特許拒絶査定不服審判
2019-006685
表示制御装置及びプログラム
- 審判番号
- 2019-006685
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-210695
- 請求日
- 2019年05月22日
- 審決日
- 2020年06月30日
- 公報発行日
- 2020年08月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】富士ゼロックス株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人太陽国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 稲葉 和生
- 審判官 野崎 大進
- 審判官 永野 志保
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017-210695「表示制御装置及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月 5日出願公開,特開2018- 55697,請求項の数(4)〕について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は,特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続きの経緯
本願は,平成22年9月8日に出願した特願2010-201293号の一部を平成26年8月29日に新たな特許出願とした特願2014-176565号の一部を平成28年4月26日に新たな特許出願とした特願2016-88444号の一部を平成29年10月31日に新たな特許出願としたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年12月 4日: 手続補正
平成30年 7月 5日付け:拒絶理由通知
平成30年 9月13日: 意見書,手続補正
平成31年 2月22日付け:拒絶査定
令和 元年 5月22日: 審判請求,手続補正
第2 原査定の概要
原査定(平成31年2月22日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-4に係る発明は,引用文献1-2に記載された発明および引用文献3-4に例示の周知技術に基づいて,当業者であれば容易になし得たものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2009-124487号公報
2.特開2006-243952号公報
3.特開2001-337765号公報(周知技術を示す文献)
4.特開2009-065243号公報(周知技術を示す文献)
第3 本願発明
1.本願発明
本願の請求項1ないし4に係る発明(以下,「本願第1発明」ないし「本願第4発明」という。)は,令和元年5月22日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし請求項4に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
利用者がサービス処理に関する機能を設定可能なサービス処理を選択するための第1選択部であり,当該第1選択部には利用者が設定した機能を利用者に認識させられるアイコン画像を表示させ,
前記サービス処理と同一のサービス処理を選択するための第2選択部を前記第1選択部とは異なる領域に表示させ,
前記第2選択部には利用者が設定した機能を表すアイコン画像であり,当該機能を利用者に認識させられるアイコン画像を表示させ,
前記第1選択部と前記第2選択部とを表示手段の同一画面に表示させ,
前記第1選択部を選択した場合に表示させる第1画面と,前記第2選択部を選択した場合に表示させる第2画面とは,どちらも前記サービス処理についての画面であり,前記第2画面には前記サービス処理に関する機能のうち前記第2選択部に表示されているアイコン画像に対応する機能についての設定値が設定可能な画面を表示させ,前記第1画面には,前記第2画面とは異なる画面を表示させるよう制御する表示制御手段と,
を備えた,表示制御装置。
【請求項2】
前記第2画面とは異なる画面とは,前記第2画面で設定できる機能に比べ,設定できる機能の数が多い画面である,請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記第2画面で設定できる機能は,前記第1画面で設定できる機能の一部である請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
利用者がサービス処理に関する機能を設定可能なサービス処理を選択するための第1選択部であり,当該第1選択部には利用者が設定した機能を利用者に認識させられるアイコン画像を表示させ,
前記サービス処理と同一のサービス処理を選択するための第2選択部を前記第1選択部とは異なる領域に表示させ,
前記第2選択部には利用者が設定した機能を表すアイコン画像であり,当該機能を利用者に認識させられるアイコン画像を表示させ,
前記第1選択部と前記第2選択部とを表示手段の同一画面に表示させ,
前記第1選択部を選択した場合に表示させる第1画面と,前記第2選択部を選択した場合に表示させる第2画面とは,どちらも前記サービス処理についての画面であり,前記第2画面には前記サービス処理に関する機能のうち前記第2選択部に表示されているアイコン画像に対応する機能についての設定値が設定可能な画面を表示させ,前記第1画面には,前記第2画面とは異なる画面を表示させるよう制御する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。」
2.引用文献,引用発明等
(1)引用文献1および引用発明
