関しては、URL、プリントアウトの日付などの記載がなく(「アカウント情報」と題されたものにはプリントアウトの日付及びURLが記載されている。)、また、乙第1号証の1と乙第1号証の2以降の書証との関連性を確認できる記載もない。
被請求人は、この点について、回答書1及び回答書2においては、何ら回答していない。
したがって、被請求人は、ウェブページが、いつ掲載されたものであるのか、乙第1号証及び乙第2号証が誰のウェブページであるのかなどを確認することができない。
なお、被請求人は、乙第12号証が本件商標権者のウェブページであることを立証するとし、乙第12号証を提出しているが、それらは、各ページの右上の記載「2020/09/10」からすると、要証期間後である令和2年(2020年)9月10日にプリントアウトされたものであることが推認されるにすぎない。
(2)乙第4号証及び乙第5号証について
審尋で求められた「乙第4号証及び乙第5号証によっては、それら広告が、いつ、だれによって、どのような媒体、方法で、頒布されたのかが確認できない」に対し、被請求人は、回答書1及び回答書2において、その事実を確認できる証拠を何等提出していない。
なお、令和2年9月11日付けの証拠説明書によれば、乙第4号証及び乙第5号証は、同年3月2日作成とあり、要証期間後に作成されたものにすぎない。
(3)乙第6号証及び乙第7号証について
乙第6号証及び乙第7号証によって、本件商標権者が「有限会社シーフォージャパン」及び「株式会社デューク」に対して、本件商標を使用する商品の企画・製造・販売における使用許諾をしたことがうかがえるが、本件商標が商品「被服」について使用されたことは確認できないとの合議体の暫定的見解に対し、被請求人は、乙第9号証及び乙第10号証を提出した。
しかしながら、これらは、いずれも「ロイヤリティ申告書」であって、その申告書自体によって、本件商標の使用事実が認められるわけではない。そればかりか、これら書証の左下には、いずれも「2020年9月11日」の日付が記載されており、証拠説明書にも、「令和2年9月11日」作成とある。
したがって、要証期間後に作成されたものであって、証拠能力がない。
また、乙第9号証における各年モデル商品については、乙第12号証を提出しているが、これらはいずれも要証期間後である2020年9月10日に作成されたものであり、誰が作成したのか、また、上記ロイヤリティ申告書との関連性についても不明確である。
さらに、乙第11号証は、「下げ札」、「織ネーム」、「ワッペン」及び「プリント」の表示の下に、それぞれ写真が貼り付けられているが、それらが要証期間に使用されたものであることは何ら立証されていない。
加えて、乙第10号証「輸入商品インボイス」は、通常使用権者の各年モデル商品の輸入に関する証拠として提出され、令和2年8月7日付け審尋に対する同年9月11日付け審判事件回答書(以下「回答書1」という。)において、乙第10号証に関する翻訳書が提出されているが、それらをもってしても、輸入された物が、商標法第2条第3項第2号にいう「本件商品である被服又はその包装に本件商標を付したもの」であることは、何ら立証されていない。
4 意見書による主張の要旨
令和3年8月30日付け審尋により、被請求人が求められたのは、乙第12号証の2ないし乙第12号証の4の本件商標権者のウェブサイト(以下「本件ウェブサイト」という。)が要証期間に掲載されていた事実を裏付ける書面の提出である。
これに対し、被請求人は、令和3年9月29日付け審判事件回答書(以下「回答書3」という。)において、新たに乙第13号証を提出し、これらにより、求められた事実を立証しようとしている。
しかし、乙第13号証によっても、なお、本件ウェブサイトが要証期間に掲載されていたことは何ら立証されていない。
(1)URLの不一致
回答書1に添付された乙第12号証の2ないし乙第12号証の4の左下には、URLが表示されている。
他方、本件ウェブサイトに関連する証拠として提出されたであろう証拠方法は、乙第13号証の8ないし乙第13号証の10と推察するが、それらに記載されているURLは、乙第12号証の2ないし乙第12号証の4のURLと一致していない。
この点につき、被請求人は、回答書3において、「本件ウェブサイトは使用しているレンタルサーバー内では「dp46141137.lolipop.jp」のアカウントになります。」と主張しているが、乙第13号証の2によっても、なお、その事実を立証していることにはならない。
また、乙第13号証の8ないし乙第13号証の10は、時系列的にいえば、それぞれ、連続的にプリントアウトされたものではないから、各1頁及び2頁と、それ以降の頁との関連性、一体性が認められない。
したがって、これらは証拠力がない。
(2)証明責任を果たしていないこと
被請求人は、商標法第50条第2項の規定に基づき、取消請求に係る指定商品について登録商標の使用をしていることを証明しなければならないが、被請求人は、本件ウェブサイトにおいて、いかなる指定商品について、いかなる標章の使用が登録商標の使用に該当すると主張、立証しているのか不明であり、証明責任を果たしていないといわざるを得ない。
