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特許拒絶査定不服審判

2019-008115

マイクロ発光ダイオードの転写方法、製造方法、マイクロ発光ダイオード装置、及び電子機器

審判番号
2019-008115
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-547035外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年06月18日
審決日
2020年07月02日
公報発行日
2020年08月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-547035「マイクロ発光ダイオードの転写方法,製造方法,マイクロ発光ダイオード装置,及び電子機器」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 1月19日国際公開,WO2017/008254,平成29年12月28日国内公表,特表2017-539097,請求項の数(8)〕について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,2015年(平成27年)7月14日を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。 平成29年 5月31日  :国内書面 平成30年 7月13日付け:拒絶理由通知書(起案日) 平成30年10月24日  :意見書,手続補正書の提出 平成31年 2月12日付け:拒絶査定(起案日)(以下「原査定」という。) 令和 元年 6月18日  :審判請求書,誤訳訂正書の提出(以下この誤訳訂正書による誤訳訂正を「本件訂正」という。) 第2 原査定の概要 原査定の概要は次のとおりである。 1.(進歩性)本願請求項1-10に係る発明は,以下の引用文献1-6に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.国際公開第2013/154181号 2.米国特許出願公開第2015/0054008号明細書 3.特開2006-140398号公報 4.国際公開第2014/046052号 5.特開平01-201930号公報 6.特開2012-109507号公報 第3 本願発明 本願請求項1-8に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は,本件訂正で訂正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 レーザー透過性のオリジナル基板に,P電極とN電極が同一側に位置する横方向マイクロ発光ダイオードであるマイクロ発光ダイオードを形成することと, 横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドに接触させることと, オリジナル基板側からレーザーでオリジナル基板を照射することにより,オリジナル基板から横方向マイクロ発光ダイオードを剥離することと, を含むマイクロ発光ダイオードの転写方法であって, 横方向マイクロ発光ダイオードは磁気材料を含み,電磁力の作用により,横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドと接触させることを特徴とする,マイクロ発光ダイオードの転写方法。 【請求項2】 受け基板に異方性導電層を設置することと, 異方性導電層に対する処理を行うことにより,横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板における接続パッドに電気的に接続させることと, をさらに含み, 異方性導電層を介して,横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドと接触させる, ことを特徴とする請求項1に記載の転写方法。 【請求項3】 異方性導電層は,異方性電導膜,異方性電導ペースト及び異方性導電テープの少なくとも一つであることを特徴とする請求項2に記載の転写方法。 【請求項4】 重力作用により,横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドと接触させることを特徴とする請求項1に記載の転写方法。 【請求項5】 静電力の作用により,横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドと接触させることを特徴とする請求項1に記載の転写方法。 【請求項6】 前記接続パッドに電圧を印加することにより前記静電力を印加することを特徴とする請求項5に記載の転写方法。 【請求項7】 横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極に含まれる半田バンプを前記接続パッドに接合させることをさらに含む,ことを特徴とする請求項1に記載の転写方法。 【請求項8】 請求項1に記載の転写方法を用いて横方向マイクロ発光ダイオードを受け基板に転写することを含む,ことを特徴とするマイクロ発光ダイオード装置の製造方法。」 第4 引用文献,引用発明等 1.引用文献1について (1)引用文献1の記載 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付加した。以下同じ。) 「技術分野 [0001]本発明は,チップオンボード型のパッケージ基板を有する発光装置の製造方法に関する。 背景技術 [0002]III族窒化物半導体を用いた発光素子が実用化されている。このIII族窒化物半導体は,類似の結晶構造の異種材料からなる成長基板上に金属有機化学気相成長法(MOCVD)または分子線蒸着法(MBE)などを用いて成長されるものが一般的である。成長基板としては,六方晶系の構造を有するサファイア基板が主に用いられる。 [0003]この成長基板を分離する方法として,レーザリフトオフ技術が主に用いられる(例えば,特許文献1参照)。特許文献1には,成長基板上にIII族窒化物半導体層を成長させ,このIII族窒化物半導体層上に第2の基板を接合した後,成長基板側からレーザビームを照射し,III族窒化物半導体層から成長基板を分離するレーザリフト方法が記載されている。」 「[0005]ここで,レーザービームのスポット径を,ウェハの標準的なサイズである直径50mm~300mm程度とすると,分離に必要なパワーを得ることができない。従って,最終チップサイズ程度のレーザビームサイズでラインスキャンをする方式が用いられている。 [0006]しかしながら,特許文献1から3に記載のリフトオフ方法では,レーザビームをラインスキャンしていることから,ウェハ全体に均一にビームを照射することが困難である。これにより,成長基板の剥離に分布が生じ,得られる発光素子の特性にばらつきが生じたり,初期不良の発光素子が多く存在することになり,歩留まりが悪いという問題がある。 [0007]ここで,特許文献4には,成長基板上にIII族窒化物半導体層を成長させ,このIII族窒化物半導体層上に第2の基板を接合した後,ウェハ全体をラインスキャンせずに,素子に対応するスクライブラインの領域ごとにレーザを照射することが記載されている。しかし,この方法であっても,各素子の境界部分にビームを均一に照射することはできず,ウェハ単位で成長基板を剥離する際に各素子の境界部分で剥離に分布が生じることとなり,歩留まりは依然として悪い。