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特許拒絶査定不服審判

2019-008172

自動運転制御装置

審判番号
2019-008172
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-222798
請求日
2019年06月19日
審決日
2020年07月14日
公報発行日
2020年10月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】エイディシーテクノロジー株式会社
  • 【請求人代理人】足立 勉
審判長/審判官
  • 審判長 渡邊 豊英
  • 審判官 鈴木 充
  • 審判官 北村 英隆
分類
P18 .121-Z (G08G) / P18 .575-Z (G08G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-222798「自動運転制御装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月17日出願公開、特開2018- 77854〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2015年(平成27年)11月18日(優先権主張2014年11月19日)を国際出願日とする特願2016-560272号の一部を、平成29年11月20日に新たな特許出願としたものであって、平成29年11月22日に手続補正書及び上申書が提出され、平成30年9月6日付け(発送日:同年9月11日)で拒絶理由が通知され、平成30年11月5日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成31年3月8日付け(発送日:同年3月19日)で拒絶査定がされ、これに対して令和元年6月19日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、その審判の請求と同時に手続補正がされ、令和元年8月9日付けで前置報告がされ、令和元年10月21日に上申書が提出されたものである。 第2 令和元年6月19日の手続補正についての補正の却下の決定 〔補正の却下の決定の結論〕 令和元年6月19日の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 〔理由〕 1 本件補正発明 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、本件補正前(平成30年11月5日の手続補正書)の請求項1に、 「【請求項1】 車両に搭載される自動運転制御装置であって、 前記車両は、タイヤを有する車輪を備え、 当該自動運転制御装置は、 前記車両の周囲の情報である周囲情報を取得するように構成された周囲情報取得部と、 前記車両の運転モードを、前記車両の走行に必要な複数種類の運転動作の少なくとも一部を前記周囲情報に基づいて自動で実行する高度自動化モード、及び、前記自動で実行する前記運転動作である自動運転動作の種類が前記高度自動化モードよりも少ないか若しくはゼロである基本モード、の何れかに設定するように構成された運転モード設定部と、 前記運転モード設定部により設定された前記運転モードに基づき、その運転モードにおいて設定されている前記自動運転動作を実行するように構成された自動制御部と、 前記タイヤのパンクが発生しているか否か判断するように構成されたパンク判断部と、 を備え、 前記自動制御部は、前記運転モードが少なくとも前記高度自動化モードに設定されている場合に、前記パンク判断部により前記タイヤのパンクが発生していると判断された場合は、実行するように設定されている前記自動運転動作の少なくとも1つについてその実行を停止するように構成されている、 自動運転制御装置。」 とあったものを、 「【請求項1】 車両に搭載される自動運転制御装置であって、 前記車両は、タイヤを有する車輪を備え、 当該自動運転制御装置は、 前記車両の周囲の情報である周囲情報を取得するように構成された周囲情報取得部と、 前記車両の運転モードを、前記車両の走行に必要な複数種類の運転動作の少なくとも一部を前記周囲情報に基づいて自動で実行する高度自動化モード、及び、前記自動で実行する前記運転動作である自動運転動作の種類が前記高度自動化モードよりも少ないか若しくはゼロである基本モード、の何れかに設定するように構成された運転モード設定部と、 前記運転モード設定部により設定された前記運転モードに基づき、その運転モードにおいて設定されている前記自動運転動作を実行するように構成された自動制御部と、 前記タイヤのパンクが発生しているか否か判断するように構成されたパンク判断部と、 を備え、 前記自動制御部は、前記運転モードが少なくとも前記高度自動化モードに設定されている場合に、前記パンク判断部により前記タイヤのパンクが発生していると判断された場合は、実行するように設定されている前記自動運転動作の少なくとも1つについてその実行を停止する自動運転停止処理を実行可能な状態であるか否か判断し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態であると判断した場合は前記車両の走行を許容しつつ前記自動運転停止処理を実行し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態ではないと判断した場合は、前記自動運転停止処理を実行することなく前記自動運転動作を継続するように構成されている、 自動運転制御装置。」 