2020-014350
照明制御装置及び照明制御システム
- 審判番号
- 2020-014350
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-117064外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年10月13日
- 審決日
- 2021年10月12日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】東芝ライテック株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (H05B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 17項目
第1 手続の経過
本願は、平成28年6月10の出願であって、令和2年1月22日付けで拒絶理由通知がされ、同年3月26日に意見書が提出されるとともに、特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたが、同年7月3日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対して、同年10月13日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に、特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出され、当審が令和3年5月20日付けで拒絶理由を通知し、同年7月19日に意見書が提出されるとともに、特許請求の範囲について補正する手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1~3に係る発明は、令和3年7月19日の手続補正書により補正された請求項1~3に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、以下のとおりである。
「【請求項1】照明機器と接続される接続端子を有する分配器を介して、前記照明機器と通信可能な照明制御装置であって、前記接続端子に接続された照明機器から、当該照明機器に関する情報を取得する取得部と;前記取得部によって情報が取得された前記照明機器に関して、当該照明機器の選択に関する操作を受け付ける受付部と;前記受付部によって受け付けられた操作の内容に基づいて、前記照明機器を制御するための制御アドレスを割り当て、前記照明機器に割り当てられた前記制御アドレスに重複のないように割り当て直すことが可能な割当部と;前記取得部によって取得された前記照明機器の情報を、前記照明機器が配置された状況を示す情報である配置情報とともに表示する表示部と;を具備し、前記表示部は、前記照明機器の情報として前記照明機器の制御アドレスを、前記配置情報に基づいて配置した前記照明機器のアイコンに対応付けるとともに、前記照明機器のアイコンそれぞれに隣接して表示することを特徴とする照明制御装置。」
第3 当審の拒絶理由の概要
当審が令和3年5月20日付けで通知した拒絶理由のうち、請求項1についての拒絶理由は、以下のとおりである。
この出願の下記の請求項に係る発明は、この出願前に日本国内又は外国において、下記の頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、この出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項 1
・引用文献等 1~3
・引用文献等一覧
1.特開2014-120351号公報
2.特開2016-100095号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2014-56670号公報(周知技術を示す文献)
以下それぞれ「引用文献1」、「引用文献等2」、「引用文献等3」という。
第4 引用文献等の記載事項等
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1 引用文献1について
引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
(1)「【技術分野】【0001】本発明の実施形態は、照明用バトン及び照明システムに関する。」