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は,当審が付加した。以下同様。)。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は,画像処理システム,画像処理装置,画像処理実行プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,機器操作画面のUI(ユーザーインターフェイス)をhtml形式で記述し,操作画面からhtml形式を変更することにより,容易に操作画面をカスタマイズできる方法が提案されている(特許文献1参照)。」
(イ)「【0019】
画像処理装置16は,画像読取デバイス20と画像形成デバイス22を備えている。画像読取デバイス20と画像形成デバイス22とは画像処理制御部24によって制御される。
・・・(中略)・・・
【0023】
なお,上記画像処理装置16において,スキャナ機能,プリント機能,コピー機能の他,ファクシミリ機能,ウェブサーバー機能,ウェブブラウザ機能を備えている。
【0024】
前記画像処理装置24は,メインコントローラ26からの命令に従い制御されるようになっている。
【0025】
メインコントロ一ラ26は,マイクロコンピュータ28を含んで構成されている。マイクロコンピュータ28は,CPU(セントラルプロセシングュニット)30,RAM(ランダムアクセスメモリ)32,ROM(リードオンリメモリ)34,I/O(入出カポート)36,及びこれらを互いに接続するデータバスやコントロールバス等のバス38を備えている。
【0026】
I/O36には,前記画像処理制御部24が接続されている。また,I/O36には,UI(ユーザインターフェイス)40が接続されている。」
(ウ)「【0032】
前述したUI40は,入力部50と表示部52とを備えたタッチパネル42と,前記入力部50からの入力情報を解析するためのUI入力情報解析部44と,前記表示部52への表示を制御するUI表示制御部46と,を有している。
【0033】
UI40は,UIプログラム実行制御部54で動作するUIプログラムに基づいて制御されるようになっている。通常,すなわちデフォルト状態では,このUIプログラム実行制御部54には,UIプログラム読込部56を介して基本UIプログラムデータメモリ58から基本UIプログラムが読み込まれて実行される。
【0034】
基本UIプログラムは,予め画像処理装置16に設定される基本的な画像処理設定画面52A(図4参照)と,この基本画像処理設定画面52Aをタッチパネル42の表示部52に表示し,かつ入力部50での指示を受け付けるためのプログラムである。
【0035】
基本画像処理設定画面52Aでは,前記基本UIプログラム実行時の,画像処理のためのパラメータ(要素項目)を設定する。
【0036】
また,UI40は,図2で示したメインコントローラ26のI/O36を介して,画像処理制御部24と接続されており,画像処理指示,或いは画像処理に関わるジョブ履歴等を含む画像処理情報の送受信が実行される。
【0037】
なお,画像処理指示には,画像処理に必要なパラメータ(カラー/白黒設定,用紙サイズ設定,印刷面設定,濃度設定等を含む要素項目)がUI40によって設定されており,当該パラメータ情報が併せて送出される。
【0038】
UI入力情報解析部44には,通信指示部60が接続されている。
【0039】
UI入力情報解析部44での解析の結果,通信指示の場合には,その情報が通信指示部60へ送出される。通信指示60では,通信管理部62に対して,通信網12を介して外部との通信を開始,又は終了するように指示する。すなわち,通信管理部62は,ブラウザとして機能しており,画像処理制御部24にも接続され,本実施の形態の画像処理装置16(メインコトローラ26)と外部との通信全般を管理している。
【0040】
なお,外部との通信全般とは,例えば,ジョブフローサービス用指示書の受信,画像データの外部への配信,定期又は不定期での自己診断情報のメーカ等への送信,画像処理制御に関するドライバ等のバージョンアップや,新バージョンに関する設定変更プログラム等の受信等が挙げられる。
【0041】
通信管理部62は,通信情報送受信部64に接続されている。通信情報送受信部64は,通信網12との通信状態で情報を送出する共に,受信した情報を仕分ける役目を有する。
【0042】
通信情報送受信部64において通信網12を介して画像データ(記述言語等を含む)を受信した場合には,当該画像データを画像データ受付部66で受け付ける。画像データ受付部66は,前記画像処理制御部24に接続されており,受け付けた画像データは画像処理制御部24へ送出され,画像処理が実行される。
【0043】
ここで,通信情報送受信部64には,特別UIプログラムデータ受付部68が接続されている。通信情報送受信部68にジョブフローサービスの範疇となる特別UIプログラムデータを受信した場合は,これを特別UIプログラムデータ受付部68で受け付けるようになっている。
【0044】
特別UIプログラムとは,例えば,ユーザーからの要望によって作成される特別画像処理設定画面52B(図5参照)と,この特別な画像処理設定画面をタッチパネル42の表示部52に表示し,かつ入力部50での指示を受け付けるためのプログラムである。
【0045】
ところで,図4には,基本画像処理設定画面52Aが示されており,この基本画像処理設定画面52Aと,図5に示す特別画像処理設定画面52Bは,一目瞭然に各要素項目が少なく,かつ基本的な画像処理設定画面52Aの各要素項目の表示に比べて大きな表示であり,指定操作が容易となっている(らくらくコピー操作)。」
(エ)「【0063】
次に,図8は,メインメニュー画面52D(図6(B)参照)におけるボタン操作時の処理ルーチンであり,ステップ120では,ボタン指示がコピーか否かが判断され,否定判定,すなわちコピー以外の指示の場合は,ステップ122へ移行して,指示された他の処理を実行し,このルーチンは終了する。なお,他の処理について,本実施の形態と直接関係ないので,ここでは,省略する。
【0064】
一方,ステップ120で肯定判定されると,指示内容がコピーと判断し,ステップ124へ移行する。ステップ124では,「コピー」ボタンが操作されたか,『らくらくコピー』ボタンが操作されたが判断される。
