2019-017365
炊飯器用内釜
- 審判番号
- 2019-017365
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2018-019180外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1669296
- 請求日
- 2019年12月23日
- 審決日
- 2020年08月21日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- D18 .113-WY (C5-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
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本願は,平成30年(2018年)9月3日の意匠登録出願であって,その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和 1年(2019年)5月14日付け 拒絶理由の通知
令和 1年 6月28日 意見書の提出
令和 1年 9月17日付け 拒絶査定
令和 1年 12月23日 審判請求書の提出
令和 2年 4月 8日付け 審尋
令和 2年 5月28日 回答書の提出
令和 2年 5月28日 手続補正書の提出
第2 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとするものであって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「炊飯器用内釜」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとし,「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を実線で,それ以外の部分を破線で表している。一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」(以下,この部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」ともいう。)としたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は,本願の出願前に頒布された刊行物に記載された意匠に類似するものであるから,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当し,意匠登録を受けることができないとしたものであって,当該拒絶の理由に引用した意匠は,以下のとおりである。
特許庁特許情報課が2005年5月19日に受け入れた2005年2月4日発行の大韓民国意匠商標公報(CD-ROM番号:2005-07)に記載された意匠登録第30-0373608類似1号の圧力釜の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH17506824号)の内釜の,本願意匠が意匠登録を受けようとする部分に相当する部分の意匠(別紙第2参照)。
以下,この圧力釜の内釜を「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。そして,本願部分に相当する部分を「引用部分」といい,本願部分と併せて「両部分」という。
第4 当審の判断
1 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,「炊飯器用内釜」であるのに対して,引用意匠の意匠に係る物品は,「圧力釜の内釜」である。
(2)両部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能
両部分は,共に,分離可能な2つの有底筒状体から成る内釜の周面における,高さ方向で中間の水平な帯状部分であって,その縦幅は全高の約8分の3で,その部分の肉厚部分を含む外周面及び内周面とする位置,大きさ及び範囲とし,内釜のこの範囲内における用途及び機能を有するものである。
(3)両部分の形状
(3-1)共通点
平面視略半円形と略弓形の大小2つの筒状体(以下,半円形の方を「大釜」ともいい,弓形の方を「小釜」ともいう。)から成り,大小2つの筒状体を平坦な側面同士で合わせると,その平面視の外形が略円形と成るものである。
(3-2)相違点
相違点1:本願部分は,大釜及び小釜の外周面における角部のR(アール。「半径」のこと。以下同じ。)がどちらも極めて小さく,大釜と小釜との合わせた所の端部に隙間がほとんど表れないものであるのに対して,引用部分は,大釜の外周面における角部のRは小さいものの,小釜の角部のRはやや大きく,大釜と小釜との合わせた所の端部に隙間が表れているものである。
2 両意匠の類否
(1)意匠に係る物品について
意匠に係る物品については,本願意匠が「炊飯器用内釜」であり,引用意匠が「圧力釜の内釜」であるが,共に加熱調理器の内釜である点において共通しており,類似するものといえる。
(2)両部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能について
両部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能は,前記1の(2)によれば,いずれも共通している。
(3)両部分の形状について
(3-1)共通点について
上記認定の共通点は,全体を概括したものであり,内釜を平面視略半円形と略弓形の大小2つの筒状体とし,大小2つの筒状体を平坦な側面同士で合わせると,その平面視の外形が略円形と成る形状は,この種物品分野において,両部分のみの特徴といえるものでもないから,この共通点が両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
(3-2)相違点について
相違点1は,外周面の角部のRの大きさの相違に伴う,大釜と小釜との合わせた所の端部に表れている隙間の大小の相違であるが,本願部分の当該隙間が小さい形状は,発熱機が備わる炊飯器本体との接触範囲を広げ,加熱ロスを抑える機能につながる形状との印象を与えるものであり,引用部分の印象とは異なるから,相違点1が両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点2は,外周面と内周面とで角部のRの大きさが異なるか否かの相違であるが,この相違は,周面の肉厚が一定のものとそうでないもの,という異なる印象をもたらすものであるから,相違点2が両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点3は,肉厚が厚いか,それとも薄いかの相違であるが,この相違は,加熱の効率が良いか否かという炊飯機能に関わる形状であり,需要者が注目するといえるから,相違点3が両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点4は,周面の円弧状部分を下方へ僅かにすぼめたものであるか,それともほぼ垂直状としたものであるかの相違であるが,本願部分のすぼめた程度は僅かであって,この相違は目立つものではないから,両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
(3-3)小括
そうすると,両部分の形状は,上記の共通点及び相違点の評価に基づけば,相違点は共通点を凌駕するものといえるから,両部分の形状は類似するものではない。
(4)両意匠の類否
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が類似し,両部分の位置大きさ及び範囲,並びに用途及び機能が共通するが,両部分の形状が類似するものではないから,本願意匠は,引用意匠に類似するものとは認められない。
3 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとして,同法同条の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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