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特許拒絶査定不服審判

2019-012933

遊技機

審判番号
2019-012933
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-052632外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年09月30日
審決日
2020年06月02日
公報発行日
2020年09月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .16 -Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条の2
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条の2、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-52632号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年10月4日出願公開、特開2018-153436号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 16項目
【理 由】

1 手続の経緯の概要

本願は、平成29年3月17日の特許出願であって、平成31年1月31日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月17日に意見書が提出されたところ、令和1年6月28日付け(送達日:同年7月2日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年9月30日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2 本願発明

本願の出願時の特許請求の範囲の請求項1~2のうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(記号A~Jは、分説するため当審判合議体にて付した。)。

「A 周回体と、
B 当該周回体を回転させる駆動手段と、
C 当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
を備え、
続きを表示(全11行)
D 前記駆動手段は、励磁されることにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
E 前記駆動制御手段は、前記周回体の回転を開始させて所定回転速度となるように前記駆動手段を特定駆動制御する特定駆動制御手段を備え、
F 前記特定駆動制御が実行される期間として、1相励磁と2相励磁とが前記駆動手段に対して交互に行われる所定期間が存在しており、
G 前記特定駆動制御手段は、前記特定駆動制御を開始する場合、前記1相励磁から開始した後に、前記2相励磁を行うものであり、
H 前記特定駆動制御を開始する場合における前記1相励磁を含めて前記所定期間に含まれる前記1相励磁の各励磁期間はいずれも、励磁可能な期間における最短期間に設定されており、
I 前記特定駆動制御を開始する場合に最初の前記1相励磁を行った次の前記2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である
J ことを特徴とする遊技機。」

3 拒絶の理由

原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。

1 (拡大先願)この出願の請求項1~2に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願(先願1)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。

2 (新規性)この出願の請求項1~2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物(引用文献2)に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

1.特願2015-226468号(特開2017-93575号)

2.特開2013-22235号公報

4 新規性について

(1)引用発明

原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-22235号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は審決で付与した。以下同じ。)。

ア 「【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る回胴式遊技機Aについて図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例にする。本実施形態では、回胴演出態様としてフリーズ演出及びリール逆回転演出等が行われる。
図1は本実施形態に係る回胴式遊技機Aの外観斜視図である。
回胴式遊技機Aは、各種制御基板や回胴機構部材を収納した筐体1に、開閉自在に取り付けられた前扉5を有する。前扉5の上部2の中央には、演出報知装置としての液晶表示装置3の表示画面が配設されている。この表示画面には回胴遊技の進行に応じてキャラクターや文字、数字、メッセージ等が画像表示され、当選役の報知演出等の各種表示演出を行えるようになっている。液晶表示装置3の両側には、一対の上部スピーカ4が配設されており、液晶表示装置3による画像演出と同調して、各種の効果音等による音響演出を行えるようになっている。演出報知装置としては、カラー液晶に限らず、例えばカラーEL(エレクトロルミネッセンス)、カラープラズマディスプレイ装置、電子ペーパディスプレイ、7セグメント、LEDドット表示器等を用いた表示装置を使用することができる。
【0028】
前扉5の略中央で、液晶表示装置3の下方には、図柄表示窓8が設けられている。図柄表示窓8は透明パネルからなり、図柄表示窓8を通じて、リール(回胴)8a、8b、8cが視認可能に筐体1内部に配置されている。リール8a~8cにより、図柄表示窓8に表示される図柄を可変表示(変動)させる回胴表示部が構成されている。リール8a~8cは、ステッピングモータ(251、252、253)の回転軸に取り付けられ、そのモータ駆動により一定速度で回転駆動される。リール8a~8cの外周面には、21個の図柄が回転方向に沿って形成されている。図柄表示窓8からは、各リール8a~8cの図柄のうち、所定数、例えば3個ずつの図柄が視認可能となっている。本実施形態においては、リール表面に図柄を配し、リール回転によって図柄を変動する回胴表示部を用いているが、これに限らず、例えば無端ベルトの表面に図柄を配し、これを回転することにより図柄を変動する回胴表示部を使用することも可能であり、リール、ドラム、ベルト等の機械式回胴表示部の他に、擬似的に回胴及びその変動を画像表示するディスプレイを使用することも可能である。」
イ 「【0044】
主制御基板100には、回胴中継基板250を介してリール8a~8cを回転駆動するためのステッピングモータ(251、252、253)が接続され、また、各リールに対して配設した回胴回転位置検出センサ254、255、256が接続されている。ステッピングモータには例えば504パルス(以下、ステップ数ともいう。)の駆動信号(励磁パルス信号)を与えることにより1回転するパルスモータを使用することができる。励磁パルスの印加によってステッピングモータ(251、252、253)の回転位置制御を行うことができる。リール8a~8cには、21個の図柄が描かれているので、所定の位置ある図柄から次の図柄へ1駒分、切り替えるには24(504÷21)ステップ数の励磁パルスの印加を必要とする。リール8a~8cはリールユニットケースに収容されて筐体1内に設置されている。回胴回転位置検出センサ254、255、256は、所定間隔を開けて保持された一対の発光素子と受光素子からなるリールインデックスセンサである。各リールの周回箇所の所定の基準位置には発光素子と受光素子の間を通過可能な遮光片が設けられている。各リールが1回転するごとに遮光片が発光素子と受光素子の間を通過することにより、回胴回転位置検出センサ254~256がリールの基準位置を検出して、基準位置の検出ごとに、その検出信号を主制御基板100に出力する。主制御基板100の制御の下、回胴回転の後に、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信することにより、抽選結果と停止操作タイミングに応じて所定の位置に停止制御することが可能となっている。」
ウ 「【0075】
図9はCTC105の計時に基づく一定時間ごとの割り込みにより起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。図9を参照して、上記主制御基板(主制御部)において1.5ms(ミリ秒)程度ごとに実行されるタイマ割込処理について説明する。
【0076】
主制御基板100は、タイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行ってから(ステップS20)、ポート入力処理を行う(ステップS21)。ポート入力処理では遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。ついで、回胴回転制御処理を行う(ステップS22)。回胴回転制御処理では、回胴制御フラグに応じて、回胴の起動、回転、停止が行われる。以下の説明においては、回胴回転始動レバー15が操作されて回胴回転が起動される起動前の回胴状態にあるとして説明する。回胴回転制御処理の詳細は図19?図23に基づいて後述する。回胴回転制御処理の後、定期更新処理が行われる(ステップS23)。」
エ 「【0109】
タイマ割込処理(図9)において実行される回胴回転制御処理(ステップS22)を以下に詳述する。図19~図23は回胴回転制御処理(ステップS22)を示す。 回胴回転制御処理においては制御フラグがオンしている回転制御過程での処理が行われる。逆回転フラグがオンのときはステップS203(図19参照)以下の逆回転制御処理を行う。回胴停止中フラグがオンのときはステップS208(図19参照)以下の回胴停止中制御処理を行う。回胴起動フラグがオンのときはステップS215(図20参照)以下の回胴回転加速制御処理を行う。回胴回転開始時にはステップS227(図21参照)以下の回胴回転開始制御処理を行う。定常回転状態中にはステップS232(図22参照)以下の回胴定常回転制御処理を行う。停止信号検出フラグがオンされた後、停止命令フラグがオンされるまでの停止滑り制御処理はステップS240(図23参照)以下で行われ、停止命令フラグがオンになるとステップS247(図23参照)を経て、回胴停止中制御処理に移行する。図19~図23において、フラグのオン・オフ設定を夫々、「1」、「0」をセットすると表記している。」

