2020-016176
プログラム、情報処理装置、および方法
- 審判番号
- 2020-016176
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-175334外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年11月25日
- 審決日
- 2021年11月30日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社コロプラ
- 分類
- P18 .121-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、平成30年9月19日の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
第2 本願発明
本願請求項1ないし3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明3」という。)は、令和3年10月5日に提出された手続補正書に係る手続補正(以下、「本件補正」という。)で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される発明であり、このうち本願発明1は以下のとおりの発明である。
「 プロセッサ、メモリ、およびタッチスクリーンを備えたコンピュータによって実行されるプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、第1全天球映像の一部である第1表示領域を前記タッチスクリーンに表示させるステップと、前記タッチスクリーンに指示体が接触した後、前記指示体が前記タッチスクリーンに接触したまま移動しない期間である待機時間を計測するステップと、前記指示体が前記タッチスクリーンに接触する位置の移動を検出するステップと、を含み、前記待機時間が閾値以上である場合、前記移動の方向および距離に基づいて前記第1全天球映像内で前記第1表示領域を変更し、前記待機時間が前記閾値より小さい場合、前記移動の方向に基づいて前記第1全天球映像とは異なる第2全天球映像の一部である第2表示領域を前記第1表示領域に替えて前記タッチスクリーンに表示させる、プログラム。」
なお、本願発明2は、本願発明1を「情報処理装置」の発明として特定したものであり、本願発明3は、本願発明1を「方法」の発明として特定したものである。
第3 原査定の概要
原査定の概要は、次のとおりである。
本願の請求項1ないし3に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
なお、原査定の備考欄を参酌すれば、主たる引用文献は、引用文献2の方と認められる。
また、前置報告書において、上記引用文献1及び2に加え、周知技術を示す文献として以下の引用文献3及び4が提示されている。
第4 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は、次のとおりである。
[理由1]明確性要件
本願の請求項1ないし3の記載が以下の(1)ないし(6)、(8)及び(9)の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
[理由2]サポート要件
本願の請求項1ないし3の記載が以下の(1)、(2)、(5)ないし(8)の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
(1)請求項1ないし3に記載の「接点が所定の範囲に含まれる期間である第1時間」において、以下の(6)で示すように「接点」の意味が明確でないことと相まって、「所定の範囲」とは、何の範囲を規定するものであるのか、また、どの程度の範囲であるのか、明確ではなく、また、「所定の範囲」に基づいて処理を行うことは、発明の詳細な説明に記載されていない。
(2)請求項1ないし3に記載の「前記移動軌跡に基づいて前記第1映像とは異なる全天球映像である第2映像を前記タッチスクリーンに表示させる」における「前記移動軌跡に基づいて」は、「移動軌跡」の何に基づいているのか明確ではなく、また、「前記移動軌跡に基づいて」「第2映像」を表示させることは、発明の詳細な説明には記載されていない。
(3)請求項1ないし3に記載の「全天球映像である第1映像」及び「全天球映像である第2映像」は、それぞれ、「全天球映像」全体であるのか、その一部であるのか、明確ではない。([当審注]当審拒絶理由中、「引用文献1ないし3に記載の」は「請求項1ないし3に記載の」の誤記である。)
(4)請求項1ないし3に記載の「前記被写体を表示する領域」において、前記「領域」と「第1映像」及び「第2映像」との関係が明確ではない。
(5)請求項1ないし3に記載の「被写体を含む全天球映像である第1映像」における「被写体」は、「全天球映像」に含まれるすべての被写体を漠然と指す語であるのか、又は、「第1映像」に含まれる特定の被写体に限るのか、明確ではない。
よって、請求項1ないし3に記載の「前記被写体を表示する領域を変更」は、明確ではなく、また、発明の詳細な説明に記載されていない。
(6)請求項1ないし3に記載の「前記タッチスクリーンと前記指示体との間の接点」は、明細書及び図面には記載されておらず、いかなる事物であるのか明確ではない。