【0065】
ステップ124で,図6に示す「コピー」ボタンが操作されたと判断された場合には,ステップ124からステップ126へ移行して基本UIプログラムを読み込み,ステップ128へ移行して基本UIプログラムを起動し,次いでステップ130で,図4に示す基本画像処理設定画面52Aを表示して,このルーチンは終了する。
【0066】
また,ステップ124で『らくらくコピー』ボタンが操作されたと判断された場合には,ステップ124からステップ132へ移行して特別UIプログラムを読み込み,ステップ134へ移行して特別UIプログラムを起動し,次いでステップ136で,図5に示す特別画像処理設定画面52Bを表示して,このルーチンは終了する。」
(オ)図4 (画面の名称(赤字)は,当審で付加した。以下同様。)
(カ)図5
上記図5では,矩形内に,「フルカラー」,「片面=>片面」,「用紙 A4」および「濃度 普通」と表示されており,さらに,各矩形の右側に黒い逆三角形が表示されている。
ここで,グラフィカルユーザインターフェースの技術分野において,一般に,黒い逆三角形は,クリックすることで,複数の選択肢を表示可能な部品である。
したがって,特別画像処理設定画面52Bにおいて,右側に黒い逆三角形を伴い,内部に「フルカラー」,「片面=>片面」,「用紙 A4」および「濃度 普通」と表示された矩形は,上記(ウ)の段落【0037】の「画像処理に必要なパラメータ(カラー/白黒設定,用紙サイズ設定,印刷面設定,濃度設定等を含む要素項目)」を設定可能に表示したものであると認められる。
(キ)図6(B)
イ 引用発明
上記アの引用文献1の,特に下線を付加した記載に着目すると,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「画像処理装置16は,画像読取デバイス20と画像形成デバイス22を備えており,画像読取デバイス20と画像形成デバイス22とは画像処理制御部24によって制御され,
上記画像処理装置16において,スキャナ機能,プリント機能,コピー機能の他,ファクシミリ機能,ウェブサーバー機能,ウェブブラウザ機能を備えており,
前記画像処理装置24は,メインコントローラ26からの命令に従い制御されるようになっており,
メインコントロ一ラ26は,マイクロコンピュータ28を含んで構成され,マイクロコンピュータ28は,CPU(セントラルプロセシングュニット)30,RAM(ランダムアクセスメモリ)32,ROM(リードオンリメモリ)34,I/O(入出カポート)36,及びこれらを互いに接続するデータバスやコントロールバス等のバス38を備えており,
I/O36には,前記画像処理制御部24が接続され,また,I/O36には,UI(ユーザインターフェイス)40が接続されており,
UI40は,入力部50と表示部52とを備えたタッチパネル42と,前記入力部50からの入力情報を解析するためのUI入力情報解析部44と,前記表示部52への表示を制御するUI表示制御部46と,を有しており,
UI40は,UIプログラム実行制御部54で動作するUIプログラムに基づいて制御されるようになっており,このUIプログラム実行制御部54には,UIプログラム読込部56を介して基本UIプログラムデータメモリ58から基本UIプログラムが読み込まれて実行され,
基本UIプログラムは,予め画像処理装置16に設定される基本的な画像処理設定画面52Aと,この基本画像処理設定画面52Aをタッチパネル42の表示部52に表示し,かつ入力部50での指示を受け付けるためのプログラムであり,
基本画像処理設定画面52Aでは,前記基本UIプログラム実行時の,画像処理のためのパラメータ(要素項目)を設定し,
また,UI40は,I/O36を介して,画像処理制御部24と接続されており,画像処理指示,或いは画像処理に関わるジョブ履歴等を含む画像処理情報の送受信が実行され,画像処理指示には,画像処理に必要なパラメータ(カラー/白黒設定,用紙サイズ設定,印刷面設定,濃度設定等を含む要素項目)がUI40によって設定されており,当該パラメータ情報が併せて送出され,
UI入力情報解析部44には,通信指示部60が接続されており,通信指示60では,通信管理部62に対して,通信網12を介して外部との通信を開始,又は終了するように指示しており,
通信管理部62は,通信情報送受信部64に接続されており,通信情報送受信部64には,特別UIプログラムデータ受付部68が接続されており,通信情報送受信部68にジョブフローサービスの範疇となる特別UIプログラムデータを受信した場合は,これを特別UIプログラムデータ受付部68で受け付けるようになっており,
特別UIプログラムとは,例えば,ユーザーからの要望によって作成される特別画像処理設定画面52Bと,この特別な画像処理設定画面をタッチパネル42の表示部52に表示し,かつ入力部50での指示を受け付けるためのプログラムであり,
基本画像処理設定画面52Aと,特別画像処理設定画面52Bは,一目瞭然に各要素項目が少なく,かつ基本的な画像処理設定画面52Aの各要素項目の表示に比べて大きな表示であり,指定操作が容易となっている(らくらくコピー操作)であり,
特別画像処理設定画面52Bにおいて,右側に黒い逆三角形を伴い,内部に「フルカラー」,「片面=>片面」,「用紙 A4」および「濃度 普通」と表示された矩形は,「画像処理に必要なパラメータ(カラー/白黒設定,用紙サイズ設定,印刷面設定,濃度設定等を含む要素項目)」を設定可能に表示したものであり,
メインメニュー画面52Dにおけるボタン操作時の処理ルーチンにおいて,
「コピー」ボタンが操作されたか,『らくらくコピー』ボタンが操作されたが判断され,
「コピー」ボタンが操作されたと判断された場合には,基本UIプログラムを読み込み,基本UIプログラムを起動し,基本画像処理設定画面52Aを表示し,
『らくらくコピー』ボタンが操作されたと判断された場合には,特別UIプログラムを読み込み,特別UIプログラムを起動し,特別画像処理設定画面52Bを表示する