オ 【図19】~【図23】

【図19】(前記主制御部における回胴回転制御処理の一部を示すフローチャートである。)

【図20】(前記回胴回転制御処理の図19に続く処理を示すフローチャートである。)

【図21】(前記回胴回転制御処理の図20に続く処理を示すフローチャートである。)

【図22】(前記回胴回転制御処理の図21に続く処理を示すフローチャートである。)

【図23】(前記回胴回転制御処理の図22に続く処理を示すフローチャートである。)

カ 「【0112】
ここで、ステッピングモータ(左回胴駆動モータ251、中回胴駆動モータ252、右回胴駆動モータ253)における励磁制御を図17の(17B)の励磁シーケンス(順序)、図24及び図25を参照して説明する。
図24はステッピングモータの加速時における25段階(インデックス0~24)の各励磁時間(割込みタイマのタイマ値)及び励磁相の励磁出力タイムデータテーブルを示す。図25はステッピングモータの概略駆動回路図(25A)及びその回転速度と時間との関係例(25B)を示す。」
キ 「【0116】
本実施形態のステッピングモータでは、回胴回転のための励磁シーケンスとして、1相励磁と2相励磁とを所定の順序で交互に切り換える1-2相励磁駆動方式が採用されている。1-2相励磁駆動方式では(17B)に示すように、励磁出力カウンタの値(0~7)による励磁相(1相又は2相)の切換が行われる。即ち、A相とB-相の両方への通電(2相励磁)、A相の通電(1相励磁)、A相とB相の両方への通電(2相励磁)、B相の通電(1相励磁)、B相とA-相の両方への通電(2相励磁)、A-相の通電(1相励磁)、A-相とB-相の両方への通電(2相励磁)及びB-相の通電(1相励磁)が順繰りに行われる。本実施形態では504個の励磁パルスの印加によりリールが1周する構成であるので、1励磁パルスあたりの角度変化は約0.714°となっている。
・・・
【0118】
続きを表示(全24行)
図25の(25B)はステッピングモータの起動から停止までの回胴回転速度の駆動制御例を示す。ステッピングモータの起動から停止までには、回胴回転始動レバー15が操作されて回胴回転始動スイッチ15aがオンになってステッピングモータが回転を始めた後、一定の定速回転に至るまでの加速期間t1と、該定速回転が保持される定速回転期間t2と、回胴回転停止ボタン16a~16cの押下を夫々回胴回転停止スイッチ16e~16gにより検出して内部抽選結果に関連してリールを停止する停止制御期間t3が含まれている。停止制御期間t3には、回胴停止制御時の停止図柄位置調整用の滑り移動時間も含まれている。
【0119】
加速時においては、図24のインデックス0~24に基づいて励磁制御が実行される。通常回転の場合には、回転開始時の励磁出力カウンタの値が1、3、5、7のいずれかになるようにしている。例えば、開始時の励磁出力カウンタ値が1とすると、1相励磁の状態がインデックス0により1回のタイマ割込みが発生するまで保持される。本実施形態では1.5ms毎に1回の頻度でのタイマ割込みを発生させている。次のインデックス1により2相励磁の状態が31回のタイマ割込みが発生するまで保持される。以下、インデックス24までの加速期間において、2相励磁状態のときのタイマ値が漸減されていく。通常回転させる際にはタイマ割込みの発生回数が図24の設定タイマ値に達する度に、励磁出力カウンタを更新(+1)するため、徐々に回転速度が速くなる。回胴の駆動開始時点で、励磁出力カウンタの値が0以外のときには、その励磁状態から順番に切り換えて、上記同様の加速時の励磁制御が行われる。逆回転時には、励磁状態を切り換える順序を通常回転時(ステップS222参照)と逆にして励磁制御が実行される(ステップS206参照)。
【0120】
逆回転フラグ及び回胴停止中フラグがいずれもオフであるとき、回転起動フラグがオンか否かを判断する(ステップS214)。回転起動フラグがオフのときは、回胴起動済みフラグのオン・オフ判断処理(ステップS226)に移る。制御フラグがオンで、回転起動フラグ及び回胴起動済みフラグがオフのときには、回胴回転始動レバー15が操作された直後の状態であり、回胴回転開始制御処理を行う。
【0121】
回胴回転開始制御処理においては、励磁制御の開始補正が行われる(ステップS227)。励磁制御の開始補正は以下の理由から必要とされる。
回胴回転停止スイッチ16e~16を押下したとき、リール8a~8cにブレーキ制動(4相全て励磁する全相励磁)をかけても直ぐには停止に至らない。即ち、実際にリールが停止するまでには、1乃至2ステップ角度だけ滑って停止する。滑って停止した際には、この角度のずれ分を吸収しながら新たな加速処理を行う必要があり、できる限り初期励磁での電磁的吸引力(トルク)は小さい方が好ましい。初期励磁が2相の場合は、トルクが強いためガタツキが目立つ。トルクが弱い1相にするとズレ分をゆっくり吸収できるのでガタツキが目立ちにくい。このため、開始補正は励磁出力カウンタをビット0クリアして行われる。励磁出力カウンタをビット0クリアすることにより「0」、「2」、「4」、「6」のいずれかになり、その後、後述するステップS222で励磁出力カウンタを1加算するため、励磁出力カウンタは「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかになる。従って、図17の(17B)の励磁出力テーブルから明らかなように、強制的に1相励磁から励磁制御を開始させることができる。
【0122】
励磁制御の開始補正を行った後、回胴を起動するために回胴起動フラグをオンする(ステップS228)。この回胴起動フラグをオンにすることにより、次の割込み処理では回胴回転加速制御処理を行うことになる。このとき、定常回転を検出するために回胴センサONフラグをオフにしておく。ついで、1図柄の回転移動には、24ステップ数の励磁パルスの印加を必要とするので、図柄ステップ数カウンタの初期化、つまり1図柄単位での励磁パルスの初期値(24)設定を行う(ステップS229)。図柄ステップ数の初期値設定の後、リール起動時の初期化を行う(ステップS230)。この初期化において、回胴回転異常をタイマ監視するためのエラータイマ(メインRAM104に設けたタイマカウント用メモリエリア)がクリアされ、総計21のリール図柄数を計数するための図柄カウンタがクリアされ、また出力タイマインデックスメモリエリアの出力タイマテーブルインデックス値が0にセットされ、更にモータ出力タイマ値に1をセットする。図柄ステップ数はモータの励磁出力毎に1減算され、0になると24に設定、更新される。図柄カウンタは図柄ステップ数が0になる毎に1加算され、21に達すると0が設定、更新される。出力タイマインデックスメモリエリアはメインRAM104に設けられており、図24の励磁出力タイムデータテーブルよりインデックスに応じたタイマ値を取得するごとに、出力タイマインデックスメモリエリアのインデックス値が更新される。上記の図柄カウンタ及びモータ出力タイマもメインRAM104に設けられている。ステップS230の後、回胴起動フラグオン(ステップS228)によりステップS215に移る。
【0123】
回転起動フラグがオンになると(ステップS214)、ステップS215以下の回胴回転加速制御処理が行われる。まず、モータ出力タイマの値を1減算して、モータ出力タイマの値が0か否かを判断する(ステップS215、S216)。回胴回転開始時の初期化設定でモータ出力タイマに1がセットされているため、最初の加速制御ではモータ出力タイマが0になる。モータ出力タイマの値が0のとき、モータ励磁出力更新処理(ステップS217)を行う。モータ励磁出力更新処理においては、図24の励磁出力タイムデータテーブルを参照して、メインRAM104に記憶された出力タイマテーブルインデックス値に応じたタイマ値を取得する。例えば、起動直後であれば、図24に示すように、インデックス値が0であるので、タイマ値として「1」が取得される。取得したタイマ値をモータ出力タイマにセットし、前記出力タイマインデックスメモリエリアに記憶されたインデックス値を1加算する(ステップS218、S219)。
【0124】
インデックス値を加算後、加速期間が終了したか否かを判断する。加速期間終了の判断はインデックス値が25を超えたか、又はモータ出力タイマにセットされたタイマ値が150か否かにより判断することができる。加速期間が終了した場合にはリール回転加速処理を終了する(ステップS220)。
【0125】
上記の回胴回転加速制御処理は、図24の励磁出力タイムデータテーブルに基づいて実行される。図24に示すように、本実施形態においては、1-2相励磁方式によるステッピングモータの回転駆動制御を行うに際して、加速期間中は、1相励磁よりも2相励磁の励磁時間が大になるように設定され、且つ2相励磁の時間を徐々に短くしている。しかも、加速期間中の1相励磁は最小単位時間(割込み処理1回の所要時間)に設定されている。即ち、インデックス0~24に対して、タイマ値が1、31、1、10、・・・、2、1、2、1に割り付けられている。なお、加速期間終了後の定速回転期間中(インデックス25)は、1相励磁と2相励磁を同一の励磁時間に設定されている。
【0126】
ステップS215以下の回胴回転加速制御処理においては、トルクが弱い1相励磁の期間に対応するタイマ値を「1」にしてその時間を極力短くし、トルクが強い2相励磁の期間を長めに設定し、それを徐々に短くしているため、回胴起動後に速やかに定速状態に移行させて円滑な回胴遊技を促進することができる。特に、長期稼働の観点からもステッピングモータへの通電負担を軽減でき回胴モータの長寿命化にも寄与する。なお、本実施形態では24ステップで加速期間が終わるようになっているが、24ステップより多くしてもよいし、あるいは少なくすることができる。
【0127】
リール回転加速処理の終了により回胴起動フラグをオフすると共に、回胴起動済みフラグをオンする(ステップS221)。これにより、次の割込み処理では回胴定常回転制御処理を行うことになる。」