また,ウェハにスクライブラインを形成すると,成長基板にひび割れが生じたりひずみが生じ,却って歩留まりが悪化することもある。」 「[0009]また,第2の基板なしで発光素子を切り出す前に成長基板を分離させてしまうと,半導体層のみの状態となり,ハンドリングが困難となる問題点がある。これにより,半導体層をハンドリング可能な程度まで厚くしない限り,パッケージ基板に半導体層のみを配置することができない。そのようなわけで,特許文献1,特許文献2,特許文献3及び特許文献4では,いずれも第2の基板を利用している。 [0010]そして,得られる発光素子が発光のために必要なIII族窒化物半導体層の他に第2の基板を有することから,発光素子をチップオンボード型のパッケージ基板に搭載した際に,第2の基板に起因して光学的,熱的等な性能が悪化するおそれがある。」 「[0013]本発明では,複数の発光ダイオード発光部を有するチップオンボード型のパッケージ基板を備える発光装置の製造方法であって,成長基板と,前記成長基板上の半導体発光部と,前記半導体発光部上の電極と,をそれぞれ有する互いに独立した複数のフリップチップ型の発光ダイオード素子から,所期の性能を満たす発光ダイオード素子を選別する選別工程と,前記選別工程にて選別された複数の発光ダイオード素子を,成長基板の他の基板に接合することなく,前記各発光ダイオード素子ごとに別個にパッケージ基板本体に直接的に実装する実装工程と,前記パッケージ基板本体に前記各発光ダイオード素子が直接的に実装された状態で,前記発光ダイオード素子よりも大きなスポット径のレーザを走査させることなく,前記各発光ダイオード素子ごとに素子全体にレーザを均一に照射し,前記成長基板の全部分を剥離する剥離工程と,を含む発光装置の製造方法が提供される。 [0014]この発光装置の製造方法によれば,実装工程にて,複数の発光ダイオード素子がパッケージ基板本体にフリップチップ実装され,各発光ダイオード素子がパッケージ基板本体に電気的に接続される。次いで,剥離工程にて成長基板が剥離され,半導体発光部がパッケージ基板本体上に残留する。 このように,パッケージ基板本体上に半導体層のみが残るため,成長基板等の他の基板に起因して光学的,熱的等な性能が悪化することはない。また,発光ダイオード素子を実装した後に成長基板を剥離するようにしたので,薄型の半導体層をパッケージ基板本体上に形成することができる。 また,リフトオフの際,分離した各発光ダイオード素子ごとにレーザを照射すればよく,素子が分離されない状態でウェハ全体をラインスキャンしたり素子に対応するスクライブラインの領域ごとにレーザを照射する従来の方法と比べて,成長基板の剥離に分布が生じることを抑制することができ,歩留まりを向上させることができる。特に,発光ダイオード素子よりも大きなスポット径のレーザを用いたので,各発光ダイオードに均一にビームを照射することができる。 さらにまた,選別工程で予め所期の性能を満たす発光ダイオード素子を選別して使用することができ,これによっても歩留まりを向上させることができる。すなわち,成長基板上に複数の半導体素子構造を形成したまま,一括してサブマウントやAlN基板に貼り付けるような従来のもののように,初期不良の素子が含まれてしまうようなことはない。」 「[0024]図1に示すように,この発光装置1は,ガラスの筐体2と,筐体2の下側に形成され外部電源と電気的に接続される端子部4と,を有し,筐体2内にパッケージ基板50が収容されている。パッケージ基板50は,端子部4から延び無機材料からなる支持部5により支持され,内部導線6により端子部4と電気的に接続されている。」 「[0027]図3(a)は,半導体発光部として用いられる成長基板除去前の発光素子の模式全体断面図である。 図3(a)に示すように,この発光ダイオード素子20は,フリップチップ型であり,成長基板21の表面上に,III族窒化物半導体層からなる半導体発光部22が形成されたものである。成長基板21は,例えばサファイアからなる。また,半導体発光部22上には,後述するように,p側電極28及びn側電極29が形成される。 [0028]図3(b)は,半導体発光部として用いられる成長基板除去前の発光素子の模式拡大断面図である。図3(b)においては,説明のため,成長基板21の一部を省略して図示している。 図3(b)に示すように,半導体発光部22は,バッファ層23,n型GaN層24,活性層25,光ガイド層26,p型GaN層27を成長基板21側からこの順に有している。p型GaN層27上にはp側電極28が形成されるとともに,n型GaN層24上にはn側電極29が形成されている。」 「[0032]以下,図4から図8を参照して,発光装置の製造方法について説明する。 本実施形態の発光装置の製造方法は,成長基板21と,成長基板21上の半導体発光部22と,半導体発光部22上の電極28,29と,をそれぞれ有する互いに独立した複数のフリップチップ型の発光ダイオード素子20から,所期の性能を満たす発光ダイオード素子20を選別する選別工程と,選別工程にて選別された複数の発光ダイオード素子20を,成長基板21の他の基板に接合することなく,各発光ダイオード素子20ごとに別個にパッケージ基板本体10に直接的に実装する実装工程と,パッケージ基板本体10に各発光ダイオード素子20が直接的に実装された状態で,発光ダイオード素子20よりも大きなスポット径のレーザを走査させることなく,各発光ダイオード素子20ごとに素子全体にレーザを均一に照射し,成長基板21の全部分を剥離する剥離工程と,パッケージ基板本体10上の成長基板21の残骸を,ガスを吹き付けることにより一括して退去させる退去工程と,を含んでいる。 [0033]図4は,半導体発光部をパッケージ基板本体に形成する説明図であり,発光素子をパッケージ基板本体の搭載位置上方にセットした状態を示している。 まず,パッケージ基板50に使用に適した,所期の性能を満たす発光ダイオード素子20の選別を行う。ここで所期の性能とは,製造されるパッケージ基板50の品質のばらつきが問題とならないのであれば,発光ダイオード素子20が通電時に点灯するかしないかということになるし,パッケージ基板50の品質のばらつきが問題となるのであれば,発光ダイオード素子20の順方向電圧,光量,色調等が所定の設計範囲内であるかないかということになる。すなわち,少なくとも点灯しないような不良の発光ダイオード素子20はこの段階で除かれる。 また,図4に示すように,パッケージ基板本体10における発光ダイオード素子20との接続部位には,予めAu-Snからなるはんだ32が蒸着されている。尚,はんだ32としてAu-Sn以外の材料を用いることもできる。 [0034]図5は,半導体発光部をパッケージ基板本体に形成する説明図であり,発光素子をパッケージ基板本体に搭載した状態を示している。 次いで,図5に示すように,所定の雰囲気下,所定の温度条件,所定の荷重条件にて,p側電極28及びn側電極29をはんだ32に接合させる。所定の雰囲気は,例えば,窒素及び水素を混合したフォーミングガスの他,窒素等の不活性雰囲気とすることができる。例えば,フォーミングガスとして,水素5%,窒素95%のものを用いることができる。また,発光ダイオード素子20に加えられる荷重は,例えば5g重以上50g重以下に設定される。温度条件は任意であるが,はんだ32を溶融させるためには,はんだ32を構成する材料の共晶温度又は融点以上の温度(例えば,250℃以上400℃以下の温度)に加熱する必要がある。例えば,はんだ32がAu80%,Sn20%のAu-Snはんだである場合,共晶温度である約280℃以上に加熱する必要ある。