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特許拒絶査定不服審判

2020-011955

ユーザ装置及び基地局

審判番号
2020-011955
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-515464外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年08月26日
審決日
2021年02月09日
公報発行日
2021年04月30日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04W)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-515464「ユーザ装置及び基地局」拒絶査定不服審判事件〔平成28年11月 3日国際公開、WO2016/175015、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2016年(平成28年)4月8日(優先権主張 平成27年4月28日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 1年 9月19日  :手続補正書の提出 令和 2年 1月27日付け:拒絶理由通知書 令和 2年 3月31日  :意見書、手続補正書の提出 令和 2年 5月29日付け:拒絶査定 令和 2年 8月26日  :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出 令和 2年12月 7日  :上申書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和2年5月29日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 理由1(進歩性):下記の請求項に係る発明は、下記の引用文献に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 理由1: ・請求項1、3-8、10、11に対して、引用文献1、2 ・請求項9に対して、引用文献1-3 引用文献等一覧 1.特開2015-73312号公報(以下、「引用文献1」という。) 2.国際公開第2014/182503号(以下、「引用文献2」という。) 3.特開2008-53864号公報(以下、「引用文献3」という。) 第3 本願発明 本願請求項1ないし8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明8」という。)は、令和2年8月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルと、上りリンクの信号又は下りリンクの信号がマッピングされる多用途領域を構成するシンボルとを用いて、前記下りリンクの信号を受信する受信手段と、 前記多用途領域は上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報が基地局から通知された場合、前記多用途領域に上りリンクの信号をマッピングして前記基地局に送信する送信手段と、 を有し、 当該情報は、前記上りリンクの信号又は前記下りリンクの信号のスケジューリングのための下り制御信号に含まれ、 前記下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボル、及び、前記多用途領域を構成するシンボルは、前記下り制御信号に対応する1つの時間単位内に時間軸方向において配置される、 端末。 【請求項2】 前記領域と前記多用途領域は1つのTTIに含まれる、請求項1に記載の端末。 【請求項3】 前記受信手段は、前記多用途領域は下りリンクの追加信号がマッピングされる領域であることを示す情報が前記基地局から通知された場合、前記多用途領域にマッピングされている下りリンクの追加信号を受信し、 前記送信手段は、前記多用途領域には信号がマッピングされないことを示す情報が前記基地局から通知された場合、前記多用途領域で上りリンクの信号を前記基地局に送信しないようにする、請求項1又は2に記載の端末。 【請求項4】 前記送信手段は、前記多用途領域に上りリンクの信号がマッピングされる場合に、前記上りリンクの信号にHARQ制御における応答信号を含めて前記基地局に送信する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の端末。 【請求項5】 前記下りリンクの信号は、前記HARQ制御における応答信号の送信タイミング又は送信するサブキャリアの位置を指示する情報を含み、 前記送信手段は、指示された送信タイミング又は送信するサブキャリアの位置で、前記上りリンクの信号に、前記HARQ制御における応答信号を含めて前記基地局に送信する、請求項4に記載の端末。 【請求項6】 前記送信手段は、前記多用途領域に上りリンクの信号がマッピングされる場合に、前記上りリンクの信号に上りリンクの参照信号を含めて前記基地局に送信する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の端末。 【請求項7】 下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルと、上りリンクの信号又は下りリンクの信号がマッピングされる多用途領域を構成するシンボルとを用いて、前記下りリンクの信号を送信する送信手段と、 前記多用途領域は上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報を端末に通知した場合、前記多用途領域に上りリンクの信号をマッピングした信号を前記端末から受信する受信手段と、 を有し、 当該情報は、前記上りリンクの信号又は前記下りリンクの信号のスケジューリングのための下り制御信号に含まれ、 前記下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボル、及び、前記多用途領域を構成するシンボルは、前記下り制御信号に対応する1つの時間単位内に時間軸方向において配置される、 基地局。 