ク 上記ア~キの記載事項、および、図面の図示内容を総合すると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~jは、本件補正発明のA~Jに対応させて当審判合議体にて付与した。)。

「a リール(回胴)8a、8b、8c(【0028】)と、
b リール8a~8cを回転駆動するためのステッピングモータ(251、252、253)(【0044】)と、
c ステッピングモータ(251、252、253)が接続された主制御基板100(【0044】)と、
を備え、
続きを表示(全14行)
d ステッピングモータには、駆動信号(励磁パルス信号)を与えることにより回転するパルスモータが使用され(【0044】)、
e 主制御基板100が、回胴の起動、回転、停止を行う回胴回転制御処理(【0076】、図19~図23)において、
リール回転加速処理(ステップS220)を行って、回胴を起動する回胴回転加速制御処理(図20のステップS215以下)を行い(【0076】、【0109】、【0123】~【0124】)、
リール回転加速処理の終了により、次の割込み処理で回胴定常回転制御処理を行い(【0127】)、
f 回胴回転加速制御処理は、一定の定速回転に至るまでの加速期間t1中に、回胴回転のための励磁シーケンスとして、1相励磁と2相励磁とを所定の順序で交互に切り換える1-2相励磁駆動方式によるステッピングモータの回転駆動制御を行い(【0116】、【0118】、【0125】)、
g 回胴回転加速制御処理は、強制的に、トルクが弱い1相励磁から励磁制御を開始させることができる回胴回転開始制御処理を(図21のステップS227以下)を行い(【0109】、【0121】、【0126】)、
h 回胴回転加速制御処理の加速期間t1中の1相励磁は最小単位時間(割込み処理1回の所要時間)に設定され(【0118】、【0125】)、
i インデックス0~24に対して、タイマ値が1、31、1、10、・・・、2、1、2、1に割り付けられ(【0125】)、
加速時においては、ステッピングモータの加速時における25段階(インデックス0~24)の各励磁時間(割込みタイマのタイマ値)に基づいて励磁制御が実行され、開始時の励磁出力カウンタ値が1とすると、1相励磁の状態がインデックス0により1回のタイマ割込みが発生するまで保持され、1.5ms毎に1回の頻度でのタイマ割込みを発生させており、次のインデックス1により、トルクが強い2相励磁の状態が31回のタイマ割込みが発生するまで保持される(【0112】、【0119】、【0126】)
j 回胴式遊技機A(【0027】)。」

(2)対比

本願発明と引用発明とを、分説に従い対比する。

(a)

引用発明の構成aの「リール(回胴)8a、8b、8c」は、本願発明の構成Aの「周回体」に相当する。

(b)

