特許異議申立
2019-700449
サービス提供システムおよびプログラム
- 審判番号
- 2019-700449
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2014-172512
- 登録番号
- 特許第6432859号(P6432859)
- 請求日
- 2019年06月04日
- 審決日
- 2019年12月09日
- 公報発行日
- 2020年04月24日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社フューチャーアイ
- 【異議申立人】東 智朗
- 審判長/審判官
- 審判長 田中 秀人
- 審判官 仲間 晃
- 審判官 松平 英
- 分類
- P1652.113-XA (G06N) / P1652.121-XA (G06N) / P1652.537-XA (G06N) / P1652.851-XA (G06N) / P1652.857-XA (G06N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の2第2項、特許法第120条の8第1項、特許法第135条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6432859号発明「サービス提供システムおよびプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6432859号の明細書,特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書,特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項〔1-4〕について訂正することを認める。
本件特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
特許第6432859号の請求項1ないし3に係る特許についての出願は,平成26年8月27日に出願され,平成30年11月16日にその特許権の設定登録がされ,平成30年12月5日に特許掲載公報が発行された。その後,本件特許に対して1件の特許異議の申立てがあり,次のとおりに手続が行われた。
令和 1年 6月 4日 :特許異議申立人東智朗による請求項1,2に係る特許に対する特許異議の申立て
令和 1年 8月21日付け:取消理由通知書
令和 1年10月18日 :特許権者による意見書の提出及び訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)
令和 1年11月29日 :特許異議申立人東智朗による意見書の提出
2 訂正の適否
(1)訂正の内容
本件訂正請求は,本件特許の特許請求の範囲を,令和1年10月18日付け訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1ないし4について訂正すること(以下「本件訂正」という。)を求めるものであって,本件訂正の内容は次の訂正事項1ないし5のとおりである(なお,下線を付した箇所は訂正箇所である。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する(以下「訂正事項1」という。)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する(以下「訂正事項2」という。)。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「前記機械学習手段は、専門業者から送られてくる情報を基にした学習データも入力して機械学習によりモデル化した一般的なモデルを生成する、請求項1または請求項2に記載のサービス提供システム。」とあるうち,請求項1を引用するものについて,独立形式に改め,
「人工知能による機械学習を利用したサービスを提供するサービス提供システムであって、
ユーザから送られてくる複数ユーザ分の情報を基にした学習データを入力して機械学習によりモデル化した一般的なモデルを生成するための機械学習手段と、
ユーザから送られてくる当該ユーザ1人分の情報に基づいて前記一般的なモデルを当該ユーザに適したモデルにパーソナライズ化するためのパーソナライズ化手段と、
前記パーソナライズ化されたモデルを用いて当該ユーザにパーソナライズ化されたサービスを提供するサービス提供手段と、を備え、
前記ユーザから送られてくる情報を前記機械学習と前記パーソナライズ化との両方に利用し、
前記パーソナライズ化されたモデルは、当該パーソナライズ化に用いられた前記ユーザ1人分の情報の送信元を特定可能であり、
前記パーソナライズ化されたモデルを用いて提供される前記サービスを、当該パーソナライズ化されたモデルにより特定可能な前記送信元のユーザが享受し、
前記機械学習手段は、専門業者から送られてくる情報を基にした学習データも入力して機械学習によりモデル化した一般的なモデルを生成する、サービス提供システム。」に訂正する(以下「訂正事項3」という。)。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項3に「前記機械学習手段は、専門業者から送られてくる情報を基にした学習データも入力して機械学習によりモデル化した一般的なモデルを生成する、請求項1または請求項2に記載のサービス提供システム。」とあるうち,請求項2を引用するものについて,独立形式に改め,
「人工知能による機械学習を利用したサービスを提供するサービス提供システムであって、
ユーザから送られてくる複数ユーザ分の情報を基にした学習データを入力して機械学習によりモデル化した一般的なモデルを生成するための機械学習手段と、
ユーザから送られてくる当該ユーザ1人分の情報に基づいて前記一般的なモデルを当該ユーザに適したモデルにパーソナライズ化するためのパーソナライズ化手段と、
前記パーソナライズ化されたモデルを用いて当該ユーザにパーソナライズ化されたサービスを提供するサービス提供手段と、を備え、
前記ユーザから送られてくる情報を前記機械学習と前記パーソナライズ化との両方に利用し、
前記パーソナライズ化されたモデルは、当該パーソナライズ化に用いられた前記ユーザ1人分の情報の送信元を特定可能であり、
前記パーソナライズ化されたモデルを用いて提供される前記サービスを、当該パーソナライズ化されたモデルにより特定可能な前記送信元のユーザが享受し、
前記機械学習手段は、専門業者から送られてくる情報を基にした学習データも入力して機械学習によりモデル化した一般的なモデルを生成し、かつ、該一般的なモデルをユーザ毎に差異のある要素を定数として生成し、
前記パーソナライズ化手段は、
ユーザから送られてくる情報に基づいて、前記一般的なモデル中の定数部分に当てはまる当該ユーザの実際の値を導出するための値導出手段と、
該値導出手段により導出された実際の値を前記一般的なモデル中の定数部分に代入して当該ユーザに適したモデルにパーソナライズ化するための代入手段と、を含む、サービス提供システム。」と記載し,新たに請求項4とする(以下「訂正事項4」という。)。
(5)訂正事項5
【0105】における「一方、S187により暗記学習モデルが未だ完成されていないと判断された場合は、制御がS191に進み、」とあるのを,「一方、S187により暗記学習モデルが完成されていると判断された場合は、制御がS191に進み、」と訂正する(以下「訂正事項5」という。)。