と補正することを含むものである(下線は補正箇所を示すために請求人が付与した。)。 上記補正は、本件補正前の請求項1に記載される発明の発明特定事項である「前記パンク判断部により前記タイヤのパンクが発生していると判断された場合は、実行するように設定されている前記自動運転動作の少なくとも1つについてその実行を停止する」に関して、「自動運転停止処理を実行可能な状態であるか否か判断し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態であると判断した場合は前記車両の走行を許容しつつ前記自動運転停止処理を実行し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態ではないと判断した場合は、前記自動運転停止処理を実行することなく前記自動運転動作を継続する」との限定を付したものであり、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)否かについて検討する。 2 引用文献、引用発明 原査定の拒絶の理由に引用された特開2014-106854号公報(公開日:平成26年6月9日。以下「引用文献1」という。)には、「自動運転車両制御装置および方法」に関して、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。 ア 「【0011】 本発明において、前記自動運転手段は、自動運転中に前記判断手段により自動運転を行うための条件を満たしていないと判断された場合は、運転者に対して自動運転の解除を促す通知を行う、ことが好ましい。また、本発明において、前記判断手段により自動運転を行うための条件を満たしていると判断される場合のみ、自動運転を開始する、ことも好ましい。」 イ 「【0020】 〈装置構成〉 図1は、本実施形態にかかる自動運転車両制御装置1の構成を示す。自動運転車両制御装置1は、車両に搭載され、車両を自動的に制御して運転者(ドライバ)による操作なしで車両を移動させる装置である。本実施形態にかかる自動運転車両制御装置1は、自動運転制御が可能であるか否かの判断と、自動運転が安全に実行できないと判断されるがドライバが手動運転に切り替えない場合の処理に特徴がある。 【0021】 図1に示すように、自動運転車両制御装置1は、周辺状況取得センサ10、車両走行状 態取得センサ20、ドライバ状態取得センサ30、地図情報記憶部40、自動運転制御ECU50、入力部60および出力部70を備える。 【0022】 周辺状況取得センサ10は、車両が置かれている環境がどのような状態であるかを認識するためのセンサ群であり、GPS装置11、車載通信機12、前方・側方センサ13およびナビゲーションシステム14を有している。GPS(Global Positioning System)装置11は、複数のGPS衛星からGPS信号を受信して、自車両の位置を測位する。GPS装置11は、受信可能なGPS信号の数が多いと測位の精度が向上する。車載通信装置12は、他の車両との間の車車間通信や、路側機との間の路車間通信を行うための通信装置である。前方・側方センサ13は、ミリ波レーダーや超音波ソナーなどであり、自車両周囲の車両・歩行者・店舗・障害物などの物体の位置及び移動速度を検出する。ナビゲーションシステム14は、GPS装置11から得られる位置情報と、地図情報とに基づいて、自車両の位置を地図上で表示したり目的地までの経路を案内したりする。ここでは、車両が置かれている環境を認識するためのセンサの具体例をいくつか説明したが、ここで説明した以外にも車載カメラなどの種々のセンサを用いて環境状態を認識することができる。」 ウ 「【0026】 入力部60は、ドライバから自動運転制御ECU50へ対して入力を行う手段であり、ボタン、スイッチ、タッチスクリーンなどである。ドライバは、入力部60を介して、自動運転の開始や中止などの命令を自動運転制御ECU50へ入力可能である。 【0027】 出力部70は、自動運転制御ECU50からドライバへ対して情報を提示するための手段であり、ディスプレイやスピーカーなどである。自動運転制御ECU50は、自動運転が可能であることを知らせる通知や、自動運転を継続することができず手動運転に切り替えるように促す通知などを、出力部70を介してドライバへ提示する。」 エ 「【0032】 センサ精度判断部52は、自動運転制御ECU50が自動運転制御の際に用いるセンサ情報の精度が十分であるか否かを判断するための機能部である。センサ情報の精度が十分であるということは、自動運転を安全に行うための条件を満たしていると言える。」 オ 「【0035】 通知部53は、自動運転を未実行の時に、自動運転を安全に実行可能と判断されれば、出力部70を介してその旨をドライバに通知する。通知部53は、また、自動運転実行中に、自動運転を安全に実行不可能と判断されれば、自動運転から手動運転に切り替えることを促す通知を、出力部70を介してドライバへ通知する。 