UI(ユーザインターフェイス)40を備えた画像処理装置16。」
(2)引用文献2の記載事項と引用文献2記載発明
原査定の拒絶理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0091】
図9は,複数の機能グループアイコンからなる機能グループアイコンの設定画面例を示す図で,図10は,登録された機能グループアイコンの表示例を示す図である。ここでは,第1の表示領域301に表示されている機能グループアイコンのうち,選択された複数の機能グループアイコンを一つの新たな機能グループアイコンとして登録することができる。
【0092】
プリンタドライバの設定画面には,第3の表示領域303と第5の表示領域305が設けられている。そして,第5の表示領域305には,新たな機能グループアイコンを登録するためのボタン"Add"351と,登録された機能グループアイコンを削除するためのボタン"Delete"352とが設けられている。
【0093】
そして,機能グループアイコンの登録用ボタン"Add"351をユーザがポインティングすると,図9に示すような機能グループアイコンの登録領域901が表示される。この場合,第1の表示領域301に表示されている機能グループアイコンのうち,複数の機能グループアイコン(ここでは"Copies"311と"N-Up313")が選択されている状態で,ボタン"Add"351をポインティングして,図9のような機能グループアイコンの登録領域901を別に表示させると,選択されている機能グループアイコンがアイコン名登録部902に表示される。ユーザはその表示を確認して,表示されている機能グループアイコンを新たな機能グループアイコンとして登録するのであればOKボタン903をポインティングする。これにより,アイコン名登録部902に表示された機能グループアイコンが,新たな一つの機能グループアイコンとして登録される。
【0094】
上記の例で登録された新たな機能グループアイコン"CopiesとN-Up"332は,プリンタドライバの設定画面のグループアイコン表示用領域である第3の表示領域303に表示される。そしてユーザは,第3の表示領域303に表示された機能グループアイコンを選択することにより,一度のアイコン選択操作によって,複数の機能グループアイコンを選択したときと同様の設定画面を表示させることができる。」
イ 図9
ウ 図10
エ 上記ア~ウより,特に下線部に着目すると,引用文献2には,以下の発明(以下,「引用文献2記載発明)という。)が記載されていると認められる。
「第1の表示領域301に表示されている機能グループアイコンのうち,選択された複数の機能グループアイコンを一つの新たな機能グループアイコンとして登録することができる機能グループアイコンであって,
機能グループアイコンの登録用ボタン"Add"351をユーザがポインティングすると,機能グループアイコンの登録領域901が表示され,第1の表示領域301に表示されている機能グループアイコンのうち,複数の機能グループアイコン(ここでは"Copies"311と"N-Up313")が選択されている状態で,ボタン"Add"351をポインティングして,機能グループアイコンの登録領域901を別に表示させると,選択されている機能グループアイコンがアイコン名登録部902に表示され,ユーザはその表示を確認して,表示されている機能グループアイコンを新たな機能グループアイコンとして登録するのであればOKボタン903をポインティングし,これにより,アイコン名登録部902に表示された機能グループアイコンが,新たな一つの機能グループアイコンとして登録され,
登録された新たな機能グループアイコン"CopiesとN-Up"332は,プリンタドライバの設定画面のグループアイコン表示用領域である第3の表示領域303に表示されるものであり,
ユーザは,第3の表示領域303に表示された機能グループアイコンを選択することにより,一度のアイコン選択操作によって,複数の機能グループアイコンを選択したときと同様の設定画面を表示させることができる機能グループアイコン。」
(3)引用文献3記載事項
原査定の拒絶理由に引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0030】本実施の形態のシステムでは,パソコン等のデスクトップ1上に,図1に示すように,プリントアイコン11とファイルアイコンとして原稿ファイルを示すアイコン,すなわち原稿ファイルアイコン12とが表示されている。少なくとも原稿ファイルアイコン12は,ポインタ2によって移動させることが可能となっている。
【0032】まず,図1(a)に示すように,原稿ファイルアイコン12にポインタ2を重ね合わせマウス(図示せず)のボタンを押しながら,ポインタ2を任意の位置に移動させる(ドラッグ操作)。そして,図1(b)に示すように,原稿ファイルアイコン12をプリントアイコン11と重ねた状態でマウスのボタンを離すと原稿ファイルアイコン12の位置がプリントアイコン11と重なる位置に固定され,プリントアイコン11において設定されている条件で印刷処理が実行される。
【0033】この操作において,ファイルの印刷を行う場合,その印刷処理はプリントアイコン11において設定されている条件に基づいて印刷される。しかし,ユーザが印刷条件の設定を変更したい場合もあり得ることから,プリントアイコン11における印刷条件を変更することが可能な構成となっている。
【0036】上記プリントアイコン11は,印刷条件の設定に応じて表示が変更される構成とすることができ,ユーザにとって印刷条件が確認し易く利便性が向上する。図1に示すプリントアイコン11は,2枚の原稿を1枚の用紙に印刷するマルチショット(2in1),ステープル処理無しの条件が設定されていることを示している。
イ 図1(画面の名称,矢印および枠線(いずれも色付き)は当審で付加した。)
ウ 上記アおよびイから,特に下線部に着目すると,引用文献3には,以下の事項が記載されていると認められる。
「パソコン等のデスクトップ1上に,プリントアイコン11とファイルアイコンとして原稿ファイルを示すアイコン,すなわち原稿ファイルアイコン12とが表示されており,
