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商標取消審判

2019-670048

エスペレグリノ、エスペッレグリーノ、ペレグリノ、ペッレグリーノ

審判番号
2019-670048
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
—
請求日
2019年11月29日
審決日
2021年09月29日
公報発行日
2022年06月24日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】トロメイ パートネール エス. アー.
  • 【請求人代理人】特許業務法人浅村特許事務所
  • 【被請求人】SANPELLEGRINO S.P.A.
  • 【被請求人代理人】黒川 朋也
  • 【被請求人代理人】魚路 将央
  • 【被請求人代理人】水谷 綾乃
審判長/審判官
  • 審判長 中束 としえ
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 黒磯 裕子
分類
T132 .1 -Z (W18)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第2号、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の国際商標登録第1132554号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

国際商標登録第1132554号商標の指定商品中、第18類「Leather and imitations of leather, and goods made of these materials and not included in other classes; trunks and travelling bags.」についての登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

第1 本件商標 本件国際登録第1132554号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2011年12月23日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2012年6月21日に国際商標登録出願、第16類「Paper, boxes of paper, cardboard and cardboard articles, printed matter, notebooks; bookbinding material; photographs; stationery; adhesives for stationery of household purposes; artists’ materials; instructional and teaching material (except apparatus).」、第18類「Leather and imitations of leather, and goods made of these materials and not included in other classes; animal skins, hides; trunks and travelling bags; umbrellas and parasols; walking sticks; whips, harness and saddlery.」、第25類「Clothing, footwear, headgear, with the express exclusion of hosiery, stockings, skin-tight stockings, tights, garters, bras, briefs, boxers, shorts, bodices, tops, body underwear, undershirts, basques and underwear set.」及び第32類「Still water, sparkling or aerated water, processed water, spring water, mineral water, flavoured water, functional and/or nutritional water-based beverages, including with vitamins, minerals or herbs; water-based beverages with tea extracts; fruit-flavoured beverages and beverages made with fruit, beverages made with lactic ferments; fruit juices and vegetable juices, nectars, lemonades, soft drinks and other non-alcoholic beverages; syrups, extracts and essences and other preparations for making non-alcoholic beverages; isotonic beverages; soft drinks for energy supply.」を指定商品として、平成25年9月13日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録は、令和元年12月6日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成28年12月6日から令和元年12月5日までの期間(以下「要証期間」という。)