【0036】 車両制御部54は、車両を自動的に運転するために、各種センサから得られる情報に基づいて周辺の状況を判断して、アクセル量、ブレーキ量、操舵角などの制御を行う。具体的には、現在走行中の車線を保ち、かつ前方車両との車間距離を所定距離以上保つように車両の制御を行う。本実施形態においては、自動運転制御は従来技術の手法を用いて実現すればよいので、ここでは詳しくは説明しない。」 カ 「【0040】 図4は、自動運転機能がオンの時に定期的に実行される処理を示すフローチャートである。自動運転制御ECU50は、周辺状況取得センサ10から周辺状況を表すセンサ情報を取得し、車両走行状態取得センサ20から自車両の走行状態を表すセンサ情報を取得し、ドライバ状態取得センサ30からドライバの状態を表すセンサ情報を取得する(S401)。安全地点算出部51は、取得されたセンサ情報および地図情報に基づいて、現在の状況において自車両が安全に停車できる場所を求めて、結果をメモリに記憶する(S402)。また、取得されたセンサ情報に基づいて、センサ精度判断部52が、センサの検知精度が十分であるか(所定の基準を満たすか)を判断し、検知精度が十分であれば自動運転機能を安全に継続(実行)できるとみなし、不十分であれば自動運転機能を安全に継続できないとみなす(S403)。自動運転機能が安全に継続できれば(S404-YES)、車両制御部54は自動運転制御を継続する(S405)。一方、自動運転機能が安全に継続できない場合(S404-NO)には、通知部53が、自動運転から手動運転に切り替えるようにドライバに促す通知を、出力部70を介して出力する。この通知に応じて、ドライバが手動運転に切り替えた場合(S407-YES)には、処理を終了する。一方、手動運転に切り替える通知をしてから所定期間経過しても手動運転に切り替える入力がない場合(S407-NO)は、車両制御部54は、安全地点算出部51が算出してメモリに記憶してある安全地点に車両を誘導し、そこに停車するように制御する。なお、この安全地点への誘導の際に、車載通信機12を介した通信やハザードランプの点灯などによって、安全地点へ待避中であることを周囲の車両に通知することが好ましい。 【0041】 <本実施形態の作用・効果> 本実施形態にかかる自動運転車両制御装置によれば、センサから得られる情報の精度が十分で無い場合には、自動運転が開始されず、また、自動運転中であれば手動運転に切り替えるように促される。したがって、自動運転の安全性を高め、ドライバへの危険を未然に回避できる。また、手動運転に切り替える要求にドライバが応答しない場合に車両を停止させる場所を、定期的にあらかじめ算出している。したがって、ドライバが応答しない非常事態において、即座にかつ安全に車両を停止させることが可能となる。」 キ 引用文献1に記載の車両がタイヤを有する車輪を備えていることは、技術常識からみて自明である。 ク 引用文献1に記載の「自動運転」及び「手動運転」は「運転モード」といえる。そして、上記イ(段落【0020】の「・・・ドライバが手動運転に切り替えない場合・・・」との記載を参照。)及び上記ウ(段落【0026】)から、「自動運転の開始」は「自動運転」に設定することということができ、「自動運転」の「中止」は「手動運転」に設定することということができるから、「入力部60」は「自動運転、及び、手動運転、の何れかに設定するように構成された入力部60」ということができる。 上記記載事項、認定事項及び図面の図示内容を総合し、本件補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 〔引用発明〕 「車両に搭載される自動運転車両制御装置1であって、 前記車両は、タイヤを有する車輪を備え、 当該自動運転車両制御装置1は、 前記車両が置かれている環境がどのような状態であるかを認識するためのセンサ群である周辺状況取得センサ10と、 前記車両の運転モードを、前記周辺状況取得センサ10から得られる情報から周辺の状況を判断し、アクセル量、ブレーキ量、操舵角などを制御することによって前方車両との車間距離を所定距離以上保つように車両を制御する自動運転、及び、手動運転、の何れかに設定するように構成された入力部60と、 前記入力部60において自動運転が設定されている場合に自動運転を行う自動運転制御ECU50と、 センサ情報の精度が十分であるか否かを判断するためのセンサ精度判断部52と、 を備え、 前記自動運転制御ECU50は、前記運転モードが前記自動運転に設定されている場合に、前記センサ精度判断部52によりセンサの検知精度が不十分であると判断された場合は、自動運転から手動運転に切り替えるようにドライバに促す通知を出力部70を介して出力し、ドライバが手動運転に切り替えた場合には自動運転を中止し、手動運転に切り替える通知をしてから所定期間経過しても手動運転に切り替える入力がない場合には、安全地点に車両を誘導し、そこに停車するように制御するように構成されている、 自動運転制御装置。」 (2)引用文献2 原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-1791号公報(以下「引用文献2」という。)