原稿ファイルアイコン12は,ポインタ2によって移動させることが可能となっており,
原稿ファイルアイコン12にポインタ2を重ね合わせマウスのボタンを押しながら,ポインタ2を任意の位置に移動させ(ドラッグ操作),原稿ファイルアイコン12をプリントアイコン11と重ねた状態でマウスのボタンを離すと原稿ファイルアイコン12の位置がプリントアイコン11と重なる位置に固定され,プリントアイコン11において設定されている条件で印刷処理が実行されるプリントアイコン11であって,
プリントアイコン11は,印刷条件の設定に応じて表示が変更される構成とすることができ,ユーザにとって印刷条件が確認し易く利便性が向上するプリントアイコン11。」
(4)引用文献4記載事項
原査定の拒絶理由に引用された引用文献4には,図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0005】
そこで,本発明は,読み出しボタンがどのような機能に関するものであるかを容易に認識可能な画像形成装置の表示制御装置を提供することを目的とする。」
イ 「【0026】
操作パネル5は,図1に示すように,本体部4において原稿載置台2の手前側部分に設けられ,図5に示すように,タッチパネル5a(表示部に相当)と操作キー5b(タッチパネル5a及び操作キー5bは,設定受付部に相当)とを有している。タッチパネル5aは,例えば液晶ディスプレイやマトリクススイッチ等で構成されており,各種画面をカラー表示する。タッチパネル5aが表示する画面としては,例えば複合機1が有する各機能の設定を行うための各種設定画面や,既に記憶部44に記憶されている機能の設定の読み出し画面P1,P2(図6,図7)等が挙げられる。ここで,図6及び図7の読み出し画面P1,P2には,記憶部44のプログラム設定登録リストから各機能の設定を読み出すための読み出しボタンK1~K5が含まれている。各読み出しボタンK1~K5は,選択可能にタッチパネル5aに表示され,読み出しボタンK1~K5上には,設定された機能の少なくとも1つを示す記号と,この機能の設定を表すべき名称とが表示される。更に,この記号は,個々に選択可能に表示されている。これにより,ユーザは,タッチパネル5a上の読み出しボタンK1~K5に直接触れることで,所望の読み出しボタンK1~K5や記号を選択することができる。尚,図6及び図7における読み出しボタンK1~K5は,上下に2つの領域を有しており,下の領域には名称が表示され,上の領域には記号が横に並んで表示されている。」
ウ 「【0031】
(2-1)プログラム設定登録リストの更新制御
複合機1の有する複数の機能のうち少なくとも1つの機能の設定が,ユーザにより操作パネル5を介してなされた場合,制御部45は,記憶部44のプログラム設定登録リスト(図4)に新たなレコードを作成し,作成した新たなレコードに操作パネル5が受け付けた機能の設定を書き込む。ここで,新たなレコードの「登録順」には,新たなレコードの直前のレコードにおける登録順の番号をインクリメントしたものが書き込まれる。新たなレコードの「名称」には,ユーザにより操作パネル5を介して任意に入力された名称が書き込まれ,「機能設定内容」には,操作パネル5により受け付けられた各機能の設定が,設定順を示す番号と共に書き込まれる。」
エ 「【0033】
(2-2)読み出し画面の表示制御
操作パネル5上のプログラムキー51Bが押された場合,制御部45は,図6及び図7に示すように,設定された機能を示す記号及びその機能の設定に対応する名称が読み出しボタンK1~K5上に表示されるように,タッチパネル5aの表示動作を制御する。具体的には,制御部45は,記憶部44のプログラム設定登録リスト(図4)から機能の設定に関するデータをレコード単位で取り出し,図3の記号対応表に基づいて,設定された各機能を示す記号を抽出する。そして,制御部45は,機能の設定に対応する名称と抽出した記号とを,各レコードに対応する読み出しボタンK1~K5上に表示させる。
【0034】
例えば,図4のプログラム設定登録リストにおいて,制御部45は,登録順"001"のレコードを取り出すと,機能設定内容"ソート""原稿サイズ混載""原稿セット向き"それぞれに対応する記号を図3の記号対応表から抽出する。そして,制御部45は,登録順"001"のレコードに対応する読み出しボタンK1(図6)に名称"通常コピー1"を表示させ,名称の上にソート/仕分け機能,原稿サイズ混載機能,原稿セット向き設定機能の各記号(具体的には,アイコン)を,左から順に表示させる。
【0035】
ここで,図6及び図7に示すように,本実施形態に係る読み出しボタンK1~K5では,3つの記号が表示可能なように,記号の配置領域が3つに区切られている。図4のプログラム設定登録リストでは,登録順が"001"から"004"までのレコードにおいては,設定された機能が3つ以下であるため,各機能を示す記号は全て表示される。しかし,登録順が"005"のレコードにおいては,設定された機能が4つであるため,各機能を示す記号全てを読み出しボタンK5に表示させることができない。このように,設定された機能の数が読み出しボタンK1~K5に表示可能な記号の上限数(第1上限数に相当)を越えている場合には,制御部45は,記号を,機能の設定順に上限数に至るまで読み出しボタンK1~K5に表示させる。具体的には,登録順が"005"のレコードにおいては,ソート機能,原稿サイズ設定機能,両面印刷機能,原稿セット向き設定機能がこの順に設定されているため,制御部45は,ソート/仕分け機能,原稿サイズ設定機能及び両面印刷機能を示す記号3つを,読み出しボタンK5に表示させる(図7)。
【0036】
尚,プログラム設定登録リストにレコードがない場合には,制御部45は,例えば登録されている機能の設定がない旨を示すメッセージを,タッチパネル5aに表示させる。
【0037】
(2-3)編集画面の表示制御