また,はんだ32を例えばSnAgCuで構成した場合,SnAgCuの融点が約220℃であるので,少なくとも約220℃以上に加熱する必要ある。このように,はんだ32を溶融固化してパッケージ基板本体10に発光ダイオード素子20を固定する。 [0035]図6は,半導体発光部をパッケージ基板本体に形成する説明図であり,発光素子の成長基板にレーザを照射している状態を示している。 次いで,図6に示すように,パッケージ基板本体10の上方から発光ダイオード素子20にレーザビームを照射する。レーザビームのスポット径は,発光ダイオード素子20の平面視面積より大きく形成され,レーザビームを走査することなく,発光ダイオード素子20全体にビームを照射することができる。ここで,レーザビームはスポットの径方向について光の強度分布があることから,発光ダイオード素子20より大きいほど,発光ダイオード素子20に照射されるビームのエネルギーをより均一にすることができる。発光ダイオード素子20はフリップチップ型であることから,成長基板21が上側に位置しており,レーザビームのエネルギーが成長基板21と半導体発光部22の界面に与えられ,成長基板21が半導体発光部22から分離する。」 「[請求項1]複数の発光ダイオード発光部を有するチップオンボード型のパッケージ基板を備える発光装置の製造方法であって, 成長基板と,前記成長基板上の半導体発光部と,前記半導体発光部上の電極と,をそれぞれ有する互いに独立した複数のフリップチップ型の発光ダイオード素子から,所期の性能を満たす発光ダイオード素子を選別する選別工程と, 前記選別工程にて選別された複数の発光ダイオード素子を,成長基板の他の基板に接合することなく,前記各発光ダイオード素子ごとに別個にパッケージ基板本体に直接的に実装する実装工程と, 前記パッケージ基板本体に前記各発光ダイオード素子が直接的に実装された状態で,前記発光ダイオード素子よりも大きなスポット径のレーザを走査させることなく,前記各発光ダイオード素子ごとに素子全体にレーザを均一に照射し,前記成長基板の全部分を剥離する剥離工程と,を含むチップオンボード型のパッケージ基板を有する発光装置の製造方法。」 「[図4] 」 (2)上記(1)から,上記引用文献1には次の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「サファイア等からなる成長基板21の表面上に,半導体発光部22が形成され,半導体発光部22上には,p側電極28及びn側電極29が形成され, 発光ダイオード素子20との接続部位にはんだ32が蒸着されたパッケージ基板本体10にp側電極28及びn側電極29を接合し, パッケージ基板本体10の上方から発光ダイオード素子20にレーザビームを照射し, レーザビームのエネルギーが成長基板21と半導体発光部22の界面に与えられることにより成長基板21が半導体発光部22から分離する, 発光装置の製造方法であって, 所定の雰囲気下,所定の温度条件,所定の荷重条件にて,はんだ32を溶融固化して,p側電極28及びn側電極29をはんだ32に接合させる, 発光装置の製造方法。」 2.引用文献2について (1)引用文献2の記載 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。 「[0002] 1. Field of the Invention [0003] The present disclosure relates to a display device, and more particularly, to a display device using a semiconductor light emitting device. [0004] 2. Description of the Related Art [0005] In recent years,display devices having excellent characteristics such as low profile,flexibility and the like have been developed in the display technical field. On the contrary, currently commercialized main displays are represented by liquid crystal displays (LCDs) and active matrix organic light emitting diodes(AMOLEDs). [0006] However, there exist problems such as not-so-fast response time, difficult implementation of flexibility in case of LCDs, and there exist drawbacks such as short life span,not-so-good yield as well as low flexibility in case of AMOLEDs. [0007] On the other hand,light emitting diodes (LEDs) are well known light emitting devices for converting an electrical current to light, and have been used as a light source for displaying an image in an electronic device including information communication devices since red LEDs using GaAsP compound semiconductors were made commercially available in 1962, together with a GaP:N-based green LEDs. Accordingly,the semiconductor light emitting devices may be used to implement a flexible display, thereby presenting a scheme for solving the problems.」(日本語訳は当合議体で作成した。以下同じ。:1.発明の分野 本開示はディスプレイ装置に関し,より詳細には,半導体発光素子を使用したディスプレイ装置に関する。 2.関連技術の説明 近年,薄型,可撓性等の優れた特性を有するディスプレイ装置がディスプレイ技術分野で開発されている。これとは対照的に,現在市販されている主なディスプレイは,液晶表示装置(LCD)及びアクティブマトリックス式有機発光ダイオード(AMOLED)に代表される。 しかし,LCDの場合は,応答時間がそれほど早くない,可撓性の実装が困難である等の問題があり,AMOLEDの場合は,可撓性が低いだけでなく短寿命,収率がそれほど良好でない等の欠点がある。 他方で,発光ダイオード(LED)は,電流を光に変換するための周知の発光装置であり,1962年にGaAsP化合物半導体を使用した赤色発光ダイオードが市販されて以来,GaP(リン化ガリウム):N系緑色発光ダイオードと共に,情報通信装置を含む電子デバイス内部で画像を表示するための光源として使用されてきた。よって,半導体発光素子は,フレキシブルディスプレイを実装するために使用されてもよく,これにより問題を解決するためのスキームが提示される。) 