には、「車両の制御装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0007】この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、隊列走行もしくは追従走行のように前方車両に追従して走行している際の異常を好適に処理して状況に適した車両の挙動を確保することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。」 イ 「【0052】図1において、先ず、信号の読み込みを含む入力信号の処理がおこなわれる(ステップS1)。ついで走行モードの確認の有無が判断される(ステップS2)。この走行モードの確認は、走行形態が単独走行か隊列走行かの確認であり、これらの走行形態の識別ができていれば、ステップS2で肯定判断される。 【0053】このステップS2で肯定判断された場合、現在の走行形態(走行モード)が単独走行か否かが判断される(ステップS3)。走行形態の変更に伴う制御内容の変更操作あるいは隊列走行のためのシステムをアクティブにする操作を、スイッチによる切り換えによって実行できるので、ステップS3の判断はそのスイッチの動作状態に基づいて判断することができる。 【0054】このステップS3で否定判断された場合、すなわち隊列走行をおこなっていてそのための制御が実行されている場合には、その隊列走行を維持(継続)することが可能か否かが判断される(ステップS4)。隊列走行を継続するためには、先ず、走行可能であること、前方車両を検出できること、その検出結果に基づいて追従走行のための制御が可能なことなどが条件になる。ステップS4ではこれらの条件が満たされているか否かが判断され、具体的には、上記の第1の条件に属するものとして、例えばタイヤのパンクや燃料(一例としてガソリン)の残量、(スタータ)モータ用バッテリの充電量の低下などが判断され、また上記の第2の条件に属するものとして、例えば前方車両の間への障害物の侵入や前方車両を検出できなくなること(ロストすること)などが判断され、さらに前記の第3の条件に属するものとして、装置の異常の発生などが判断される。 【0055】ステップS4で肯定判断されれば、車両の走行のための駆動系統や隊列走行のための制御系統に異常がなく、隊列走行を正常に遂行できるので、隊列走行制御のための処理をおこなう(ステップS5)。すなわち隊列走行を継続する。具体的には、先導車両は後続の車両との間で通信された情報に基づいて、後続の追従車両が隊列を維持しやすいように変速段や変速比などの駆動系統の特性を設定し、また追従車両は前方の車両に駆動特性を合わせるとともに、前方の車両との間に一定の車間距離を維持して前方車両に追従して走行するように制御される。 【0056】これに対して何らかの異常が発生して隊列走行を維持することが困難なためにステップS4で否定判断された場合には、その異常の生じた車両は隊列を維持して走行することが困難であるから、隊列走行のための制御をキャンセルしてその隊列から離脱する処理を実行する(ステップS6)。すなわち、前方の車両に追従する制御が中止されてその隊列とは異なるレーンを走行するように走行車線を変更する。その場合、隊列を組んでいる各車両に異常の発生に伴う隊列からの離脱が通信され、その結果、隊列から離脱する車両に追従していた車両は、離脱した車両に追従せずに、離脱車両よりも更に前方の隊列を組む車両を検出してその車両に追従走行し、あるいは前方車両を検出するまで自動走行する。したがっていずれかの車両に異常が生じても直ちに隊列走行が不可能になったり、そのために隊列を組む複数台の車両がそのまま停止したりすることが回避され、それに伴って道路の通行が確保される。 【0057】なお、異常の発生に伴って隊列を離脱した車両は、更に、単独走行制御のための処理をおこなう(ステップS7)。これは、前述した隊列走行のための制御を解除して通常の車両としての走行をおこなうための制御を設定する処理である。例えば前述したレーダクルーズシステムをオフとし、また車両間通信のための送受信機をオフ状態とし、さらに追従車両においては無人運転を可能にするための自動操舵システム(図示せず)をオフ状態すなわち手動操舵可能な状態にする処理である。」 上記記載事項及び図面(特に、図1を参照。)の図示内容から、引用文献2には次の事項が記載されている(以下「引用文献2記載事項」という。)。 〔引用文献2記載事項〕 「車両が隊列走行をおこなっているときに、タイヤのパンクが判断されると、隊列走行のための制御を解除して通常の車両としての走行をおこなうための制御を設定すること。」 