(2)「【0015】(構成)図1は、本実施形態に係わる照明システムの構成図である。照明システム1は、操作卓2と、複数の照明用バトン3を含み、操作卓2と複数の照明用バトン3は、ハブ4を介して通信ライン5により接続されている。各照明用バトン3は、複数の照明器具6が取り付け可能となっている。照明器具6は、ここでは発光ダイオード(LED)を利用した照明器具である。もちろん、照明器具6は、他の光源を利用した照明器具であってもよい。・・・【0017】続きを表示(全14行)操作卓2は、中央処理装置(以下、CPUという)を含む制御部2aと、各種データを記憶する記憶部2bと、各種設定及び調光操作を入力するための入力部2c、モニタである表示部2dを有している。操作卓2は、各照明器具6の調光を行うために、入力部2cの一部としてフェーダなどの調光操作器を有し、操作者は、任意の照明器具6の調光を手動で制御することができる。さらに、操作卓2は、予めプログラムされた順序で、シーンに応じて自動で各照明器具6へ調光信号を送信することもできる。・・・【0019】次に、バトン3の構成について説明する。図2は、バトン3の構成を示すブロック図である。バトン3は、複数の照明器具6を接続して設置する照明器具設置装置である。従って、バトン3の概念は、広く、形状、寸法等は、従来のバトンに捉われるものではない。バトン3は、ノード11と、複数(ここでは4つ)の中継部12a、12b、12c、12d(以下、中継部12a、12b、12c、12dの全てあるいは1つを指すときには、中継部12という)と、複数(ここでは4つ)の照明器具6a、6b、6c、6d(以下、照明器具6a、6b、6c、6dの全てあるいは1つを指すときには、照明器具6という)が接続可能なコネクタ13a、13b、13c、13d(以下、コネクタ13a、13b、13c、13dの全てあるいは1つを指すときには、コネクタ13という)を有している。各バトン3における各コネクタ13の接続位置すなわち設置位置は予め決められている。各コネクタ13は、照明器具6が接続される接続部を構成する。【0020】ノード11は、制御部20、通信部21、信号変換部22、送受信部23、位置検出部24及びメモリ25を含んで構成されている。ノード11のこれらの制御部20等の各部は、CPUを含む半導体チップにより実現される。・・・【0023】送受信部23は、RDMプロトコルの通信を行う送受信部である。送受信部23は、信号変換部22からの信号は、中継部12へ送信し、中継部12からの信号は、信号変換部22へ送信する。さらに、送受信部23は、信号変換部22からの信号に含まれる送信先情報Sを、位置検出部24へ出力する。送信先情報Sは、UID(Unique ID)の情報を含む。UIDは、照明器具6毎に設定された固有の識別情報である。」
(3)「【0045】制御部2aは、UID毎に、そのUIDを有する照明器具6が接続されたバトン3に、機器情報などの送信要求コマンドを送信する。操作卓2は、各バトン3のノード11のアドレス情報を有しているので、そのアドレス情報に基づいて、UIDに対応するバトン3に送信要求コマンドを送信することができる。・・・【0050】照明器具6からの器具情報とDMXアドレスは、データ伝送部26を介して送受信部23により受信され、制御部20は、受信した送信先情報S に含まれるUIDに関わる、照明器具6の設置位置情報Bを取得する(S22)。【0051】そして、制御部20は、受信したUIDに関する、機器情報、DMXアドレスと設置位置情報Bを、送受信部23を制御して、操作卓2へ送信する(S23)。すなわち、制御部20は、設置位置情報出力部である位置検出部24が出力した設置位置情報Bを、応答信号と共に通信部21を介して外部装置である操作卓2へ送信するように、送受信部23を制御する。【0052】図5に戻り、制御部2aは、送信した送信要求コマンドに対応して、バトン3から受信した器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報Bを受信する(S13)。」
(4)「【0056】図7は、操作卓2の記憶部2bに記憶される照明器具情報テーブルTBLの例を示す図である。照明器具情報テーブルTBLは、UID、器具情報、DMXアドレス、バトン番号及び設置位置情報の各情報を記憶する。照明器具テーブルTBLのUIDとバトン番号の情報は、S11において得られた情報である。器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報は、S13において得られた情報である。【0057】照明器具テーブルTBLには、固有の識別情報であるUID毎に、器具情報、DMXアドレス、バトン番号及び設置位置情報が記憶されているので、操作者は、照明器具テーブルTBL自体を、操作卓2の表示部2dの画面上に表示させることができる。従って、操作者は、照明器具テーブルTBLを見ることによって、どのバトンのどの位置に、どのような照明器具が設置すなわち接続されているかを把握することができる。続きを表示(全14行)【0058】なお、DMXアドレスは、照明器具6の製造時に所定のアドレスが記憶部7aに記憶されているので、その所定のアドレスの情報が照明器具情報テーブルTBLに格納されるが、操作者は、画面41上に照明器具情報テーブルTBLを表示させたときに、DMXアドレスを変更することができる。【0059】図8は、操作卓2の表示部2dの画面上に表示される舞台上の照明器具配置を示す画面の例を示す図である。図8に示すような画面41は、操作者が各照明器具を制御するときに参照される。【0060】図8に示す画面41は、舞台42の天井に吊り下げられた複数のバトン3のレイアウトを示している。画面41には、各バトン3の図形が表示される。バトン3aのバトン番号が#1であり、バトン3bのバトン番号が#2であり、バトン3cのバトン番号が#3であることが示されている。