である。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び弁駁書において、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。 以下、証拠の表記に当たっては、「甲(乙)第○号証」を「甲(乙)○」のように省略して記載する。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中、第18類「Leather and imitations of leather, and goods made of these materials and not included in other classes; trunks and travelling bags.」(以下「請求に係る商品」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)乙各号証への弁駁 ア 乙2については日付の記載がなく、要証期間に、本件商標が請求に係る商品に使用された証拠にはならない。また、各商品に記載されている図形と文字は本件商標と形態が顕著に異なるため社会通念上同一の商標とは認められない。 イ 乙3については日付の記載がなく、要証期間に、本件商標が請求に係る商品に使用された証拠にはならない。また、10枚目において「サンペレグリノロゴが刻印されています」との日本語訳が付されているが、証拠上は全く表れてない。さらに、「Tablet case」、「iphone7 case」、「Biz Card case」と記載された物品の写真に、本件商標とは社会通念上同一ではない図形と記号が付されているが、当該物品が請求に係る商品に当たるとの立証はない。 ウ 乙4について、被請求人は2017年9月11日に送信された電子メールとし、乙3との関係を述べているが、乙3には作成日付がなく、電子メールに添付された証拠は存在しない。 エ 乙5については、各ページ下部の日付が2020年3月4日とされており、要証期間の事実を直接示す資料ではなく証拠として認められない。また、POS collectionは販促アイテム(ノベルティグッズ)であって、我が国における商標法上の商品が販売されたことを示す証拠ではない。 オ 乙6について、被請求人は乙5のオンラインカタログとの関係を述べているが、乙5の作成日は要証期間外のものであるから、乙6の電子メールに乙5が示されることはない。また、「In case minimum batch is not met then the item is cancelled」とされていることから、電子メールをした時点においてノベルティグッズが存在していたかは疑わしく、これらの配布に関する期限や対象者が限定されており、外国でのやりとりであって、我が国において一般的な商取引の目的たり得るべきものとして流通過程に置かれていたことを示すものではない。 カ 乙7について、被請求人はインボイスとし、乙5に記載された「コード」との関連性を述べているが、乙5は要証期間の事実を直接示すものではなく、本件審判請求がなされた後に作成されたものであるおそれがあり、乙5に記載された物品がインボイスに記載されている物品であるとの認定は成り立たない。また、輸入者は、酒類専門商社であって、被請求人のミネラルウォーターを販売している会社であるから(乙8)、これは販促品、ノベルティグッズを引き取ったという状況であって、一般的な商取引の目的たり得るべきものとして流通過程に置かれたものではなく、商標法上の商品に本件商標が使用されたとはいえない。 (2)商標の態様の不一致について 本件商標の文字部分(以下「筆記体文字部分」という場合がある。)については、日本の需要者にとって容易かつ正確につづりを把握することが困難な態様からなっており、先頭の文字については、筆記体大文字「S」というよりは、筆記体大文字「G」又は小文字「g」であると認識されると考えるほうが自然である。 また、その筆記体文字部分の下部に「1899」の数字も記載されている。 そして、図形部分としては、筆記体文字部分を囲う形で細い線と太い線の合計3本からなる円形図形があり、その外周には円の左右を膨らませた形の図形が細い線と太い線の合計2本で筆記体文字部分を囲んでおり、円の左右を膨らませた箇所の内側には白線で縁取りされた星形図形が左右それぞれ一つずつ配置されている。 これに対し、答弁書で示された商標(別掲2)(以下「使用商標」という。)については、ブロック体で語頭の文字ははっきりと「S」と読めるものであり、看者に与える印象は本件商標と大きく異なる。そして、赤い星は文字部分の中央上部に配置されており、筆記体文字部分の左右に星形図形が配置された本件商標とは異なる。また、「1899」の数字、筆記体文字部分を囲む図形もない。 したがって、本件商標と使用商標とは、その形態が顕著に異なるため社会通念上同一の商標とは認められない。 (3)乙各号証の物品が商標法上の商品に当たらないことの説明 被請求人の提出した証拠からは、被請求人の企業グループ内で販促品、ノベルティグッズの受渡し、引取りが行われただけであることがわかるのであって、一般的な商取引の目的たり得るべきものが流通過程に置かれたものといえず、商標法上の商品に本件商標が使用されたとはいえない。このことは、乙6において、電子メール中の手提げかばん、リュックサックが「our sparkling gifts」と特定され、ノベルティグッズとして扱われていることから明らかである。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1ないし乙11を提出した。 1 被請求人は、要証期間において本件商標を使用している。 