上記(a)より、引用発明の構成bの「リール8a~8cを回転駆動するためのステッピングモータ(251、252、253)」は、本願発明の構成Bの「周回体を回転させる駆動手段」に相当する。

(c)

引用発明の構成cの「ステッピングモータ(251、252、253)」は、構成bより、「リール8a~8cを回転駆動する」ものである。

したがって、引用発明の構成cの「ステッピングモータ(251、252、253)が接続された主制御基板100」は、「接続され」ている「ステッピングモータ(251、252、253)」の回転駆動を制御するものであるから、本願発明の構成Cの「駆動手段を駆動制御する駆動制御手段」に相当する。

(d)

引用発明の構成dの「ステッピングモータ」に「使用され」る「パルスモータ」は、「駆動信号(励磁パルス信号)を与えることにより回転」するものであって、構成bより、「リール8a~8cを回転駆動する」ものである。

そして、引用発明の構成dの「駆動信号(励磁パルス信号)を与えることによ」ることは、本願発明の構成Dの「励磁されることによ」ることに相当する。

したがって、引用発明の構成dは、本願発明の構成Dに相当する。

(e)

引用発明の構成eの「主制御基板100」が行う「リール回転加速処理」は、「回胴を起動する」ものであり、その終了により「次の割込み処理で回胴定常回転制御処理を行」うものであるから、「起動」により回転の開始されたリールを、「定常回転」速度まで加速させる処理である。

そうすると、引用発明の構成eの「リール回転加速処理(ステップS220)を行って、回胴を起動する回胴回転加速制御処理(図20のステップS215以下)を行」う「主制御基板100」は、本願発明の構成Eの「周回体の回転を開始させて所定回転速度となるように駆動手段を特定駆動制御する特定駆動制御手段」に相当する。

したがって、引用発明の構成eは、本願発明の構成Eに相当する。

(f)

引用発明の構成fの「回胴回転のための励磁シーケンスとして、1相励磁と2相励磁とを所定の順序で交互に切り換える1-2相励磁方式によるステッピングモータの回転駆動制御を行」うことは、本願発明の構成Fの「1相励磁と2相励磁とが駆動手段に対して交互に行われる」ことに相当する。

そうすると、引用発明の構成fの「回胴回転のための励磁シーケンスとして、1相励磁と2相励磁とを所定の順序で交互に切り換える1-2相励磁方式によるステッピングモータの回転駆動制御を行」う「一定の定速回転に至るまでの加速期間t1」は、本願発明の構成Fの「1相励磁と2相励磁とが前記駆動手段に対して交互に行われる所定期間」に相当する。

したがって、引用発明の構成fの「回胴回転加速制御処理」が「回胴回転のための励磁シーケンスとして、1相励磁と2相励磁とを所定の順序で交互に切り換える1-2相励磁方式によるステッピングモータの回転駆動制御を行」う「一定の定速回転に至るまでの加速期間t1」があることは、本願発明の構成Fの「特定駆動制御が実行される期間として、1相励磁と2相励磁とが駆動手段に対して交互に行われる所定期間が存在して」いることに相当する。

(g)

上記(e)より、引用発明の「回胴回転加速制御処理を行」う「主制御基板100」は、本願発明の「特定駆動制御する特定駆動制御手段」に相当する。

そして、引用発明の構成gの「強制的に、トルクが弱い1相励磁から励磁制御を開始させる」ことは、本願発明の構成Gの「1相励磁から開始」することに相当する。

また、引用発明は、構成fによると、「ステッピングモータの回転駆動制御」を「回胴回転のための励磁シーケンスとして、1相励磁と2相励磁とを所定の順序で交互に切り換える1-2相励磁方式」により行うものである。

そうすると、引用発明の「ステッピングモータの回転駆動制御」は、まず、「1相励磁から励磁制御を開始させ」、次に、「2相励磁」を行うものである。

したがって、引用発明の構成gは、本願発明の構成Gに相当する。

(h)

引用発明の構成hにおける「回胴回転加速制御処理の加速期間t1中」には、構成gの「励磁制御を開始させる」ときが含まれるものである。

そうすると、引用発明における構成hの「加速期間t1中の1相励磁」が「設定」される「最小単位時間(割込み処理1回の所要時間)」は、本願発明における構成Hの「特定駆動制御を開始する場合における1相励磁を含めて所定期間に含まれる1相励磁の各励磁期間」が「いずれも」「設定され」る「励磁可能な期間における最短期間」に相当する。

したがって、引用発明の構成hは、本願発明の構成Hに相当する。

(i)

引用発明は、「1相励磁の状態がインデックス0により1回のタイマ割込みが発生するまで保持され」るものである。

そして、引用発明の「1-2相励磁駆動方式」は、構成f~gより、1相励磁→2相励磁→1相励磁→2相励磁→・・・と、奇数番目の1相励磁と偶数番目の2相励磁とが、順番に繰り返されて駆動される方式である。

また、引用発明は、構成iにより、「インデックス0~24に対して、タイマ値が1、31、1、10、・・・2、1、2、1に割り付けられ」るものである。

そうすると、引用発明において、1番目の1相励磁に続く、2番目の2相励磁に対応するインデックス1のタイマ値は、「31」である。

ここで、引用発明の構成iにおいて、「タイマ値」が「31」であることは、「タイマ割込み」が31回発生するのに要する時間であり、「1.5ms毎に1回の頻度でのタイマ割込みを発生させて」いることからみて、2番目の2相励磁の励磁期間が46.5ms(31×1.5)であることを意味する。

したがって、引用発明の構成iの「1相励磁の状態がインデックス0により1回のタイマ割込みが発生するまで保持され、1.5ms毎に1回の頻度でのタイマ割込みを発生させており、次のインデックス1により、トルクが強い2相励磁の状態が31回のタイマ割込みが発生するまで保持される」ことは、本願発明の構成Iの「特定駆動制御を開始する場合に最初の1相励磁を行った次の2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である」ことに相当する。

(j)

引用発明の構成jの「回胴式遊技機A」は、本願発明の構成Jの「遊技機」に相当する。

(k)上記(a)~(j)によれば、本願発明と引用発明は、

「A 周回体と、
B 当該周回体を回転させる駆動手段と、
C 当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
を備え、
続きを表示(全11行)
D 前記駆動手段は、励磁されることにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
E 前記駆動制御手段は、前記周回体の回転を開始させて所定回転速度となるように前記駆動手段を特定駆動制御する特定駆動制御手段を備え、
F 前記特定駆動制御が実行される期間として、1相励磁と2相励磁とが前記駆動手段に対して交互に行われる所定期間が存在しており、
G 前記特定駆動制御手段は、前記特定駆動制御を開始する場合、前記1相励磁から開始した後に、前記2相励磁を行うものであり、
H 前記特定駆動制御を開始する場合における前記1相励磁を含めて前記所定期間に含まれる前記1相励磁の各励磁期間はいずれも、励磁可能な期間における最短期間に設定されており、
I 前記特定駆動制御を開始する場合に最初の前記1相励磁を行った次の前記2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である
J 遊技機。」