「[0054]The sub-pixel of the flexible display may be implemented by a semiconductor light emitting device. According to the present disclosure, a light emitting diode (LED) is illustrated as a type of semiconductor light emitting device. The light emitting diode may be formed with a small size to perform the role of a sub-pixel even in the second configuration through this.(フレキシブルディスプレイの副画素は,半導体発光素子によって実装してもよい。本開示によると,発光ダイオード(LED)は,半導体発光素子の一つのタイプとして記載されている。発光ダイオードは,これにより第2の構造においても副画素の役割を果たすように,小さい寸法で形成されていてもよい。) 「[0074]Referring to FIG. 4, the semiconductor light emitting device may be a flip chip type semiconductor light emitting device. [0075]For example, the semiconductor light emitting device may include a p-type electrode 156, a p-type semiconductor layer 155 formed with the p-type electrode 156, an active layer 154 formed on the p-type semiconductor layer 155, an n-type semiconductor layer 153 formed on the active layer 154, and an n-type electrode 152 disposed to be separated from the p-type electrode 156 in the horizontal direction on the n-type semiconductor layer 153. In this case, the p-type electrode 156 maybe electrically connected to the welding portion 179 by the conductive adhesive layer 130, and the n-type electrode 152 may be electrically connected to the second electrode 140.」(図4を参照すると,半導体発光素子はフリップチップ型半導体発光素子であってもよい。 例えば,半導体発光素子はp型電極156,p型電極156を備えて形成されたp型半導体層155,p型半導体層155の上に形成された活性層154,活性層154の上に形成されたn型半導体層153,n型半導体層153に接し,p型電極156から水平方向に離間して配置されるn型電極152を含んでいてもよい。この場合,p型電極156は,導電性接着剤層130により溶接部分179に電気的に接続されていてもよいし,n型電極152は第2の電極140に電気的に接続されていてもよい。) 「[0099]Next, a second substrate 112 located with a plurality of semiconductor light emitting devices 150 corresponding to the location of the auxiliary electrodes 170 and second electrodes 140 and constituting individual pixels is disposed such that the semiconductor light emitting device 150 faces the auxiliary electrode 170 and second electrode 140. [0100]In this case, the second substrate 112 as a growth substrate for growing the semiconductor light emitting device 150 may be a sapphire substrate or silicon substrate. [0101]The semiconductor light emitting device may have a gap and size capable of implementing a display device when formed in the unit of wafer, and thus effectively used for a display device. [0102]Next, the wiring substrate is thermally compressed to the second substrate 112. For example, the wiring substrate and second substrate 112 may be thermally compressed to each other by applying an ACF press head. The wiring substrate and second substrate 112 are bonded to each other using the thermal compression. Only a portion between the semiconductor light emitting device 150 and the auxiliary electrode 170 and second electrode 140 may have conductivity due to the characteristics of an anisotropic conductive film having conductivity by thermal compression, thereby allowing the electrodes and semiconductor light emitting device 150 to be electrically connected to each other. At this time, the semiconductor light emitting device 150 may be inserted into the anisotropic conductive film, thereby forming a partition wall between the semiconductor light emitting devices 150. [0103]Next, the second substrate 112 is removed. For example, the second substrate 112 may be removed using a laser lift-off (LLO) or chemical lift-off (CLO) method.」