図6及び図7の読み出し画面P1,P2において,読み出しボタンK1~K5上に選択可能に表示された記号が選択された場合,制御部45は,選択された記号に対応する機能の編集画面がタッチパネル5aに表示されるように,タッチパネル5aの表示動作を制御する。
【0038】
例えば,図6の読み出し画面P1において,読み出しボタンK2上の原稿サイズ設定機能の記号(具体的には,読み出しボタンK2上の一番左側のアイコン)が選択された場合,制御部45は,図8に示すように,原稿サイズ設定機能の編集画面P3を読み出し画面P1に重ねて表示させる。」
オ 図3
カ 図6
キ 図7
ク 図8
ケ 上記ア~クより,特に下線部に着目すると,引用文献4には,以下の事項が記載されていると認められる。
「読み出しボタンがどのような機能に関するものであるかを容易に認識可能な画像形成装置の表示制御装置であって,
タッチパネル5aが表示する画面としては,例えば複合機1が有する各機能の設定を行うための各種設定画面や,既に記憶部44に記憶されている機能の設定の読み出し画面P1,P2であって,
読み出し画面P1,P2には,記憶部44のプログラム設定登録リストから各機能の設定を読み出すための読み出しボタンK1~K5が含まれており,
各読み出しボタンK1~K5は,選択可能にタッチパネル5aに表示され,読み出しボタンK1~K5上には,設定された機能の少なくとも1つを示す記号と,この機能の設定を表すべき名称とが表示されており,
この記号は,個々に選択可能に表示されており,
これにより,ユーザは,タッチパネル5a上の読み出しボタンK1~K5に直接触れることで,所望の読み出しボタンK1~K5や記号を選択することができ,
読み出しボタンK1~K5は,上下に2つの領域を有しており,下の領域には名称が表示され,上の領域には記号が横に並んで表示されており,
複合機1の有する複数の機能のうち少なくとも1つの機能の設定が,ユーザにより操作パネル5を介してなされた場合,制御部45は,記憶部44のプログラム設定登録リストに新たなレコードを作成し,作成した新たなレコードに操作パネル5が受け付けた機能の設定を書き込み,ここで,新たなレコードの「登録順」には,新たなレコードの直前のレコードにおける登録順の番号をインクリメントしたものが書き込まれ,新たなレコードの「名称」には,ユーザにより操作パネル5を介して任意に入力された名称が書き込まれ,「機能設定内容」には,操作パネル5により受け付けられた各機能の設定が,設定順を示す番号と共に書き込まれ,
操作パネル5上のプログラムキー51Bが押された場合,制御部45は,定された機能を示す記号及びその機能の設定に対応する名称が読み出しボタンK1~K5上に表示されるように,タッチパネル5aの表示動作を制御し,具体的には,制御部45は,記憶部44のプログラム設定登録リストから機能の設定に関するデータをレコード単位で取り出し,記号対応表に基づいて,設定された各機能を示す記号を抽出し,機能の設定に対応する名称と抽出した記号とを,各レコードに対応する読み出しボタンK1~K5上に表示させ,
例えば,制御部45は,登録順"001"のレコードを取り出すと,機能設定内容"ソート""原稿サイズ混載""原稿セット向き"それぞれに対応する記号を記号対応表から抽出し,登録順"001"のレコードに対応する読み出しボタンK1に名称"通常コピー1"を表示させ,名称の上にソート/仕分け機能,原稿サイズ混載機能,原稿セット向き設定機能の各記号(具体的には,アイコン)を,左から順に表示させ,
読み出し画面P1,P2において,読み出しボタンK1~K5上に選択可能に表示された記号が選択された場合,制御部45は,選択された記号に対応する機能の編集画面がタッチパネル5aに表示されるように,タッチパネル5aの表示動作を制御し,
例えば,読み出し画面P1において,読み出しボタンK2上の原稿サイズ設定機能の記号(具体的には,読み出しボタンK2上の一番左側のアイコン)が選択された場合,制御部45は,原稿サイズ設定機能の編集画面P3を読み出し画面P1に重ねて表示させる
画像形成装置の表示制御装置。」
(5)前置審査報告書で引用された引用文献5記載事項
前置審査報告書で周知技術記載文献として引用された引用文献5(特開2010-4301号)には,図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【背景技術】
【0002】
複写機や複合機などでは,ジョブの設定内容や履歴などを表示する画面に,ジョブの処理条件(機能やモード)が文字やアイコンなどで表示されている。
【0003】
たとえば,特許文献1には,コピージョブの設定内容を確認するための確認画面に,設定された複数の処理条件を文字で表示する技術が開示されている。特許文献2には,過去に設定・実行したコピージョブの履歴を一覧表示する際に,各コピージョブにおける複数の処理条件(モード)を文字で表示する技術が開示されている。特許文献3には,処理中や処理待ちなどのジョブの履歴を一覧表示する際に,各ジョブにおける複数の処理条件を文字で表示したり,1つのアイコンに集約して表示したりする技術が開示されている。特許文献4には,ジョブステータス画面の所定領域(ジョブリスト領域)に,ジョブの処理条件(処理動作の内容)をアイコンで簡潔に表示する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005-31500号公報
【特許文献2】特開平10-271248号公報
【特許文献3】特許第3499527号公報
【特許文献4】特開2001-154773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術はいずれも,ジョブにおける複数の処理条件を表示する際に,文字のみまたはアイコンのみで表示している。文字による表示は,処理条件の名称や内容を言葉で具体的に表しているため理解しやすい利点があるが,文字数が多くなると見にくくなる欠点がある。アイコンによる表示は,処理条件を絵(イメージ画)で簡潔に表しているため見やすい利点があるが,認知度や使用頻度の低い処理条件などはアイコンから内容を理解しにくい欠点がある。このように,文字またはアイコンによる表示には一長一短がある。また,いずれの処理条件が文字またはアイコンによる表示に適しているのかは,その処理条件の汎用度(一般的か特殊か)や認知度,ユーザによる使用頻度,習熟度,表示形態の嗜好などによって異なる。そのため,文字またはアイコンの一方のみに偏った表示では,ユーザに対して見やすさと理解しやすさを両立した表示を提供できていない問題がある。」
