審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標拒絶査定不服審判

2020-012664

サイワイチョーシカコークーゲカイイン、サイワイチョーシカコークーゲカ

審判番号
2020-012664
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2018-158407外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年08月19日
審決日
2022年02月03日
公報発行日
2022年04月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
T18 .13 -Z (W44)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
識別力なし文字(標準文字の明示なし)
論点(本文から自動抽出・参考)
識別力品質表示役務の質産地・販売地提供の場所公序良俗濃い色は判断部分で検討された論点、薄い色は本文中で触れているもの
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2018-158407拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 10項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成30年12月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和元年11月5日付け:拒絶理由通知書
令和元年12月13日付け:意見書
令和2年3月4日付け:拒絶査定
令和2年8月19日付け:審判請求書
令和3年7月21日付け:証拠調べ通知書
令和3年10月15日付け:意見書

第2 本願商標

本願商標は、「幸町歯科口腔外科医院」の文字を横書きしてなり、第44類「一般歯科医業,口腔外科医業,小児歯科医業,予防歯科医業,審美・美容歯科医業,歯のホワイトニング,マタニティ歯科医業,矯正歯科医業,インプラント治療,その他歯科医業,歯科健康診断,美容,理容,医療情報の提供,医療用機械器具の貸与,調剤,栄養の指導」を指定役務として登録出願されたものである。

第3 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『幸町歯科口腔外科医院』の文字を普通に用いられる書体で横書きしてなるところ、『幸町』は全国各地に多数存在する地名であり、『歯科口腔外科医院』は歯科口腔外科の治療を行う医院の名称として普通に採択されている。そして、幸町に所在する歯科の治療を行う診療所等の名称中に『幸町』の文字が普通に使用され、全国各地の幸町に、歯科口腔外科の治療を行う診療所等が存在することが認められる。そうすると、本願商標は、全体として『幸町に所在する歯科口腔外科医院』の意味合いを容易に理解させるものというのが相当であって、指定役務の提供の場所及び質を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第4 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果を、別掲に示すとおり、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、上記第1の証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。

第5 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点

本願の指定役務の医療分野において、医院名称の選択肢の制約、需要者の慎重さ、3単語以上の組み合わせからなる医院名称がその全体を一体として識別されていること等の特殊な実情等がある。それらを踏まえると、本願商標は、識別力を十分に発揮しているものであり、また、独占適応性もあるため、商標法第3条第1項第3号には該当しない。

第6 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号の該当性について

本願商標は、上記第2のとおり、「幸町歯科口腔外科医院」の文字を横書きしてなり、その指定役務は、歯科医業等の役務である。

そして、別掲の1によれば、「幸町」という地名が多数存在することが認められ、また、別掲の2によれば、歯科口腔外科の診察・治療を行う医院の名称中に「歯科口腔外科医院」、「歯科口腔外科」、「歯科・口腔外科」又は「歯科・口腔外科医院」の文字が多数使用されていることが認められる。

加えて、別掲の3のとおり、幸町に所在する医院(クリニック)の名称中に、「幸町」の文字が使用されている実情が認められることからすれば、本願商標は、「幸町」及び「歯科口腔外科医院」の各文字を組み合わせた構成からなるものと容易に把握され、これらを一連に表した「幸町歯科口腔外科医院」の文字からは、「幸町に所在する歯科口腔外科の診察・治療を行う医院」といった意味を表したものと理解されるとみるのが相当である。

そうすると、「幸町歯科口腔外科医院」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務に使用しても、取引者又は需要者は、該文字を「幸町に所在する歯科口腔外科の診察・治療を行う医院」であることを表したものと理解し、当該役務が「幸町」において提供されること、及び「歯科口腔外科の診察・治療を行う医院」において提供されることを表したものと理解するとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者又は需要者は、幸町において提供される役務であること及び歯科口腔外科の診察・治療を行う医院において提供される役務であること、すなわち、役務の提供の場所及び質を表示したものとして認識するにとどまり、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たしている商標とは認識されないというべきである。

したがって、本願商標は、役務の提供の場所及び質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 請求人の主張について

(1)請求人は、請求人以外の者が「幸町歯科口腔外科医院」の名称を使用している事実がないこと、医業・歯科医業の分野の取引者又は需要者は、極めて慎重に医療機関を選択しているものであり、全国に多数存在する「地名」、「診療科」及び「診療所の通称(医院/クリニック)」を組み合わせた名称の医療機関が、実際に、取引者又は需要者によって十分に識別されている実情があることから、本願商標は、識別標識として認識され得るものであって、商標法第3条第1項第3号に該当しない旨を主張する。