(つぎに,補助電極170,第2の電極140及び構成する個々の画素の位置に対応する複数の半導体発光素子150を備えて位置づけされる第2の基板112は,半導体発光素子150が補助電極170及び第2の電極140に対向するように配置される。 この場合,半導体発光素子150を成長させるための成長基板としての第2の基板112は,サファイア基板又はシリコン基板であってもよい。 半導体発光素子は,ウエハ単位で形成されることで,ディスプレイ装置に効果的に使用されれば,ディスプレイ装置を実装することができる空隙及び寸法を備えることができる。 つぎに,配線基板は第2の基板112に熱圧縮される。例えば,配線基板及び第2の基板112はACFプレスヘッドで加圧することにより,互いに熱圧縮してもよい。配線基板及び第2の基板112は,熱圧縮を利用して互いに接合される。半導体発光素子150,補助電極170,第2の電極140の間の一部分のみが,熱圧縮により導電性を帯びるという異方性導電フィルムの特性により導電性を帯びることがあり,これにより電極と半導体発光素子150は互いに電気的に接続できる。同時に,半導体発光素子150は異方性導電フィルムに挿入可能であり,これにより半導体発光素子150の間に間仕切り壁が形成される。 つぎに,第2の基板112が除去される。例えば,第2の基板112はレーザリフトオフ(LLO)法又は化学リフトオフ(CLO)法を利用して除去してもよい。) (2)上記(1)から,上記引用文献2には次の発明(以下,「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「サファイア基板等からなる成長基板としての第2の基板112に発光ダイオードである半導体発光素子150を成長させ, 配線基板に導電性接着剤層130を介して半導体発光素子150が形成された第2の基板112が圧着され, レーザリフトオフにより第2の基板112を除去する, 半導体発光素子を用いた表示装置の製造方法。」 3.引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。 「【0001】 本発明は,発光ダイオード(LED)等の素子を転写配列する素子転写方法に関するものであり,特に,磁気的結合力を利用した新規な素子転写方法に関する。 【背景技術】 【0002】 例えば発光ダイオードをマトリクス状に配列した発光ダイオードディスプレイ(LEDディスプレイ)の製造においては,LED素子をダイシング後に個別に取り出し,これを回路基板に配列して実装するという方法が採用されている。この場合,発光素子であるLEDは高価であるため,1枚のウエハにできる限り数多くのLED素子を作り込むことにより,LEDディスプレイを低コストに作製できるものと考えられる。例えば,LED素子の大きさを,従来約300μm角程度であったものを数十μm角程度とすれば,1枚のウエハに作り込めるLED素子の数が飛躍的に向上し,それを再配列してLEDディスプレイを製造すれば,装置の価格を大幅に削減することができるものと期待される。 【0003】 前述の製造方法においては,回路基板上にはLED素子を画素ピッチに対応して配列する必要があるが,この画素ピッチは素子形成時の素子の配列ピッチとは無関係であり,したがって,製造に際しては,LED素子を再配列するための技術が必要になる。特に,上記のように1枚のウエハに多数のLED素子を作り込んだ場合,いわゆる拡大転写技術が必須である。 【0004】 そこで,各素子を集積度高く形成し,ダイシングした後に転写等によって離間させながら広い領域へと移動させ,比較的大きな表示装置を構成する技術が提案されている(例えば,特許文献1乃至特許文献8等を参照)。 特開2002-118124号公報 特開2002-182580号公報 特開2002-185039号公報 特開2002-311858号公報 特開2002-314053号公報 特開2002-314123号公報 特開2003-77940号公報 特開2003-98977号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 前述の各特許文献記載の転写技術において,共通して言えることは,いずれも素子を転写する際に,転写基板の樹脂(接着剤)による貼り付け,樹脂(接着剤)からの転写基板の剥離が必要であり,転写プロセスが煩雑であるという大きな問題がある。 【0006】 例えば,従来の素子転写方法の一例について説明すると,従来の素子転写方法では,レーザの波長域で吸収する膜を形成した第2透明基板にエポキシ樹脂等を用いて第1透明基板上の素子形成面の貼り付けを行い,第1透明基板を剥離して,第1透明基板上に形成された素子を第2透明基板に転写する。その後,素子分離,電極作製を行い,第2透明基板の裏面から選択的にレーザを照射することで,上記レーザの波長域で吸収する膜を融解させ,第2透明基板から複数の素子を間引いて中継基板に転写する。さらに,中継基板に転写した素子を,埋め込み基板に押し当てて埋め込み転写する。この時点で素子裏面の配線を行い,配線を終えた素子裏面をディスプレイ基板に樹脂を用いて貼り合わせ,埋め込み基板をレーザで剥離する。剥離面からドライエッチングを行い,素子表側の樹脂を除去し,バンプに電気的な接続を行えるように頭出しをした後,配線する。 【0007】 このような転写プロセスを採用した場合,転写基板である第2透明基板に対して樹脂により素子を保持するようにしているので,剥離(分離)に手間を要し,またレーザの熱を利用する必要があることから,設備投資も必要で,コスト増にも繋がることになる。」 「【0038】 図8(a)及び図8(b)は,LED素子20の選択的な取り出し方法を示すものである。LED素子20の取り出しに際しては,図8(a)に示すように,各LED素子20と対向してシリコーン塗布層25を有する中継基板26を配置する。この状態で,転写基板11の背面側に磁性金属パターン12とは反対の磁極を有する治具27を接触させる。治具27は,本例の場合,ガラスマスク28上に磁石29を選択的に形成した構成とされている。また,磁性金属パターン12が例えばN極の場合,上記磁石29はS極が磁性金属パターン12と対向するようにする。 【0039】 すると,上記磁石29によって形成される磁界により,磁性金属パターン12より発生する磁界が打ち消され,磁石29と対向する部分の磁性金属パターン12は,帯磁された状態から消磁された状態になる。その結果,磁性金属パターン12による磁気的結合力が解消され,この部分に吸着していたLED素子20は,転写基板11から離脱し,中継基板26上へと移行する。したがって,上述の拡大転写において,例えば第1番目のマトリクス単位を構成するLED素子20に対応して,上記磁石29により磁気的結合力を選択的に解消すれば,第1番目のマトリクス単位を構成するLED素子20のみを中継基板26上に移行することができる。本例では,図8(b)に示すように,150μmピッチでLED素子20を取り出し,中継基板26に移行している。」 4.引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には,図面とともに次の事項が記載されている。 「[0001]本発明は,チップ支持基板,チップ支持方法,三次元集積回路,アセンブリ装置及び三次元集積回路の製造方法に関する。 [0002]集積回路のチップを複数積層した集積回路は,三次元集積回路と呼ばれている。