【請求項8】 前記送信手段は、前記多用途領域に下りリンクの信号がマッピングされる場合、前記多用途領域にユーザデータ又は下りリンクの参照信号をマッピングして前記端末に送信する、請求項7に記載の基地局。」 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用発明等 原査定の拒絶の理由に引用された特開2015-73312号公報(引用文献1)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) 「【0037】 これ以降参照する場合、PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)は、無線リソースのスケジューリングのためにLTEで使用される制御チャネル、例えば、WTRUがDCI(ダウンリンク制御情報)メッセージを受信する制御チャネルを指す。DCIは、主に、WTRUが動作するダウンリンク周波数の制御領域内のダウンリンクリソースおよびアップリンクをスケジュールするために使用される。これは、PDCCHが中継PDCCH(R-PDCCH)を形成するために別のダウンリンクチャネル(例えば、中継eNB構成のPDSCH)上にマッピングされる中継eNBである場合も指す。 【0038】 これ以降参照する場合、「CC(コンポーネントキャリア)」という用語は、一般性を失うことなく、WTRUが動作する周波数を含む。例えば、WTRUは、ダウンリンクCC(これ以降「DL CC」)上で送信を受け取ることができる。DL CCは、限定はしないが、PCFICH(物理制御フォーマットインジケータチャネル)、PHICH(物理ハイブリッド自動再送要求インジケータチャネル)、PDCCH、PMCH(物理マルチキャストデータチャネル)、およびPDSCH(物理ダウンリンク共有チャネル)を含む、多数のDL物理チャネルを含みうる。PCFICH上で、WTRUは、DL CCの制御領域のサイズを示す制御データを受信する。PHICH上で、WTRUは、前のアップリンク送信に対するHARQ(ハイブリッド自動再送要求)ACK/NACK(肯定応答/否定応答)フィードバックを示す制御データを受信することができる。PDCCH上で、WTRUは、ダウンリンクリソースおよびアップリンクリソースをスケジュールするために主に使用されるDCIメッセージを受信する。PDSCH上で、WTRUは、ユーザーデータおよび/または制御データを受信することができる。例えば、WTRUは、アップリンクCC(これ以降「UL CC」)上で送信することができる。UL CCは、限定はしないが、PUCCH(物理アップリンク制御チャネル)およびPUSCH(物理アップリンク共有チャネル)を含む、多数のUL物理チャネルで構成されるものとしてよい。PUSCH上で、WTRUは、ユーザーデータおよび/または制御データを送信することができる。PUCCH上で、また場合によっては、PUSCH上で、WTRUは、アップリンク制御情報(チャネル品質指標/プリコーディング行列インデックス/ランク表示(CQI/PMI/RI)またはスケジューリング要求(SR)など)、および/またはHARQ ACK/NACKフィードバックを送信することができる。UL CC上で、WTRUは、SRS(サウンディング参照信号)の送信のために個別リソースも割り当てられうる。」 上記段落【0037】には、「PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)は、無線リソースのスケジューリングのためにLTEで使用される制御チャネル、例えば、WTRUがDCI(ダウンリンク制御情報)メッセージを受信する制御チャネルを指す。DCIは、主に、WTRUが動作するダウンリンク周波数の制御領域内のダウンリンクリソースおよびアップリンクをスケジュールするために使用される。」との記載、上記段落【0038】には、「PDCCH上で、WTRUは、ダウンリンクリソースおよびアップリンクリソースをスケジュールするために主に使用されるDCIメッセージを受信する。」との記載がある。 そうすると、引用文献1には、「WTRUはPDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)上で、ダウンリンクリソースおよびアップリンクリソースをスケジュールするためのDCI(ダウンリンク制御情報)メッセージを受信する」ことが記載されているといえる。 以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「WTRUはPDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)上で、ダウンリンクリソースおよびアップリンクリソースをスケジュールするためのDCI(ダウンリンク制御情報)メッセージを受信する、WTRU。」 2 引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された、国際公開第2014/182503号(引用文献2)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) 「1. A method for wireless communications by a user equipment (UE), comprising: identifying, within a set of subframes, one or more fixed subframes whose directions may not be dynamically adapted and one or more flexible subframes whose directions may be dynamically adapted; determining that a structure for at least one subframe in the one or more flexible subframes is based on a Multimedia Broadcast Single Frequency Network (MBSFN) subframe; and processing the at least one subframe in the one or more flexible subframes based on the determination. 