(7)請求項1ないし3の記載において、「接点」の「移動軌跡」を判別することは、明細書及び図面には記載も示唆もない。
(8)請求項1ないし3の記載において、「第2映像」は、「第1映像」を表示したまま表示される(前者)のか、あるいは、「第1映像」に替えて表示される(後者)のか、不明であり、また、前者の態様は、明細書及び図面には記載も示唆もない。
(9)請求項2に記載の「前記制御部は、…前記第1時間が閾値以上である場合、…表示する領域が変更され」及び請求項3に記載の「前記プロセッサが、…前記第1時間が閾値以上である場合、…表示する領域が変更され」は、受動態で記載されており、日本語として意味が明確ではない。
第5 当審拒絶理由についての判断
本件補正により、
(1)(6)本件補正前の請求項1ないし3に記載されていた「接点が所定の範囲に含まれる期間である第1時間」は「前記指示体が前記タッチスクリーンに接触したまま移動しない期間である待機時間」に補正され、明確になるとともに、発明の詳細な説明に記載したものとなった。
(2)本件補正前の請求項1ないし3に記載されていた「前記移動軌跡に基づいて…第2映像を…表示させる」は、「前記移動の方向に基づいて…第2表示領域を…表示させる」に補正され、明確になるとともに、発明の詳細な説明に記載したものとなった。
(3)本件補正前の請求項1ないし3に記載されていた「全天球映像である第1映像」及び「全天球映像である第2映像」はそれぞれ、「第1全天球映像の一部である第1表示領域」及び「第2全天球映像の一部である第2表示領域」に補正され、明確になった。
(4)(5)本件補正前の請求項1ないし3に記載されていた「被写体」に関する事項は削除され、明確になるとともに、発明の詳細な説明に記載したものとなった。
(7)本件補正前の請求項1ないし3に記載されていた、「接点」の「移動軌跡」を判別することは、「前記指示体が前記タッチスクリーンに接触する位置の移動」を検出する旨の記載に補正され、発明の詳細な説明に記載したものとなった。
(8)本件補正後の請求項1ないし3の記載においては、「前記第1全天球映像とは異なる第2全天球映像の一部である第2表示領域を前記第1表示領域に替えて」表示することが明確となった。
(9)本件補正前の請求項2及び3に記載の「変更され」はいずれも「変更し」に補正され、明確となった。
以上のとおりであるから、当審拒絶理由はいずれも解消した。
第6 原査定についての判断
1 引用文献、引用発明等
(1)引用文献2について
ア 引用文献2記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は、強調のため当審が付与した。(以降においても同様。)
「【請求項11】画像を含む画面を表示装置に表示する情報処理装置を、操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段が受け付けた操作に応じて前記画面を更新する画面表示手段と、前記操作受付手段が受け付けた操作が前記画像に対するものか否かを判断し、前記画像でなく前記画面に対する操作を前記画像に反映させる画像処理手段、として機能させるためのプログラム。」
「【0030】<ハードウェア構成例>図4は、情報処理装置10の概略的なハードウェア構成を示したブロック図である。情報処理装置10は、概ねパーソナル・コンピュータ、ワークステーション又はアプライアンス・サーバとして実装することができる。情報処理装置10は、CPU201と、CPU201が使用するデータの高速アクセスを可能とするメモリ202とを備える。CPU201及びメモリ202は、システム・バス203を介して、情報処理装置10の他のデバイス又はドライバ、例えば、グラフィックス・ドライバ204及びネットワーク・デバイス(NIC)205へと接続されている。【0031】グラフィックス・ドライバ204は、バスを介してLCD(表示装置)206に接続されて、CPU201による処理結果をモニタする。LCD206にはタッチパネルが一体に配置されていてもよい。この場合、ユーザは操作手段9として指を使って情報処理装置10を操作できる。」
「【0038】<<情報処理装置10>>情報処理装置10は、Webページ取得部11、Webページ解析部12、Webページ表示部13、操作受付部14、及びスクリプト実行部15を有している。情報処理装置10が有するこれらの各機能は、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pをCPU201が実行することにより実現される機能又は手段である。【0039】操作受付部14は、図4に示したCPU201がプログラム209pを実行し入力装置210やタッチパネルを制御すること等により実現される。操作受付部14は、情報処理装置10に対する各種の操作を受け付ける。具体的には、情報処理装置10が実行するブラウザソフトウェア301に対する操作を受け付ける。Webページがスクリプト言語で記述されたプログラム(以下、スクリプトプログラムという)を有得する場合は、スクリプトプログラムが動作の契機とするWebページに対する操作を受け付ける。なお、本実施形態では、操作の対象が情報処理装置10、ブラウザソフトウェア301又はWebページのいずれであるか厳密に区別せず、以降では「Webページに対する操作」と称して説明する。」