3 対比及び判断 本件補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「自動運転制御装置1」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本件補正発明における「自動運転制御装置」に相当し、以下同様に、「車両が置かれている環境がどのような状態であるかを認識するためのセンサ群である」は「車両の周囲の情報である周囲情報を取得するように構成された」に、「周辺状況取得センサ10」は「周囲情報取得部」に、「前記周辺状況取得センサ10から得られる情報から周辺の状況を判断し、アクセル量、ブレーキ量、操舵角などを制御することによって前方車両との車間距離を所定距離以上保つように車両を制御する」は「前記車両の走行に必要な複数種類の運転動作の少なくとも一部を前記周囲情報に基づいて自動で実行する」に、「自動運転」は「高度自動化モード」に、「入力部60」は「運転モード設定部」に「自動運転制御ECU50」は「自動制御部」に、「前記入力部60において自動運転が設定されている場合に自動運転を行う」は「前記運転モード設定部により設定された前記運転モードに基づき、その運転モードにおいて設定されている前記自動運転動作を実行するように構成された」に、「前記運転モードが前記自動運転に設定されている場合」は「前記運転モードが少なくとも前記高度自動化モードに設定されている場合」に、それぞれ相当する。 引用発明における「手動運転」は、自動で実行する運転動作がゼロであるから、本件補正発明における「前記自動で実行する前記運転動作である自動運転動作の種類が前記高度自動化モードよりも少ないか若しくはゼロである基本モード」に含まれる。 引用発明における「センサ情報の精度が十分であるか否かを判断するためのセンサ精度判断部52」と、本件補正発明における「前記タイヤのパンクが発生しているか否か判断するように構成されたパンク判断部」とは、「自動運転を解除すべきか否かを判断するための判断部」という限りにおいて一致しており、以下同様に、「前記センサ精度判断部52によりセンサの検知精度が不十分であると判断された場合」と「前記パンク判断部により前記タイヤのパンクが発生していると判断された場合」とは、「前記判断部により自動運転を解除すべきと判断された場合」という限りにおいて一致しており、「自動運転から手動運転に切り替えるようにドライバに促す通知を出力部70を介して出力し、ドライバが手動運転に切り替えた場合には自動運転を中止し、手動運転に切り替える通知をしてから所定期間経過しても手動運転に切り替える入力がない場合には、安全地点に車両を誘導し、そこに停車するように制御するように構成されている」と、「実行するように設定されている前記自動運転動作の少なくとも1つについてその実行を停止する自動運転停止処理を実行可能な状態であるか否か判断し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態であると判断した場合は前記車両の走行を許容しつつ前記自動運転停止処理を実行し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態ではないと判断した場合は、前記自動運転停止処理を実行することなく前記自動運転動作を継続するように構成されている」とは、「自動運転を停止するか、車両の運転を制御するように構成されている」という限りにおいて一致している。 そうすると、本件補正発明と引用発明との間には、次の一致点及び相違点がある。 〔一致点〕 「車両に搭載される自動運転制御装置であって、 前記車両は、タイヤを有する車輪を備え、 当該自動運転制御装置は、 前記車両の周囲の情報である周囲情報を取得するように構成された周囲情報取得部と、 前記車両の運転モードを、前記車両の走行に必要な複数種類の運転動作の少なくとも一部を前記周囲情報に基づいて自動で実行する高度自動化モード、及び、前記自動で実行する前記運転動作である自動運転動作の種類が前記高度自動化モードよりも少ないか若しくはゼロである基本モード、の何れかに設定するように構成された運転モード設定部と、 前記運転モード設定部により設定された前記運転モードに基づき、その運転モードにおいて設定されている前記自動運転動作を実行するように構成された自動制御部と、 自動運転を解除すべきか否かを判断するための判断部と、 を備え、 前記自動制御部は、前記運転モードが前記高度自動化モードに設定されている場合に、前記判断部により自動運転を解除すべきと判断された場合は、自動運転を停止するか、車両の運転を制御するように構成されている、 自動運転制御装置。」 〔相違点1〕 「自動運転を解除すべきか否かを判断するための判断部」及び「判断部により自動運転を解除すべきと判断された場合」に関して、本件補正発明においては「前記タイヤのパンクが発生しているか否か判断するように構成されたパンク判断部」及び「前記パンク判断部により前記タイヤのパンクが発生していると判断された場合」であるのに対して、引用発明においては「センサ情報の精度が十分であるか否かを判断するためのセンサ精度判断部52」及び「前記センサ精度判断部52によりセンサの検知精度が不十分であると判断された場合」である点。 〔相違点2〕 「自動運転を停止するか、車両を制御するように構成されている」に関して、本件補正発明においては「実行するように設定されている前記自動運転動作の少なくとも1つについてその実行を停止する自動運転停止処理を実行可能な状態であるか否か判断し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態であると判断した場合は前記車両の走行を許容しつつ前記自動運転停止処理を実行し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態ではないと判断した場合は、前記自動運転停止処理を実行することなく前記自動運転動作を継続するように構成されている」のに対して、引用発明においては「自動運転から手動運転に切り替えるようにドライバに促す通知を出力部70を介して出力し、ドライバが手動運転に切り替えた場合には自動運転を中止し、手動運転に切り替える通知をしてから所定期間経過しても手動運転に切り替える入力がない場合には、安全地点に車両を誘導し、そこに停車するように制御するように構成されている」点。 