2. The method of claim 1, wherein the dynamic adaptation of subframe directions includes changing a subframe direction chosen from one of a downlink subframe, an uplink subframe, or a special subframe, to a different subframe direction chosen from one of a downlink subframe, an uplink subframe, or a special subframe. 3. The method of claim 1, wherein the identifying of the one or more fixed subframes and the one or more flexible subframes is based at least on one of a broadcast signaling and a UE-specific signaling. 4. The method of claim 1, wherein the determination is based on a signaling specific to the UE. 5. The method of claim 1, wherein the MBSFN subframe comprises a legacy control region carrying at least a cell-specific reference signal (CRS), and a non-control region not carrying the CRS. 6. The method of claim 1, further comprising determining a downlink transmission mode which utilizes a UE-specific demodulation reference signal (DM-RS) for downlink transmissions. 7. The method of claim 1, further comprising determining a starting symbol in the at least one subframe in the one or more flexible subframes for at least one of a physical downlink shared channel (PDSCH) or an enhanced physical downlink control channel (EPDCCH).」(32ページ1行目~33ページ4行目) (当審仮訳: 請求項1. ユーザ装置(UE)によるワイヤレス通信のための方法であって、 あるサブフレームのセット内で、それらの方向が動的に適応されない可能性がある1つ以上の固定サブフレームと、それらの方向が動的に適応され得る1つ以上のフレキシブルサブフレームとを識別することと、 前記1つ以上のフレキシブルサブフレーム中の少なくとも1つのサブフレームについての構造が、マルチメディアブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)サブフレームに基づくことを決定することと、 前記決定に基づいて、前記1つ以上のフレキシブルサブフレーム中の前記少なくとも1つのサブフレームを処理すること。 請求項2. 請求項1に記載の方法であって、サブフレーム方向の前記動的な適応は、ダウンリンクサブフレーム、アップリンクサブフレーム、または特殊サブフレームのうちの1つから選ばれるあるサブフレーム方向を、ダウンリンクサブフレーム、アップリンクサブフレーム、または特殊サブフレームのうちの1つから選ばれる異なるサブフレーム方向へと変更することを含む。 請求項3. 請求項1に記載の方法であって、前記1つ以上の固定サブフレームと前記1つ以上のフレキシブルサブフレームとを前記識別することは、ブロードキャストシグナリングとUE固有のシグナリングとのうちの少なくとも1つに基づく。 請求項4. 請求項1に記載の方法であって、前記決定は、前記UEに固有のシグナリングに基づく。 請求項5. 請求項1に記載の方法であって、前記MBSFNサブフレームは、少なくとも1つのセル固有の基準信号(CRS)を搬送するレガシー制御領域、および前記CRSを搬送しない非制御領域を備える。 請求項6. 請求項1に記載の方法であって、ダウンリンク送信についてUE固有の復調基準信号(DM-RS)を利用するダウンリンク送信モードを決定することをさらに備える。 請求項7. 請求項1に記載の方法であって、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)または改良された物理ダウンリンク制御チャネル(EPDCCH)のうちの少なくとも1つに関して、前記1つ以上のフレキシブルサブフレーム中の前記少なくとも1つのサブフレーム中の開始シンボルを決定することをさらに備える。」 