他のバトン3も同様にバトン番号が付与されている。各バトン3の図形は、4つのコネクタ13に対応する表示領域51a、51b、51c、51dを含んでいる。【0061】さらに、操作者は、画面41に表示されている複数のバトン3の中から、入力部2cの操作により、任意のバトン3の任意の照明器具6を選択することができ、選択されたバトン3あるいは照明器具6の制御状態を、照明器具テーブルTBLの情報に基づいて、画面41上に表示させることができる。さらに、操作者は、選択されたバトン3あるいは照明器具6に対する制御信号あるいは調光信号を出力するように指示することもできる。【0062】よって、図7の照明器具テーブルTBLに基づき、画面41上の各バトン3の4つのコネクタ13a、13b、13c、13dに、照明器具6の器具情報を関連付けることによって、各照明器具6の制御状態の表示や、調光信号の出力指示を、画面上でも行うことが可能となる。」
図1
[図:0001380517000001.jpg]
図2
[図:0001380517000002.jpg]
図7
[図:0001380517000003.jpg]
図8
[図:0001380517000004.jpg]
(5)引用文献1の記載から認められる事項
ア 上記(2)の【0019】の記載によれば、バトン3は、照明器具6と接続されるコネクタ13を有することが認められ、上記(2)の【0017】の記載によれば、操作卓2は、制御部2aと、入力部2cと、表示部2dを有することが認められ、これら記載と図1の記載によれば、操作卓2は、照明器具6と通信可能であることが認められる。
イ 上記(3)及び図2の記載によれば、照明器具6からの器具情報とDMXアドレスは、バトン3の送受信部23により受信されること、バトン3の制御部20は、器具情報、DMXアドレスと設置位置情報Bを操作卓2へ送信すること、及び、制御部2aは、バトン3から器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報Bを受信することが認められる。
(なお、上記(3)の【0051】の「照明機器」は「照明器具」の誤記と認められる。)
ウ 上記ア及びイによれば、制御部2aは、コネクタ13に接続された照明器具6から、バトン3を介して器具情報とDMXアドレスを受信すること、及び、バトン3から設置位置情報Bを受信することが認められる。
エ 上記(4)の【0058】の記載によれば、操作卓2が、DMXアドレスを変更可能な手段を有することが認められ、上記(2)の【0017】の記載によれば、入力部2cは、各種設定等を入力するためのものであり、上記(4)の【0059】及び【0061】の記載によれば、操作卓2の表示部2dに表示される照明器具は位置を示す画面41から、操作卓の入力部2cへの操作により、照明器具6を選択することができ、さらに、選択された照明器具6に対して各種指示もできることから、上記手段は、入力部2cへの操作によって、DMXアドレスを変更可能な手段であると認められる。
オ 上記(4)の【0059】の記載によれば、表示部2dは、照明器具配置を示す画面41を表示することが認められる。また、上記(4)の【0056】の記載によれば、照明器具テーブルTBLは、器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報を含むことが認められ、上記(3)の【0052】の記載も勘案すると、器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報は、制御部2aによって受信されたものであると認められ、上記(4)の【0057】の記載によれば、表示部2dは、照明器具テーブルTBLを表示するから、表示部2dは、制御部2aによって受信された器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報を表示することが認められる(引用文献1の。
カ 上記(4)の【0061】の記載によれば、入力部2cは、操作者の操作により照明器具6を選択可能であることが認められ、上記(2)の【0023】、上記(3)の【0045】、【0052】、図7の記載及び上記オによれば、UIDは、照明器具6毎に設定された固有の識別情報であり、制御部2aは、UID毎に、送信した器具情報などの送信要求コマンドに対応して、器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報Bを受信するから、照明器具6毎の器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報Bは、制御部2aによって受信されることが認められ、以上から、入力部2aは、制御部2aによって器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報Bが受信された照明器具6を操作者の操作により選択可能であると認められる。