「【0045】広告表示部17は、スクリプト実行部15のうち広告サーバ40から取得した広告情報を表示する機能である。広告表示部17は、図4に示したCPU201がプログラム209p及び表示プログラムを実行すること等により実現される。広告表示部17は、HTMLのアドタグが記述された場所に対応するWebページ上の場所に全天球画像を表示する。また、全天球画像に対する直接の操作に応じて全天球画像の表示態様を変更したり、全天球画像以外のWebページに対する操作に応じて全天球画像の表示態様を変更したりする。」
「【0066】まず、操作受付部14はWebページに対する操作があるか否かを判断する(S10)。Webページに対する操作には種々のものがある。一例として、スクロール操作、クリック操作、ダブルクリック、ドラッグ操作、文字入力などがあるが、これらには限られない。また、タッチパネルへの操作として、スライド操作、タップ操作、長押し、3D押下、ピンチイン・ピンチアウトなどもある。操作が検出されるまで操作受付部14は待機する。【0067】ステップS10の判断がYesになると、広告表示部17は全天球画像がブラウザソフトウェア301に表示されているか否かを判断する(S20)。つまり、ブラウザソフトウェア301の表示エリアよりもWebページが大きい場合に、ブラウザソフトウェア301が現在、広告欄を表示しているか否かを判断する。全天球画像がブラウザソフトウェア301に表示されていない場合、閲覧者が操作することはないし、Webページのスクロールが全天球画像の表示態様に反映されても閲覧者が見ることがないためである。全天球画像がブラウザソフトウェア301に表示されていない場合、視線方向を算出する必要がないので情報処理装置10の負荷を低減できる。しかしながら、全天球画像がブラウザソフトウェア301に表示されていない場合に、全天球画像の視線方向が変更されても支障はない。ステップS20の判断がNoの場合、図12の処理は終了する。なお、この判断に関する処理について図13を用いて説明する。続きを表示(全26行)【0068】ステップS20の判断がYesになると、広告表示部17は全天球画像に対する操作であるか否かを判断する(S30)。全天球画像に対する操作か否かは全天球画像と操作手段9の座標が重なっているか否かによって判断される。広告表示部17は操作受付部14から操作手段9のLCD206上の座標を取得しており、また、広告欄(全天球画像)の座標も既知なので、操作手段9の座標が全天球画像と重なっているかどうかを判断できる。判断に関する処理について図13を用いて説明する。【0069】ステップS30の判断がYesの場合、処理はステップS40に進む。ステップS40では、広告表示部17は操作の内容を解析する(S40)。操作の内容は例えばステップS10で説明したが、全天球画像に対し有効な操作は予め定められている。一例を以下に示す。・上にスクロール→全天球画像の拡大・下にスクロール→全天球画像の縮小・クリック→リンクされたURLにHTTPリクエストを送信このように、表示プログラムには全天球画像に対するスクロールの操作を検出したことを契機に拡大又は縮小を行うことが記述されている。また、全天球画像に対しクリックの操作を検出したことを契機に、記述されたURLにHTTPリクエストを送信することが記述されている。【0070】広告表示部17は操作内容に応じた処理を行い(S45)、図12の処理は終了する。引き続き同じWebページが表示されている場合はステップS10からの処理が繰り返し実行される。【0071】ステップS30の判断がNoの場合、広告表示部17は全天球画像を操作するか否かを判断する(S50)。広告表示部17は、Webページに対する予め定められた操作が検出された場合、全天球画像と操作手段9の座標が重なっていなくても全天球画像の表示態様を変更する。すなわち、Webページに対する操作を全天球画像の表示態様に反映させる。ステップS50の予め定められた操作はどのようなものでもよいが、閲覧者が良く行う操作であることが閲覧者の視線を誘導する上では有効である。閲覧者が良く行う操作であれば、該操作が全天球画像に反映され、閲覧者が全天球画像に気づく可能性も高くなるためである。図12の説明では、例えばWebページに対するスクロール操作が全天球画像の表示態様に反映されるものとして説明する。【0072】スクロール操作が検出された場合(S50のYes)、広告表示部17はスクロール量と方向を操作受付部14から取得する(S60)。閲覧者はWebページに対し操作しているので、Webページ表示部13はスクロール操作に応じてWebページをスクロールさせる(画面を更新する)。【0073】そして、ステップS50のスクロール量と方向に基づいて広告表示部17は視線方向を算出する(S70)。【0074】広告表示部17は視線方向が変更されたので、新たな視線方向の中心cpを含む所定領域Tを透視投影変換して領域画像302を作成する(S80)。つまり、それまで表示されていなかった全天球画像の一部を表示する。【0075】このように、Webページがスクロールすると全天球画像の視線方向が変更されるので、閲覧者にとっては意図しない対象に自分のスクロール操作で反映され全天球画像の表示態様が変化するので、全天球画像を見る可能性が高くなる。全天球画像は視線方向が変更されながら表示されているので、閲覧者は表示態様が変化した画像が全天球画像であると気づきやすくなる。【0076】また、全天球画像に対するスクロール操作は拡大・縮小であるが、Webページに対するスクロール操作は全天球画像の回転に反映される。すなわち、全天球画像以外のWebページに対する操作が全天球画像に対し行われた場合に全天球画像に生じさせる変化とは異なる変化が、全天球画像の表示態様に生じている。これにより、閲覧者の視線を全天球画像に誘導しやすくなる。」