の点で一致し、相違する点はない。

(3)請求人の主張

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請求人は、令和1年9月30日付けの審判請求書において、次のように主張している。

「理由2(特許法第29条第1項第3号)及び理由3(特許法第29条第2項)について
本願発明1及び2は、引用文献2(特開2013-022235号公報)に記載された発明と同一であるとともに、当該引用文献1に記載された発明から当業者であれば容易に想到し得るものであることを根拠として、拒絶査定がなされている。当該拒絶査定に対する意見を以下に述べる。
本願発明1及び2と引用文献2に記載された発明とを対比すると、本願発明1及び2は、
・「前記特定駆動制御を開始する場合に最初の前記1相励磁を行った次の前記2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である」という構成を備えているのに対して、引用文献2に記載された発明は当該構成を備えていない点で相違する(以下、相違点という)。
上記相違点に係る構成は明細書の段落1196欄に記載されているように、「周回体の停止位置に関係なく初期の回転揺れを十分に抑制できるようにするという異質な課題」を解決するために採用された構成である。つまり、特定駆動制御を開始する場合に最初の1相励磁を行った次の2相励磁の励磁期間を22.4msec以上とすることで、回転開始直前における周回体の停止位置に関係なく初期の回転揺れを十分に抑制することが可能となる。
これに対して、引用文献2には上記のような異質な課題は記載も示唆もされておらず、さらに当該異質な課題が記載も示唆もされていないことから当然のことながら上記相違点に係る構成のような数値限定の内容は何ら記載も示唆もされていない。そうすると、引用文献2に接した当業者が当該引用文献2に記載された発明から出発して上記相違点に係る構成を導出することは不可能である。
以上より、本願発明1及び2は、引用文献2に記載された発明と同一ではなく、引用文献2に記載された発明から当業者であれば容易に想到し得る発明でもないと確信する。」((2)拒絶査定に対する意見 (2-2)理由2(特許法第29条第1項第3号)及び理由3(特許法第29条第2項)について)

そこで、上記主張について検討する。

上記(2)(i)において検討したように、引用発明の「タイマ値」が「31」(構成i)であることは、「タイマ割込み」が31回発生するのに要する時間であり、「1.5ms毎に1回の頻度でのタイマ割込みを発生させて」いることからみて、2番目の2相励磁の励磁期間が46.5ms(31×1.5)であることを意味する。

したがって、引用発明は、本願発明の「2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である」構成を備えるものである。

次に、引用発明の奏する効果について検討する。

引用発明は、本願発明の「2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である」構成を備えるものであるから、本願発明と同じ効果を奏するものである。

また、引用文献2には、回胴回転開始制御処理における励磁制御の開始について、「回胴回転開始制御処理においては、励磁制御の開始補正が行われる(ステップS227)。励磁制御の開始補正は以下の理由から必要とされる。

回胴回転停止スイッチ16e~16を押下したとき、リール8a~8cにブレーキ制動(4相全て励磁する全相励磁)をかけても直ぐには停止に至らない。即ち、実際にリールが停止するまでには、1乃至2ステップ角度だけ滑って停止する。滑って停止した際には、この角度のずれ分を吸収しながら新たな加速処理を行う必要があり、できる限り初期励磁での電磁的吸引力(トルク)は小さい方が好ましい。初期励磁が2相の場合は、トルクが強いためガタツキが目立つ。トルクが弱い1相にするとズレ分をゆっくり吸収できるのでガタツキが目立ちにくい。このため、開始補正は励磁出力カウンタをビット0クリアして行われる。励磁出力カウンタをビット0クリアすることにより「0」、「2」、「4」、「6」のいずれかになり、その後、後述するステップS222で励磁出力カウンタを1加算するため、励磁出力カウンタは「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかになる。従って、図17の(17B)の励磁出力テーブルから明らかなように、強制的に1相励磁から励磁制御を開始させることができる。」(【0121】)との記載がある。

上記【0121】の記載によれば、「回胴回転開始制御処理」の励磁制御の開始補正において、リールが滑って停止した場合の滑りによるずれ分を吸収すべく、初期励磁をトルクが弱い1相にし、ズレ分をゆっくり吸収してガタツキを目立ちにくくすることが記載されている。

そうすると、引用発明は、初期励磁を「トルクが弱い1相励磁」とするものであるから、リールが滑って停止した場合の滑りによるずれ分をゆっくり吸収してガタツキを目立ちにくくするという効果、すなわち、請求人が本願発明の奏する降下であると主張する「回転開始直前における周回体の停止位置に関係なく初期の回転揺れを十分に抑制することが可能となる。」という効果(以下「本願発明の奏する効果I」という。)を奏するものである。

ところで、請求人は、本願発明が構成Iを備えることにより、上記「本願発明の奏する効果I」を奏するものである旨主張するが、本願発明の奏する効果Aは、本願発明の構成Iに加えて、構成Hを併せて備えることにより奏される効果であるとみるのが妥当である。

このことは、本願発明の構成H~Iに対応する、引用発明が構成hと構成iを併せて備えることにより奏される効果について説明された【0126】に「ステップS215以下の回胴回転加速制御処理においては、トルクが弱い1相励磁の期間に対応するタイマ値を「1」にしてその時間を極力短くし、トルクが強い2相励磁の期間を長めに設定し、それを徐々に短くしているため、回胴起動後に速やかに定速状態に移行させて円滑な回胴遊技を促進することができる。」と記載されていることからいえることである。

そうすると、本願発明には、最初の1励磁の励磁時間や、タイマ割込みのタイマ値の特定もされていないから、そもそも、「22.4msec以上」という数値に技術的意義はないと認められる。

よって、引用発明は、本願発明により操作される効果と同様の効果を奏するものであるから、請求人の上記主張を採用することはできない。

(4)まとめ

上記(1)~(3)より、本願発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

5 拡大先願について

(1)先願明細書等

原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願の日前の他の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた特願2015-226468号(特開2017-93575号公報参照。以下「先願」という。)(出願日:平成27年11月19日、出願人:株式会社ニューギン、発明者:堀内元継)、特許請求の範囲または図面(以下「先願明細書等」という。)の願書に最初に添付した明細書(以下「先願明細書」という。)には、「遊技機」に関して次の事項が図面とともに記載されている。