メモリ等で良品のチップが多数得られるチップを積層した三次元集積回路を製造する場合には,複数のウェハを積層することにより三次元集積回路を製造する方法が用いられる。このような,三次元集積回路の製造方法は,所謂WtW(Wafer to Wafer)と呼ばれている。WtWを用い三次元集積回路を製造する場合には,スループットが高い。しかし,各ウェハに不良チップがある場合には,最終的に良品の三次元集積回路が得られる確率,つまりイールドが低くなる。 [0003]異なる機能を有しているチップを積層して三次元集積回路とする場合には,各ウェハの良品チップをチップ状態で積層して,異なる機能を有する複数のチップを積層した三次元集積回路を製造する。このような製造方法は,所謂CtC(Chip to Chip)と呼ばれている。CtCを用いた三次元集積回路の製造方法は,スループットが低い。しかしながら,良品チップを使用するので,イールドが高くなる。 [0004]チップをウェハに三次元集積する手法(Chip to Wafer,CtWと呼ぶ。)を用いた三次元集積回路の製造方法がある。しかし,CtWでは,低いスループットと低いアライメント(位置合わせともいう)精度が大きな問題である。 [0005]アセンブリのスループットとアライメント精度を劇的に増加させるために,本発明者等は,液体表面張力を伴うマルチチップの自己組織化を用いた3D集積技術(マルチチップ-ウェハ3D集積,SA-MCtW:Self Assembly based-Multi Chip to Waferと呼ぶ。)を開発してきた(非特許文献1~4及び特許文献1参照)。 [0006]特許文献1は,本発明者の一人により出願された発明である。特許文献1には,水溶液の表面張力を用いて支持基板に対しチップを高精度に位置決めすることが開示されている。チップを支持基板上にその水溶液の吸着力を利用して仮固着する。搭載された多数のチップを目的の基板上に張り替える「転写(トランスファーともいう)方式」が開示されている。 [0007]静電的なチャッキングはウェハの処理方法として良く知られている。C. Landesberger,P. Ramm,K. Bock等により,最近,静電ウェハキャリヤを用いた多目的な薄いウェハの処理システムが報告された(非特許文献5参照)。」 「[0061](D)静電吸着 図6(a)に示すように,静電吸着用の電極6に直流電圧を印加して,チップ支持基板2の親水性領域4にチップ3Aを静電吸着させて,一括して仮ボンディングを行う。 (E)樹脂モールド 図6(b)に示すように,インターポーザ基板であるチップ支持基板2と一括固定されたチップ3Aとの間に樹脂を注入して,樹脂モールド13を形成する。樹脂モールド13の材料は,例えばエポキシ樹脂である。樹脂モールド13の形成は行なわず,チップ3Aから3Cを積層した後に形成してもよい。この場合,疎水性領域は形成しなくともよい。以下,チップ3間を樹脂モールドする工程は,必要のない場合には省略できる工程である。 (F)チップ3Aへの静電吸着用電極の形成 図6(c)に示すように,チップ3Aの表面に静電吸着用の電極6を形成する。静電吸着用の電極6の形成は,工程(A)と同様に行うことができる。なお,図6(c)において,電極6がチップ3Aに埋め込まれているが,チップ3Aの平坦な表面上に電極6を形成してもよい。チップ3Aの上面に樹脂モールド13が形成されている場合には,樹脂モールド13が形成されたチップ3Aの表面を露出してから,静電吸着用の電極6を形成する。 (G)チップ3AへのSi貫通電極及びマイクロバンプの形成 図6(d)に示すように,チップ3Aを上下に貫通するSi貫通電極(以下,TSVともいう)17を形成する。チップ3A上にマイクロバンプ8を形成する。TSV17とマイクロバンプ8との形成は,工程(B)と同様に行うことができる。」 5.引用文献5について (1)引用文献5の記載 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5には,図面とともに次の事項が記載されている。 「〔概 要〕 化合物半導体基板に形成された光電変換素子とシリコン基板に形成されたマルチプレクサのような信号処理装置とを金属バンプで接続した半導体装置の製造方法に関し, 前記半導体素子を形成した基板に転位が発生することなく,かつ金属バンプに塑性変形を生じることなく金属バンプ同志が容易に接続されるのを目的とし, 一方の半導体基板に形成した半導体素子と,他方の半導体基板に形成した半導体素子とを金属バンプで接続して成る半導体装置の製造に於いて, 前記相互の半導体素子上に柱状の磁性体を形成後,該磁性体の表面に接続用金属膜を被着して金属バンプを形成後,前記磁性体の先端部を互いに異なる磁極となるように磁化した後,前記金属バンプの接続用金属膜同志を接触して前記磁性体の磁力によって金属バンプ同志を接合することで構成する。 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体装置の製造方法に係り,特に金属バンプを用いて一方の半導体基板である化合物半導体基板に形成した光電変換子と,他方の半導体基板であるシリコン基板に形成したマルチプレクサのような半導体素子とを金属バンプを用いて接続形成して一体化した半導体装置の製造方法に関する。」 「〔発明が解決しようとする課題〕 然し,前記した金属バンプ同志を加圧接続する方法では,金属バンプの加圧時に基板に歪が入る恐れがあり,素子形成領域に転位や格子欠陥が発生ずる欠点かある。」 「〔課題を解決するだめの手段〕 本発明の方法は第10に示すように,一方の半導体基板21に形成した半導体素子22と,他方の半導体基板23に形成した半導体素子24とを金属バンプ25,26で接合して成る半導体装置の製造であって,前記相互の半導体素子上に柱状の磁性体27,28を形成後,該磁性体27,28の表面に接続用金属膜29,30を被着して金属バンプ25,26を形成後,前記磁性体27,28の先端部を互いに異なる磁極となるように磁化した後,前記金属バンプ25,26の接続用金属膜29,30同志を接触して前記磁性体27,28の磁力によって金属バンプ25,26同志を接合することで構成する。」 「次いで前記した第2図(b)に示すように両者の基板41と46に形成した金属バンプ25と26を接触させると,金属バンプ25の磁性体27の先端部と,金属バンプ26の磁性体28とはそれぞれ逆方向の磁極に磁化されているので容易に互いに吸引しあうのでその力によって金属バンプ同志が容易に接合され,金属バンプ同志を相互に圧着する必要がないので半導体素子形成領域に転位や歪が発生しない状態で容易に金属バンプ同志が接続でき,半導体素子形成領域に転位や歪を発生しない高信頼度の半導体装置が得られる。」 (2)上記記載から,引用文献5には,次の技術的事項が記載されているものと認められる。 一方の半導体基板に形成した半導体素子と,他方の半導体基板に形成した半導体素子とを金属バンプで接続して成る半導体装置の製造に於いて,前記半導体素子を形成した基板に転位が発生することなく,かつ金属バンプに塑性変形を生じることなく金属バンプ同志が容易に接続されるのを目的とし,互いの金属バンプを異なる磁極となるように磁化し,互いの金属バンプを磁力によって接合する製造。 6.引用文献6について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献6には,図面とともに次の事項が記載されている。 「【0002】 本発明は,一般に,半導体素子に関し,より具体的には,半導体素子,およびフリップチップ相互接続構造を形成する方法に関する。 【背景技術】 【0003】 半導体素子は,現代の電子製品でよく見られる。