「【0099】広告表示部17はWebページのスクロールを検出すると、少なくとも2つ以上の全天球画像を切り替えて広告欄に表示する。例えばスクロール量が一定量に達するごとに、全天球画像を切り替える。この一定量に達するまでに全天球画像を回転させること(例えば、一回転)が更に好ましい。この場合、全天球画像の回転が終わると別の全天球画像に切り替えることが可能になる。切り替えられた全天球画像の視線方向は初期状態のものでよい。全天球画像が切り替わると色合いなどが大きく変化するので、閲覧者が気づきやすくなる。」
「【図2】[図:0001380581000001.jpg]」
「【図3】[図:0001380581000002.jpg]」
「【図5】[図:0001380581000003.jpg]」
イ 引用発明
引用文献2の【請求項1】及び【0038】より、引用文献2には、
「情報処理装置10を、Webページ取得部11、Webページ解析部12、Webページ表示部13、操作受付部14、及びスクリプト実行部15として機能させるためのプログラム。」が記載されているといえる。
また、引用文献2の【図5】を参照すると、「スクリプト実行部15」は「広告表示部17」を備えることが見て取れる。
よって、前記(1)より、上記引用文献2には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 情報処理装置10を、Webページ取得部11、Webページ解析部12、Webページ表示部13、操作受付部14、及びスクリプト実行部15として機能させるためのプログラムであって、スクリプト実行部15は、広告表示部17を備え、情報処理装置10は、CPU201と、メモリ202とを備え、CPU201及びメモリ202は、システム・バス203を介して、グラフィックス・ドライバ204及びネットワーク・デバイス(NIC)205へと接続され、グラフィックス・ドライバ204は、バスを介してLCD(表示装置)206に接続され、LCD206にはタッチパネルが一体に配置され、ユーザは操作手段9として指を使って情報処理装置10を操作でき、操作受付部14は、情報処理装置10に対する各種の操作を受け付け、続きを表示(全13行)広告表示部17は、HTMLのアドタグが記述された場所に対応するWebページ上の場所に全天球画像を表示し、全天球画像に対する直接の操作に応じて全天球画像の表示態様を変更したり、全天球画像以外のWebページに対する操作に応じて全天球画像の表示態様を変更したりし、まず、操作受付部14はWebページに対する操作があるか否かを判断し、ここで、Webページに対する操作には種々のものがあり、一例として、スクロール操作、クリック操作、ダブルクリック、ドラッグ操作、文字入力などがあるが、これらには限られず、また、タッチパネルへの操作として、スライド操作、タップ操作、長押し、3D押下、ピンチイン・ピンチアウトなどもあり、判断がYesになると、広告表示部17は全天球画像がブラウザソフトウェア301に表示されているか否かを判断し、判断がYesになると、広告表示部17は全天球画像に対する操作か否かを全天球画像と操作手段9の座標が重なっているか否かによって判断し、判断がYesの場合、全天球画像に対するスクロールの操作を検出したことを契機に拡大又は縮小を行い、判断がNoの場合、広告表示部17は、Webページに対する予め定められた操作が検出された場合、全天球画像と操作手段9の座標が重なっていなくても全天球画像の表示態様を変更し、スクロール操作が検出された場合、Webページ表示部13はスクロール操作に応じてWebページをスクロールさせ、そして、スクロール量と方向に基づいて広告表示部17は視線方向を算出し、新たな視線方向の中心cpを含む所定領域Tを透視投影変換して領域画像302を作成し、それまで表示されていなかった全天球画像の一部を表示して、Webページに対するスクロール操作は全天球画像の回転に反映され、広告表示部17はWebページのスクロールを検出すると、少なくとも2つ以上の全天球画像を切り替えて広告欄に表示し、例えばスクロール量が一定量に達するごとに、全天球画像を切り替え例えば全天球画像の回転が終わると別の全天球画像に切り替える、プログラム。」
(2)引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
「[0007] そこで、本開示は、このような問題に鑑み、携帯端末の表面と裏面の両面にタッチセンサーを設ける等の特殊なハードウェアを携帯端末に搭載することなく、かつ、簡単な操作で機器連携の指示を与えることができる携帯端末等を提供することを目的とする。」