(6)上記(5)を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「照明器具6と接続されるコネクタ13を有するバトン3を介して、照明器具6と通信可能な操作卓2であって、コネクタ13に接続された照明器具6から、バトン3を介して器具情報とDMXアドレスを受信し、バトン3から設置位置情報Bを受信する制御部2aと、制御部2aによって器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報Bが受信された照明器具6を操作者の操作により選択可能である入力部2cと、入力部2cへの操作によって、DMXアドレスを変更可能な手段と、照明器具配置を示す画面41を表示したり、制御部2aによって受信された器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報Bを表示したりする表示部2dと、を有する、操作卓2。」
2 引用文献等2について
引用文献等2には、図面とともに以下の記載がある。
「【0058】ここで、図4に示す例では、照明制御装置10は、照明制御システム1に接続された照明機器を示すアイコンと重ねて、照明機器のユニバースとDMXアドレス(以下、識別情報と記載する。)とを「ユニバース#DMXアドレス」の形式で表示する。例えば、照明制御装置10は、スタジオの外周に設置されたベースライトのアイコンに、「1#190」~「1#236」といった各ベースライトの識別情報を重ねて表示する。」
図4
[図:0001380517000005.jpg]
3 引用文献等3について
引用文献等3には、図面とともに以下の記載がある。
(1)「【技術分野】【0001】本発明は、照明器具の調光レベルや色温度を制御する照明制御システムに関する。」
(2)「【0025】コントローラ3は、可視光受信部38を介して上記情報信号から各照明器具2の識別情報及び点灯情報を読み取る。制御部34は、上記識別情報に含まれる各照明器具2のIDアドレスと、各照明器具2の相対座標情報、及び照明空間画像から抽出された照明器具2の画像とを対比する。そして、制御部34は、各照明器具のアイコン2’(画像)が現実の照明空間と同様の相対位置になるように配された照明空間の2次元画像データを作製する。更に、制御部34は、図4(b)に示すように、照明器具のアイコン2’と、照明器具2の識別情報とを対応付けた上で、表示ドライバ部37を動作させ、上記2次元画像データに基づき、表示部35に、照明器具のアイコン2’を、このアイコン2’と対応する照明器具2の点灯情報が反映されるように表示させる。具体的には、表示部35に、照明器具のアイコン2’が、実際の照明器具2の明るさや照明光の色温度と同じ点灯条件で点灯しているように、表示部35上の照明器具のアイコン2’の明るさ及び色を表示させる。つまり、コントローラ3は、実際の照明器具2の明るさや照明光の色温度を、表示部35上でバーチャル表示する。なお、照明器具のアイコン2’の明るさ及び色を表示に加えて、各アイコン2’上に明るさ又は色温度の具体的な数値情報や、IDアドレスを表示してもよい。」
図4
[図:0001380517000006.jpg]
4 引用文献等4について
特開2002-260870号公報(以下、「引用文献等4」という。)には、以下の記載がある。
(1)「【0007】【発明が解決しようとする課題】ところが、このようなオペレータの判断による可変アドレスの設定では、オペレータの負担が大きく、また誤りが生じるおそれもある。すなわち、オペレータはアドレスを設定するとき、設定したアドレスが他の操作端末で使用されているか否かを判断しながら設定作業を行っていかなければならない。重複したアドレスが設定された場合には、調光制御装置端末と操作端末との間の信号の授受が円滑に行えないことになる。」
(2)「【0018】また、表示部は、可変アドレスの設定の際に操作部により入力されたアドレスを表示してオペレータに認識させると共に、調光制御装置端末からの可変アドレスの設定に関する情報を表示する。可変アドレスの設定に関する情報には、調光制御装置端末からの可変アドレスの重複の判定結果が含まれる。例えば、可変アドレスの重複がない旨の情報、可変アドレスが重複しているので再設定を促す情報、どの操作端末と重複しているかの情報等が含まれる。」
(3)「【0025】本発明によれば、請求項1または2の発明の効果に加え、調光制御装置端末は、メモリ部に固定アドレスに対応させて可変アドレスを記憶しており、可変アドレスの設定操作があったときは、そのメモリ部の内容に対応させて可変アドレスの重複を判定しているので、アドレスの重複した誤設定を適正に防止できる。」
5 引用文献等5について
特開2009-159079号公報(以下、「引用文献等5」という。)には、以下の記載がある。
(1)「【技術分野】【0001】本発明は、時分割多重伝送方式によって伝送される所定の制御信号にて負荷を制御する遠隔監視制御システム及びこの遠隔監視制御システムが備える負荷制御端末器に関する。」