唯一、答弁書において、乙第1号証の2は、標章「SPOON」についての本件商標権者の販売商品全容に対する使用商品を示す旨を、また、乙第1号証の3は、乙第1号証の2における標章「SPOON」についての「Snowboarding」の掲載ページであって、商品「JACKET」(2020model)及び「PANTS」について掲載するものである旨を主張しているが、乙第1号証の2と乙第1号証の3とは何ら関連がない。
また、乙第13号証の4によれば、ファイル名「index.html」の日付は、「2020/10/13」とあることから、仮にURLの同一性が立証されたとしても、2020年10月13日のものと推認されるため、要証期間後のものであって、証明力がない。
(3)本件商標と使用商標の相違
乙第1号証の3に現れる標章は、単なる「SPOON」ではない。
すなわち、被請求人は、「標章「SPOON」についての「Snowboarding」の掲載頁」と主張しているが、需要者、取引者が、乙第1号証の3に接した場合、「spoon snowboarding」をもって、一つの識別標識と認識、理解することは経験上、明らかであり、本件商標と社会通念上同一ではない。
(4)根拠条文の無意義
回答書3の「被請求人の商標法第3条第1項に係る被請求人の主張する使用事実」及び「ちなみに被請求人の使用許諾者たる有限会社シーフォージャパンにおける同法第3条第1項第2号の商標使用事実」における商標法の各規定は、いずれも、登録要件に関する規定であって、本件審判事件とは一切関連がない。
したがって、被請求人が何を主張しようとしているのか、皆目見当がつかず、反論のしようがないし、仮に、乙第13号証が、本件商標権者による使用ではなく、被請求人が使用権者と主張する有限会社シーフォージャパンによる使用である、と主張しているとするならば、被請求人の主張は、矛盾があり、信憑性に欠けるといわざるを得ない。
(5)その他、乙第2号証について
被請求人は、回答書1の「6.回答の理由」において、「乙第1号証については、本件商標権者が契約するサーバーの契約当事者とその契約期間等についての内容を立証し、同契約上の本件商標権者の乙第2号証が、同者のウェブページであることを立証する」旨を主張している。
この乙第2号証というのは、答弁書の2頁以下において、被請求人は、本件商標権者が運営するホームページの通販サイト「SPOON」及び通販サイトAmazonで自身が出店する店舗「アクトアウトスポーツ」内において、本件商標「SPOON」を付した「スノーボードウェア」の販売を行っている(乙2~乙3)旨を主張していること、及び「9.証拠方法」中の(6)において、「乙第2号証 通販サイトAmazonで本件商標権者が出店する店舗「アクトアウトスポーツ」内で出品している商品の掲載頁の写し」である旨からすると、それらの事実を立証しようとしていると考えられるが、この事実は何ら立証されていない。
第3 被請求人の主張の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書、回答書1及び回答書3において、その理由を要旨、以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第13号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、以下、乙各号証の表記にあたっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合があり、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。
1 答弁書による主張の要旨
本件商標権者は、本件商標について、本件審判請求前より使用している。
(1)乙第1号証の1について
乙第1号証の1は、本件商標権者の契約するホームページの基本情報の写しであり、当該契約内容により、当該ホームページが本件商標権者によって2006年より2020年3月25日の期間における掲載事実は明白であり、以下の説明により本件商標が同期間内におけるこれまでの使用事実が明白である。
(2)乙第1号の2について
乙第1号証の2は、標章「SPOON」についての被請求人の販売商品全容に対する使用商品を示すものである。
(3)乙第1号証の3について
乙第1号証の3は、乙第1号証の2における標章「SPOON」についての「Snowboarding」の掲載ページであって、商品「JACKET」(2020model)及び「PANTS」について掲載するものである。
なお、当該「2020model」についての掲載は同商品販売日前の前年2019年10月1日より掲載している。
また、当該証拠に係る「スキージャケット」及び「スキーズボン」についての使用は、本件商標の使用に該当することは明白である。
(4)乙第1号証の4について
乙第1号証の4は、乙第1号証の2における「SPOON・Support Rider」のページの写しであるが、係るホームページが本件商標権者の販売商品中の「スキーウェア」及び「グローブ」についての広告に該当し、その使用事実を示すものである。
(5)乙第1号証の5について