「[0050]そして、制御部12は、長押しされたコンテンツアイコンがTVアイコンに向けてフリックされた場合には、そのコンテンツアイコンに対応づけられたコンテンツを記憶部15から読み出し、通信I/F部14及び無線ルータ30を介してTV20に転送する。一方、長押しされたコンテンツアイコンが携帯端末アイコンに向けてフリックされた場合には、制御部12は、そのコンテンツアイコンに対応づけられたコンテンツを記憶部15から読み出し、表示画面13bに表示する。なお、コンテンツアイコンに対応づけられたコンテンツが動画である場合には、コンテンツアイコンがTVアイコンに向けてフリックされたときには、その動画がTV20に転送されてTV20で再生され、一方、コンテンツアイコンが携帯端末アイコンに向けてフリックされたときには、その動画が携帯端末10で再生される。[0051] なお、コンテンツアイコンが長押しされずに(つまり、短押しされて)フリックされた場合には、制御部12は、その場面及びタッチされた位置に応じた通常のユーザインターフェイス処理(フリック操作がされた場合における表示ウィンドウのスクロール等)を行う。[0052] このような携帯端末10の機能により、ユーザは、携帯端末10に表示されたコンテンツアイコンを長押ししてフリックするという簡単な操作をするだけで、表示ウィンドウをスクロールさせることなく、対応するコンテンツを、大画面をもつTV20に表示あるいは再生させたり、携帯端末10に表示あるいは再生させたりすることができる。よって、ユーザは、TV20を、あたかも携帯端末10に接続された大型ディスプレイとして、使用することができる。」
「【図7】[図:0001380581000004.jpg]」
(3)引用文献3について
前置報告書において周知技術文献として提示された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0079】例えば、図6の上部の矢印AR1に示すように、ユーザ8が合成画像CPの上側へ向けてフリック操作を行った場合には、仮想視点VPの位置が合成画像CPの下側となる方向(この場合は、車両9の後方)へ移動される。その結果、図6の下部に示すように、車両9の後方からみた合成画像CPが表示部3に表示される。」
「【0148】第1の実施の形態では、輝度調整部20cは、合成画像CPの輝度の変更量を長押操作の継続時間に応じた変更量としていた。しかし、ユーザの誤操作により長押操作の継続時間が長くなると、合成画像CPの輝度が過剰に変更される可能性がある。第3の実施の形態では、合成画像CPの輝度が過剰に変更された場合などに、ユーザが長押操作に続いて所定のタッチ操作を行った場合は、当該長押操作の継続時間に応じた合成画像CPの輝度の変更量が削減される。本実施の形態では、ユーザは、長押操作に続いてフリック操作を行うことで合成画像CPの輝度の変更量を削減できる。」
「【図6】[図:0001380581000005.jpg]」
「【図7】[図:0001380581000006.jpg]」
(4)引用文献4について
前置報告書において周知技術文献として提示された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0054】以下では、まず、一本指フリック操作(一本指ドラッグ操作とも称する)に応じて、複数の電子文書のうちの特定の電子文書のみがスクロールする動作について説明する。【0055】たとえば、ユーザがその人差し指を図6のページ画像PB2上に押しつけたまま上向きに当該人差し指を移動させる操作(上向きの一本指フリック操作)を行う状況を想定する。このような操作入力(一本指フリック操作)に応じて、ページ画像配置部76は、ページ画像群GAとページ画像群GBとの縦方向における相対的位置関係、およびページ画像群GCとページ画像群GBとの縦方向における相対的位置関係を変更していく。より具体的には、ページ画像配置部76は、図7および図8に示すように、電子文書DBに属するページ画像群GBのみを上向きにスライド移動(スクロール)していく。また、表示制御部72は、当該相対的位置関係の変更後の表示対象領域TRをタッチスクリーン62に随時表示する。」
「【0102】<文書入替処理>つぎに、ユーザの一本指長押しスライド操作に応じて、複数の電子文書の配列順序が変更される動作について図27~図29を参照しつつ説明する。【0103】たとえば、ユーザが右手人差し指を図27のページ画像PA2付近にて長押しした後に右方向にスライド移動させる操作(一本指による長押しスライド操作)を行う状況を想定する。具体的には、当該ユーザは、押下状態を維持したまま、押下した指(右手人差し指)を電子文書DBと電子文書DCとの間(より詳細には、電子文書DBのページ画像PB2と電子文書DCのページ画像PC2との間)にまで移動させた後に、押下状態を解除する(図28参照)。【0104】このような操作入力(一本指長押しスライド操作)に応じて、仮想配置領域ARは図27の状態から図28の状態を経て図29に示す状態へと遷移し、仮想配置領域ARにおける表示対象領域TR内のページ画像がタッチスクリーン62に随時表示される。具体的には、まず、押下状態の右手人差し指がページ画像PB2とページ画像PC2との間の位置にまで移動する期間においては、図28に示すように、表示制御部72は、ページ画像群GAがページ画像群GBとページ画像群GCとの間の位置にまで移動される様子を動画的態様でタッチスクリーン62に随時表示する。