特許拒絶査定不服審判
2020-002137
プローバ
- 審判番号
- 2020-002137
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-154213外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年02月17日
- 審決日
- 2020年11月30日
- 公報発行日
- 2021年03月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (H01L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-154213「プローバ」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月 8日出願公開,特開2018- 22813〕について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成28年8月5日の特許出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 元年 5月14日 :手続補正書
令和 元年 9月 6日付け:拒絶理由通知書
令和 元年11月 7日 :意見書,手続補正書
令和 元年11月15日付け:拒絶査定
令和 2年 2月17日 :審判請求書
第2 本願発明
本願の請求項1,2に係る発明(以下「本願発明1」,「本願発明2」という。)は,次のとおりのものである。
「【請求項1】
搬送エリアとメンテナンスエリアとの間に配置された複数の測定部であって,ウエハ上に形成された半導体素子の検査の際に用いられる被メンテナンス装置と,前記被メンテナンス装置を前記メンテナンスエリア側に引き出す引出機構と,を備えた複数の測定部と,
前記測定部と一定距離隔てて設けられ,搬送物を収納する搬送物収納部と,
前記搬送物を前記搬送物収納部から取り出して,前記搬送物を搬送先の前記測定部内に搬送する搬送ユニットと,を備え,
前記被メンテナンス装置の引出方向と前記搬送物の搬送方向とが同じ方向であり,
前記被メンテナンス装置は,テストヘッドであるプローバ。
【請求項2】
前記搬送物はウエハないしはプローブカードである請求項1に記載のプローバ。」
第3 原査定の拒絶の理由
拒絶査定の理由である,令和元年9月6日付け拒絶理由通知の理由は,概略,次のとおりのものである。
理由3(進歩性)この出願の請求項1,2に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物1,2に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2015-88555号公報
2.特開2015-130422号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1の記載
引用文献1には,以下の事項が記載されている。
「【請求項6】
車輪を有して移動自在な台車基部と,ウエハ検査装置に多段積みで配置されるテストヘッドを収容するケースと,前記台車基部から立設されて前記ケースを昇降させるリフト機構と,該リフト機構及び前記ケースの間に介在し,前記ケースを前記リフト機構に対して水平に移動させる水平位置調整機構とを備える整備用台車を用いるウエハ検査装置の整備方法であって,
前記整備用台車全体を移動させ,
前記台車基部の位置を固定した後,整備を行う前記テストヘッドが存在する位置まで前記ケースを昇降させ,
前記ケースの位置を固定した後,前記水平位置調整機構を用いて前記ケースを,前記整備を行うテストヘッドに正対させることを特徴とするウエハ検査装置の整備方法。」
「【技術分野】
【0001】
本発明は,複数のテストヘッドを有するウエハ検査装置の整備用台車及びウエハ検査装置の整備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の半導体デバイスが形成された半導体ウエハ(以下,単に「ウエハ」という。)において各半導体デバイスの電気的特性検査を行うために,ウエハ検査装置としてのプローバが用いられている。プローバはウエハと対向するプローブカードを備え,プローブカードは複数の柱状接触端子であるコンタクトプローブを有する(例えば,特許文献1参照。)。このプローバでは,プローブカードの各コンタクトプローブが半導体デバイスにおける電極パッドや半田バンプに接続された半導体デバイスへ検査信号を流すことによって半導体デバイスの電気回路の導通状態等を検査する。
【0003】
プローブカードの各コンタクトプローブへは検査回路であるメインボードを搭載したテストヘッドから検査信号が流されるが,近年,ウエハの検査効率を向上するために,それぞれにプローブカードが装着された複数のテストヘッドを備え,搬送ステージによって一のテストヘッドへウエハを搬送中に他のテストヘッドでウエハの半導体デバイスを検査可能なウエハ検査装置が開発されている。このウエハ検査装置では,フットプリント削減の観点から複数のテストヘッドを収容するセルが多段積みで配置される。