ア 「【0013】
図1及び図2に示すように、スロットマシン10は、機内部に、リールユニット16を備えている。リールユニット16は、第1リール161と、第2リール162と、第3リール163と、を備えている。なお、図2には、第1リール161と、該第1リール161を動作させるための機構についてのみ図示されている。リール162,163、及びこれらのリールを動作させるための機構については、第1リール161の場合と同様であるため、符号のみが示されている。リール161~163は、何れも扁平な円筒状の部材である。リール161~163は、左からこの順番で並んでおり、それぞれ左リール、中リール、及び右リールとも称される回胴(ドラム)である。
・・・
【0017】
リールユニット16は、第1リール161を動作させる第1ステッピングモータM1と、第2リール162を動作させる第2ステッピングモータM2と、第3リール163を動作させる第3ステッピングモータM3と、を備えている。ステッピングモータM1~M3は、第1相の巻線と、第2相の巻線と、第3相の巻線と、第4相の巻線と、を備えた4相あステッピングモータである。例えば、各相の巻線の数は2つである。
【0018】
図3に示すように、この実施形態において、ステッピングモータM1~M3は、1-2相励磁方式によって制御される。ステッピングモータM1~M3の励磁状態には、第1相の巻線に通電された第1励磁状態と、第1相の巻線及び第2相の巻線に通電された第2励磁状態と、第2相の巻線に通電された第3励磁状態と、第2相の巻線及び第3相の巻線に通電された第4励磁状態と、がある。また、ステッピングモータM1~M3の励磁状態には、第3相の巻線に通電された第5励磁状態と、第3相の巻線及び第4相の巻線に通電された第6励磁状態と、第4相の巻線に通電された第7励磁状態と、第4相の巻線及び第1相の巻線に通電された第8励磁状態と、がある。このように、この実施形態において、ステッピングモータM1~M3の励磁状態には、4種類の1相励磁状態と、4種類の2相励磁状態と、がある。
【0019】
1-2相励磁方式では、第1励磁状態(1相)→第2励磁状態(2相)→第3励磁状態(1相)→第4励磁状態(2相)→第5励磁状態(1相)→第6励磁状態(2相)→第7励磁状態(1相)→第8励磁状態(2相)→第1励磁状態(1相)…のように、各相の巻線への通電状態を切り替えることで、励磁状態がステップごとに順番に遷移する。この実施形態において、ステッピングモータM1~M3の出力軸は、504ステップで一回転する。即ち、ステッピングモータM1~M3の1ステップあたりの回転角度(ステップ角)は、0.714°である。また、1図柄あたりのステップ数は、24ステップになる。」
イ 「【0039】
主制御基板40は、センサSE1~SE4と接続されている。主制御用CPU40aは、センサSE1~SE3が検出片を検出したときに出力する検出信号、及びメダルセンサSE4がメダルを検出したときに出力する検出信号を入力可能に構成されている。主制御基板40は、ステッピングモータM1?M3と接続されている。主制御用CPU40aは、ステッピングモータM1~M3に対する制御信号(パルス信号)の出力態様、即ち第1相から第4相の巻線に対する通電状態を制御することにより、ステッピングモータM1~M3の動作を各別に制御可能に構成されている。」
ウ 「【0051】
次に、主制御用CPU40aは、最短遊技時間(ウェイトタイム)が経過したか否かを判定する(ステップS110)。最短遊技時間が経過していない場合(ステップS110:NO)、主制御用CPU40aは、最短遊技時間が経過するまで待機する。最短遊技時間が経過している場合(ステップS110:YES)、主制御用CPU40aは、停止中のリール161~163の回転を開始させるとともに、予め定めた角速度(回転速度)まで加速させるための処理を行う(ステップS111)。ステップS111の処理において、主制御用CPU40aは、割り込み周期毎に行うリール加速処理を開始させる。この実施形態において、割り込み周期は、1.4891(ms)である。この実施形態において、リール加速処理は、リール161~163の角速度を予め定めた角速度まで加速させる加速処理に相当する。このリール加速処理の詳細については後述する。
・・・
【0059】
次に、割り込み周期毎に行われる割り込み処理のうち、リール加速処理とリール維持処理とについて説明する。最初に、リール加速処理について説明する。なお、リール加速処理は、リール161~163ごとに独立して、且つ並行して実行されるが、その制御内容は同一であるため、第1リール161についてのみ詳しく説明し、その他のリール162,163についての説明を省略する。
・・・
【0062】
リール161が停止中ではない場合(ステップS201:NO)、又はステップS204の処理が終了した場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている割り込みカウンタC1に示される割り込み回数を1減算して更新する(ステップS205)。この実施形態において、主制御用CPU40aは、割り込み周期(この実施形態では1.4981(ms))毎に割り込みカウンタC1に示される割り込み回数を1減算することから、割り込みカウンタC1は、実質的に、現在の励磁状態(ステップ)を維持する期間Tを計時するタイマとして機能する。」
エ 「【0072】
次に、図7~図9を参照して、リール加速処理における第1ステッピングモータM1の具体的な制御例(制御パターン)について説明する。図7~図9において、第1相から第4相の欄に示す「○」は、その相の巻線が通電されており、励磁状態に制御されていることを示している。なお、ステッピングモータM2,M3についても同様であるので、その説明を省略する。
【0073】
図7に示すように、第1制御例は、1ステップ目から18ステップ目までの全18ステップで構成されている。第1制御例では、ステップ数=1,3,5,7,9,11,13,15,17のように、ステップ数が奇数である場合の割り込み回数は全て1回である。また、ステップ数=2の場合の割り込み回数は45回であり、ステップ数=4の場合の割り込み回数は6回であり、ステップ数=6,8,10の場合の割り込み回数は3回であり、ステップ数=12,14,16,18の場合の割り込み回数は2回である。そして、第1制御例では、18ステップでリール加速処理が完了し、19ステップ目からリール維持処理が開始されるようになっている。即ち、第1制御例において、移行ステップ数は、19ステップである。」

オ 【図7】(ステッピングモータの第1制御例を説明するための模式図。)