【0105】そして、右手人差し指がページ画像PB2とページ画像PC2との間の位置に存在する状態で押下状態が解除されると、ページ画像配置部76は、ページ画像群GAをページ画像群GBとページ画像群GCとの間に配置(割込配置)する(図29参照)。換言すれば、左右方向における複数の電子文書DA、DB、DCの配置順序が変更される。具体的には、左から電子文書DA、DB、DCの順序(図27参照)であった複数のページ画像のページ順序が、今度は、左から電子文書DB、DA、DCの順序に変更される(図29参照)。また、表示制御部72は、このようなページ画像の配置変更後の表示対象領域TR内のページ画像をタッチスクリーン62に表示する。その結果、図29に示すように、タッチスクリーン62においては、左右方向の中央にページ画像群GA(詳細にはページ画像PA1、PA2)が表示され且つ当該ページ画像群GAの左側にページ画像群GB(詳細にはページ画像PB1、PB2)が表示され且つ当該ページ画像群GAの右側にページ画像群GC(詳細にはページ画像PC1、PC2)が表示される。」
「【図27】[図:0001380581000007.jpg]」
「【図28】[図:0001380581000008.jpg]」
「【図29】[図:0001380581000009.jpg]」
2 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「情報処理装置10は、CPU201と、メモリ202とを備え、CPU201及びメモリ202は、システム・バス203を介して、グラフィックス・ドライバ204及びネットワーク・デバイス(NIC)205へと接続され、グラフィックス・ドライバ204は、バスを介してLCD(表示装置)206に接続され、LCD206にはタッチパネルが一体に配置され」によれば、「情報処理装置10」は、「CPU201」、「メモリ202」及び「タッチパネル」を備えた「コンピュータ」といい得るものである。
ここで、引用発明の「CPU201」、「メモリ202」及び「LCD206」に「タッチパネル」が一体に配置されたものはそれぞれ、本願発明1の「プロセッサ」、「メモリ」及び「タッチスクリーン」に相当する。
また、引用発明の「プログラム」は、「情報処理装置10」の「CPU201」によって実行されるものである。
よって、引用発明の「プログラム」は、本願発明1の「プロセッサ、メモリ、およびタッチスクリーンを備えたコンピュータによって実行されるプログラム」に相当する。
イ 引用発明の「広告表示部17は、HTMLのアドタグが記述された場所に対応するWebページ上の場所に全天球画像を表示し」及び「スクロール量と方向に基づいて広告表示部17は視線方向を算出し、新たな視線方向の中心cpを含む所定領域Tを透視投影変換して領域画像302を作成し、それまで表示されていなかった全天球画像の一部を表示して」及び引用文献2の【図2】を参酌すれば、引用発明において、「HTMLのアドタグが記述された場所に対応するWebページ上の場所」すなわち「領域画像302」において表示される画像は、「全天球画像の一部」である。また、当該「領域画像302」は、「全天球画像の一部」と同一視でき、これを「第1表示領域」と称することは任意である。
また、上記「広告表示部17」が、「領域画像302」を「LCD206」に「タッチパネル」が一体に配置されたもの(タッチスクリーン)に表示する処理(ステップ)を実行することは自明である。
よって、引用発明の「プログラム」は、本願発明1の「第1全天球映像の一部である第1表示領域を前記タッチスクリーンに表示させるステップ」を「CPU201」に実行させる機能を備えるといえる。
ウ 引用発明は、「操作受付部14」が受け付ける「タッチパネルへの操作」による操作として「長押し」を含むが、当該「長押し」が、「操作手段9」が「タッチパネル」に接触したまま移動しない期間が予め定められた期間より長い操作であることは、本願出願時における技術常識である。
よって、引用発明の「操作受付部14」は、「タッチパネルへの操作」が「長押し」であるか否かを判断するために、「操作手段9」が「タッチパネル」に接触したまま移動しない期間を計測する処理を実行するものといえる。
引用発明の「操作手段9」は、本願発明1の「指示体」に相当し、また、計測される期間を「待機時間」と称することは任意である。
よって、引用発明の「プログラム」は、本願発明1の「前記タッチスクリーンに指示体が接触した後、前記指示体が前記タッチスクリーンに接触したまま移動しない期間である待機時間を計測するステップ」を「CPU201」に実行させる機能を備えるといえる。
エ 引用発明は、「操作受付部14」が「スクロール操作」を検出する場合を含み、当該「スクロール操作」は、「操作手段9」が「タッチパネル」に接触した状態で移動する操作を含むことは、本願出願時の技術常識である。
よって、引用発明の「操作受付部14」は、「操作手段9」が「タッチパネル」に接触する位置の移動を検出する処理を実行するものといえる。
よって、引用発明の「プログラム」は、本願発明1の「前記指示体が前記タッチスクリーンに接触する位置の移動を検出するステップ」を「CPU201」に実行させる機能を備えるといえる。