相違点1について検討する。 引用文献2記載事項は「車両が隊列走行をおこなっているときに、タイヤのパンクが判断されると、隊列走行のための制御を解除して通常の車両としての走行をおこなうための制御を設定すること。」というものである。 引用発明における「前方車両との車間距離を所定距離以上保つように車両を制御する自動運転」と、引用文献2記載事項における「隊列走行」とは、前方車両に追従して走行するという点で共通している。また、引用文献2には、隊列走行を維持できなくなる場合として、パンクの他に、前方車両の間への障害物の侵入や前方車両を検出できなくなることも記載されている(段落【0054】を参照。)。これは、パンクの他に検出手段(センサ)に不具合が生じた場合も、前方車両に追従して走行することを維持できなくなる場合であることを示唆している。 そうすると、引用発明において、センサ情報の精度が十分でない場合に加えて、あるいは代えて、タイヤのパンクが発生した場合に自動運転を解除するように構成する動機付け、すなわち、引用発明に引用文献2記載事項を適用する動機付けはあるといえる。 そうすると、引用発明に引用文献2記載事項を適用し、上記相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。 上記相違点2について検討する。 引用発明における「手動運転に切り替える通知をしてから所定期間経過しても手動運転に切り替える入力がない場合」とは、引用文献1の段落【0041】の「手動運転に切り替える要求にドライバが応答しない場合に車両を停止させる場所を、定期的にあらかじめ算出している。したがって、ドライバが応答しない非常事態において、」との記載を参酌すると、ドライバが応答しない非常事態を想定しているものと理解でき、ドライバが応答しない非常事態が、自動運転停止処理を実行可能な状態でないことは、当業者が容易に理解できることである。 そうすると、引用発明において「自動運転から手動運転に切り替えるようにドライバに促す通知を出力部70を介して出力し、ドライバが手動運転に切り替えた場合」と「手動運転に切り替える通知をしてから所定期間経過しても手動運転に切り替える入力がない場合」とに場合分けすることは、「実行するように設定されている前記自動運転動作の少なくとも1つについてその実行を停止する自動運転停止処理を実行可能な状態であるか否かを判断」するものといえる。 本件補正発明における「(自動運転停止処理を実行可能な状態ではないと判断した場合は、)前記自動運転停止処理を実行することなく前記自動運転動作を継続する」は、本件補正後の請求項2の記載並びに本願明細書の段落【0132】及び【0133】の記載を参酌すると、車両を安全に停車させることを含むものである。よって、引用発明における「安全地点に車両を誘導し、そこに停車するように制御する」は、本件補正発明における「自動運転停止処理を実行することなく前記自動運転動作を継続する」に含まれる。 そうすると、引用発明における「自動運転から手動運転に切り替えるようにドライバに促す通知を出力部70を介して出力し、ドライバが手動運転に切り替えた場合には自動運転を中止し、手動運転に切り替える通知をしてから所定期間経過しても手動運転に切り替える入力がない場合には、安全地点に車両を誘導し、そこに停車するように制御するように構成されている」は、本件補正発明における「実行するように設定されている前記自動運転動作の少なくとも1つについてその実行を停止する自動運転停止処理を実行可能な状態であるか否か判断し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態であると判断した場合は前記車両の走行を許容しつつ前記自動運転停止処理を実行し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態ではないと判断した場合は、前記自動運転停止処理を実行することなく前記自動運転動作を継続するように構成されている」に相当するといえるから、上記相違点2は実質的な相違点ではない。 そして、全体としてみても、本件補正発明が奏する効果は、引用発明及び引用文献2記載事項から、当業者が予測できる範囲内のものであって、格別なものでない。 したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 請求人の主張について 請求人は平成30年11月5日の意見書において次のように主張している。 「引用文献1に記載の発明では、自動運転を継続できるか否かを、検出手段それ自体の検出精度に基づいて判断しており、検出手段によって検出される具体的事象に基づいて自動運転の継続を判断することについては記載も示唆もされていません。この点で、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明とは大きく相違します。 