(2)「【0003】この遠隔監視制御システムは、例えば、店舗や工場、倉庫などといった広い空間に設けられた負荷である複数の照明器具を集中制御することができる照明制御システムである。このような、照明制御システムは、複数の照明器具をワイヤレス送信器で自在に遠隔操作したり、複数の照明器具の点灯、非点灯を一括して制御することができるユーザ利便性の高い制御システムとなっている。【0004】このような遠隔監視制御システムを構成する複数の制御端末器に割り当てるアドレスは、重複を避け、それぞれを一意に特定する固有のアドレスである必要がある。例えば、異なる制御端末器に同一のアドレスを重複して設定してしまった場合、当該アドレスへの呼び掛けに対して複数の制御端末器が同時に応答し、伝送親機に対する応答信号が重畳してしまうことになる。」
(3)「【要約】【課題】システム運用前のアドレス設定時において、アドレスを重複して設定することを回避する。【解決手段】ターミナルユニット12は、当該ターミナルユニット12に対する所望のアドレスの設定要求を受け付け、受け付けられたアドレスと同一のアドレスを有する伝送信号を監視することで前記アドレスで特定される負荷が存在するかどうかを判断し、前記アドレスで特定される負荷が存在すると判断した場合、アドレスの設定要求を無効とし、前記アドレスで特定される負荷が存在しないと判断した場合、当該ターミナルユニット12に前記アドレスを設定することで実現する。」
(4)「【0012】また、本発明の遠隔監視制御システムは、前記負荷制御端末器が、アドレスが重複して設定されていることを視覚的に識別可能となるように表示する表示手段を有することを特徴とする。」
第6 引用文献等6について
特開2013-85149号公報(以下、「引用文献等6」という。)には、以下の記載がある。
(1)「【0012】すなわち、各電気機器が、ID(識別符号)の重複確認要求を自動的に他の電気機器に送信するので、IDの重複確認を自動的に行うことができる。なお、新たに生成されたID同士に重複がある場合には、再度重複要求信号を送信して再度新たなIDを生成するようにすればよい。新たなIDを生成する都度、生成されたIDが重複する可能性は減少するからである。これにより、自身を識別するための識別符号を有する複数の電気機器に対して、手作業を介さず識別符号の重複を自動的に発見し、かつ重複を自動的に解消することができる。」
(2)「【0024】本発明にあっては、電気機器は、照明装置である。これにより、自身を識別するための識別符号を有する複数の照明装置に対して、手作業を介さず識別符号の重複を自動的に発見し、かつ重複を自動的に解消することができる照明制御システムを提供することができる。」
第5 対比・判断
1 対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、後者の「照明器具6」は、前者の「照明機器」に相当し、以下同様に、「コネクタ13」は「接続端子」に、「バトン3」は「分配器」に、「操作卓2」は「照明制御装置」に、「器具情報」は「照明機器に関する情報」に、「DMXアドレス」は「制御アドレス」に、「受信」することは「取得」することに、「設置位置情報B」は「配置情報」に、「制御部2a」は「取得部」に、「入力部2c」は「受付部」に、「表示部2d」は「表示部」に、それぞれ相当する。
後者の「照明器具6と接続されるコネクタ13を有するバトン3を介して、照明器具6と通信可能な操作卓2」は、前者の「照明機器と接続される接続端子を有する分配器を介して、前記照明機器と通信可能な照明制御装置」に相当し、後者の「コネクタ13に接続された照明器具6から、」「器具情報」「を受信する制御部2a」は、前者の「前記接続端子に接続された照明機器から、当該照明機器に関する情報を取得する取得部」に相当する。
後者の「制御部2aによって器具情報」「が受信された照明器具6を操作者が選択可能である入力部2c」は、入力部2aへの入力、すなわち、操作によって、照明器具6を選択するものであるから、前者の「前記取得部によって情報が取得された前記照明機器に関して、当該照明機器の選択に関する操作を受け付ける受付部」に相当する。
後者の「設置位置情報B」は、照明器具6の配置位置を表す情報であるから、後者の「制御部2aによって受信された器具情報」「及び設置位置情報Bを表示する表示部2d」は、前者の「前記取得部によって取得された前記照明機器の情報を、前記照明機器が配置された状況を示す情報である配置情報とともに表示する表示部」に相当する。
DMXアドレスを変更することは、DMXアドレスを新たに割り当てることであるから、後者の「DMXアドレスを変更可能な手段」」は、前者の「割当部」相当する。後者の「入力部2cへの操作」は、上記第4 1(5)エを参照すれば、DMXアドレスを変更するように指示(要求)することであることは明らかであり、前者の「操作の内容」は、本願明細書の「割当部153は、受付部152によって受け付けられた操作の内容に基づいて、照明機器10を制御するための制御アドレスを割り当てる。具体的には、割当部153は、受付部152によって受け付けられた制御アドレスの変更要求に基づいて、照明機器10に設定されていた制御アドレスを、新たな制御アドレスに割り当てる。」(【0085】)の記載によれば、制御アドレスの変更要求であるから、後者の「入力部2cへの操作」は、前者の「操作の内容に相当する。そして、上記で示したように、後者の「入力部2c」は、前者の「受付部」に相当する。したがって、後者の「入力部2cへの操作によって、DMXアドレスを変更可能な手段」と前者の「前記受付部によって受け付けられた操作の内容に基づいて、前記照明機器を制御するための制御アドレスを割り当て、前記照明機器に割り当てられた前記制御アドレスに重複のないように割り当て直すことが可能な割当部」は、「前記受付部によって受け付けられた操作の内容に基づいて、前記照明機器を制御するための制御アドレスを割り当てる割当部」という点で共通する。