オ 引用発明において、「全天球画像」(領域画像302)以外の領域上で「スクロールの操作」がなされた場合、「広告表示部17」は、「スクロール量と方向」に基づいて、「全天球画像」を回転した画像を新たな「領域画像302」として作成して表示する処理を行うものといえる。
ここで、「スクロール量と方向」は、本願発明1の「前記移動の方向および距離」に相当し、また、「全天球画像」を回転した新たな「領域画像302」を作成して表示することは、本願発明1の「前記第1全天球映像内で前記第1表示領域を変更」することに相当する。
また、引用発明において、「全天球画像」(領域画像302)以外の領域上で「スクロールの操作」がなされた場合と、本願発明1の「前記待機時間が閾値以上である場合」とは、「第1の条件を満たす場合」である点において共通する。
よって、引用発明の「プログラム」が「CPU201」に実行させる処理と、本願発明1の「前記待機時間が閾値以上である場合、前記移動の方向および距離に基づいて前記第1全天球映像内で前記第1表示領域を変更」する処理とは、「第1の条件を満たす場合、前記移動の方向および距離に基づいて前記第1全天球映像内で前記第1表示領域を変更」する処理である点において共通する。
カ 引用発明の「広告表示部17はWebページのスクロールを検出すると、少なくとも2つ以上の全天球画像を切り替えて広告欄に表示し、例えばスクロール量が一定量に達するごとに、全天球画像を切り替え例えば全天球画像の回転が終わると別の全天球画像に切り替える」及び前記オで説示した事項を参酌すると、引用発明の「広告表示部17」は、「全天球画像」(領域画像302)以外の領域上で「スクロールの操作」がなされ、かつ、スクロール量が一定量に達する(例えば全天球画像の回転が終わる)ごとに、「別の全天球画像」に切り替える処理を実行するものといえる。
ここで、引用発明の「別の全天球画像」は、本願発明1の「前記第1全天球映像とは異なる第2全天球映像」に相当する。
そして、引用発明の「別の全天球画像」も、切り替え前の「全天球画像」と同様に、その一部が「領域画像302」として作成・表示されるものといえ、これを「第2表示領域」と称することは任意である。そして、引用発明において、「別の全天球画像」に切り替えることは、「第1表示領域」に替えて「第2表示領域」を「タッチスクリーン」に表示することに他ならない。
また、引用発明において、「全天球画像」(領域画像302)以外の領域上で「スクロールの操作」がなされ、かつ、スクロール量が一定量に達する(例えば全天球画像の回転が終わる)場合と、本願発明1の「前記待機時間が閾値以上である場合」とは、「第2の条件を満たす場合」である点において共通する。
よって、引用発明の「プログラム」が「CPU201」に実行させる処理と、本願発明1の「前記待機時間が前記閾値より小さい場合、前記移動の方向に基づいて前記第1全天球映像とは異なる第2全天球映像の一部である第2表示領域を前記第1表示領域に替えて前記タッチスクリーンに表示させる」処理とは、「第2の条件を満たす場合、前記第1全天球映像とは異なる第2全天球映像の一部である第2表示領域を前記第1表示領域に替えて前記タッチスクリーンに表示させる」する処理である点において共通する。
(2)一致点、相違点
前記(1)より、本願発明1と引用発明は、次の点において一致ないし相違する。
[一致点]
「 プロセッサ、メモリ、およびタッチスクリーンを備えたコンピュータによって実行されるプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、第1全天球映像の一部である第1表示領域を前記タッチスクリーンに表示させるステップと、前記タッチスクリーンに指示体が接触した後、前記指示体が前記タッチスクリーンに接触したまま移動しない期間である待機時間を計測するステップと、前記指示体が前記タッチスクリーンに接触する位置の移動を検出するステップと、を含み、第1の条件を満たす場合、前記移動の方向および距離に基づいて前記第1全天球映像内で前記第1表示領域を変更し、第2の条件を満たす場合、前記第1全天球映像とは異なる第2全天球映像の一部である第2表示領域を前記第1表示領域に替えて前記タッチスクリーンに表示させる、プログラム。」
[相違点]
<相違点1>
共通点である「第1の条件を満たす場合」が、本願発明1では「前記待機時間が閾値以上である場合」であるのに対し、引用発明は、「全天球画像」(領域画像302)以外の領域上で「スクロールの操作」がなされた場合である点。
<相違点2>
共通点である「第2の条件を満たす場合」が、本願発明1では「前記待機時間が前記閾値より小さい場合」であるのに対し、引用発明は、「全天球画像」(領域画像302)以外の領域上で「スクロールの操作」がなされ、かつ、スクロール量が一定量に達する(例えば全天球画像の回転が終わる)場合である点。
<相違点3>
「第2表示領域」の表示が、本願発明1では「前記移動の方向に基づいて」なされるのに対し、引用発明において、「別の全天球画像」への切り替えが、「スクロールの操作」の方向に基づくものとは具体的に特定していない点。
(3)相違点についての判断