乙第1号証の5は、乙第1号証の2における「SPOON・GLOVE」のページの写しであるが、これにより標章「SPOON」について、商品「スキー用のグローブ」(2020年model)についての使用事実が明白である。
(6)本件商標権者の販売市場における使用状況について
本件商標権者は、自身が運営するホームページの通販サイト「SPOON」及び通販サイトAmazonで自身が出店する店舗「アクトアウトスポーツ」内において、本件商標「SPOON」を付した「スノーボードウェア」の販売を行っている(乙2、乙3)。
また、本件商標権者が販売する「スノーボードウェア」中、特に「スノーボードジャケット」については、メーカー各社により、冬の天候下で、汎用性を発揮するようにデザインされたものが多く、ゲレンデだけでなく、レジャーやタウンユースなど幅広いシーンで活躍するため、スノーボードの愛好家だけでなく、今日では、そのデザイン性、機能性に着目した一般の消費者間においても、冬季の防寒用カジュアルウェアとして着用されているのが実情である(乙8)。
さらに、本件商標権者は、本件商標「SPOON」を付した「スノーボードウェア」を含むスノーボード関連商品について、複数の法人との間に商品の企画・製造における使用許諾について合意し締結している(乙6、乙7)。
加えて、本件商標権者は、ティーシャツ、パジャマ、トレーニングウェア等の「被服」については、過去において企画、製造、販売していた実績もある(乙4、乙5)。
2 回答書1による主張の要旨
(1)乙第1号証は、本件商標権者の契約するサーバーの契約当事者とその契約期間等についての内容を立証し、同契約上の本件商標権者の乙第2号証が本件商標権者のウェブサイトであることを立証する。
同様に、乙第12号証が本件商標権者のウェブサイトであることを立証する。
(2)乙第6号証の使用許諾書における本件商標の使用について乙第9号証及び乙第10号証を提出し通常使用権者による商標使用を立証するところである。
また、乙第9号証における各年モデル商品については、乙第12号証を提出して立証し、かつ、通常使用権者の各年モデル商品の輸入に関する証拠として乙第10号証を提出するとともに各年モデル商品についての付属品としての乙第11号証の「下げ札/織ネーム/ワッペン/プリント」により、本件商標が各年モデル商品に添付され販売されていることを立証しようとするものである。
3 回答書3による主張の趣旨
(1)本件ウェブサイトの要証期間内における契約の存在の事実は既に提出した各証拠により明白である。
しかるにそのプリントアウトの日付が問題視されることも十分に承知するものである。
よって、かかる事実の存在の証拠として乙第13号証により、乙第12号証の2及び乙第12号証の3の本件商標権者のウェブサイトのアーカイブを提出する。
ア 第13号証の1
一般的に存在する他社のサイトから本件ウェブサイトのアクセス情報を調べたものである。簡単なアクセス記録であるが、2007年度から2021年まで「黒い棒線」が示す部分がサイトの閲覧があった証拠となる。
一部空欄の部分もあるが、2007年度から2021年までと本件ウェブサイトが存在することを示している。
イ 乙第13号証の2
本件ウェブサイトは使用しているレンタルサーバー内では「dp46141137.lolipop.jp」のアカウントとなる。
ウ 乙第13号証の3
サーバー内で確認できる「サイトアクセス解析」になる。
当サーバーでは90日間の保存と30日間までの記録のみの確認となるが、参考資料として、2021年8月1か月間のアクセス解析を提出する。
エ 乙第13号証の4
本件ウェブサイト、FTPサーバー内の「ファイルデーター」保存状況であり、ホームページの表示はサーバー内の「ファイルデーター」をwebで表示している。
サーバー内のファイルはファイル毎などに階層的に保存されていて、資料はトップ階層となる。
「ファイル名」の横、「日付」はファイルを掲載更新した日付となり、古いファイルでは「2006年03月16日」から掲載更新されている証拠である。
本件商標を使用したウェア(以下「本件ウェア」という。)の掲載ファイルは「license」ファイルに更新保存され、本件ウェブサイトに表示される。
オ 乙第13号証の5
「license」内の保存状況であり、「16model」ないし「21model」と年度ごとに掲載更新しており、ファイル名の横の日付にて掲載更新日が確認できる。
カ 乙第13号証の6ないし乙第13号証の11
審尋2における、本件ウェブサイトは、いずれも要証期間後の印刷日であるとの指摘について、掲載画像を本件ウェブサイト上に公開更新した日付の証拠を提出する。
本件ウェブサイトは「www.spoon-web.com」になるが、当アドレスはトップページであり、各ページにそれぞれのアドレスが付く。
例えば、乙第13号証の6 のウェア画像ページは、画像左下にある「www.spoon-web.com/license/16model/16wear.html」になる。
乙第13号証の4で示した「FTPサーバー内」のトップページから階層ごとに、「license」/「16model」/「16wear.html」となり当ページを掲載更新した日付の確認ができる。