イ 図4
ウ 図5
3.対比・判断
(1)本願第1発明について
ア 本願第1発明と引用発明とを対比すると,次のことが認められる。
(ア) 引用発明において,「「コピー」ボタンが操作されたと判断された場合には,基本UIプログラムを読み込み,基本UIプログラムを起動し,基本画像処理設定画面52Aを表示」され,「基本画像処理設定画面52Aでは,前記基本UIプログラム実行時の,画像処理のためのパラメータ(要素項目)を設定」するから,「メインメニュー画面52D(図6(B)」における「コピー」ボタンは,利用者がコピーサービス処理に関する機能を設定可能なコピーサービス処理を選択するためのボタン(選択部)であるといえる。
しがたがって,本願第1発明と引用発明とは,「利用者がサービス処理に関する機能を設定可能なサービス処理を選択するための第1選択部」「を表示させ」ている点で共通しているといえる。
(イ) 引用発明の「コピー」ボタンも,『らくらくコピー』ボタンも,同一のコピーサービス処理を選択すためのボタンであるから,『らくらくコピー』ボタンは,第1選択部である「コピー」ボタンと同一の(コピー)サービス処理を選択するための第2選択部であるといえる。
また,「メインメニュー画面52D(図6(B)」において,「コピー」ボタンは左上の領域に表示され,『らくらくコピー』ボタンは左下の領域に表示されているから,両者は異なる領域に表示されているといえる。
したがって,本願第1発明と引用発明とは,「前記サービス処理と同一のサービス処理を選択するための第2選択部を前記第1選択部とは異なる領域に表示させ」ている点で共通しているといえる。
(ウ) 引用発明の「メインメニュー画面52D(図6(B)」は,タッチパネル42の表示部52に表示されるものであり,当該画面において,「コピー」ボタンは左上の領域に表示され,『らくらくコピー』ボタンは左下の領域に表示されているから,両者は表示手段であるタッチパネルの同一画面に表示されているといえる。
したがって,本願第1発明と引用発明とは,「前記第1選択部と前記第2選択部とを表示手段の同一画面に表示させ」ている点で共通しているといえる。
(エ) 引用発明の,「コピー」ボタンが操作されたと判断された場合に表示される基本画像処理設定画面52Aと,『らくらくコピー』ボタンが操作されたと判断された場合に表示される特別画像処理設定画面52Bとは,どちらもコピーサービス処理についての画面であるといえる。
また,『らくらくコピー』ボタンが操作されたと判断された場合に表示される特別画像処理設定画面52Bには,「右側に黒い逆三角形を伴い,内部に「フルカラー」,「片面=>片面」,「用紙 A4」および「濃度 普通」と表示された矩形」が表示されており,当該矩形は,「画像処理に必要なパラメータ(カラー/白黒設定,用紙サイズ設定,印刷面設定,濃度設定等を含む要素項目)」を設定可能に表示したものである。
さらに,引用発明の,「コピー」ボタンが操作されたと判断された場合に表示される基本画像処理設定画面52Aと,『らくらくコピー』ボタンが操作されたと判断された場合に表示される特別画像処理設定画面52Bにおいて,「基本画像処理設定画面52Aと,特別画像処理設定画面52Bは,一目瞭然に各要素項目が少なく,かつ基本的な画像処理設定画面52Aの各要素項目の表示に比べて大きな表示であり,指定操作が容易となっている(らくらくコピー操作)」から,「基本画像処理設定画面52A」と,「特別画像処理設定画面52B」とは異なる画面であるといえる。
したがって,本願第1発明と引用発明とは,「前記第1選択部を選択した場合に表示させる第1画面と,前記第2選択部を選択した場合に表示させる第2画面とは,どちらも前記サービス処理についての画面であり,前記第2画面には前記サービス処理に関する機能のうち前記第2選択部」,「に対応する機能についての設定値が設定可能な画面を表示させ,前記第1画面には,前記第2画面とは異なる画面を表示」している点で共通しているといえる。
(オ) 引用発明の「UI(ユーザインターフェイス)40」は,「入力部50と表示部52とを備えたタッチパネル42と,前記入力部50からの入力情報を解析するためのUI入力情報解析部44と,前記表示部52への表示を制御するUI表示制御部46と,を有して」いるから,「表示制御手段」(UI表示制御部46)を備えた「表示制御装置」であるといえる。
したがって,本願第1発明と引用発明とは,「表示させるよう制御する表示制御手段」「を備えた,表示制御装置」である点で共通しているといえる。
イ 本願第1発明と,引用発明とは,以下(ア)の点で一致し,以下(イ)の点で相違する。
(ア) 一致点
「利用者がサービス処理に関する機能を設定可能なサービス処理を選択するための第1選択部を表示させ,
前記サービス処理と同一のサービス処理を選択するための第2選択部を前記第1選択部とは異なる領域に表示させ,
前記第1選択部と前記第2選択部とを表示手段の同一画面に表示させ,
前記第1選択部を選択した場合に表示させる第1画面と,前記第2選択部を選択した場合に表示させる第2画面とは,どちらも前記サービス処理についての画面であり,前記第2画面には前記サービス処理に関する機能のうち前記第2選択部に対応する機能についての設定値が設定可能な画面を表示させ,前記第1画面には,前記第2画面とは異なる画面を表示させるよう制御する表示制御手段と,
を備えた,表示制御装置。」
(イ) 相違点
a 相違点1
本願第1発明では,第1選択部に,利用者が設定した機能を利用者に認識させられるアイコン画像を表示させているのに対して,引用発明では,このようなアイコン画像を表示していない点。
b 相違点2