相違点1及び2は、いずれも「第1全天球映像」を表示している状態から異なる表示状態へ遷移するため(「第1全天球映像」内で「第1表示領域」を変更する場合と、「第1全天球映像」に替えて「第2全天球映像」を表示する場合)の条件、すなわち、「第1表示領域」の画像の変化に必要な条件についてのものであるため、まとめて判断する。
なお、タッチパネル等を用いた入力技術に係る本願出願時の技術常識を参酌すれば、本願発明1において、「前記指示体が前記タッチスクリーンに接触したまま移動しない期間である」「待機時間」が「閾値以上である場合」は、「長押し」がされた場合を含み、また、当該「待機時間」が「閾値より小さい場合」は、「長押し」がされなかった場合を含むものと認められる。
ア 引用文献1に記載された事項の適用について
前記1(2)より、引用文献1には、「コンテンツアイコン」が表示されている表示ウィンドウ上で、当該「コンテンツアイコン」に対して「長押し」されずにフリック操作がされた場合には、表示ウィンドウのスクロール等を行い、当該「コンテンツアイコン」に対して「長押し」されてフリック操作がされた場合には、当該「コンテンツアイコン」に対応する「コンテンツ」(動画)を、フリック操作の方向に応じてTV20又は端末10上で再生することが記載されているといえる。
引用発明と、引用文献1に記載された事項とは、操作に応じて画像に対する処理の態様を異ならせる点、及び、可能な操作として「長押し」を含む点において上位概念では共通しているものの、引用発明は、「第1表示領域」の画像を変化させるためには、当該「第1表示領域」以外の領域に対して操作をする必要があるのに対して、引用文献1に記載された事項においては、「コンテンツアイコン」に対して操作がなされるものであり、また、操作に応じた処理は、引用発明は、「第1表示領域」自体の画像の変化であるのに対し、引用文献1に記載の事項においては、「コンテンツアイコン」に対応する「コンテンツ」(動画)を再生する制御であって、「コンテンツアイコン」の画像を変化させるものではない。
加えて、引用文献2には、「長押し」を操作に使用する場合の詳細について何ら記載はなく、当然に、「長押し」を他の操作と組み合わせて使用することについて示唆する記載もない。
そうすると、引用発明と引用文献1に記載した事項とは技術分野及び目的が異なるものであるから、当業者であっても、引用発明に引用文献1に記載した事項を組み合わせる起因を見出すことは困難である。
仮に、引用発明に引用文献1に記載した事項を組み合わせることができるとしても、引用発明の「Webページ」に「コンテンツアイコン」が表示される場合に、当該「コンテンツアイコン」の操作及び処理について、引用文献1に記載の事項が適用されるにすぎず、その場合には、相違点1及び2に係る本願発明1の構成には至らない。
イ 引用文献3又は4に記載された事項の適用について
前記1(3)を参酌すれば、前置報告書に提示された引用文献3には、合成画像CPに対して「長押し」されずにフリック操作がなされた場合には、仮想視点VPの位置を変更した合成画像CPに表示を変更し、合成画像CPに対して「長押し」がされると「長押し」の継続時間に応じて合成画像CPの輝度を変更し、その後にフリック操作がなされた場合には、合成画像CPの輝度の変更量を削減することが記載されている。
また、前記1(4)を参酌すれば、前置報告書に提示された引用文献4には、ページ画像PB2に対して「長押し」されずに上向きのフリック操作がなされた場合には、ページ画像PB2が属するページ画像群GBを上向きに移動する操作を行い、ページ画像PA2に付近が「長押し」されて右方向にスライド操作がなされると、ページ画像PA2が属するページ画像群DBを右に移動することが記載されている。
引用文献3及び4に記載された事項は、いずれも、引用発明とは、操作の対象及び操作による処理内容が異なり、引用発明と引用文献3及び4に記載した事項とは技術分野及び目的が異なるものであるから、当業者が、引用発明に引用文献3又は4に記載した事項を組み合わせる起因を見出すことは困難である。仮に、引用文献3及び4に記載した事項が本願出願時における周知技術であり、当業者が引用発明に引用文献3及び4に記載した事項を適用することができたとしても、相違点1及び2に係る本願発明1の構成には至らない。
したがって、上記相違点3について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献1に記載した事項に基づいて、また、引用文献3及び4に記載の事項を参酌しても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明2及び3について
本願発明2及び3も、相違点1及び2に係る本願発明1の構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても引用発明及び引用文献1に記載した事項に基づいて、また、引用文献3及び4に記載の事項を参酌しても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし3は、当業者が引用発明及び引用文献1に記載した事項に基づいて、また、引用文献3及び4に記載の事項を参酌しても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2020-016176