【0004】
各テストヘッドのメインボードは一種の消耗品であるために定期的に交換する必要があるが,メインボードを交換するためにはテストヘッドをウエハ検査装置から整備用台車の上に引き出す必要がある。」
「【0018】
図1は,本実施の形態に係る整備用台車が適用されるウエハ検査装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【0019】
図1において,ウエハ検査装置10は,複数の検査室(セル)11が多段,例えば,4段に配置されたセルタワー12と,該セルタワー12に隣接して配置され,搬送機構(図示しない)を内蔵してウエハの各セル11への搬出入を行うローダ13とを備える。セルタワー12及びローダ13はそれぞれ直方体状を呈し,高さは,例えば,2.4mである。
【0020】
ウエハ検査装置10では,セルタワー12におけるローダ13との隣接面の反対側(以下,「外側」という。)には作業者が各セル11の整備作業を行うことが可能な空間が確保され,後述する整備用台車27が配置される。」
「【0026】
ところで,テストヘッド15の重量は約70kgfであり,作業者の力だけでは取り扱いが困難であるため,テストヘッド15は,セル11内において当該テストヘッド15の長手方向(以下,単に「長手方向」という。)に沿って配置されるスライドレール(図示しない)によってフランジ17を介して支持され,スライドレールの上面に設けられた複数のボール台座によって長手方向に引きだし可能に構成される。」
「
」
「
」
上記摘記に照らして,図1から,引用文献1には以下の技術的事項を見て取ることができる。
・ウエハ検査装置10は,
検査室(セル)11が,「上下方向」に4段,前記上下方向及びテストヘッド15が引きだされる方向である「長手方向」のそれぞれに直交する「幅方向」に6列の多段多列に配置された,直方体状を呈するセルタワー12と,
前記セルタワー12の,前記長手方向であって,作業者が各セル11の整備作業を行うことが可能な整備用台車27が配置される空間に面する外側とは反対側の面に隣接して配置される,搬送機構を内蔵してウエハの各セル11への搬出入を行う,直方体状を呈するローダ13と,
を備えること。
2 引用発明
したがって,引用文献1には,以下の発明が記載されている。(以下「引用発明」という。)
「検査室(セル)11を,「上下方向」(以下,単に「上下方向」という。)に4段,前記上下方向及びテストヘッド15が引きだされる方向である「長手方向」(以下,単に「長手方向」という。)のそれぞれに直交する「幅方向」(以下,単に「幅方向」という。)に6列の多段多列に配置した,直方体状を呈するセルタワー12と,
前記セルタワー12の,前記長手方向であって,作業者が各セル11の整備作業を行うことが可能な整備用台車27が配置される空間に面する外側とは反対側の面に隣接して配置される,搬送機構を内蔵してウエハの各セル11への搬出入を行う,直方体状を呈するローダ13と,
を備える,多数の半導体デバイスが形成された半導体ウエハにおいて各半導体デバイスの電気的特性検査を行うための,ウエハ検査装置10としてのプローバであって,
前記テストヘッドには,プローブカードのコンタクトプローブへ検査信号を流してウエハの半導体デバイスを検査するメインボードが搭載されており,
前記メインボードは一種の消耗品であるために定期的に交換する必要があるため,メインボードを交換するためにテストヘッドをウエハ検査装置から整備用台車の上に引き出す必要があり,
前記テストヘッド15は,セル11内において当該テストヘッド15の長手方向に沿って配置されるスライドレールによってフランジ17を介して支持され,スライドレールの上面に設けられた複数のボール台座によって長手方向に引きだし可能に構成される,
ウエハ検査装置10としてのプローバ。」
3 引用文献2の記載
引用文献2には,以下の事項が記載されている。
「【0024】
図1及び図2において,ウエハ検査装置10は検査室11を備え,該検査室11は,ウエハの半導体デバイスの電気的特性の検査を行う検査領域12と,検査室11に対するウエハや後述するプローブカード18の搬出入を行う搬出入領域13と,検査領域12及び搬出入領域13の間に設けられた搬送領域14とを有する。
【0025】
検査領域12には複数のウエハ検査用インターフェースとしてのテスタ15が配置され,各テスタ15は水平に配列された複数のテスタからなるテスタ列を構成し,各テスタ15の下部にはプローブカード18が装着される。
【0026】
搬出入領域13は複数の収容空間16に区画され,各収容空間16には複数のウエハを収容する容器,例えば,FOUPを受け入れるポート16a,プローブカード18が搬入され且つ搬出されるローダ16cやウエハ検査装置10の各構成要素の動作を制御するコントローラ16dが配置される。
【0027】