ところで、商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、(ア)商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、(イ)一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(昭和53年(行ツ)第129号判決)。

また、上記第3号の趣旨からすれば、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号にいう「役務の提供場所及び質を普通に用いられる方法で表示する商標」に該当するというためには、必ずしも当該指定役務が当該商標の表示する地名及び特性を現実に提供場所及び質としていることを要せず、需要者又は取引者によって、当該指定役務が当該商標の表示する地名及び特性を提供場所及び質としているであろうと一般に認識され得ることをもって足りるというべきである(同第3号にいう「商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する商標」につき同旨、昭和60年(行ツ)第68号判決)。

そして、上記1のとおり、「幸町歯科口腔外科医院」の文字からは、「幸町に所在する歯科口腔外科の診察・治療を行う医院」といった意味を表したものと理解されるとみるのが相当であるから、たとえ、請求人以外の者が「幸町歯科口腔外科医院」の名称を使用している事実がないとしても、本願商標は、取引者又は需要者によって、幸町において提供される役務であること及び歯科口腔外科の診察・治療を行う医院において提供される役務であること、すなわち、役務の提供の場所及び質を表示したものとして一般に認識され得るというべきである。

請求人の主張は、結局のところ、「幸町」という役務の提供場所及び「歯科口腔外科の診察・治療を行う医院において提供される」という役務の質を、他の提供場所(幸町以外の提供場所)及び他の質(歯科口腔外科以外の診療科による提供)と識別できるにとどまるものというべきであり、自他役務の識別標識として認識されることの根拠とは到底いえないものである。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

(2)請求人は、医療法における病院等の広告規制があり、それに関連して医院名称として認められる範囲が狭く、選択の余地がほとんどないこと、また、各地域の保健所の管轄外であれば、同一の医院名称が複数の者によって使用される可能性があり、商標法によって、医院名称が、保護されない場合に、自己の医院名称のブランド棄損や消費者が混同を生じることを防ぐことができないこと、などの特殊な事情を踏まえると、医院名称は、例えば、その所在地又は医師の氏名、診療科、医院等の3単語以上の組み合わせを選択することで、識別し得るに足るものであって、本願商標は識別力を十分に発揮しているものであるから、本願商標は商標法第3条第1項第3号には該当しない旨を主張するとともに、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」(以下、単に「ガイドライン」という。)の写しを提出している。

ガイドラインによれば、医療に関する広告には規制があることが認められる。

そして、ガイドラインの「第3 禁止される広告について」の項では、「内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)」、「他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)」、「誇大な広告(誇大広告)」、「公序良俗に反する内容の広告」、「広告可能事項以外の広告」、「患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談」及び「治療等の内容及び効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等」等について、広告が禁じられている旨規定されていることが認められる。

しかしながら、これらが禁止されているからといって、医院名称として認められる範囲が狭いとはいえず、選択の余地がほとんどないとは到底いえない。

また、たとえ、保健所の管轄外であれば、同一の医院名称が複数の者によって使用される可能性があるとしても、このことによって本願商標が自他役務の識別標識として機能し得るということはできない。

むしろ、上記1のとおり、「幸町」という地名が多数存在すること及び歯科口腔外科の診察・治療を行う医院の名称中に「歯科口腔外科医院」等の文字が多数使用されていることからすると、本願商標を構成する「幸町歯科口腔外科医院」の文字は、多数存在する「幸町」という地域において、歯科口腔外科の診察・治療に携わる多くの者にとってみれば、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するというべきであり、そのため、一般的に使用されるものであって自他役務の識別力を欠くというべきである。

そうすると、3単語以上の組み合わせを選択することで、本願商標は識別力を十分に発揮するとの請求人の主張は、その前提において採用することはできない。

(3)請求人は、過去の審決例、登録例を挙げて、本願商標もそれらと同様に判断されるべきである旨を主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるものであるから、過去に登録された事例の判断に拘束されることはないし、他に上記判断を覆すべき事情は見いだせない。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

(4)請求人は、本願の指定役務中、一部の指定役務との関係において、本願商標が、その特徴を直接的、かつ、具体的に表示したものとはいえず、商標法第3条第1項第3号に該当しないと判断される場合に、本願の指定役務を、それらの一部の指定役務のみへと減縮する補正を行う準備がある旨述べている。

しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、その全ての指定役務との関係において、幸町において提供される役務であること及び歯科口腔外科の診察・治療を行う医院において提供される役務であること、すなわち、役務の提供の場所及び質を表示したものとして認識させるにとどまり、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たしている商標とは認識されないというべきであるから、仮に、本願の指定役務を、一部の指定役務のみへと減縮する補正がなされたとしても、上記判断が左右されるものではない。

したがって、指定役務の補正を待つことなく、本件審判の審理を終結することとした。

(5)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。

3 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲(理由中で参照)

別掲 証拠調べ通知において開示した結果
内容を表示(35行)

1 「幸町」の文字が地名であること

(1)「Weblio辞書」の「住所・郵便番号検索」(出典:日本郵政株式会社)の「幸町」の項に、「北海道室蘭市」を始めとする41の都道府県の市区町に所在する158の「幸町」の記載がある。

(https://www.weblio.jp/content/%E5%B9%B8%E7%94%BA)

(2)「Weblio辞書」の「地名辞典」(出典:日外アソシエーツ)の「幸町」の項に、「北海道室蘭市」を始めとする41の都道府県の市区町に所在する156の「幸町」の記載がある。

(https://www.weblio.jp/content/%E5%B9%B8%E7%94%BA)

2 「○○歯科口腔外科医院」、「○○歯科口腔外科」、「○○歯科・口腔外科」又は「○○歯科・口腔外科医院」という名称の医院

(1)「日本橋小伝馬町駅前歯科・口腔外科」

(https://www.kodenmashika.com/)

(2)「松ヶ丘歯科口腔外科医院」

(https://www.matsugaoka-clinic.com/)

(3)「田畑歯科口腔外科医院」

(http://www.tabata-dent.com/)

(4)「かわさき歯科口腔外科医院」

(https://itp.ne.jp/info/457221832500000899/)

(5)「新名主歯科・口腔外科医院」

(https://shinmyouzu-dental.com/)

(6)「浅香歯科口腔外科医院」

(https://www.asaka-dental.net/)

(7)「長谷川歯科・口腔外科医院」

(https://dental.c-concierge.jp/0000009524/)

(8)「大畑歯科口腔外科」

(http://www.ohata-dental.jp/)

(9)「とうごう歯科・口腔外科医院」

(https://togo-shika-skt.com/)

(10)「羽地歯科口腔外科医院」

(http://haneji.net/index.html)

3 「幸町○○」という名称の医院(クリニック)

(1)「幸町団地歯科クリニック」(千葉県千葉市)

(https://www.489map.com/helios/A3320388/reserve/saishin)

(2)「幸町デンタルクリニック」(東京都板橋区)

(https://doctorsfile.jp/h/31967/)

(3)「幸町デンタルクリニック」(長崎県諫早市)

(http://saiwai-dc.com/)

(4)「幸町デンタルクリニック」(北海道北見市)

(https://doctorsfile.jp/h/194153/)

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2020-012664

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ根拠条文の審決2,703件(3条1項3号)
  • 2025-014104拒絶査定不服審判 / 2026-07-06 / 請求不成立ネープケア
    共通の条文: 3条1項3号
  • 2025-008022拒絶査定不服審判 / 2026-06-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)シイケイエム
    共通の条文: 3条1項3号
  • 2024-012556拒絶査定不服審判 / 2026-03-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)カガクダイ
    共通の条文: 3条1項3号
  • 2025-008556拒絶査定不服審判 / 2026-03-02 / 請求不成立チョコレートイロノオンセン
    共通の条文: 3条1項3号
  • 2025-000890拒絶査定不服審判 / 2026-02-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)ゴーカーティングツアー、ゴーカーティング、カーティングツアー、カーティング、ツア…
    共通の条文: 3条1項3号
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)172件(13・W44)
  • 2025-014104拒絶査定不服審判 / 2026-07-06 / 請求不成立ネープケア
    共通の審決分類: 13・W44
  • 2025-008022拒絶査定不服審判 / 2026-06-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)シイケイエム
    共通の審決分類: 13・W44
  • 2024-012556拒絶査定不服審判 / 2026-03-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)カガクダイ
    共通の審決分類: 13・W44
  • 2025-008556拒絶査定不服審判 / 2026-03-02 / 請求不成立チョコレートイロノオンセン
    共通の審決分類: 13・W44
  • 2025-000890拒絶査定不服審判 / 2026-02-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)ゴーカーティングツアー、ゴーカーティング、カーティングツアー、カーティング、ツア…
    共通の審決分類: 13・W44

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存