引用文献2に記載の発明は、隊列走行を前提とした発明です。引用文献2に記載の発明では、タイヤがパンクした場合、隊列走行が維持できないことから、そのタイヤがパンクした車両を、隊列走行のための制御(前車追従)を中止させて隊列から離脱させます。これにより、タイヤがパンクした車両の単独走行、及び他の車両の隊列走行の継続を可能としています。 一方、本願の請求項1に係る発明は、タイヤのパンクが発生したとき、前車追従を中止するのではなく、その時点において実行するように設定されている自動運転動作の少なくとも1つを停止します。この点で、本願の請求項1に係る発明は、引用文献2に記載された発明とは大きく相違します。 さらに、引用文献1(主引例)に引用文献2(副引例)を組み合わせること自体にも無理があります。即ち、引用文献1には、タイヤの空気圧及びパンクに関する記載や示唆はなく、隊列走行に関する記載や示唆もなく、引用文献2に記載の技術を適用することについて動機付けとなり得る記載はありません。しかも、前述の通り、引用文献1に記載の発明は、あくまでも検出手段それ自体の検出精度に基づいて自動運転を解除するものであり、検出手段の検出結果に基づく具体的事象に基づいて自動運転の継続を判断することについては記載も示唆もありません。そのため、引用文献1に引用文献2を適用する動機付けはなく、そのような組み合わせは到底考えられません。」(【意見の内容】3.(1)) しかしながら、上記相違点1についての検討で述べたように、引用文献1に引用文献2を適用する動機付けは存在する。 また、上記主張のうち「本願の請求項1に係る発明は、タイヤのパンクが発生したとき、前車追従を中止するのではなく、その時点において実行するように設定されている自動運転動作の少なくとも1つを停止します。」との点について検討すると、「自動運転動作の少なくとも1つを停止」することは、自動運転動作の全てを停止すること、すなわち、手動運転に切り替えることを含むものであるから、その点においては引用発明も同様である。 さらに、請求人は審判請求書において次のように主張している。 「更に、本願の請求項1に係る発明は、下記の技術的特徴を備えております。 『前記自動制御部は、前記運転モードが少なくとも前記高度自動化モードに設定されている場合に、前記パンク判断部により前記タイヤのパンクが発生していると判断された場合は、実行するように設定されている前記自動運転動作の少なくとも1つについてその実行を停止する自動運転停止処理を実行可能な状態であるか否か判断し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態であると判断した場合は前記車両の走行を許容しつつ前記自動運転停止処理を実行し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態ではないと判断した場合は、前記自動運転停止処理を実行することなく前記自動運転動作を継続するように構成されている、』 上記の技術的特徴は、パンクの特殊性が考慮された、本願発明特有の特徴的な構成であります。 即ち、パンクが発生した場合、パンクの程度によって、車両の走行自体が不可能になる場合がある一方で、車両の走行が必ずしも不可能にはならず車両の走行を継続できる場合もあり得ます。しかも、パンクが発生したとしても、自動制御部自体に問題が生じたわけでもありません。 そのため、パンクが発生したとしても、必ずしも自動制御部が自動運転動作を正常に実行できなくなるわけではありません。このことは、本願の当初明細書の段落0163に『パンクに起因して、自動制御機能による車両1の制御が正常に行えなくなる可能性がある。』と記載されていることからも明らかです。 よって、パンクが発生したとしても、必ずしも自動運転停止処理を実行(即ち自動運転動作を停止)しなければならないわけではありません。 さらに、パンクが発生した場合に、仮に、無条件に自動運転停止処理を実行するようにすると、そのときの状態(例えば車両の状態、運転者の状態など)によっては問題が生じる可能性があります。例えば、運転者が眠っているときにパンクが発生したことを想定します。この場合、運転者が眠っているにもかかわらず、パンクが発生したという事実に応答して無条件に自動運転動作が行われなくなると、車両の走行に異常を来す可能性があります。 そこで、本願の請求項1に係る発明では、上述したような、パンクという事象の特殊性、およびパンク発生時に無条件に自動運転動作が停止されることによって生じ得る問題に鑑み、パンクが発生した場合、自動運転停止処理を実行可能な状態ならば、車両の走行を許容しつつ自動運転停止処理を実行する一方で、自動運転停止処理を実行可能な状態でなければ自動運転動作をそのまま継続させるようにしています。 これにより、本願の請求項1に係る発明によれば、パンクが発生した場合に、車両の走行を許容しつつ、自動運転停止処理を実行可能な状態であるか否かに応じた適切な制御が可能となります。」 しかしながら、上記相違点2についての検討において述べたとおり、本件補正発明における「自動運転動作を継続する」は、本件補正後の請求項2の記載並びに本願明細書の段落【0132】及び【0133】の記載を参酌すると、車両を安全に停車させることを含むものであるから、この点においては引用発明も同様である。 