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商標拒絶査定不服審判

2019-003077

審判番号
2019-003077
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2016-144367
請求日
2019年03月05日
審決日
2020年01月30日
公報発行日
2020年05月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社サンセイアールアンドディ
  • 【請求人代理人】後藤 憲秋
  • 【請求人代理人】加藤 大輝
審判長/審判官
  • 審判長 半田 正人
  • 審判官 薩摩 純一
  • 審判官 浜岸 愛
分類
T18 .261-Z (W09) / T18 .262-Z (W09) / T18 .263-Z (W09) / T18 .265-Z (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

商願2016-144367拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は,成り立たない。

理由

【理 由】 1 本願商標 本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成28年12月26日に動き商標として登録出願されたものである。 その後,上記の指定商品については,原審における平成29年11月17日付け手続補正書により,第9類「電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電気又は電子楽器用フェイザー」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,拒絶の理由に引用した登録第5225004号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成20年6月6日に登録出願,第11類「ボイラー,暖冷房装置,家庭用電熱用品類,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台」,第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守」を指定商品及び指定役務として,同21年4月24日に設定登録されたものであり,その後,令和元年5月7日に商標権の存続期間の更新登録がされ,現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について ア 本願商標は,別掲1のとおり,上端が切れている円輪郭の内側に,人差し指と親指を立てた手をデザイン化した図形(以下,円輪郭を含めて「本願図形部分」という。)と,その右側に,小さく書された「switch on」の文字(末尾の文字「n」の右上には3つの細長い逆三角形が放射状に並んでいる。以下同じ。)と,太字で大きくややデザイン化して表された「Sansei」の文字(4文字目及び6文字目の文字は,デザイン化された態様からなるものの,いずれも「s」の文字及び「i」の文字を表したものと容易に認識できる。)に,これに続けて小さく書した「R&D」の文字(以下,これらの文字部分全体を「本願文字部分」という。)を配した構成よりなる標章が時間の経過に伴って変化する動き商標であり,全体の長さは約1秒である。 具体的には,本願商標は,白地に本願図形部分及び本願文字部分が明瞭に表示された状態から,本願文字部分中の「Sansei」の文字中の「i」の上部の点から放射状に照射された光が明滅しつつ(別掲1(1)の商標登録を受けようとする商標の図番号1~7),続いて,本願図形部分の後部から放射状に照射された光が次第に本願商標の左側から右側へ移動し(同図番号6~25),最終的には2つの放射状の光は消滅して元の状態と同様に白地に本願図形部分及び本願文字部分が明瞭に表示されるもの(同図番号26)である。 そして,当該放射状の光の動きは,直ちに特定の事物を想起させるものではなく,取引者,需要者の注意を喚起するために装飾的に付加されたものと理解されるというのが相当であるから,当該放射状の光の動き自体が出所識別機能を有するとはいい難い。 そうすると,本願商標は,動きを有するとしても,最初から最後まで継続して表示されている本願図形部分及び本願文字部分が,本願商標に接する取引者,需要者に強い印象を与えるとともに,その注意を強く引くといえる。 そして,本願商標の構成中,本願図形部分及び本願文字部分は,視覚上,分離して看取し得るものである。 イ 本願図形部分は,人差し指と親指を立てた手をデザイン化した図形からなるものの,抽象化して表された図形であって,直ちに特定の事物を想起させるものではないから,本願図形部分からは,特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。 ウ 本願文字部分について検討する。 (ア)本願文字部分は,「switch on」,「Sansei」及び「R&D」の文字部分より構成されているところ,「Sansei」の文字が他の文字に比べて極めて大きく,かつ,デザイン化して書されていることに対し,「switch on」及び「R&D」の文字部分は,小さく書されていること,また,「switch on」の文字部分と「R&D」の文字部分とは離れて配されていることから,これら3つの文字部分は,それぞれ,視覚上,分離して看取し得るものである。 (イ)本願文字部分中「switch on」の文字部分は,「スイッチを入れる」(「ベーシックジーニアス英和辞典」株式会社大修館書店)を意味する熟語として一般に親しまれていること,及び末尾の文字「n」の右上に配された放射状に並んだ逆三角形は単なる文字の装飾として看取されるものといえるから,その構成文字に相応して「スイッチオン」の称呼及び「スイッチを入れる」の観念を生じるものである。 (ウ)本願文字部分中「Sansei」の文字部分は,その構成文字に相応して,「サンセイ」の称呼を生じ,また,当該文字は一般の辞書等に掲載されている既成語ではなく,特定の観念は生じないものである。 (エ)本願文字部分中「R&D」の文字部分は,その構成文字に相応して「アールアンドディ」の称呼を生じ,「research and development 研究開発」の意味を有する語(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)として一般に親しまれている。そして,本願指定商品は上記1のとおり,「電子応用機械器具,電子管,半導体素子,電子回路」等であって,企業等において研究開発が行われている商品といえるから,本願文字部分中「R&D」の文字部分は,出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるとまでは認めることができない。 