搬送領域14には移動自在な搬送ロボット17(搬送装置)が配置される。搬送ロボット17は,搬出入領域13のポート16aからウエハを受け取って各テスタ15へ搬送し,また,半導体デバイスの電気的特性の検査が終了したウエハを各テスタ15からポート16aへ搬送する。さらには,搬送ロボット17は各テスタ15から品種の交換やメンテナンスを必要とするプローブカード18を搬出入領域13のローダ16cへ搬送し,また,新規やメンテナンス済みのプローブカード18をローダ16cから各テスタ15へ搬送する。
【0028】
このウエハ検査装置10では,各テスタ15が搬送されたウエハの半導体デバイスの電気的特性の検査を行うが,搬送ロボット17が一のテスタ15へ向けてウエハを搬送している間に,他のテスタ15は他のウエハの半導体デバイスの電気的特性の検査を行うことができるので,ウエハの検査効率を向上することができる。」
「
」
「
」
「
」
上記摘記に照らして,上記図面から,引用文献2には以下の技術的事項を見て取ることができる。
・ウエハの半導体デバイスの電気的特性の検査を行う検査領域12と,
検査室11に対するウエハや後述するプローブカード18の搬出入を行う搬出入領域13と,
検査領域12及び搬出入領域13の間に設けられた搬送領域14と,
を有するウエハ検査装置10の検査室11の構造であって,
前記検査領域12には,ウエハ検査用インターフェースとしてのテスタ15が,上下方向に3段,前記上下方向と直交する幅方向に6列の多段多列に配置されており,
前記検査領域12の前記上下方向及び前記幅方向のそれぞれに直交する方向(以下「長手方向」という。)に隣接して,前記搬送領域14が配置され,
前記搬出入領域13には,ウエハを収容する容器,例えば,FOUPを受け入れるポート16aが配置され,
前記搬送領域14には移動自在な搬送ロボット17(搬送装置)が配置され,搬送ロボット17は,搬出入領域13のポート16aからウエハを受け取って各テスタ15へ搬送する,
ウエハ検査装置10の検査室11の構造。
第5 対比
本願発明1と引用発明を対比すると,以下のとおりとなる。
引用発明のウエハ検査装置10において,「ローダ13」が位置する領域は,搬送機構を内蔵してウエハの各セル11への搬出入を行うための領域であるから,本願発明1の「搬送エリア」を含むといえる。
また,引用発明のウエハ検査装置10において,「整備用台車27が配置される空間」は,作業者が各セル11の整備作業を行うことが可能な領域であるから,本願発明1の「メンテナンスエリア」に相当する。
さらに,引用発明の「テストヘッド15」は,ウエハの半導体デバイスを検査するものであって,ウエハ検査装置から整備用台車の上に引き出し,消耗品であるメインボードを定期的に交換,すなわちメンテナンスをする必要があるものであるから,本願発明1の「ウエハ上に形成された半導体素子の検査の際に用いられる被メンテナンス装置」に相当する。
そして,引用発明のテストヘッド15が備える,各検査室(セル)11内において当該テストヘッド15の長手方向に沿って配置されるスライドレールによってフランジ17を介して支持し,スライドレールの上面に設けられた複数のボール台座によって長手方向に引きだし可能とする機構は,本願発明1の「複数の測定部」が備える「前記被メンテナンス装置を前記メンテナンスエリア側に引き出す引出機構」に相当する。
してみれば,引用発明の,前記ローダ13と整備用台車27が配置される前記空間との間に,多段多列に配置された検査室(セル)11は,本願発明1の「搬送エリアとメンテナンスエリアとの間に配置された複数の測定部」に相当する。
したがって,引用発明の「ウエハ検査装置10としてのプローバ」は,以下の相違点を除いて,本願発明1の「プローバ」に対応するものである。
本願発明1と引用発明は,以下の構成において一致する。
「搬送エリアとメンテナンスエリアとの間に配置された複数の測定部であって,ウエハ上に形成された半導体素子の検査の際に用いられる被メンテナンス装置と,前記被メンテナンス装置を前記メンテナンスエリア側に引き出す引出機構と,を備えた複数の測定部と,
を備え,
前記被メンテナンス装置は,テストヘッドであるプローバ。」
本願発明1と引用発明は,以下の点で相違する。
相違点
本願発明1は,「前記測定部と一定距離隔てて設けられ,搬送物を収納する搬送物収納部と,前記搬送物を前記搬送物収納部から取り出して,前記搬送物を搬送先の前記測定部内に搬送する搬送ユニットと,を備え,前記被メンテナンス装置の引出方向と前記搬送物の搬送方向とが同じ方向であ」るという構成を備えるのに対して,引用発明は,「前記セルタワー12の,前記長手方向であって,作業者が各セル11の整備作業を行うことが可能な整備用台車27が配置される空間に面する外側とは反対側の面に隣接して配置される,搬送機構を内蔵してウエハの各セル11への搬出入を行う,直方体状を呈するローダ13」を備えるという構成が特定されているものの,「ローダ13」の具体的な構造が特定されていない点。
第6 判断