2 本件商標の使用の事実 (1)使用に係る商品 乙2及び乙3は、被請求人による本件商標の使用に係る商品の写真及び紹介資料の写しである。乙2は、本件商標の使用に係る旅行かばん、バックパック、ブリーフケース、革製のタブレット用ケース、革製のスマートフォン用ケースの写真であり、それぞれの商品には「S.PELLEGRINO」の文字が使用されている。乙3は、上記商品に関する紹介資料であり、乙2の商品のほか、革製の名刺入れも掲載されている。これらの商品は、請求に係る商品の範ちゅうに属するものである。 (2)被請求人による使用の事実 乙4は、被請求人が、乙3に示した商品の紹介資料を世界各国の取引先に送付した、2017年9月11日付け電子メールの写し及びその訳文である。 また、乙5は、被請求人が提供するオンラインカタログの抜粋である。乙5には、上記(1)に係る商品等の写真が掲載され、その下には「SP Leather PC Backpack by Piquadro/ユーロ165.25/Code:103587902 」「SP Leather Business Card Holder by Piquadro/ユーロ38.20/Code:103587906」のように、商品名、価格、商品コードが記載されている。なお、当該カタログはオンラインで閲覧するものであり、毎年最新の情報に更新されるため発行年月日等は記載されていないものの、被請求人が取引先に送信した2018年9月14日付け電子メールにおいて、オンラインカタログヘのアクセス方法及び注文方法の案内を行っていることから(乙6)、要証期間において、「S.PELLEGRINO」等の文字を付した商品を販売していたことは明らかである。 乙7は、被請求人から日本企業に対して上記(1)に係る商品が販売、発送されたことを示すインボイスの写しである。当該インボイスの発行日は2019年5月3日であり、左上に「SANPELLEGRINO S.P.A.」、「・・・SAN PELLEGRINO TERME(BG)」と印字されており、これは被請求人の名称及び住所と一致する。そして、中央上段部分の「Buyer」(買主)及び「Consignee」(輸入者)の欄には「・・・ Inc.」、「・・・HigashiOsaka-shi Japan」と記載されており、かかる表示は日本企業A社の社名及び住所(大阪府東大阪市・・・)を示すものである(乙8)。また、商品の明細欄には、「S.PE Leather PC Backpack Piq 1CSx1」、「S.PE Leather Biz Card Holder Piq 1CSx1」の記載があり、これらに対応する商品コード「103587902」、「103587906」は、オンラインカタログ(乙5)に記載されたコードと符合する。よって、被請求人が、日本企業A社に対して、革製バックパックや革製名刺入れ、その他の商品を販売し、発送したことが確認できる。 以上のことから、被請求人が、要証期間に、日本企業A社に対して上記(1)の商品を販売し、発送したこと、すなわち当該商品が日本国内に輸入されたことは明らかであるから、この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品に標章を付したものを輸入する行為」に該当する。また、被請求人がインボイスを日本企業A社に対して送付する行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当する。 (3)使用商標 本件商標は、ひし形に近いだ円形の中央に円を、その左右に二つの星図形を配置してなる図形部分と、これに重なるように表した「S.Pellegrino」「1899」の文字及び数字から構成されるものである。一方、使用商標は、やや太いフォントで表された欧文字「S.PELLEGRINO」からなるものであり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。 まず、本件商標を構成する図形部分は、ひし形、円及び星形というありふれた図形を重ねたものにすぎず、いずれも輪郭又は装飾として一般的に用いられるものであるから、当該図形部分は、特段顕著な印象を与えるものではなく、大きく表示された「S.Pellegrino」の文字の後ろに配置されていることにより、背景図形として認識され得るものである。また、「1899」の数字部分は、被請求人の法人が設立された年を表したものであり、付記的な表示にすぎない。したがって、本件商標においては、欧文字「S.Pellegrino」が自他商品識別標識としての機能を果たすといえる。 そして、本件商標における欧文字「S.Pellegrino」と使用商標とは書体等が変更されているものの、「活字体による書体と筆記体による書体の相互間の使用」及び「ローマ字の大文字と小文字の相互間の使用」については社会通念上同一と認められる商標として、許容されるものである。 なお、商標の同一性の判断にあたっては、形式的に物理的同一であるか否かで判断されるのではなく、実質的に登録商標の自他商品識別力に影響を与えない範囲の変更であるか、称呼及び観念の同一性が担保されているかが判断されると解されており、加えて、登録商標は時代とともに多少の変更を加えて使用されるのが一般的という事情も考慮すれば、自他商品等識別機能を発揮する「S.PELLEGRINO」の文字が共通し、かつ「エスペレグリノ」及び「サンペレグリノ」の称呼が生じる本件商標と使用商標とは、社会通念上同一の商標の範囲内にあるというべきである。 3 むすび 以上のとおり、被請求人は、第18類「Leather and imitations of leather, and goods made of these materials and not included in other classes; trunks and travelling bags.」