上記請求項1には「ユーザ装置(UE)によるワイヤレス通信のための方法であって、 あるサブフレームのセット内で、それらの方向が動的に適応されない可能性がある1つ以上の固定サブフレームと、それらの方向が動的に適応され得る1つ以上のフレキシブルサブフレームとを識別する」と、また上記請求項2には「サブフレーム方向の前記動的な適応は、ダウンリンクサブフレーム、アップリンクサブフレーム、または特殊サブフレームのうちの1つから選ばれるあるサブフレーム方向を、ダウンリンクサブフレーム、アップリンクサブフレーム、または特殊サブフレームのうちの1つから選ばれる異なるサブフレーム方向へと変更することを含む」と記載されている。 そうすると、引用文献2には、「ユーザ装置は、あるサブフレームのセット内で、方向が動的に適応されない1つ以上の固定サブフレームと、方向が動的に適用され得る1つ以上のフレキシブルサブフレームを識別し、サブフレーム方向の動的な適応は、ダウンリンクサブフレーム、アップリンクサブフレーム、または特殊サブフレームのうちの1つから選ばれるあるサブフレーム方向を、ダウンリンクサブフレーム、アップリンクサブフレーム、または特殊サブフレームのうちの1つから選ばれる異なるサブフレーム方向へと変更することを含む、ユーザ装置。」という技術事項が記載されている。 3 引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された、特開2008-53864号公報(引用文献3)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) 「【0002】 この種の技術分野では次世代の移動通信システムに関する研究開発が急ピッチで進められている。この移動通信システムでは信号は送信時間間隔(TTI: Transmission Time Interval)と呼ばれる単位伝送期間毎にパケット形式で伝送される。送信時間間隔TTIは、持続時間、サブフレーム等と言及されてもよい。従ってTTIは無線リソースの割当単位、チャネル符号化の単位、再送単位等の様々な信号処理の基礎になる。 (中略) 【0005】 図1は長短2種類のTTIで規定されるパケットを示す。短いTTIのパケット(左側)も長いTTIのパケット(右側)も「制御」として示される制御チャネルを有し、短いTTIのパケットは「データ」で示されるデータチャネルを有し、長いTTIのパケットは「データ1」及び「データ2」で示されるデータチャネルを有する。長いTTIのパケット中の2つの「制御」で示される部分には同じ制御チャネルが含まれている。従って制御チャネルに関し、長いTTIのパケットは、短いTTIのパケットよりも多くの電力を確保できる。このため、セルを広くする観点からは、TTIを長く設定し、上りリンクの信号(特に制御チャネル)の所要品質を確保することが好ましい。なお、データ1とデータ2は同一内容ではないが、それらは同じTTIに属するので同じ符号化の処理が施されている。制御チャネルは、データチャネルのように再送制御や適応変調符号化(AMC)等の様々な手法で品質を維持することが困難なので、制御チャネルの送信電力や伝送期間は特に重要なパラメータになる。」 上記段落【0002】には「この移動通信システムでは、異なる送信時間間隔(TTI: Transmission Time Interval)を用いて通信と呼ばれる単位伝送期間毎にパケット形式で伝送される。」と、また上記段落【0005】には「図1は長短2種類のTTIで規定されるパケットを示す。短いTTIのパケット(左側)も長いTTIのパケット(右側)も「制御」として示される制御チャネルを有し、短いTTIのパケットは「データ」で示されるデータチャネルを有し、長いTTIのパケットは「データ1」及び「データ2」で示されるデータチャネルを有する。」と記載されている。 そうすると、引用文献3には「移動通信システムでは、異なる長さのTTIを用いて通信を行う」という技術事項が記載されている。 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。 引用発明の「WTRU」は、本願発明1の「端末」に含まれる。そして、引用発明の「WTRU」は、「PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)上で、ダウンリンクリソースおよびアップリンクリソースをスケジュールするためのDCI(ダウンリンク制御情報)メッセージを受信する」ものである。ここで、PDCCHは無線リソースの最小単位であるリソースブロック単位でスケジューリングされ、1リソースブロックは周波数方向に12本のサブキャリア、時間方向に7シンボルで構成され、1リソースブロックにマッピングされること、及びPDCCHが下りリンクの信号であることは技術常識であるから、PDCCHは下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルを用いることは自明であり、また、当該シンボルを受信するために「WTRU」は下りリンクの信号を受信する受信手段を有することも自明である。 また、引用発明の「WTRU」は、PDCCH上でアップリンクリソースをスケジューリングされるものであるから、「アップリンクリソースをスケジュールするためのDCI」は、「上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報」であるといえる。そして、アップリンクリソースをスケジュールするためのDCIを用いて上りリンク信号をマッピングして基地局に送信することは、技術常識であるから、「WTRU」は送信手段を有することも自明である。 そうすると、引用発明の「WTRU」は「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルを用いて下りリンクの信号を受信する受信手段と、上りリンク信号をマッピングして基地局に送信する送信手段」を有するものといえるから、本願発明1と引用発明は「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルを用いて下りリンクの信号を受信する受信手段と、上りリンク信号をマッピングして基地局に送信する送信手段を有する端末」という点で共通する。 以上を総合すると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。 (一致点) 「 下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルを用いて下りリンクの信号を受信する受信手段と、 上りリンク信号をマッピングして基地局に送信する送信手段、 を有する端末。」 (相違点1) 受信手段について、本願発明1においては、「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルと、上りリンクの信号又は下りリンクの信号がマッピングされる多用途領域を構成するシンボルとを用いて下りリンクの信号を受信する」のに対し、引用発明においては、「マッピングされる領域を構成するシンボル」を用いるものであるものの、「上りリンクの信号又は下りリンクの信号がマッピングされる多用途領域を構成するシンボルとを用い」ることが特定されていない点。 (相違点2) 送信手段について、本願発明1においては、「多用途領域は上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報が基地局から通知された場合、前記多用途領域に上りリンクの信号をマッピングして前記基地局に送信する」のに対し、引用発明においてはその旨の特定がなされていない点。 (相違点3) 本願発明1において「多用途領域は上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報」は、「上りリンクの信号又は前記下りリンクの信号のスケジューリングのための下り制御信号に含まれ」、本願発明1において、「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボル、及び、前記多用途領域を構成するシンボルは、前記下り制御信号に対応する1つの時間単位内に時間軸方向において配置される」のに対し、引用発明においてはその旨の特定がなされていない点。 (2)進歩性(特許法第29条第2項)についての判断 事案に鑑み、まず、相違点3について検討する。 相違点3に係る本願発明1の「多用途領域は上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報」は、「上りリンクの信号又は前記下りリンクの信号のスケジューリングのための下り制御信号に含まれ」ること、及び、「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボル、及び、前記多用途領域を構成するシンボルは、前記下り制御信号に対応する1つの時間単位内に時間軸方向において配置される」ことは、引用文献2又は引用文献3には記載も示唆もされておらず、当該技術分野において周知技術であるともいえない。 したがって、上記相違点1及び相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び、引用文献2又は引用文献3に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2.本願発明2ないし6について 本願発明2ないし6は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び、引用文献2又は引用文献3に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3.本願発明7について (1)対比 本願発明7と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。 引用発明の「WTRU」は、本願発明7の「端末」に含まれる。そして、引用発明の「WTRU」は、「PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル)上で、ダウンリンクリソースおよびアップリンクリソースをスケジュールするためのDCI(ダウンリンク制御情報)メッセージを受信する」ものである。ここで、PDCCHは無線リソースの最小単位であるリソースブロック単位でスケジューリングされ、1リソースブロックは周波数方向に12本のサブキャリア、時間方向に7シンボルで構成され、1リソースブロックにマッピングされること、及びPDCCHが下りリンクの信号であることは技術常識であるから、PDCCHは下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルを用いることは自明であり、また、当該シンボルを受信するために「WTRU」は下りリンクの信号を受信する受信手段を有することも自明である。 また、引用発明の「WTRU」は、PDCCH上でアップリンクリソースをスケジューリングされるものであるから、「アップリンクリソースをスケジュールするためのDCI」は、「上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報」であるといえる。そして、アップリンクリソースをスケジュールするためのDCIを用いて上りリンク信号をマッピングして基地局に送信することは、技術常識であるから、「WTRU」は送信手段を有することも自明である。 そうすると、引用発明の「WTRU」は「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルを用いて下りリンクの信号を受信する受信手段と、上りリンク信号をマッピングして基地局に送信する送信手段」を有するものといえる。 そして、引用発明の「基地局」は、引用発明の「WTRU」と送受信を行うことは自明であるから、引用発明の「WTRU」が有する手段に対応する「受信手段」、「送信手段」を有することも自明である。 そうすると、引用発明の「基地局」は「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルを用いて下りリンクの信号を送信する送信手段と、上りリンク信号をマッピングした信号をWTRUから受信する受信手段」を有するものといえるから、本願発明1と引用発明は「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルを用いて下りリンクの信号を送信する送信手段と、上りリンク信号をマッピングした信号を端末から受信する受信手段」を有するという点で共通する。 