(2)訂正の目的の適否,新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1について
(ア)訂正の目的について
訂正事項1は,特許請求の範囲の請求項1を削除するというものである。
したがって,訂正事項1は,「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
(イ)願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面(以下,「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(ア)に記載したとおり,訂正事項1は,特許請求の範囲の請求項1を削除するというものであるから,特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではないこと
上記(ア)に記載したとおり,訂正事項1は,特許請求の範囲の請求項1を削除するというものであるから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しない。
(エ)訂正事項1は,特許異議の申立てがされている訂正前の請求項1についての訂正であるから,特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
イ 訂正事項2について
(ア)訂正の目的について
訂正事項2は,特許請求の範囲の請求項2を削除するというものである。
したがって,訂正事項2は,「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
(イ)特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(ア)に記載したとおり,訂正事項2は,特許請求の範囲の請求項2を削除するというものであるから,特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではないこと
上記(ア)に記載したとおり,訂正事項2は,特許請求の範囲の請求項2を削除するというものであるから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しない。
(エ)訂正事項2は,特許異議の申立てがされている訂正前の請求項2についての訂正であるから,特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
ウ 訂正事項3について
(ア)訂正の目的について
訂正事項3は,訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項3について,訂正後の請求項4において,その内容を変更することなく訂正前の請求項1の記載を引用しない形へと書き換える記載としたものである。
したがって,訂正事項3は,「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものである。
(イ)特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(ア)に記載したとおり,訂正事項3は,訂正後の請求項4において,訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項3の内容を変更するものではないから,特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではないこと
上記(ア)に記載したとおり,訂正事項3は,訂正後の請求項4において,訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項3の内容を変更するものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しない。
エ 訂正事項4について
(ア)訂正の目的について
訂正事項4は,訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3について,訂正後の請求項4において,その内容を変更することなく訂正前の請求項2の記載を引用しない形へと書き換える記載としたものである。
したがって,訂正事項4は,「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものである。
(イ)特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(ア)に記載したとおり,訂正事項4は,訂正後の請求項4において,訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3の内容を変更するものではないから,特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではないこと
上記(ア)に記載したとおり,訂正事項4は,訂正後の請求項4において,訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3の内容を変更するものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しない。
オ 訂正事項5について
(ア)訂正の目的について
訂正事項5は,段落【0105】の記載が,【図14】及び段落【0097】の記載と整合しておらず,不明確な記載となっており,その記載を釈明するように明細書の記載を訂正するものであるから,明瞭でない記載の釈明を目的とするものに相当する。
(イ)特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(ア)に記載したとおり,訂正事項5は,【図14】及び段落【0097】の記載と整合させる訂正であり,特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるから,特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではないこと
上記(ア)に記載したとおり,訂正事項5は,【図14】及び段落【0097】の記載と整合させる訂正であり,何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しない。
(3)小括
以上のとおりであるから,本件訂正は,特許法第120条の5第2項ただし書第1号,第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって,上記結論のとおり訂正することを認める。
第3 特許異議の申立てについて
申立人は,本件特許の請求項1及び2に係る特許について特許異議の申立てをしているところ,本件訂正の訂正事項1及び2により請求項1,2は削除されたことから,申立ての対象が存在しないものとなった。また,令和1年8月21日付けの取消理由通知は,特許法第120条の2第2項の規定の範囲で適法であり,よって,当該取消理由通知書に記載した取消理由に理由はない。
したがって,本件特許異議の申立ては,不適法な特許異議の申立てであって,その補正をすることができないものであるから,特許法第120条の8第1項で準用する特許法第135条の規定によって却下すべきものである。
審決本文(J-PlatPat)
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