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたといえる。 第4 被請求人に対する審尋及び被請求人による審尋への回答 1 審尋の要旨 審判長は、被請求人に対し、令和3年3月31日付けで、被請求人による主張及び提出された証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する証明をしたものと認めることはできない旨の合議体による暫定的見解を示した審尋を送付し、相当の期間を指定して、当該審尋への回答をする機会を与えた。 2 被請求人の回答 上記1の審尋に対して、被請求人は、何ら応答していない。 第5 当審の判断 1 被請求人が提出した証拠及びその主張によれば、次の事実が認められる。 (1)乙2及び乙3は、本件商標の使用に係る商品の写真及び紹介資料の写しとされるものである。 乙2には、旅行かばん、バックパック、ブリーフケース、革製タブレットケース、革製携帯電話用ケースとされる商品が写されており、各商品には、別掲2のとおりの構成からなる使用商標が表示されている。また、乙3には、表紙と思われる1葉目の右下部に使用商標が表示され、その10葉目には、乙2と同じと思われる商品及び革製名刺入れ(以下、これらをまとめて「使用商品」という。)の写真が掲載されており、このうち、革製タブレットケース、革製携帯電話用ケース及び革製名刺入れには、使用商標が表示されている。 (2)乙4は、被請求人が乙3に示した商品紹介資料を世界各国の取引先に送付した2017年9月11日付の電子メールの写し及びその訳文、並びに乙5は、2020年3月4日を印刷日とする、被請求人が提供するオンラインカタログの抜粋の写しとされるものである。 乙5には、その1ページの上部に使用商標が表示され、2ページには、使用商標が表示された使用商品(ブリーフケースは除く。)の写真が掲載されている。 (3)乙6は、被請求人が取引先に送付した2018年9月14日付けの電子メールの写し及びその訳文とされるものであり、その2ページには、「S.Pellegrino Sparkling」の見出しの下、やや不鮮明ではあるものの、使用商標が表示された使用商品の写真が掲載されている。 (4)乙7は、被請求人である本件商標に係る商標権者(以下、単に「商標権者」という。)の名称が記載された、大阪所在のA社を宛先とする、2019(令和元)年5月3日付けインボイスの写し及びその訳文とされるものであり、これには、使用商標の表示はない。 2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商標について 使用商標は、別掲2のとおり、赤い星図形と「S.PELLEGRINO」の欧文字をゴシック体風の書体で表してなるものである。 (2)使用商標が本件商標と社会通念上同一の商標であるかについて 本件商標は、別掲1のとおり、2つの星図形、二重円、及び一部が欠けた円とそれにつながるように表された「1899」の数字を内包する二重略ひし形(以下「本件図形」という。)に、重なるように「S.Pellegrino」の欧文字を手書き風の書体で表してなるものである。 そして、このように本件図形を背景に「S.Pellegrino」の欧文字を重ねていることにより、これらはまとまりよく一体的な印象を与えるものであって、本件商標は、図形部分と文字部分とが、軽重の差がなく結合しているものというのが相当である。 してみれば、本件図形は、本件商標の識別性において欠くことのできない重要な構成要素といえるから、これを欠いた標章は、本件商標と社会通念上同一の商標とはいえないものである。 これに対して、使用商標は、赤い星図形と、「S.PELLEGRINO」の欧文字をゴシック体風の書体で表してなるものである。 そうすると、使用商標は、本件図形を欠くものであって、本件商標と使用商標とは、これに接する者をして、それぞれ別異の商標として看取、把握されるとみるのが相当である。 したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標ということはできないものである。 3 まとめ 以上によれば、被請求人が提出した証拠から認定できる使用商標は、本件商標とは相違するものであって、本件商標と社会通念上同一の商標ということはできない。 その他、商標権者(被請求人)が、請求に係る商品について、本件商標を使用したことを認めるに足りる証拠の提出はない。 してみれば、商標の使用商品、使用時期等に言及するまでもなく、商標権者及び使用権者が、請求に係る商品について、本件商標又はこれと社会通念上同一の商標を使用したものと認めることはできない。 4 むすび 以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る商品について、本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したとはいえず、また、当該使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしたともいえない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中、第18類「Leather and imitations of leather, and goods made of these materials and not included in other classes; trunks and travelling bags.」についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-670048

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