半導体素子は,電気構成要素の数および密度が異なる。離散半導体素子は,概して,1種類の電気構成要素,例えば,発光ダイオード(LED),小信号トランジスタ,抵抗器,コンデンサ,インダクタ,およびパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含有する。集積半導体素子は,典型的に,数百から数百万個の電気構成要素を含有する。集積半導体素子の例は,マイクロコントローラ,マイクロプロセッサ,電荷結合素子(CCD),太陽電池,およびデジタルマイクロミラー素子(DMD)を含む。」 「【0009】 半導体ダイと基板との間のフリップチップ相互接続は,電子パッケージアセンブリでよく見られる。一般的な形態では,半導体ダイ上の相互接続バンプは,通常,リフロー工程を使用するバンプ材料の溶融によって,基板上に形成されたパッドに冶金接合される。バンプ材料のリフローは頑丈な接続を提供するが,リフローおよび凝固工程中のブリッジング,すなわち,隣接する接続間の短絡の危険性により,相互接続のピッチを低減することが困難である。代替アプローチでは,粒子膜またはペーストを使用して取付が行われ,それにより,ペーストまたは膜の中の伝導性粒子が,樹脂の収縮力とともに電気的接続を達成する。粒子膜アプローチは,相互接続ピッチの低減に役立つが,経時的に劣化する粒子相互接続の感受性により,限られた長期信頼性という問題がある。」 「【0041】 図4aは,伝導性トレース156を伴う基板またはPCB154を示す。基板154は,片面FR5積層または2面BT樹脂積層となり得る。半導体ダイ124は,バンプ材料134が伝導性トレース156上の相互接続部位と整合されるように位置付けられる(図12a―12g参照)。代替として,バンプ材料134は,基板154上に形成される伝導性パッドまたは他の相互接続部位と整合させることができる。バンプ材料134は,伝導性トレース156よりも幅広い。一実施形態では,バンプ材料134は,80μmの幅を有し,伝導性トレースまたはパッド156は,150μmのバンプピッチに対して35μmの幅を有する。圧力または力Fは,伝導性トレース156上にバンプ材料134を押し付けるように,半導体ダイ124の裏面128に印加される。力Fは,高温で印加することができる。バンプ材料134の柔軟性により,バンプ材料は,伝導性トレース156の頂面および側面の周囲で変形または押出し,バンプオンリード(BOL)と呼ばれる。具体的には,圧力の印加は,約250グラムの垂直荷重と同等の力Fの下で,約25μmより大きい塑性変形をバンプ材料134に受けさせ,図4bに示されるように,伝導性トレースの頂面および側面を覆わせる。バンプ材料234はまた,バンプ材料を伝導性トレースと物理的接触させ,次いで,リフロー温度下でバンプ材料をリフローすることによって,伝導性トレース156に冶金接続することもできる。」 第5 対比・判断 1.引用文献1を主引例とした,本願発明1の進歩性の検討 (1)対比 本願発明1と引用発明1とを対比すると,次のことがいえる。 ア 引用発明1の「成長基板21」はサファイア等からなり,パッケージ基板本体10の上方から発光ダイオード素子20にレーザビームを照射した際にレーザビームのエネルギーが成長基板21と半導体発光部22の界面にまで達することから,レーザ透過性を有するといえるので,本願発明1の「レーザー透過性のオリジナル基板」に相当する。 また,引用発明1の「半導体発光部22」はダイオードからなり,p側電極28及びn側電極29が同じ面方向に形成される横方向ダイオードであるので,引用発明1の「半導体発光部22」と本願発明1の「発光ダイオード」とは,後記の点で相違するものの,「P電極とN電極が同一側に位置する横方向発光ダイオードである発光ダイオード」である点で一致する。 したがって,引用発明1の「サファイア等からなる成長基板21の表面上に,半導体発光部22が形成され,半導体発光部22上には,p側電極28及びn側電極29が形成され」る点と,本願発明1の「レーザー透過性のオリジナル基板に,P電極とN電極が同一側に位置する横方向マイクロ発光ダイオードであるマイクロ発光ダイオードを形成すること」とは,「レーザー透過性のオリジナル基板に,P電極とN電極が同一側に位置する横方向発光ダイオードである発光ダイオードを形成すること」である点で一致する。 イ 引用発明1の「パッケージ基板本体10」,「はんだ32」は,それぞれ本願発明1の「受け基板」,「接続パッド」に相当する。 したがって,引用発明1の「発光ダイオード素子20との接続部位にはんだ32が蒸着されたパッケージ基板本体10にp側電極28及びn側電極29を接合」する工程は,本願発明1の「横方向発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドに接触させること」に相当する。 ウ 引用発明1の「パッケージ基板本体10の上方から発光ダイオード素子20にレーザビームを照射し,レーザビームのエネルギーが成長基板21と半導体発光部22の界面に与えられることにより成長基板21が半導体発光部22から分離する」工程は,本願発明1の「オリジナル基板側からレーザーでオリジナル基板を照射することにより,オリジナル基板から横方向マイクロ発光ダイオードを剥離すること」に相当する。 エ 引用発明1において,上記ア~ウの工程は,半導体発光部22は成長基板21からパッケージ基板本体10に転写する方法であるから,本願発明1の「発光ダイオードの転写方法」に相当する。 したがって,本願発明1と引用発明1との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 <一致点> 「レーザー透過性のオリジナル基板に,P電極とN電極が同一側に位置する横方向発光ダイオードである発光ダイオードを形成することと, 横方向発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドに接触させることと, オリジナル基板側からレーザーでオリジナル基板を照射することにより,オリジナル基板から横方向発光ダイオードを剥離することと, を含む発光ダイオードの転写方法。」 <相違点> (相違点1) 本願発明1は,横方向発光ダイオードが,「横方向マイクロ発光ダイオード」であるのに対し,引用発明1は「マイクロ発光ダイオード」であることが特定されていない点。 (相違点2) 本願発明1は,「横方向マイクロ発光ダイオードは磁気材料を含み,電磁力の作用により,横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドと接触させる」ものであるのに対し,引用文献1には,当該事項について記載されていない点。 (2)相違点についての判断 事案にかんがみ,最初に上記相違点2について検討する。 上記第4の5.(2)で指摘したとおり,引用文献5には,半導体素子を形成した基板に転位が発生することなく,互いの金属バンプを異なる磁極となるように磁化し,互いの金属バンプを磁力によって接合することが記載されているものの,引用発明1において,はんだ32を溶融固化して,p側電極28及びn側電極29をはんだ32に接合させる代わりに,引用文献5に記載された「互いの金属バンプを異なる磁極となるように磁化し,互いの金属バンプを磁力によって接合する」構成を採用する動機を見いだすことはできない。 すなわち,引用発明1は,引用文献5に記載される「基板に転位が発生する」との課題を有しない。 