本願第1発明では,第2選択部に,利用者が設定した機能を表すアイコン画像であり,当該機能を利用者に認識させられるアイコン画像を表示させているのに対して,引用発明では,このようなアイコン画像を表示していない点。
c 相違点3
本願第1発明では,「第2選択部に対応する機能についての設定値」として,「第2選択部に表示されているアイコン画像に対応する機能についての設定値」が設定可能な画面を表示されているのに対して,引用発明では,このようなアイコン画像を表示していない点。
ウ 相違点についての判断
まず,相違点1について検討する。
(ア)引用文献2記載発明の適用について
上記2(2)エより,引用文献2記載発明は,「選択された複数の機能グループアイコンを一つの新たな機能グループアイコンとして登録することができる機能グループアイコンであって,」「複数の機能グループアイコン(ここでは"Copies"311と"N-Up313")が選択されている」場合に,「CopiesとN-Up」という名称を表示する機能グループアイコンを登録できるものであり,この名称の表示は,「利用者が設定した機能を利用者に認識させられるアイコン画像」の表示には該当しない。
したがって,引用発明に引用文献2記載発明を適用しても,相違点1に係る構成には至らない。
(イ)引用文献3記載技術の適用について
上記2(3)ウより,引用文献3には,「パソコン等のデスクトップ1上に,」表示される「プリントアイコン11」であって,「原稿ファイルアイコン12」をドラッグ操作により移動させ「原稿ファイルアイコン12をプリントアイコン11と重ねた状態でマウスのボタンを離すと」「プリントアイコン11において設定されている条件で印刷処理が実行されるプリントアイコン11の技術が記載されている。
この引用文献3記載技術は,パソコン等のデスクトップにおけるマウス操作を前提としたユーザインターフェイス技術の分野に属するものであり,マウス等の座標入力用デバイスを用いたインターフェイスの利用を前提としていない引用発明のような画像処理装置とは,技術分野が相違している。
また,引用発明の第1選択部に対応するコピーボタンはユーザが選択した際に,第1画面に対応する基本画像処理設定画面52Aを表示させるものであるのに対し,引用文献3記載技術のプリントアイコン11は,「原稿ファイルアイコン12」をマウスのドラッグ操作により移動させ「原稿ファイルアイコン12をプリントアイコン11と重ねた状態でマウスのボタンを離すと」「プリントアイコン11において設定されている条件で印刷処理が実行されるものであるから,引用文献3記載技術のプリントアイコン11は,選択することによって第1画面を表示させる第1選択部に対応するものでもないから,当該技術を引用発明のコピーボタンにそのまま適用することができるものではない。
(ウ)引用文献4記載技術の適用について
上記2(4)ケより,引用文献4には,第1選択部に対応する読み出しボタン上に記号(アイコン)を表示することは記載されているものの,当該アイコンは,利用者が選択できる機能の種類を表示するものであって,利用者が設定した機能(設定値)を利用者に認識させられるアイコン画像とはいえないから,引用発明に,引用文献4記載技術を適用しても,相違点1に係る構成には至らない。
(エ)引用文献5記載技術の適用について
上記2(5)アより,前置審査報告書で周知技術記載文献として引用された引用文献5には,背景技術として,ジョブの設定内容や履歴などを表示する画面に,ジョブの処理条件(機能やモード)が文字やアイコンなどで表示することが記載されており,複数の文献が列挙されていることから,当該技術は,本願出願前に周知であったと認められる。
しかし,ジョブの設定内容や履歴などを表示する画面に表示されるジョブは,当該ジョブを選択することで,繰り返したいジョブを効率よく再実行できるものであるから,ジョブは,第1画面を表示させるための第1選択部に対応するものではないし,「利用者が設定した機能(設定値)を利用者に認識させられるアイコン画像」ともいえない。
したがって,引用発明において,第1選択部に対応するコピーボタンに,当該周知技術を適用することはできない。また,引用発明に,引用文献5記載技術を適用しても,相違点1に係る構成には至らない。
(オ)以上(ア)~(エ)より,引用発明および引用文献2記載発明,ならびに,引用文献3ないし4,引用文献5に記載の技術に基づいて,当業者は相違点1に係る構成を想到することができない。
エ 小括
したがって,上記相違点2および3について判断するまでもなく,本願第1発明は,引用発明および引用文献2記載発明,ならびに,引用文献3ないし4,引用文献5に記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
また,本願第1発明は,上記相違点1に係る構成を採用することにより,上記引用文献等を組み合わせても想定しえなかった効果である,第1画面を表示する前に,選択画面において利用者が設定した機能の設定値を利用者に認識させることを可能としている。
(2) 本願第2発明ないし本願第4発明について
本願第2発明および本願第3発明は,いずれも,本願第1発明と同一の構成を備えるものであるから,本願第1発明と同じ理由により,引用発明および引用文献2記載発明,ならびに,引用文献3ないし4,引用文献5に記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
また,本願第4発明は,本願第1発明の,発明のカテゴリを,「表示制御装置」から「表示させるよう制御する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム」へと変更したものであり,同様の構成を備えているから,本願第1発明と同様の理由により,引用発明および引用文献2記載発明,ならびに,引用文献3ないし4,引用文献5に記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
第5 むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2019-006685