カ 「【0077】
また、第1制御例では、第2制御例及び第3制御例に比して、予め定めた角速度(回転速度)に到達してからの速度にバラつきが少なかった。即ち、第1制御例では、第2制御例及び第3制御例に比して、リール161~163の揺れ(振動)が少ない結果となった。以上のことから、第1制御例(77割り込み)、第2制御例(83割り込み)、及び第3制御例(91割り込み)の順番で、予め定めた角速度(回転速度)に到達する時間が短くなる。即ち、より短時間で且つ安定してリール161~163を予め定めた角速度まで加速させることができる。
【0078】
図7~図9に示すように、リール加速処理において、第1ステッピングモータM1の励磁状態は、1ステップ目から移行ステップ数に到達するまで、1ステップごとに、1相励磁状態と2相励磁状態とに交互に遷移される。また、リール維持処理において、第1ステッピングモータM1の励磁状態は、リール停止処理が開始される迄の間、1ステップごとに、1相励磁状態と2相励磁状態とに交互に遷移される。」
キ 「【0086】
また、第1制御例~第3制御例において、リール加速処理が開始されるとき(即ち1ステップ目)の励磁状態は、第1励磁状態であり、リール加速処理からリール維持処理へ移行されるとき(即ち移行ステップ目)の励磁状態は、第1励磁状態とは異なる励磁状態である。即ち、リール加速処理からリール維持処理へ移行されるときの励磁状態は、リール加速処理が開始されたときの励磁状態とは異なる励磁状態である。
・・・
【0089】
(2)リール加速処理において、同じ比率rで制御されるステップ数は段階的に増加され、減少することがないため、リール161~163を滑らかに加速させることができる。そして、リール161~163の角速度(回転速度)を予め定めた角速度(回転速度)へ迅速に到達させることによって、遊技をテンポよく行わせ、遊技者の興趣を向上させることができる。」

ク 上記ア~キの記載事項、および、図面の図示内容を総合すると、先願明細書等には、次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる(a~jは、本願発明のA~Jに対応させて当審判合議体にて付与した。)。

「a リール161~163(【0013】)と、
b リール161~163を動作させるステッピングモータM1~M3(【0017】)と、
c ステッピングモータM1~M3の動作を各別に制御可能に構成されている主制御用CPU40a(【0039】)と、
を備え、
続きを表示(全13行)
d ステッピングモータM1~M3は、1-2相励磁方式によって制御され(【0018】)、
e 主制御用CPU40aは、1ステップ目から18ステップ目までの全18ステップで構成される、ステッピングモータM1の制御例(制御パターン)では、停止中のリール161の回転を開始させるとともに、予め定めた角速度(回転速度)までの加速を18ステップで完了させる処理において、割り込み周期毎に行うリール加速処理を開始させ(【0051】、【0072】、【0073】)、
f リール加速処理において、ステッピングモータM1の励磁状態は、1ステップ目から移行ステップ数に到達するまで、1ステップごとに、1相励磁状態と2相励磁状態とに交互に遷移され(【0017】、【0078】)、
リール加速処理は、リール161~163ごとに独立して、且つ並行して実行されるが、その制御内容は同一であり(【0059】)、
g 1-2相励磁方式では、第1励磁状態(1相)→第2励磁状態(2相)→第3励磁状態(1相)→第4励磁状態(2相)→第5励磁状態(1相)→第6励磁状態(2相)→第7励磁状態(1相)→第8励磁状態(2相)→第1励磁状態(1相)…のように、各相の巻線への通電状態を切り替えることで、励磁状態がステップごとに順番に遷移し(【0019】)、
リール加速処理が開始されるとき(即ち1ステップ目)の励磁状態は、第1励磁状態(1相)であり(【0019】、【0086】)、
h~i 主制御用CPU40aは、リール加速処理において、割り込み周期(1.4981(ms))毎に割り込みカウンタC1に示される割り込み回数を1減算し(【0051】、【0062】)、
ステップ数=1,3,5,7,9,11,13,15,17のように、ステップ数が奇数である場合の割り込み回数は全て1回であり、ステップ数=2の場合の割り込み回数は45回であり(【0073】)、
j スロットマシン10(【0013】)。」

(2)対比

本願発明と先願発明とを、分説に従い対比する。

(a)

先願発明の構成aの「リール161~163」は、本願発明の構成Aの「周回体」に相当する。

(b)

先願発明の構成bの「リール161~163を動作させるステッピングモータM1~M3」は、上記(a)より、本願発明の構成Bの「周回体を回転させる駆動手段」に相当する。

(c)

先願発明の構成cの「ステッピングモータM1~M3の動作を各別に制御可能に構成されている主制御用CPU40a」は、上記(b)より、本願発明の構成Cの「駆動手段を駆動制御する駆動制御手段」としての機能を有する。

(d)

先願発明の構成dの「1-2相励磁方式によ」ることは、本願発明の構成Dの「励磁されることによ」ることに相当する。

また、先願発明の構成dの「ステッピングモータM1~M3」は、構成bより「リール161~163を動作させる」ものである。

したがって、先願発明の構成dは、本願発明の構成Dに相当する。

(e)

先願発明の構成eの「停止中のリール161の回転を開始させるとともに、予め定めた角速度(回転速度)までの加速を18ステップで完了させる処理において」「開始」される「リール加速処理」は、構成b~cより、「主制御用CPU40a」により、「ステッピングモータM1」を「制御」することによりなされるものであるから、先願発明の構成Eの「周回体の回転を開始させて所定回転速度となるように駆動手段を特定駆動制御する」ことに相当する。

したがって、先願発明の構成eの「停止中のリール161の回転を開始させるとともに、予め定めた角速度(回転速度)までの加速を18ステップで完了させる処理において」、「リール加速処理を開始させ」る「主制御用CPU40a」は、本願発明の構成Eの「周回体の回転を開始させて所定回転速度となるように駆動手段を特定駆動制御する特定駆動制御手段を備え」る「駆動制御手段」としての機能を有する。

(f)

先願発明の構成fの「ステッピングモータM1の励磁状態」が、「1相励磁状態と2相励磁状態とに交互に遷移され」る「1ステップ目から移行ステップ数に到達するまで」の期間は、本願発明の構成Fの「1相励磁と2相励磁とが駆動手段に対して交互に行われる所定期間」に相当する。

そして、上記(e)より、先願発明の「リール加速処理を開始させ」ることは、本願発明の「駆動手段を特定駆動制御する」ことに相当する。

したがって、先願発明の構成fの「リール加速処理において、ステッピングモータM1の励磁状態は、1ステップ目から移行ステップ数に到達するまで、1ステップごとに、1相励磁状態と2相励磁状態とに交互に遷移され」ることは、本願発明の構成Fの「特定駆動制御が実行される期間として、1相励磁と2相励磁とが駆動手段に対して交互に行われる所定期間が存在して」いることに相当する。

(g)

先願発明の構成gの「リール加速処理が開始される」場合は、上記(e)より、本願発明の「特定駆動制御を開始する場合」に相当する。

そうすると、先願発明の構成gの「リール加速処理が開始されるとき(即ち1ステップ目)の励磁状態は、第1励磁状態(1相)であ」ることは、本願発明の構成Gの「特定駆動制御を開始する場合、1相励磁から開始」することに相当する。