したがって,当業者といえども,引用発明1及び引用文献5に記載された技術的事項から,相違点2に係る「横方向マイクロ発光ダイオードは磁気材料を含み,電磁力の作用により,横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドと接触させる」との構成を容易に想到することはできない。 そして,上記引用文献2-4,6に記載された上記技術的事項によっても,上記判断は左右されるものではない。 (3)小括 上記(1),(2)のとおりであるから,他の相違点については検討するまでもなく,本願発明1は当業者であっても引用発明1と引用文献1-6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.引用文献2を主引例とした,本願発明1の進歩性の検討 (1)対比 本願発明1と引用発明2とを対比すると,次のことがいえる。 ア 引用発明2の「第2の基板112」はサファイア等からなり,レーザリフトオフにより剥離されることから,レーザ光が第2の基板112を透過して第2の基板112と半導体発光素子150の界面に達しており,本願発明1の「レーザー透過性のオリジナル基板」に相当する。 また,引用発明2の「半導体発光素子150」はダイオードからなり,n型電極152及びp型電極156が面方向側に形成される横方向ダイオードであるので,引用発明2の「半導体発光素子150」と本願発明1の「発光ダイオード」とは,後記の点で相違するものの,「P電極とN電極が同一側に位置する横方向発光ダイオードである発光ダイオード」である点で一致する。 したがって,引用発明2の「サファイア基板等からなる成長基板としての第2基板112に発光ダイオードである半導体発光素子150を成長させ」る工程と,本願発明1の「レーザー透過性のオリジナル基板に,P電極とN電極が同一側に位置する横方向マイクロ発光ダイオードであるマイクロ発光ダイオードを形成すること」とは,「レーザー透過性のオリジナル基板に,P電極とN電極が同一側に位置する横方向発光ダイオードである発光ダイオードを形成すること」である点で一致する。 イ 引用発明2の「配線基板」,「第2電極140及び補助電極170」は,それぞれ本願発明1の「受け基板」,「接続パッド」に相当する。 したがって,引用発明2の「配線基板に導電性接着剤層130を介して半導体発光素子150が形成された第2基板112が圧着され」る工程は,本願発明1の「横方向発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドに接触させること」に相当する。 ウ 引用発明2の「レーザリフトオフにより第2の基板112を除去する」工程は,本願発明1の「オリジナル基板側からレーザーでオリジナル基板を照射することにより,オリジナル基板から」「発光ダイオードを剥離すること」に相当する。 エ 引用発明2において,上記ア~ウの工程は,半導体発光素子150を第2の基板112から配線基板に転写する方法であるから,本願発明1の「発光ダイオードの転写方法」に相当する。 したがって,本願発明1と引用発明2との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 <一致点> 「レーザー透過性のオリジナル基板に,P電極とN電極が同一側に位置する横方向発光ダイオードである発光ダイオードを形成することと, 横方向発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドに接触させることと, オリジナル基板側からレーザーでオリジナル基板を照射することにより,オリジナル基板から横方向発光ダイオードを剥離することと, を含む発光ダイオードの転写方法。」 <相違点> (相違点3) 本願発明1は,横方向発光ダイオードが,「横方向マイクロ発光ダイオード」であるのに対し,引用発明2は「マイクロ発光ダイオード」であることが特定されていない点。 (相違点4) 本願発明1は,「横方向マイクロ発光ダイオードは磁気材料を含み,電磁力の作用により,横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドと接触させる」ものであるのに対し,引用文献2には,当該事項について記載されていない点。 (2)相違点についての判断 事案にかんがみ,最初に上記相違点4について検討する。 上記第4の5(2)で指摘したとおり,引用文献5には,半導体素子を形成した基板に転位が発生することなく,互いの金属バンプを異なる磁極となるように磁化し,互いの金属バンプを磁力によって接合することが記載されているものの,引用発明1において,半導体発光素子150のn型電極152及びp型電極156と,配線基板の第2電極140及び補助電極170との間を,導電性接着層130を介して,熱圧着により接合する代わりに,引用文献5に記載された「互いの金属バンプを異なる磁極となるように磁化し,互いの金属バンプを磁力によって接合する」構成を採用する動機を見いだすことはできない。 すなわち,引用発明2は,引用文献5に記載される「基板に転位が発生する」との課題を有しない。 したがって,当業者といえども,引用発明2及び引用文献5に記載された技術的事項から,相違点4に係る「横方向マイクロ発光ダイオードは磁気材料を含み,電磁力の作用により,横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドと接触させる」との構成を容易に想到することはできない。 そして,上記引用文献1,3,4,6に記載された上記技術的事項によっても,上記判断は左右されるものではない。 (3)小括 上記(1),(2)のとおりであるから,他の相違点については検討するまでもなく,本願発明1は当業者であっても引用発明2と引用文献1-6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 3.本願発明2-8について 本願発明2-8は,本願発明1の発明特定事項を全て含み,さらに限定したものであるから,本願発明1が,引用発明1と引用文献1-6に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえないことから,本願発明2-8も,引用発明1と引用文献1-6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。また,本願発明1が,引用発明2と引用文献1-6に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえないことから,本願発明2-8も,引用発明2と引用文献1-6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 原査定について 1.理由1(特許法第29条第2項)について 上記第5で指摘したとおり,本件訂正により,本願発明1-8は「横方向マイクロ発光ダイオードは磁気材料を含み,電磁力の作用により,横方向マイクロ発光ダイオードのP電極とN電極を受け基板に予め設置された接続パッドと接触させる」という事項を有するものとなっており,当業者であっても,拒絶査定において引用された引用文献1-6に基づいて,容易に発明できたものとはいえない。したがって,原査定の理由1を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

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2019-008115

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