エ 以上よりすると,本願商標は,その構成中,本願図形部分及び本願文字部分が,視覚上,図形部分と文字部分とに分離して看取し得るものであり,また,本願文字部分中「switch on」,「Sansei」及び「R&D」の文字部分について,それぞれ,視覚上,分離して看取し得るものであること,本願図形部分並びに「switch on」,「Sansei」及び「R&D」の文字部分が,それぞれ観念的に密接な関連性を有しているとはいえず,一連一体の称呼が生じるともいえないことからすると,それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認めることはできない。そして,本願文字部分中「R&D」の文字部分は,出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるとまでは認められない。 そうすると,本願商標は,その構成中の本願図形部分,並びに,本願文字部分中の「switch on」及び「Sansei」の文字部分が,それぞれ要部として自他商品識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。 したがって,本願商標は,その要部の一である「switch on」の文字部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるものであり,本願商標は,「switch on」の文字部分に相応して,「スイッチオン」の称呼及び「スイッチを入れる」の観念を生じるというのが相当である。 (2)引用商標について 引用商標は,別掲2のとおり,赤色で塗りつぶされた横長長方形内に白抜きで,「Switch!」の文字及び記号と,その右側にデザイン化された「on」の文字を太字で大きく表してなるところ,上記(1)ウ(イ)のとおり,「switch on」の文字は,「スイッチを入れる」を意味する親しまれた熟語であることから,「Switch」の文字に記号「!」が付されているとしても,全体として1つの観念を容易に想起するため,その構成文字全体から,「スイッチオン」の称呼及び「スイッチを入れる」の観念を生じるとみるのが自然である。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標の要部の一である「switch on」の文字部分と引用商標とを比較すると,外観においては,3つの細長い逆三角形図形の有無,赤い長方形及び「!」の記号等による差異があるものの,両者はつづり字を共通にするものであるから,外観上,近似した印象を与えるものである。 そして,称呼及び観念においては,本願商標の要部と引用商標とは,「スイッチオン」の称呼及び「スイッチを入れる」の観念を共通にするものである。 以上によれば,本願商標の要部の一である「switch on」の文字部分と引用商標とは,外観上,近似した印象を与えるものであって,称呼及び観念を共通にするものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合すると,商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 したがって,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標といえる。 (4)本願商標の指定商品と引用商標の指定役務との類否について 本願商標の指定商品中「電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム」と引用商標の指定役務中「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは,当該役務の取扱いに係る商品に,本願商標の上記指定商品が含まれるものであり,商品の販売と,その商品を取り扱う小売役務の提供とが同一の者によって行われることは,商取引上,しばしば見受けられるものである。 そうすると,当該商品の販売場所や需要者の範囲が,当該役務の提供場所や需要者の範囲と一致することも,少なからずあることから,本願商標の上記指定商品と引用商標の上記指定役務に同一又は類似する商標が使用された場合,両者は,その出所について混同を生ずるおそれがある,互いに類似するものというべきである。 (5)小括 以上によれば,本願商標は,引用商標と類似する商標であって,また,本願商標の指定商品と引用商標の指定役務も類似するものである。 したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (6)請求人の主張について ア 請求人は,本願商標と引用商標とは,「switch on」の文字部分から生ずる称呼が共通するとしても,商標自体の種類ないし基本的構成態様が全く異なるものであり,特に本願商標は,「動き商標」としてそれらの「動き」に合わせて商標の外観を認定するべきであるから非類似の商標である旨主張する。 しかしながら,本願商標と引用商標とは上記(3)のとおり,「スイッチオン」の称呼及び「スイッチを入れる」の観念を共通にする互いに類似する商標といえるものであり,商標の類否は同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべきであるから,商標自体の種類ないし基本的構成態様の違いは,上記判断を左右するものではない。 イ 請求人は,本願商標を構成する手形図形部分は,人差し指と親指を立てた手が円で囲まれていて,人差し指がその円から飛び出ている様子をデザイン化した特異な形状であって,請求人が長年にわたってウェブないし広告等で広く使用しているアイキャッチマークである「スイッチオン図形」と呼ばれるもので,「switch on」の文字部分とともに,取引者,需要者の間にも広く知られていること,また,動き商標である本願商標も,その指定商品をはじめとして,請求人のインターネットホームページやその他のパブリシティにおいて請求人を表示する標章として広く使用されている旨主張する。 しかしながら,本願図形部分及び動き商標である本願商標が請求人を表示する標章として取引者,需要者の間に広く知られていることを認めるに足りる証拠はない。 ウ したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用することができない。 (7)まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。 よって,結論のとおり審決する。

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2019-003077

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