そして、先願発明の構成dの「1-2相励磁方式」は、構成gより、「第1励磁状態(1相)→第2励磁状態(2相)」「…のように、各相の巻線への通電状態を切り替えることで、励磁状態がステップごとに順番に遷移」するものであるから、本願発明の構成Gの「1相励磁から開始した後に、2相励磁を行う」ことに相当する。

したがって、先願発明の構成gは、本願発明の構成Gに相当する。

(h)

先願発明における構成h~iの「ステップ数=1」は、構成gより、「リール加速処理が開始されるとき(即ち1ステップ目)の励磁状態」のことであるから、本願発明の構成Hの「特定駆動制御を開始する場合における1相励磁」に相当する。

そして、先願発明は、構成gより、「ステップ数=1,3,5,7,9,11,13,15,17」に対応する第1,3,5,7,1,3,5,7,1励磁状態は、いずれも「1相」励磁状態である。

また、先願発明の構成h~iの「割り込み回数は全て1回であ」ることは、本願発明の構成Hの「励磁可能な期間における最短期間に設定されて」いることに相当する。

したがって、先願発明の構成h~iの「リール加速処理」において、「ステップ数=1,3,5,7,9,11,13,15,17のように、ステップ数が奇数である場合の割り込み回数は全て1回であ」ることは、本願発明の構成Hの「特定駆動制御を開始する場合における1相励磁を含めて所定期間に含まれる1相励磁の各励磁期間はいずれも、励磁可能な期間における最短期間に設定されて」いることに相当する。

(i)

先願発明における構成h~iの「ステップ数=2」は、構成gより、「各相の巻線への通電状態を切り替えることで」、「ステップ数=1」の次に「遷移」される「励磁状態」であるから、先願発明の構成Iの「特定駆動制御を開始する場合に最初の1相励磁を行った次の2相励磁」に相当する。

そして、先願発明における構成h~iの「割り込み回数は45回であ」ることは、「割り込み周期(1.4981(ms))」であることから、励磁期間が67.4145ms(=45回×1.4981ms)であることに対応する。

ここで、「励磁期間」の「67.4145ms」は、「22.4msec以上」である。

そうすると、先願発明における構成h~iの「割り込み回数は45回である」ことは、本願発明の構成Hの 「励磁期間は22.4msec以上であること」に相当する。

したがって、先願発明の構成h~iの「リール加速処理」において、「ステップ数=2の場合の割り込み回数は45回であ」ることは、本願発明の構成Iの「特定駆動制御を開始する場合に最初の1相励磁を行った次の2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である」ことに相当する。

したがって、先願発明の構成iは、本願発明の構成Iに相当する。

(j)

先願発明の構成jの「スロットマシン10」は、本願発明の構成Jの「遊技機」に相当する。

(k)上記(a)~(j)によれば、本願発明と先願発明は、

「A 周回体と、
B 当該周回体を回転させる駆動手段と、
C 当該駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
を備え、
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D 前記駆動手段は、励磁されることにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
E 前記駆動制御手段は、前記周回体の回転を開始させて所定回転速度となるように前記駆動手段を特定駆動制御する特定駆動制御手段を備え、
F 前記特定駆動制御が実行される期間として、1相励磁と2相励磁とが前記駆動手段に対して交互に行われる所定期間が存在しており、
G 前記特定駆動制御手段は、前記特定駆動制御を開始する場合、前記1相励磁から開始した後に、前記2相励磁を行うものであり、
H 前記特定駆動制御を開始する場合における前記1相励磁を含めて前記所定期間に含まれる前記1相励磁の各励磁期間はいずれも、励磁可能な期間における最短期間に設定されており、
I 前記特定駆動制御を開始する場合に最初の前記1相励磁を行った次の前記2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である
J 遊技機。」

の点で一致し、相違する点はない。

(3)請求人の主張

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請求人は、令和1年9月30日付けの審判請求書において、次のように主張している。

「本願発明1及び2は、先願1(特願2015-226468号(特開2017-093575号公報))に記載された発明と同一であることを根拠として、拒絶査定がなされている。当該拒絶査定に対する意見を以下に述べる。 本願発明1及び2と先願1に記載された発明とを対比すると、本願発明1及び2は、
・「前記特定駆動制御を開始する場合に最初の前記1相励磁を行った次の前記2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である」という構成を備えているのに対して、先願1に記載された発明は当該構成を備えていない点で相違する(以下、相違点という)。
上記相違点に係る構成は明細書の段落1196欄に記載されているように、「周回体の停止位置に関係なく初期の回転揺れを十分に抑制できるようにするという異質な課題」を解決するために採用された構成である。つまり、特定駆動制御を開始する場合に最初の1相励磁を行った次の2相励磁の励磁期間を22.4msec以上とすることで、回転開始直前における周回体の停止位置に関係なく初期の回転揺れを十分に抑制することが可能となる。
これに対して、先願1には上記相違点に係る構成のような数値限定の内容は何ら記載も示唆もされていない。また、上記相違点に係る構成は上記のとおり「周回体の停止位置に関係なく初期の回転揺れを十分に抑制できるようにするという異質な課題」を解決するための構成であり、当該構成は周知・慣用技術ではない。さらにまた、上記相違点に係る構成を備えていることにより、本願発明1及び2は上記のとおり「回転開始直前における周回体の停止位置に関係なく初期の回転揺れを十分に抑制することが可能となる。」という新たな効果を奏することが可能である。
したがって、本願発明1及び2は先願1に記載された発明と同一ではないと確信する。」((2)拒絶査定に対する意見 (2-1)理由1(特許法第29条の2)について)

そこで、上記主張について検討する。

上記(2)(i)において検討したように、先願発明の「リール加速処理」(構成h~i)における、「ステップ数=1」の次に「遷移」される「ステップ数=2」の「励磁状態」は、構成h~iによれば、「割り込み回数は45回」であり、かつ、「割り込み周期(1.4981(ms))」であることから、「ステップ数=2」の励磁期間は、67.4145ms(=45回×1.4981ms))となる。

したがって、先願発明は、本願発明の「2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である」構成を備えるものである。

次に、先願発明の奏する効果について検討する。

先願発明は、本願発明の「2相励磁の励磁期間は22.4msec以上である」構成を備えるものであるから、本願発明と同じ効果を奏するものである。

そして、上記「4(3)請求人の主張」において検討したように、本願発明には、最初の1励磁の励磁時間や、タイマ割込みのタイマ値の特定もされていないから、そもそも、「22.4msec以上」という数値に技術的意義はないと認められる。

(4)まとめ

上記(1)~(3)より、本願発明は、先願発明と同一の発明であり、しかも、本願発明の発明者が先願発明の発明者と同一であるとはいえず、また、本願の出願時点において、その出願人が先願発明の出願人と同一であるともいえないので、本願発明は、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。

6 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2019-012933

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