加えて、請求人は審判請求書において次のように主張している。 「なお、引用文献1の段落0040には、自動運転機能を安全に継続できない場合には自動運転から手動運転に切り替えるようにドライバに促す通知を出力し、この通知に応じてドライバが手動運転に切り替えた場合に自動運転を終了することが記載されています。つまり、引用文献1に記載の発明では、手動運転に切り替えるためには、あくまでも、ドライバ自らが、手動運転への切り替えを指示する操作を行うことが必要です。 これに対し、本願の請求項1に係る発明では、ドライバ自らによる、自動運転動作の停止を指示する操作を要することなく、自動運転停止処理を実行可能な状態ならば、自動制御部が自動で、自動運転動作を停止(即ち自動運転停止処理を実行)します。」 しかしながら、本件補正発明においては「自動運転停止処理を実行可能な状態であるか否かの判断」の具体的な内容までは特定されておらず、ドライバによる操作が必要な場合を排除するものではないから、当該主張は特許請求の範囲の記載に基づくものではない。 したがって、上記請求人の上記主張はいずれも採用できない。 5 令和元年10月21日の上申書について 請求人は令和元年10月21日に上申書(以下「上申書」という。)を提出し、特許請求の範囲の補正案を提示しているが、「ドライバーの状態が前記運転可能状態ではないと判断した場合は、前記高度自動化モードを継続するように構成されている」との事項に関しては、本願明細書の段落【0132】、【0133】、【0144】、【0145】及び【0146】並びに図6の記載からみて、自動運転が解除可能な状態でないと判断した場合は緊急停止するものしか開示が無く、本願明細書及び図面の他の箇所に、自動運転が解除可能な状態ではないと判断した場合に高度自動化モードを継続することを示唆する記載もない。 したがって、当該事項は、サポート要件違反、あるいは、新規事項の追加に該当するおそれがある。 また、上申書で「なお、引用文献1の記載内容は、ドライバーが入力部60に入力を行うか否かを判断するというものですので、『ドライバーの状態』を判断しておらず、上記相違点の構成とは全く異なります。」(4.補正後の本願発明の進歩性について)と述べているが、上記相違点2についての検討で述べたとおり、引用発明において実質的に行っていることである。 したがって、上申書の補正案は採用することができない。 6 むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし3に係る発明は、平成30年11月5日付けの手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載されたとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2〔理由〕1 」に補正前の請求項1として記載したとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定における拒絶の理由の概要は次のとおりである。 (進歩性)本願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記   (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項1及び2に対して:引用文献等1及び2 <引用文献等一覧> 1.特開2014-106854号公報 2.特開2001-1791号公報 3 引用文献、引用発明 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2014-106854号公報)及び引用文献2(特開2001-1791号公報)並びにその記載事項及び引用発明は、前記「第2 〔理由〕2 」に記載したとおりである。 4 当審の判断 本件補正発明は、上記「第2〔理由〕1 」で述べたように、本願発明における「実行するように設定されている前記自動運転動作の少なくとも1つについてその実行を停止する」に関して、「自動運転停止処理を実行可能な状態であるか否か判断し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態であると判断した場合は前記車両の走行を許容しつつ前記自動運転停止処理を実行し、前記自動運転停止処理を実行可能な状態ではないと判断した場合は、前記自動運転停止処理を実行することなく前記自動運転動作を継続する」との限定を付したものであるから、本願発明の発明特定事項をすべて含んでいる。 そして、本願発明の発明特定事項をすべて含んでいる本件補正発明が、上記「第2〔理由〕3 」に記載したとおり、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、実質的に同様の理由により、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 5 まとめ したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-008172

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