乙第13号証の6ないし乙第13号証の11まで、毎年、本件ウェア画像を更新している証拠となる。
(2)乙第13号証について
乙第13号証の証拠により乙第12号証に掲載される2016年ないし2020年の各年モデル商品にかかる広告事実の存在が明白であると思料する。
すなわち、本件商標権者の商標法第2条第3項に係る被請求人の主張する使用事実が明白であると思料する。
ちなみに、本件商標の使用許諾者たる有限会社シーフォージャパンにおける商標法第2条第3項第2号の商標使用事実についても明白にされると思料する。
(3)乙第2号証ないし乙第4号証について
被請求人の提出した乙第2号証ないし乙第4号証による広告は、商標法第2条第3項第8号に該当し、その使用事実についても主張する。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 被請求人が提出した証拠及びその主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証の1について
乙第1号証の1は、被請求人が、本件商標権者の契約するウェブサイトの基本情報の写しと主張するものであり、本号証の1葉目の左上に「基本情報」の記載があり、その下の表中、「独自ドメイン」の項目に「http://spoon-web.com/」の記載「契約期間」の項目に「2006/03/16~2020/03/25」の記載がある。
また、乙第1号証の1の2葉目の左上に「お客様情報変更」の記載があり、その下の表中、「お名前」の項目に、本件商標権者の氏名の記載があり、
「都道府県」及び「市区町村・番地」の項目に、本件商標権者の住所と同一の記載がある。
このことから、「http://spoon-web.com/」のドメイン名を使用するウェブサイトは、本件商標権者が使用するウェブサイトであることが推認できる。
(2)乙第12号証の2について
乙第12号証の2は、本件商標権者のウェブサイトにおける、2018年モデルの商品「ジャケット」及び商品「パンツ」の掲載ページであり、本号証の上部に別掲2のとおりの記載があり、その下に「WEAR」及び「2018model」の記載があり、その下に「SPOON JACKETS」の記載があり、その下には、商品「ジャケット」の画像が掲載されている。
そして、乙第12号証の2の左下には、「http://www.spoom-web.com/license/18model/wear.html」と記載がある。
このことから、乙第12号証の2は、本件商標権者のウェブサイトであることが確認でき、当該ウェブサイトで紹介されている商品「JACKETS」は、本件審判請求に係る指定商品である「被服」の範ちゅうに属する商品であると判断できる。
また、乙第12号証の2の本件商標権者のウェブサイトによると、商品「JACKETS」には、別掲2に記載のとおり、グラデーションが施された「spoon」の欧文字よりなる商標(以下「使用商標1」という。)又は「SPOON」の欧文字よりなる商標(以下「使用商標2」という。)が使用されていることが推認でき、別掲1のとおりの構成よりなる本件商標と使用商標1及び使用商標2は、いずれも「SPOON」の欧文字で構成されているため、外観が類似し、いずれも「スプーン」の称呼及び「さじ」の観念を生じるものであるから、本件商標と使用商標1及び使用商標2は、社会通念上同一の商標といえる。
加えて、本件商標権者のウェブサイトにおける同人の取り扱い係る商品「JACKETS」の紹介は、商標法第2条第3項第8号に規定の「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
(3)乙第13号証の8について
乙第13号証の8は、「http://www.spoom-web.com/license/18model/wear.html」のウェブサイトの更新日の記載であり、本号証の1葉目の「フォルダ名」の項目に「18model」の記載、更新日の項目に「2017/08/09 00:00:00」の記載があり、本号証の3葉目に、乙第12号証の2の本件商標権者のウェブサイトの写しが添付されている。
このことから、乙第12号証の2の本件商標権者のウェブサイトは、要証期間である2017年8月9日において、閲覧することが可能であったと推認できる。
3 判断
上記2によれば、本件商標権者は、要証期間である2017年8月9日に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる使用商標1及び使用商標2が使用された商品「JACKETS」を、本件商標権者のウェブサイトにおいて、販売を目的として、広告展示されたと判断でき、商品「JACKETS」は、本件審判請求に係る指定商品中の「被服」の範ちゅうに属する商品であり、この使用行為は、商標法第2条第3項第8号に該当すると認められる。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標権者がその請求に係る指定商品の範ちゅうに属する商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-300061