そうすると、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりとなる。
<一致点>
「照明機器と接続される接続端子を有する分配器を介して、前記照明機器と通信可能な照明制御装置であって、前記接続端子に接続された照明機器から、当該照明機器に関する情報を取得する取得部と、前記取得部によって情報が取得された前記照明機器に関して、当該照明機器の選択に関する操作を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた操作の内容に基づいて、前記照明機器を制御するための制御アドレスを割り当てる割当部と、前記取得部によって取得された前記照明機器の情報を、前記照明機器が配置された状況を示す情報である配置情報とともに表示する表示部と、を具備する、照明制御装置。」
<相違点1>
割当部について、本願発明1は、「前記照明機器に割り当てられた前記制御アドレスに重複のないように割り当て直すことが可能な」割当部であるのに対し、引用発明は、割当部がそのように特定されていない点。
<相違点2>
表示部について、本願発明1では、「前記表示部は、照明機器の情報として前記照明機器の制御アドレスを、前記配置情報に基づいて配置した前記照明機器のアイコンに対応付けるとともに、前記照明機器のアイコンそれぞれに隣接して表示する」のに対し、引用発明は、照明器具配置を示す画面41を表示したり、制御部2aによって受信された器具情報、DMXアドレス及び設置位置情報Bを表示したりする点。
2 判断
(1)相違点1について
照明機器に制御アドレスを新たに割り当てる場合に別の照明機器の制御アドレスと重複すると、照明機器の制御に支障が出ることは技術常識(例えば、引用文献等4の【0007】等(上記第4 4(1))、引用文献等5の【0004】等(上記第4 5(2))参照。)、であるところ、照明制御システムにおいて、照明機器の制御アドレスを割り当てる際、制御アドレスの重複を確認し、重複の場合は、再度割当をするようにすることは、本願出願前の周知技術(例えば、引用文献等4の【0018】、【0025】等(上記第4 4)、引用文献等5の要約、【0012】等(上記第4 5)、引用文献等6の【0012】、【0024】等(上記第4 6)参照。以下、「周知技術1」という。)であるから、上記技術常識を勘案して、制御アドレスの重複を防ぐために引用発明に周知技術1を適用して、相違点1に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(2)相違点2について
照明制御システムにおいて、表示部に、実際の配置に対応して照明機器のアイコンを表示するとともに、照明機器のアイコンのそばに当該照明機器の制御アドレスを表示することは、本願出願前の周知技術(例えば、引用文献等2の【0058】、図4等(上記第4 2)、引用文献等3の【0025】、図4等(上記第4 3)参照。以下、「周知技術2」という。)である。
引用発明は、照明器具配置を示す画面41と照明器具テーブルTBLを同時に表示するのか、切り替えて表示するのか不明であるが、2つを同時に表示する方がDMXアドレス(制御アドレス)の変更(割当)がしやすいのは明らかである。そうすると、引用発明において、実際の配置に対応する照明機器のアイコンと、当該照明機器の制御アドレスを同時に表示する周知技術2を適用する動機付けは十分にある。
したがって、引用文献1に接した当業者であれば、DMXアドレス(制御アドレス)を変更(割当)しやすくするために、引用発明に周知技術2を適用し、照明器具配置を示す画面41と照明器具テーブルTBLの2つを同時に表示する、すなわち、照明機器のアイコンのそばに当該照明機器の制御アドレスを表示することの一形態として、配置情報に基づいて配置した照明機器のアイコンに対応付けるとともに、前記照明機器のアイコンに隣接して当該照明機器の制御アドレスを表示することを選択して、相違点2に係る本願発明1の構成とすることは、容易に想到し得たことである。
(3)小括
したがって、本願発明1は、引用発明1及び周知技術1,2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上によれば、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願のその他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-014350