引用文献2に記載されたウエハ検査装置の「テスタ15」,「搬出入領域13のポート16a」,「『搬出入領域13のポート16aからウエハを受け取って各テスタ15へ搬送する』『搬送ロボット17(搬送装置)』」は,それぞれ,本願発明1の「測定部」,「搬送物収納部」,「前記搬送物を前記搬送物収納部から取り出して,前記搬送物を搬送先の前記測定部内に搬送する搬送ユニット」に相当する。
そして,引用文献2に記載されたウエハ検査装置の「テスタ15」と「搬出入領域13のポート16a」との間には,「搬送ロボット17(搬送装置)」が配置された搬送領域14が存在することから,前記「搬出入領域13のポート16a」が,前記「テスタ15」と一定距離隔てて設けられていることは明らかである。
してみれば,引用文献2には,測定部と一定距離隔てて設けられ,搬送物を収納する搬送物収納部と,前記搬送物を前記搬送物収納部から取り出して,前記搬送物を搬送先の前記測定部内に搬送する搬送ユニットと,を備えたウエハ検査装置の構造が開示されている。
さらに,引用文献2に記載された検査装置では,「テスタ15」が,上下方向に3段,前記上下方向と直交する幅方向に6列の多段多列に配置されていることから,前記「テスタ15」にウエハを搬送する場合に,前記上下方向,あるいは前記上下方向と直交する幅方向からウエハを搬送すると,隣接する他のテスタ15の存在が邪魔となることは明らかである。
したがって,引用文献2に記載された検査装置においては,「テスタ15」へのウエハの搬送は,前記上下方向及び前記幅方向のそれぞれに直交する「長手方向」に沿って行われているものと解することが,技術常識に照らして,自然かつ合理的と認められる。
また,仮に,引用文献2の記載からは,「テスタ15」へのウエハの搬送が,前記上下方向及び前記幅方向のそれぞれに直交する「長手方向」に沿って行われているものと,直ちに解することができないとしても,引用文献2に記載された検査装置においては,「テスタ15」が配置される「検査領域12」と,搬送ロボット17(搬送装置)が配置される「搬送領域14」とが,前記「長手方向」に沿って隣接することから,ウエハの搬送が,前記隣接する方向である「長手方向」に沿って行われるようにすることは,当業者が当然になし得たことである。
もとより,引用発明と,引用文献2に記載された検査装置とは,いずれも,ウエハの検査装置である点で技術分野を共通するものであることから,引用発明と引用文献2に接した当業者であれば,引用発明において,具体的な構造が特定されていない「ローダ13」の構造として,引用文献2の開示されるウエハ検査装置の具体的な構造を採用することには動機付けが存在するということができる。
そして,引用発明に引用文献2に記載された構造を採用した場合に,引用発明のテストヘッド15が引きだされる「長手方向」と,引用文献2に記載されたウエハ検査装置の「長手方向」とは,同じ方向といえる。
したがって,引用発明に引用文献2に記載された技術的事項を適用することで,引用発明の「ローダ13」の具体的な構造として,「前記測定部と一定距離隔てて設けられ,搬送物を収納する搬送物収納部と,前記搬送物を前記搬送物収納部から取り出して,前記搬送物を搬送先の前記測定部内に搬送する搬送ユニットと,を備え,前記被メンテナンス装置の引出方向と前記搬送物の搬送方向とが同じ方向であ」るという構造を採用すること,すなわち,上記相違点に係る本願発明1の構成を採用することは当業者が容易になし得たことである。
なお,請求人は,審判請求書において,「(ウ)そして,本願発明1は,上記相違点に係る構成として「前記被メンテナンス装置の引出方向と前記搬送物の搬送方向とが同じ方向」である構成を備えたことにより,高精度が求められる被メンテナンス装置の位置決めの際に考慮しなくてはならないアッベ誤差を抑制できるという,当業者が予測し得ない格別の効果を奏するものである。」と主張する。
しかしながら,上記のとおり,引用発明において,被メンテナンス装置の引出方向と前記搬送物の搬送方向とを同じ方向とすることは,当業者であれば当然に考えることであるところ,請求人の主張する「アッベ誤差の抑制」は,被メンテナンス装置の引出方向と前記搬送物の搬送方向とが同じ方向となることで,その位置関係から直ちに生じるものであるから,その効果を格別のものと認めることはできない。
しかも,「アッベの原理」は技術常識であり,他方,本願の発明の詳細な説明には,「被メンテナンス装置の引出方向と前記搬送物の搬送方向とが同じ方向であ」ることで,誤差が顕著に小さくなったという具体的な測定結果は示されていないから,「前記被メンテナンス装置の引出方向と前記搬送物の搬送方向とが同じ方向」である構成を備えたことにより,当業者が予測し得ない格別の効果が奏されるとする請求人の主張を採用することはできない。
第7 むすび
以上のとおり,本願発明1は,引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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