以上を総合すると、本願発明7と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。 (一致点) 「 下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルを用いて下りリンクの信号を送信する送信手段と、 上りリンク信号をマッピングした信号を端末から受信する受信手段と、 を有する基地局。」 (相違点1) 送信手段について、本願発明7においては、「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボルと、上りリンクの信号又は下りリンクの信号がマッピングされる多用途領域を構成するシンボルとを用いて下りリンクの信号を送信する」のに対し、引用発明においては、「マッピングされる領域を構成するシンボル」を用いるものであるものの、「上りリンクの信号又は下りリンクの信号がマッピングされる多用途領域を構成するシンボルとを用い」ることが特定されていない点。 (相違点2) 受信手段について、本願発明7においては、「多用途領域は上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報を端末に通知した場合、前記多用途領域に上りリンクの信号をマッピングした信号を前記端末から受信する」のに対し、引用発明においてはその旨が特定されていない点。 (相違点3) 本願発明7において「多用途領域は上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報」は、「上りリンクの信号又は前記下りリンクの信号のスケジューリングのための下り制御信号に含まれ」るとともに、「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボル、及び、前記多用途領域を構成するシンボルは、前記下り制御信号に対応する1つの時間単位内に時間軸方向において配置される」のに対し、引用発明においてはその旨が特定されていない点。 (2)進歩性(特許法第29条第2項)についての判断 事案に鑑み、まず、相違点3について検討する。 相違点3に係る本願発明7の「多用途領域は上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報」は、「上りリンクの信号又は前記下りリンクの信号のスケジューリングのための下り制御信号に含まれ」ること、及び「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボル、及び、前記多用途領域を構成するシンボルは、前記下り制御信号に対応する1つの時間単位内に時間軸方向において配置される」という発明特定事項は、引用文献2又は引用文献3には記載も示唆もされておらず、当該技術分野において周知技術であるともいえない。 したがって、上記相違点1及び相違点2について判断するまでもなく、本願発明7は、当業者であっても、引用発明、及び、引用文献2又は引用文献3に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 4.本願発明8について 本願発明8は、本願発明7の発明特定事項を全て含むから、本願発明7と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、及び、引用文献2又は引用文献3に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第6 原査定について 1 審判請求時の補正により、本願発明1ないし6の「端末」が受信する「多用途領域は上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報」は「上りリンクの信号又は前記下りリンクの信号のスケジューリングのための下り制御信号に含まれ」ること、及び、「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボル、及び、前記多用途領域を構成するシンボルは、前記下り制御信号に対応する1つの時間単位内に時間軸方向において配置される」という発明特定事項を有するものとなっており、当該発明特定事項は、上記第5の「1.」ないし「2.」で説示したとおり、原査定において引用された引用文献2には記載も示唆もされておらず、当該技術分野における周知技術であるともいえない。 したがって、本願の請求項1ないし6に係る発明は、当業者であっても、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。 2 審判請求時の補正により、本願発明7ないし8の「基地局」が通知する「多用途領域は上りリンクの信号がマッピングされる領域であることを示す情報」が「上りリンクの信号又は前記下りリンクの信号のスケジューリングのための下り制御信号に含まれ」ること、及び、「下りリンクの信号がマッピングされる領域を構成するシンボル、及び、前記多用途領域を構成するシンボルは、前記下り制御信号に対応する1つの時間単位内に時間軸方向において配置される」という発明特定事項を有するものとなっており、当該発明特定事項は、上記第5の「3.」ないし「4.」で説示したとおり、原査定において引用された引用文献2には記載も示唆もされておらず、当該技術分野における周知技術であるともいえない。 したがって、本願の請求項7ないし8に係る発明は、当業者であっても、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。 よって、原査定を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-011955

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